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公開番号
2024179880
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-26
出願番号
2023099167
出願日
2023-06-16
発明の名称
転写方法
出願人
東レエンジニアリング株式会社
代理人
弁理士法人前田特許事務所
主分類
G09F
9/33 20060101AFI20241219BHJP(教育;暗号方法;表示;広告;シール)
要約
【課題】大面積パネル基板上の複数のディスプレイパネル領域に対して発光素子を効率よく転写する転写方法を提供する。
【解決手段】複数の発光素子が配列されたドナーから発光素子が搭載されるパネルに発光素子を転写させる転写手段と、ドナーとパネルと転写手段との各々の相対位置を制御する位置制御手段とを用いて発光素子をパネルに転写する。転写手段はドナーよりも小面積の転写領域に転写可能位置は複数存在し、位置制御手段により転写領域にパネルとドナーの各々の所定の位置が相対するよう配置させる配置ステップと、転写可能位置のうち一部を選択して発光素子をパネルに転写させる転写ステップを備え、パネルは発光素子が搭載されない境界部で区分けされた複数の製品パネル部を有し、配置ステップと転写ステップを複数回行い、転写領域が複数の製品パネル部にまたがって配置され、2つ以上の製品パネル部に発光素子を転写させる動作が1回以上行われる。
【選択図】図5
特許請求の範囲
【請求項1】
複数の発光素子が平面的に配列されているドナーと、前記発光素子が前記ドナーから転写されて搭載されるパネルと、前記ドナーから前記パネルに前記発光素子を転写させる転写手段と、前記ドナーと前記パネルと前記転写手段とのそれぞれの相対位置を制御する位置制御手段と、を用いて前記発光素子を前記パネルに転写する転写方法であって、
前記転写手段は前記ドナーよりも小さい面積の転写領域を有しており、当該転写領域において前記発光素子の転写を行うことが可能な転写可能位置は複数存在しており、
前記位置制御手段により前記転写領域に対して前記パネルおよび前記ドナーのそれぞれの所定の位置が相対するように前記パネルと前記ドナーとを配置させる配置ステップと、
前記転写可能位置のうち一部を選択し、選択した前記転写可能位置において前記発光素子を前記パネルに転写させる転写ステップと
を備え、
前記パネルは、前記発光素子が搭載されない境界部によって区分けされた複数の製品パネル部を有しており、
前記配置ステップと前記転写ステップとを複数回行って前記製品パネル部に前記発光素子を転写させ、
前記転写領域が複数の前記製品パネル部にまたがって相対する位置に配置された際に、前記転写ステップにおいて当該複数の前記製品パネル部のうち少なくとも2つの前記製品パネル部に前記発光素子を転写させる動作が少なくとも1回行われる、転写方法。
続きを表示(約 190 文字)
【請求項2】
前記境界部に前記転写可能位置が相対するように配置された際に、前記転写ステップにおいて前記境界部に相対した当該転写可能位置を前記転写手段において前記発光素子の転写を行うことが可能ではないとの設定としている、請求項1に記載の転写方法。
【請求項3】
前記転写領域は、前記製品パネル部よりも面積が小さい、請求項1または2に記載の転写方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は転写方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、従来の液晶ディスプレイに代わるものとしてLEDを使用したディスプレイの開発が進められており、製品化が進みつつある。このようなLEDを使用したディスプレイ(LEDディスプレイ)は、FHD(Full High Definition)パネルであって、赤色LED、緑色LED、青色LEDが1920×1080個、4Kパネルでは3840×2160個、それぞれ格子状の配列にて配線基板に高密度に実装されている。
【0003】
このように配線基板へ高密度に実装される各色LEDとしては、たとえば約50μm×50μmといった微小寸法を有する、いわゆるマイクロLEDが用いられる。このようなマイクロLEDは特許文献1に示すようにサファイアなどの成長基板上に窒化ガリウムの結晶をエピタキシャル成長させる工程などを経て得られ、基板上で上記寸法のチップ状にダイシングされる。このように形成されたLEDチップは、1回もしくは複数回の転写工程を経て成長基板からディスプレイである配線基板へ転写される。その後、熱圧着などの実装工程を経て、配線基板にLEDチップが固定される。
