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公開番号2025009386
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023112361
出願日2023-07-07
発明の名称共振型インバータ
出願人株式会社GSユアサ
代理人個人,個人,個人
主分類H02M 7/48 20070101AFI20250110BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】共振インダクタに蓄積されたエネルギーの経路となる無損失の補助共振回路を、主回路よりも低耐圧の素子で構成できる共振型インバータを提供する。
【解決手段】共振型インバータ1は、3レベルコンバータであり、放電時にゼロ電圧ターンオン制御で動作する。補助共振回路2は、電流極性が共振インダクタLrから中性点Aの方向に限定され、スイッチ素子Tr6によって開閉される負側共振経路rnを備える。補助共振回路2は、電流極性が共振インダクタLrから正側直流ラインPの方向に限定された正側回生経路(D3+Dsp)を備える。補助共振回路2は、電流極性が負側直流ラインNから共振インダクタLrの方向に限定された負側回生経路(D4+Dsn)を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
正側直流ラインと負側直流ラインとの間に直列に接続された正側キャパシタと負側キャパシタとからなり、前記正側キャパシタと前記負側キャパシタとの接続点が中性点となる中性点クランプ回路と、
前記正側直流ラインと前記負側直流ラインとの間に直列に接続された上アームスイッチと下アームスイッチとからなり、前記上アームスイッチと前記下アームスイッチとの接続点がインバータ電流の入出力点となるメインレグと、
前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチに並列に接続された第1共振キャパシタ及び第2共振キャパシタと、
前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチに逆並列に接続された第1逆並列ダイオード及び第2逆並列ダイオードと、
電流極性が前記中性点から前記入出力点の方向に限定された正側極性経路及び電流極性が前記入出力点から前記中性点の方向に限定された負側極性経路をそれぞれ開閉する正側中性相スイッチ及び負側中性相スイッチを有する中性相レグと、
前記入出力点に一端が接続された共振インダクタを含む補助共振回路と、を備え、
前記補助共振回路は、
電流極性が前記中性点から前記共振インダクタの方向に限定され、正側共振スイッチによって開閉される正側共振経路と、
電流極性が前記共振インダクタから前記中性点の方向に限定され、負側共振スイッチによって開閉される負側共振経路と、
電流極性が前記共振インダクタから前記正側直流ラインの方向に限定された正側回生経路と、
電流極性が前記負側直流ラインから前記共振インダクタの方向に限定された負側回生経路と、を備える共振型インバータ。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記上アームスイッチと前記負側中性相スイッチとをデッドタイムを挟んで交番制御する放電動作時において、前記正側中性相スイッチは、前記負側中性相スイッチと同時にターンオフ制御される請求項1に記載の共振型インバータ。
【請求項3】
前記上アームスイッチのターンオン制御前の前記デッドタイムに前記正側共振スイッチをターンオン制御されると共に、前記上アームスイッチのターンオン制御後に前記正側共振スイッチをターンオフ制御される請求項2に記載の共振型インバータ。
【請求項4】
前記正側共振スイッチは、前記上アームスイッチのターンオン制御のタイミングの、前記正側共振スイッチのターンオン制御によって前記インバータ電流の前記共振インダクタへの転流が完了するまでの正側第1転流時間と、前記共振インダクタと前記第1共振キャパシタ及び第2共振キャパシタとによる共振の1/2周期である共振時間とを加算した時間前のタイミングでターンオン制御される請求項2に記載の共振型インバータ。
【請求項5】
前記正側共振スイッチは、前記上アームスイッチのターンオン制御のタイミングの、前記上アームスイッチのターンオン制御によって前記共振インダクタからの共振インダクタ電流の前記上アームスイッチへの転流が完了するまでの正側第2転流時間後のタイミングでターンオフ制御される請求項2に記載の共振型インバータ。
【請求項6】
前記下アームスイッチと前記正側中性相スイッチとをデッドタイムを挟んで交番制御する放電動作時において、前記負側中性相スイッチは、前記正側中性相スイッチと同時にターンオフ制御される請求項1に記載の共振型インバータ。
【請求項7】
前記下アームスイッチのターンオン制御前の前記デッドタイムに前記負側共振スイッチをターンオン制御されると共に、前記下アームスイッチのターンオン制御後に前記負側共振スイッチをターンオフ制御される請求項6に記載の共振型インバータ。
【請求項8】
前記負側共振スイッチは、前記下アームスイッチのターンオン制御のタイミングの、前記負側共振スイッチのターンオン制御によって前記インバータ電流の前記共振インダクタへの転流が完了するまでの負側第1転流時間と、前記共振インダクタと前記第1共振キャパシタ及び第2共振キャパシタとによる共振の1/2周期である共振時間とを加算した時間前のタイミングでターンオン制御される請求項6に記載の共振型インバータ。
【請求項9】
