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公開番号2025008818
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-20
出願番号2023111354
出願日2023-07-06
発明の名称コンテナおよびポンプシステム
出願人株式会社荏原製作所
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類F17C 9/00 20060101AFI20250109BHJP(ガスまたは液体の貯蔵または分配)
要約【課題】 ケーブル貫通用の穴からガスが漏れるのを防ぐことのできるコンテナを提供する。
【解決手段】 中空のコンテナ3、4が、液化ガスポンプPの周囲に設けられた中空のコラム2の上方に設けられ、コンテナ3、4の中央部には、下方から上方に向けて液化ガスポンプPの据付・引抜用のケーブル8が貫通される。コンテナ3、4は、中央部にケーブル8が貫通可能なケーブル貫通孔9、10を有するロアープレート部材5、6と、ロアープレート部材5、6の中央部においてケーブル貫通孔9、10の周囲に設けられ、中央部にケーブル8が挿通されるケーブル挿通孔13を有するスタフィングボックス部材12を備える。スタフィングボックス部材12は、ケーブル挿通孔13の開口径の大きさを調整する開口径調整機構14、20を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
液化ガスポンプの周囲に設けられた中空のコラムの上方に設けられる中空のコンテナであって、前記コンテナの中央部には、前記コンテナの下方から上方に向けて前記液化ガスポンプの据付・引抜用のケーブルが貫通されており、
前記コンテナは、
前記コンテナの下部に設けられ、中央部に前記ケーブルが貫通可能なケーブル貫通孔を有するロアープレート部材と、
前記ロアープレート部材の中央部において前記ケーブル貫通孔の周囲に設けられ、中央部に前記ケーブルが挿通されるケーブル挿通孔を有するスタフィングボックス部材と、
を備え、
前記スタフィングボックス部材は、前記ケーブル挿通孔の開口径の大きさを調整する開口径調整機構を備える、コンテナ。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記開口径調整機構は、
前記ケーブル挿通孔の中心軸を中心として回転可能な回転環部材と、
前記回転環部材の上側と下側にそれぞれ設けられ、前記ケーブル挿通孔の中心軸に沿ってスライド可能な上下一対の直動環部材と、
前記上下一対の直動環部材の各々について、前記直動環部材と前記回転環部材とに両端が固定され、前記直動環部材と前記回転環部材の周囲を覆うように設けられる上下一対の布部材と、
を備え、
前記上下一対の布部材によって、上下一対の前記ケーブル挿通孔が形成され、
前記回転環部材を回転させることにより、前記上下一対のケーブル挿通孔の開口径の大きさが同時に調整可能である、請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記回転環部材には、前記回転環部材の内部にパージ用ガスを流入させるためのガス流入口が設けられている、請求項2に記載のコンテナ。
【請求項4】
前記回転環部材と前記直動環部材と前記布部材は、それぞれ、環が閉じた状態から環が開いた状態へと二つ割り可能とされている、請求項2または請求項3に記載のコンテナ。
【請求項5】
前記開口径調整機構は、
中央部に前記ケーブル挿通孔を有する環状の本体部材と、
前記本体部材の上側と下側において、それぞれ開閉可能に設けられる左右一対の板状のシール部材と、
前記左右一対のシール部材をそれぞれ中央部に向けて閉じる方向に付勢するバネ部材と、
を備え、
前記左右一対のシール部材の中央部には、前記ケーブル挿通孔が形成され、
前記バネ部材の弾性力に抗して前記左右一対のシール部材が開く方向に移動することにより、前記ケーブル挿通孔の開口径の大きさが調整可能である、請求項1に記載のコンテナ。
【請求項6】
前記本体部材には、前記本体部材の内部にパージ用ガスを流入させるためのガス流入口が設けられている、請求項5に記載のコンテナ。
【請求項7】
前記本体部材は、前記左右一対のシール部材が開く方向に二つ割り可能とされている、請求項5または請求項6に記載のコンテナ。
【請求項8】
前記コンテナの内部に設けられ、前記スタフィングボックス部材を操作するために前記コンテナの外部からユーザが手を挿入できるように構成されているグローブボックスと、