【0004】
LEDチップをディスプレイパネルである配線基板に転写する方法はいくつかあるが、例えば特許文献2,3に開示されているレーザーアブレーション技術を用いた方法が知られている。
【0005】
特許文献2にはレーザーアブレーション技術を用いた素子(LEDチップ)の転写方法が開示されている。また、1つの成長基板上に形成された複数のLEDチップの発光波長には個体差があるが、特許文献3には、LEDディスプレイを製造した際に発光波長の個体差によって色むらが見る人によって感じられないようにする転写方法が開示されている。また、特許文献3に開示された発明は、特許文献2に開示された発明を利用しつつLEDディスプレイに色むらが生じないようにするという新たな課題を解決すべく、1つの成長基板(ウェハ)上のそれぞれのLEDチップの発光特性をすべて計測し、すべてのLEDチップの発光特性を考慮してディスプレイパネルに転写している。このため、測定、転写のための計算及び転写に非常に時間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-170993号公報
特開2006-41500号公報
特開2022-135521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献では、LEDチップが形成されている成長基板(ウェハ)よりも面積が相当広いディスプレイパネル(例えば、テレビ・ディスプレイ)にLEDチップを転写していっている。一方、腕時計や携帯電話、タブレット端末のディスプレイのように、ウェハよりディスプレイパネルの方が面積が小さかったり、ディスプレイパネルの方が面積が少しだけ大きかったりする場合がある。このようなディスプレイパネルを複数枚順次作成していく場合、特許文献3に開示された方法のように、個々のパネルへのLEDチップ転写のための計算(シミュレーション)を順次行っていくと、後の方のパネルになるほどウェハ上の転写可能なLEDチップの数が減るために、発光特性を考慮した転写を行うことができるようにするための転写のシミュレーション回数が大幅に増えてしまうとともに、実際の転写においても転写回数が大幅に増えてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、大面積のパネル基板上に設けられた複数のディスプレイパネルの領域に対して発光素子を効率よく転写する転写方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の転写方法は、複数の発光素子が平面的に配列されているドナーと、前記発光素子が前記ドナーから転写されて搭載されるパネルと、前記ドナーから前記パネルに前記発光素子を転写させる転写手段と、前記ドナーと前記パネルと前記転写手段とのそれぞれの相対位置を制御する位置制御手段と、を用いて前記発光素子を前記パネルに転写する転写方法であって、前記転写手段は前記ドナーよりも小さい面積の転写領域を有しており、当該転写領域において前記発光素子の転写を行うことが可能な転写可能位置は複数存在しており、前記位置制御手段により前記転写領域に対して前記パネルおよび前記ドナーのそれぞれの所定の位置が相対するように前記パネルと前記ドナーとを配置させる配置ステップと、前記転写可能位置のうち一部を選択し、選択した前記転写可能位置において前記発光素子を前記パネルに転写させる転写ステップとを備え、前記パネルは、前記発光素子が搭載されない境界部によって区分けされた複数の製品パネル部を有しており、前記配置ステップと前記転写ステップとを複数回行って前記製品パネル部に前記発光素子を転写させ、前記転写領域が複数の前記製品パネル部にまたがって相対する位置に配置された際に、前記転写ステップにおいて当該複数の前記製品パネル部のうち少なくとも2つの前記製品パネル部に前記発光素子を転写させる動作が少なくとも1回行われるものである。
【0010】
前記境界部に前記転写可能位置が相対するように配置された際に、前記転写ステップにおいて前記境界部に相対した当該転写可能位置を前記転写手段において前記発光素子の転写を行うことが可能ではないとの設定としていることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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