前記負側共振スイッチは、前記下アームスイッチのターンオン制御のタイミングの、前記下アームスイッチのターンオン制御によって前記共振インダクタからの共振インダクタ電流の前記下アームスイッチへの転流が完了するまでの負側第2転流時間後のタイミングでターンオフ制御される請求項6に記載の共振型インバータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、補助共振回路を有する共振型インバータに関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
無停電電源装置等の蓄電システムは、蓄電装置と、外部の電力系統と蓄電装置との間で交流と直流との変換を行うインバータを内蔵したPCS(パワーコンディショナユニット)を備えている。蓄電装置は、例えば、複数の蓄電素子を有する蓄電モジュールを複数備えて構成される。近年、蓄電装置は、高電圧化、大容量化が進んでいる。
【0003】
蓄電装置の高電圧化、大容量化に伴って、インバータにおけるスイッチング損失および電磁干渉(EMI)ノイズの増大が大きな問題となる。スイッチング損失およびEMIノイズを低減させる方法として、共振型インバータが用いられている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5195161号公報
特許第5569204号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の共振型インバータは、全スイッチがオフの時、共振インダクタに蓄積されたエネルギーの経路は、スナバ回路によって確保されているが、スナバ損失によって効率が低下する。
【0006】
特許文献2の共振型インバータは、全スイッチがオフの時、共振インダクタに蓄積されたエネルギーを補助共振回路によって無損失で直流リンクへ回生している。補助共振回路は、共振インダクタに蓄積されたエネルギーの経路となり、スナバ損失も発生しない。しかし、補助回路は、主回路と同じ高耐圧の素子が必要になる。高耐圧の素子は、種類が少ないうえ,スイッチングスピードが遅く効率の悪化が懸念される。
【0007】
本発明の一態様は、共振インダクタに蓄積されたエネルギーの経路となる無損失の補助共振回路を、主回路よりも低耐圧の素子で構成できる共振型インバータを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、正側直流ラインと負側直流ラインとの間に直列に接続された正側キャパシタと負側キャパシタとからなり、前記正側キャパシタと前記負側キャパシタとの接続点が中性点となる中性点クランプ回路を備える共振型インバータである。前記共振型インバータは、前記正側直流ラインと前記負側直流ラインとの間に直列に接続された上アームスイッチと下アームスイッチとからなり、前記上アームスイッチと前記下アームスイッチとの接続点がインバータ電流の入出力点となるメインレグを備える。前記共振型インバータは、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチに並列に接続された第1共振キャパシタ及び第2共振キャパシタを備える。前記共振型インバータは、前記上アームスイッチ及び前記下アームスイッチに逆並列に接続された第1逆並列ダイオード及び第2逆並列ダイオードを備える。前記共振型インバータは、電流極性が前記中性点から前記入出力点の方向に限定された正側極性経路及び電流極性が前記入出力点から前記中性点の方向に限定された負側極性経路をそれぞれ開閉する正側中性相スイッチ及び負側中性相スイッチを有する中性相レグを備える。前記共振型インバータは、前記入出力点に一端が接続された共振インダクタを含む補助共振回路を備える。前記補助共振回路は、電流極性が前記中性点から前記共振インダクタの方向に限定され、正側共振スイッチによって開閉される正側共振経路を備える。前記補助共振回路は、電流極性が前記共振インダクタから前記中性点の方向に限定され、負側共振スイッチによって開閉される負側共振経路を備える。前記補助共振回路は、電流極性が前記共振インダクタから前記正側直流ラインの方向に限定された正側回生経路を備える。前記補助共振回路は、電流極性が前記負側直流ラインから前記共振インダクタの方向に限定された負側回生経路を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、共振インダクタに蓄積されたエネルギーの経路となる無損失の補助共振回路は、正側共振経路及び負側共振経路によって中性点の電圧にクランプされるため、補助共振回路を構成する素子は、主回路であるメインレグの素子よりも低耐圧の素子で構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
共振型インバータの実施の形態の1相分の回路構成を示す図である。
図1に示す共振型インバータの放電動作を示すタイミングチャートである。
図2に示す各モードの動作を示す図である。
正方向のクランプスナバ動作を示すタイミングチャートである。
図4に示すモード5Aの動作を示す図である。
図1に示す共振型インバータの放電動作を示すタイミングチャートである。
図6に示す各モードの動作を示す図である。
負方向のクランプスナバ動作を示すタイミングチャートである。
図8に示すモード15Aの動作を示す図である。
図1に示す共振型インバータの充電動作を示すタイミングチャートである。
図10に示す各モードの動作を示す図である。
図1に示す共振型インバータの放電動作を示すタイミングチャートである。
図12に示す各モードの動作を示す図である。
図1に示す補助共振回路の第1適用例を示す図である。
図1に示す共振型インバータの第2適用例を示す図である。
図1に示す共振型インバータの第3適用例を示す図である。
図16に示す共振型インバータの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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