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公開番号2025009582
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023117685
出願日2023-07-19
発明の名称溝谷型土石流降雨閾値の計算方法
出願人成都理工大学
代理人TRY国際弁理士法人
主分類G01W 1/00 20060101AFI20250109BHJP(測定;試験)
要約【課題】溝谷型土石流降雨閾値の計算方法を提供する。
【解決手段】異なる再現期の降雨条件での流出量ハイドログラフ、異なる計算ユニットの水動力強度を算出した上で、溝谷型土石流の起動に必要な臨界水動力強度を算出し、土石流形成領域の異なる計算ユニットの水動力強度と溝谷型土石流の起動の臨界水動力強度を比較して、計算ユニットの安定性を判定し、不安定ユニットがある面積の割合を計算し、該当する降雨イベントが土石流につながるか否かを判定する。本発明の利点は、溝谷型土石流が発生したか否かだけではなく、土石流の発生規模も判断できるため、より良い適用性を有することである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
溝谷型土石流降雨閾値の計算方法であって、以下のステップを含み、
S1、溝谷型土石流流域の極端な降雨特徴を得、溝谷型土石流の異なる降雨再現期の降雨強度を計算し、
S2、S1ステップにおける異なる降雨再現期の降雨強度を入力とし、溝谷型土石流流域の異なる再現期の降雨条件での流出量ハイドログラフを算出し、
S3、S2ステップで得られた流出量ハイドログラフを入力とし、溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力条件を算出することによって、溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力強度を算出し、
S4、溝谷型土石流流域の基本資料を得、溝谷型土石流の起動に必要な臨界水動力強度を算出し、
S5、S3ステップで得られた溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力強度とS4ステップで得られた溝谷型土石流の起動の臨界水動力強度を比較し、算出された水動力強度が臨界水動力強度以上の場合、この計算ユニットが不安定ユニットであり、算出された水動力強度が臨界水動力強度未満の場合、この計算ユニットが安定ユニットであり、不安定ユニットの総面積及び土石流流域全体の割合を計算することによって、異なる再現期の降雨条件で溝谷型土石流が発生するか否かを判断する、ことを特徴とする溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。
続きを表示(約 2,400 文字)【請求項2】
ステップS1における極端な降雨特徴は、溝谷型土石流流域の5年に一度、10年に一度、20年に一度及び100年に一度の極端な降雨データを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。
【請求項3】
ステップS1における溝谷型土石流の異なる降雨再現期の降雨強度は以下の式で計算し、
JPEG
2025009582000034.jpg
6
170
JPEG
2025009582000035.jpg
5
170
は溝谷型土石流流域の平均値降雨量で、mmである、ことを特徴とする請求項2に記載の溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。
【請求項4】
ステップS2において、溝谷型土石流流域の異なる再現期の降雨条件での流出量ハイドログラフは以下の式で計算し、
JPEG
2025009582000036.jpg
18
170
式において、Qは土石流流域の地表流出深さで、mmであり、Cは降雨量で、mmであり、Aは土石流流域の含水量で、mmであり、A
max
は土石流流域の最大含水量mmであり、Dは土石流流域の地表流出係数であり、Bは土石流流域の地表流出閾値である、ことを特徴とする請求項1に記載の溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。
【請求項5】
ステップS3における溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力条件は以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000037.jpg
11
170
式においてtは時間を表し、aは流量変数を含むベクトルであり、bとcはそれぞれxとy方向の流量ベクトルであり、E

とE

はそれぞれ床面勾配と摩擦効果源項ベクトルであり、
ここで、aは以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000038.jpg
19
170
bは以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000039.jpg
24
170
cは以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000040.jpg
29
170


は以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000041.jpg
35
170


は以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000042.jpg
38
170
式(4)、(5)、(6)、(7)と(8)において、hは水深で、mであり、uはx方向での流出速度で、m/sであり、vはy方向での流出速度で、m/sであり、ρは水密度で、kg/m

