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公開番号2025002564
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2023102821
出願日2023-06-22
発明の名称バルーンカテーテル
出願人株式会社カネカ
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類A61M 25/10 20130101AFI20241226BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】直径が大きく、高耐圧のバルーンを有するバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】近位側から遠位側へ長手方向に延在しているシャフトと、前記シャフトの遠位部に配されている第1バルーンと、前記第1バルーンの外周の周方向に並んで配されている複数の第2バルーンから構成されているバルーン群と、を有し、前記第2バルーンの耐圧力値P2が、前記第1バルーンの耐圧力値P1よりも大きいバルーンカテーテル。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
近位側から遠位側へ長手方向に延在しているシャフトと、
前記シャフトの遠位部に配されている第1バルーンと、
前記第1バルーンの外周の周方向に並んで配されている複数の第2バルーンから構成されているバルーン群と、
を有し、
前記第2バルーンの耐圧力値P2が前記第1バルーンの耐圧力値P1よりも大きいバルーンカテーテル。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記耐圧力値P1に対する前記耐圧力値P2の比(P2/P1)の値が1.2~16である請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項3】
前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群を構成する隣り合う第2バルーン同士が互いに接触している請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項4】
前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群が前記第1バルーンの外周面に接触している請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項5】
前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群を構成する第2バルーンの最大外径の大きさが全て同じであり、該第2バルーンの最大外径の大きさが前記第1バルーンの最大外径の大きさと同じである請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項6】
前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群を構成する第2バルーンの最大外径の大きさが異なる2種以上である請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項7】
前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、最大外径の大きさが異なる2種の第2バルーンが前記第1バルーンの外周の周方向に配されており、最大外径が小さい方の第2バルーンが、最大外径が大きい方の第2バルーンの間に挟まれて配されている請求項6に記載のバルーンカテーテル。
【請求項8】
前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群を構成する第2バルーンの最大外径の大きさが全て同じであり、該第2バルーンの最大外径の大きさが、前記第1バルーンの最大外径の大きさと異なっている請求項1に記載のバルーンカテーテル。
【請求項9】
前記バルーン群を構成する第2バルーンの最大外径の大きさが、前記第1バルーンの最大外径の大きさよりも小さい請求項8に記載のバルーンカテーテル。
【請求項10】
前記シャフトは、該シャフトの長手方向に延在している第1インフレーションルーメンおよび複数の第2インフレーションルーメンを有しており、
前記第1インフレーションルーメンは前記第1バルーンに接続されており、
前記複数の第2インフレーションルーメンは前記バルーン群を構成する複数の第2バルーンのそれぞれに接続されており、
前記複数の第2インフレーションルーメンは前記複数の第2バルーンとの接続位置よりも近位側において1つの近位側第2インフレーションルーメンに連通しており、
前記近位側第2インフレーションルーメンの長手方向に垂直な方向における断面積S2は前記第1インフレーションルーメンの長手方向に垂直な方向における断面積S1よりも大きい請求項9に記載のバルーンカテーテル。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、バルーンカテーテルに関する。
続きを表示(約 3,600 文字)【背景技術】
【0002】
血管内壁に石灰化等により硬化した狭窄部が形成されることによって、狭心症や心筋梗塞等の疾病が引き起こされる。これらの治療方法の一つとして、バルーンカテーテルを用いて狭窄部を拡張させる血管形成術がある。血管形成術は、経皮的血管形成術(Percutaneous Transluminal Angioplasty;PTA)や経皮的冠動脈形成術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty;PTCA)と呼ばれることがある。血管形成術は、バイパス手術のような開胸術を必要としない低侵襲療法であり、広く行われている。
【0003】
血管形成術に用いられるバルーンカテーテルは、近位側から遠位側へ長手方向に延在しているシャフトと、該シャフトの遠位部に配されているバルーンと、該バルーンに連通し、バルーンを拡張または収縮させるための流体が移動できるインフレーションルーメンを少なくとも有している。バルーンは、収縮状態で血管内に装入され、血管内を通って狭窄部まで送達される。バルーンが狭窄部まで送達された後は、インフレーションルーメンに接続したバルーン用加圧器(インデフレーター)を用いてインフレーションルーメンに流体を導入または排出することによりバルーンの拡張と収縮を制御する。
【0004】
こうしたバルーンカテーテルの一例が特許文献1に記載されている。特許文献1の図42には、内側バルーン部材および複数の外側バルーン部材を備えた拡張デバイスが記載されており、図43Aには、外側バルーン部材を拡張させた状態が記載されている。特許文献1においては、隣接する外側バルーン部材間に大きな空間を形成することにより、血液の灌流を達成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