前記グローブボックスおよび前記前記スタフィングボックス部材を前記コンテナの外部から視認できるように、前記グローブボックスおよび前記スタフィングボックス部材の近傍に配置される作業窓と、
を備える、請求項1~請求項7のいずれかに記載のコンテナ。
【請求項9】
液化ガスポンプと、
請求項1~請求項8のいずれかに記載のコンテナと、
を備える、ポンプシステム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナおよびポンプシステムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
液化ガスポンプのうち、従来の液化天然ガス(LNG:Liquefied Natural Gas)ポンプではコラムトップのフランジの上に仮板を置いてLNGが外部に漏れてくることに対応していた(例えば特許文献1参照)。LNGが低温領域で空気よりも重いため、大気に放出されることはなかった。一方、液化水素、液化アンモニアなどの極低温流体の場合はガス化した気体の比重が空気よりも軽いため、液化水素または液化アンモニアが放出される危険性がある。
【0003】
液化水素ポンプのメンテナンスの場合、液化水素の沸点が-253℃であるのに対して、空気(主に酸素や窒素)は-253℃領域で液化および凝固する。空気が液化すると液体酸素が生じて爆発の危険性があり、空気が凝固すると窒素と酸素がともにポンプにダメージを与える危険性がある。また液化アンモニアポンプのメンテナンスの場合、アンモニアが外部に漏れだすと毒性があるため、人への健康被害が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2018-80801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液化ガスポンプのメンテナンス時、極低温のポンプを引き上げる際または極低温のポンプを据え付ける際に、空気の侵入や本液(液化水素や液化アンモニア等)の外部への放出を避けるためには、液化ガスポンプの周囲のコラムの上に設けられバリアゾーンを形成するバッファコンテナや、バッファコンテナの上に設けられるパージコンテナなどの隔壁室が必要である。
【0006】
隔壁室には、内部を大気側またはタンク側と仕切るための扉が設置されているが、液化ガスポンプの据付・引抜用のケーブル(ワイヤ)が隔壁室の内部を貫通しているため、ケーブル貫通用の穴からガスが漏れてしまうという問題があった。
【0007】
液体水素ポンプの場合には、窒素および酸素がコラム内へ侵入することを充分に防ぎきれず、アンモニアポンプの場合にもアンモニアガスが上部および外部に漏れ出てしまう。さらに、ケーブルの径は一様ではなくシャックルやリンク等の備品がつくため、扉に空ける穴はケーブル径に対し大きくする必要がある。以上のように、従来、ケーブル貫通用の穴からガスが漏れるのを防ぐのは極めて困難であった。
【0008】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、ケーブル貫通用の穴からガスが漏れるのを防ぐことのできるコンテナおよびポンプシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコンテナは、液化ガスポンプの周囲に設けられた中空のコラムの上方に設けられる中空のコンテナであって、前記コンテナの中央部には、前記コンテナの下方から上方に向けて前記液化ガスポンプの据付・引抜用のケーブルが貫通されており、前記コンテナは、前記コンテナの下部に設けられ、中央部に前記ケーブルが貫通可能なケーブル貫通孔を有するロアープレート部材と、前記ロアープレート部材の中央部において前記ケーブル貫通孔の周囲に設けられ、中央部に前記ケーブルが挿通されるケーブル挿通孔を有するスタフィングボックス部材と、を備え、前記スタフィングボックス部材は、前記ケーブル挿通孔の開口径の大きさを調整する開口径調整機構を備えている。
【0010】
この構成によれば、ケーブル貫通孔の周囲にスタフィングボックス部材が設けられ、スタフィングボックス部材には、ケーブル挿通孔の開口径の大きさを調整する開口径調整機構が備えられている。したがって、スタフィングボックス部材の開口径調整機構を用いてケーブル挿通孔の開口径の大きさを調整することにより、ケーブル貫通用の穴から漏れでるガスを減少させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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