であり、gは重力加速度であり、θは溝床の勾配で、°であり、μ

は水流と地面との摩擦応力のx方向の成分で、Paであり、μ

は水流と地面との摩擦応力のy方向の成分で、Paである、ことを特徴とする請求項1に記載の溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。
【請求項6】
ステップS3におけるμ

は以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000043.jpg
7
170
μ

は以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000044.jpg
7
170
式(9)と(10)におけるδは粗さ係数であり、以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000045.jpg
6
170
式においてηはマニング係数を表す、ことを特徴とする請求項5に記載の溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。
【請求項7】
ステップS3における溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力強度F

は以下の式で計算し、
JPEG
2025009582000046.jpg
12
170
式において、d
50
は溝谷型土石流の物質源土質量の累計含有量が50%に達する時に対応する粒径を表し、ρ

は物質源土の密度を表し、g/cm

である、ことを特徴とする請求項6に記載の溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。
【請求項8】
ステップS4において、溝谷型土石流の起動に必要な臨界水動力強度Fcは以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000047.jpg
5
170
ここで、X=0.407ln(142tanθ)であり、θは土石流流域の溝床勾配を表し、°である、ことを特徴とする請求項1に記載の溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。
【請求項9】
ステップS5において、不安定ユニットの総面積の占める割合が10%以上の場合、この降雨イベントが土石流の発生につながると判断し、不安定ユニットの総面積の占める割合が10%未満の場合、この降雨イベントが土石流の発生につながらないと判断し、溝谷型土石流を誘発する降雨イベントと土石流を誘発できない降雨イベントを区別することにより、溝谷型土石流の降雨閾値を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の溝谷型土石流降雨閾値の計算方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、土石流防除工事の技術分野に関し、特に溝谷型土石流降雨閾値の計算方法に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
溝谷型土石流とは、通常坂道侵食を主とする土石流であり、南西山岳地帯の流域でよく発生するものであり、応用が簡単で必要なパラメータが少ないため、現在最も広い降雨閾値モデルを使用しているのは、経験統計に基づく降雨閾値モデルである。経験統計に基づく溝谷型土石流降雨閾値の決定は、一般的に溝谷型土石流を誘発する歴史的降雨イベントを統計し、その降雨強度、経時的条件を両対数座標にプロットし、関連統計分析ソフトウェアを用いてこれらのデータポイントの下限百分水平線をフィッティングし、このベキ指数曲線又は線形線が対応する降雨閾値である。その中で最もよく使われるのはI-Dモデルで、Iは平均降雨強度を表し、Dは降雨経時時間を表している。経験統計に基づく降雨閾値であるI-D閾値モデルは応用が簡単であるが、土石流の誘発は降雨量だけで決まるわけではないため、地形、物質源条件の違いなどはすべて閾値モデルの予測結果に影響する。経験統計に基づく降雨閾値は岩土体と外界環境の作用メカニズムを考慮しないため、多くの誤判定が発生する。
【0003】
溝谷型土石流の誘発に対して、溝内の超強力な水動力条件は根本的な制御要素であるため、現在、いくつかの研究は、水文過程と溝谷型土石流の降雨閾値を結び付けて、水文モデルで異なる降雨条件又は異なる降雨イベントでの溝谷ピーク流量を計算し、そして、算出された溝谷ピーク流量と溝谷型土石流を誘発する臨界流量を比較する。即ち、算出された溝谷ピーク流量が溝谷型土石流を誘発するピーク流量以上であれば、この降雨イベントは溝谷型土石流を誘発すると考え、算出された溝谷ピーク流量が溝谷型土石流を誘発するピーク流量未満であれば、この降雨イベントは溝谷型土石流を誘発しないと考え、溝谷型土石流が発生する降雨閾値を決定する。しかし、現在溝谷ピーク流出量に基づく溝谷型土石流降雨閾値の計算方法は、溝谷型土石流が発生したか否かしか判断できなく、溝谷型土石流の発生規模、どこで発生するかについては判断できないため、限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来の技術の欠点を克服し、溝谷型土石流降雨閾値の計算方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、以下の技術案によって実現され、溝谷型土石流降雨閾値の計算方法であって、以下のステップを含み、