米国特許出願公開第2012/0209375号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のバルーンカテーテルは、隣り合う外側バルーン部材同士が離れているため、狭窄部を拡張する際に、外側バルーン部材が狭窄部分に押しつけられると内側バルーン部材の周方向にずれてしまい、狭窄部を充分に拡張できないと考えられる。また、狭窄部を広げるには、直径が大きく、高耐圧のバルーンが求められる。
【0007】
ところで、血管の狭窄は、例えば、大動脈弁においても発生する。大動脈弁に狭窄が発生した場合は、大動脈弁を除去し、新しい生体弁が埋め込まれる。しかし、留置された生体弁は経年劣化し、5~10年ほどで交換する必要がある。外科的に埋め込んだ生体弁(人工弁)の劣化により、新たに経カテーテル的に生体弁(人工弁)を留置する治療を実施する場合、弁口面積が狭くなることがある。そのため、新しい生体弁の大きさは、劣化した生体弁よりも小さくする必要があり、血液流量が低下し、生体弁の前後で圧較差が生じ、心臓に負担がかかる。そこで、留置されている劣化した生体弁を変形または破壊すれば、より大きい生体弁を埋め込むことができるのではないかと考えられ、劣化した生体弁を変形または破壊するには、直径が大きく、高耐圧のバルーンの開発が求められる。
【0008】
本発明の目的は、直径が大きく、高耐圧のバルーンを有するバルーンカテーテルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の通りである。
[1] 近位側から遠位側へ長手方向に延在しているシャフトと、前記シャフトの遠位部に配されている第1バルーンと、前記第1バルーンの外周の周方向に並んで配されている複数の第2バルーンから構成されているバルーン群と、を有し、前記第2バルーンの耐圧力値P2が前記第1バルーンの耐圧力値P1よりも大きいバルーンカテーテル。
[2] 前記耐圧力値P1に対する前記耐圧力値P2の比(P2/P1)の値が1.2~16である[1]に記載のバルーンカテーテル。
[3] 前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群を構成する隣り合う第2バルーン同士が互いに接触している[1]または[2]に記載のバルーンカテーテル。
[4] 前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群が前記第1バルーンの外周面に接触している[1]~[3]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[5] 前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群を構成する第2バルーンの最大外径の大きさが全て同じであり、該第2バルーンの最大外径の大きさが前記第1バルーンの最大外径の大きさと同じである[1]~[4]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[6] 前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群を構成する第2バルーンの最大外径の大きさが異なる2種以上である[1]~[4]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[7] 前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、最大外径の大きさが異なる2種の第2バルーンが前記第1バルーンの外周の周方向に配されており、最大外径が小さい方の第2バルーンが、最大外径が大きい方の第2バルーンの間に挟まれて配されている[6]に記載のバルーンカテーテル。
[8] 前記第1バルーンおよび前記バルーン群の拡張時において、該バルーン群を構成する第2バルーンの最大外径の大きさが全て同じであり、該第2バルーンの最大外径の大きさが、前記第1バルーンの最大外径の大きさと異なっている[1]~[4]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[9] 前記バルーン群を構成する第2バルーンの最大外径の大きさが、前記第1バルーンの最大外径の大きさよりも小さい[8]に記載のバルーンカテーテル。
[10] 前記シャフトは、該シャフトの長手方向に延在している第1インフレーションルーメンおよび複数の第2インフレーションルーメンを有しており、前記第1インフレーションルーメンは前記第1バルーンに接続されており、前記複数の第2インフレーションルーメンは前記バルーン群を構成する複数の第2バルーンのそれぞれに接続されており、前記複数の第2インフレーションルーメンは前記複数の第2バルーンとの接続位置よりも近位側において1つの近位側第2インフレーションルーメンに連通しており、前記近位側第2インフレーションルーメンの長手方向に垂直な方向における断面積S2は前記第1インフレーションルーメンの長手方向に垂直な方向における断面積S1よりも大きい[9]に記載のバルーンカテーテル。
[11] 前記シャフトは、該シャフトの長手方向に延在している第1インフレーションルーメンおよび複数の第2インフレーションルーメンを有しており、前記第1インフレーションルーメンは前記第1バルーンに接続されており、前記複数の第2インフレーションルーメンは前記バルーン群を構成する複数の第2バルーンにそれぞれ接続されている[1]~[8]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
[12] 大動脈弁の拡張、心臓内に留置された生体弁の変形、または前記生体弁の破壊を行うために用いられるものである[1]~[11]のいずれかに記載のバルーンカテーテル。
【発明の効果】
【0010】
本発明のバルーンカテーテルは、第1バルーンと、該第1バルーンの外周の周方向に並んで配されている複数の第2バルーンから構成されているバルーン群と、を有しているため、第1バルーンおよびバルーン群の両方を拡張させることにより、第1バルーンとバルーン群を含むバルーンカテーテルのバルーンの外径を大きくすることができる。また、本発明のバルーンカテーテルは、第2バルーンの耐圧力値P2が、第1バルーンの耐圧力値P1よりも大きいため、第1バルーンおよびバルーン群を拡張させたときに、バルーン群に応力が集中しても第2バルーンは変形しにくくなり、耐圧力が高く、破壊力を増大させることができる。また、本発明のバルーンカテーテルは、第1バルーンの耐圧力値P1が、第2バルーンの耐圧力値P2よりも小さいため、複数の第2バルーンから構成されているバルーン群が拡張する際に、第1バルーンがクッション材として作用し、第2バルーンが第1バルーンの周方向および径方向にずれにくくなり、所望の箇所以外を拡張してしまうことを防げるために安全性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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