S1、溝谷型土石流流域の極端な降雨特徴を得、溝谷型土石流の異なる降雨再現期の降雨強度を計算し、
S2、S1ステップにおける異なる降雨再現期の降雨強度を入力とし、溝谷型土石流流域の異なる再現期の降雨条件での流出量ハイドログラフを算出し、
S3、S2ステップで得られた流出量ハイドログラフを入力とし、溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力条件を算出することによって、溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力強度を算出し、
S4、溝谷型土石流流域の基本資料を得、溝谷型土石流の起動に必要な臨界水動力強度を算出し、
S5、S3ステップで得られた溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力強度とS4ステップで得られた溝谷型土石流の起動の臨界水動力強度を比較し、算出された水動力強度が臨界水動力強度以上の場合、この計算ユニットが不安定ユニットであり、算出された水動力強度が臨界水動力強度未満の場合、この計算ユニットが安定ユニットであり、不安定ユニットの総面積及び土石流流域全体の割合を計算することによって、異なる再現期の降雨条件での溝谷型土石流の発生規模を判断する。
【0006】
具体的には、ステップS1における極端な降雨特徴は、溝谷型土石流流域の5年に一度、10年に一度、20年に一度及び100年に一度の極端な降雨を含む。
【0007】
具体的には、ステップS1における溝谷型土石流の異なる降雨再現期の降雨強度は以下の式で計算でき、
JPEG
2025009582000002.jpg
6
170
JPEG
2025009582000003.jpg
5
170
は溝谷型土石流流域の平均値降雨量で、mmである。
【0008】
具体的には、ステップS2において、溝谷型土石流流域の異なる再現期の降雨条件での流出量ハイドログラフは以下の式で計算し、
JPEG
2025009582000004.jpg
18
170
式において、Qは土石流流域の地表流出深さで、mmであり、Cは降雨量で、mmであり、Aは土石流流域の含水量で、mmであり、A
max
は土石流流域の最大含水量mmであり、Dは土石流流域の地表流出係数であり、Bは土石流流域の地表流出閾値である。
【0009】
具体的には、ステップS3における溝谷型土石流流域の異なる計算ユニットの水動力条件は以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000005.jpg
11
170
式においてtは時間を表し、aは流量変数を含むベクトルであり、bとcはxとy方向の流量ベクトルであり、E

とE

はそれぞれ床面勾配と摩擦効果源項ベクトルであり、
ここで、aは以下の式で求められ、
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2025009582000006.jpg
19
170
bは以下の式で求められ、
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2025009582000007.jpg
24
170
cは以下の式で求められ、
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2025009582000008.jpg
29
170


は以下の式で求められ、
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2025009582000009.jpg
35
170


は以下の式で求められ、
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2025009582000010.jpg
38
170
式(4)、(5)、(6)、(7)と(8)において、hは水深で、mであり、uはx方向での流出速度で、m/sであり、vはy方向での流出速度で、m/sであり、ρは水密度で、kg/m

であり、gは重力加速度であり、θは溝床の勾配で、°であり、μ

は水流と地面との摩擦応力のx方向の成分で、Paであり、μ

は水流と地面との摩擦応力のy方向の成分で、Paである。
【0010】
具体的には、ステップS3におけるμ

は以下の式で求められ、
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2025009582000011.jpg
7
170
μ

は以下の式で求められ、
JPEG
2025009582000012.jpg
7
170
式(9)と(10)におけるδは粗さ係数であり、以下の式で求められ、
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2025009582000013.jpg
6
170
式においてηはマニング係数を表す。
(【0011】以降は省略されています)

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