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公開番号2024173757
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2024085183
出願日2024-05-24
発明の名称架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物、スチレン系エラストマー架橋体、及び接合部材
出願人兵庫県公立大学法人
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類C08L 53/00 20060101AFI20241205BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】エラストマー組成物及びエラストマー架橋体について、接着剤、シール材又は樹脂成形体として使用できる温度範囲を広くし、高温での耐久性を向上させる。
【解決手段】トリブロック共重合体と、ポリフェニレンエーテルとを含有する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物であって、トリブロック共重合体は、各々が、ポリスチレンを含みかつ80℃以上のガラス転移温度を有する、2つのハードブロック鎖と、-40℃以下のガラス転移温度を有し、2つのハードブロック鎖の間に位置するソフトブロック鎖とを有し、ポリフェニレンエーテルは、少なくとも1つの芳香環に直接又はエーテル基を介して結合した少なくとも1つの重合性基を有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも1種類のトリブロック共重合体と、少なくとも1種類のポリフェニレンエーテルとを含有する架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物であって、
前記トリブロック共重合体は、
各々が、ポリスチレンを含みかつ80℃以上のガラス転移温度を有する、2つのハードブロック鎖と、
-40℃以下のガラス転移温度を有し、前記2つのハードブロック鎖の間に位置するソフトブロック鎖と
を有し、
前記ポリフェニレンエーテルは、下記の一般式(1)で表される構造を含み、該構造における少なくとも1つの芳香環に直接又はエーテル基を介して結合した少なくとも1つの重合性基を有する、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
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(一般式(1)において、nは2以上の整数である。)
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
ポリスチレンを含むハードブロック鎖と、ソフトブロック鎖とを有する、ジブロック共重合体を更に含有する、請求項1に記載の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項3】
前記ポリフェニレンエーテルは、数平均分子量3000以下のポリフェニレンエーテルオリゴマーである、請求項1又は2に記載の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項4】
前記ポリフェニレンエーテルの含有率が組成物の10質量%以上50質量%以下である、請求項2に記載の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項5】
前記ポリフェニレンエーテルの前記重合性基がラジカル重合性基である、請求項1又は2に記載の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項6】
前記ポリフェニレンエーテルの前記重合性基がビニルベンジルエーテル基、メタクリル基及びアリル基の中から選択される、請求項1又は2に記載の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項7】
前記ソフトブロック鎖は、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレンプロピレン、ポリエチレンエチレンプロピレン及びポリエチレンブチレンの中から選択されるいずれか1つの重合体である、請求項1又は2に記載の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項8】
前記トリブロック共重合体が有する前記2つのハードブロック鎖の質量を、前記トリブロック共重合体が有する前記ソフトブロック鎖の質量で割った比は、10/90以上50/50以下である、請求項1又は2に記載の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項9】
前記トリブロック共重合体は、重量平均分子量を数平均分子量で割った分散度が、1.0以上2.0以下である、請求項1又は2に記載の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項10】
少なくとも1種類のトリブロック共重合体と、少なくとも1種類の架橋されたポリフェニレンエーテルとを含有する、スチレン系エラストマー架橋体であって、
前記トリブロック共重合体は、
各々が、ポリスチレンを含みかつ80℃以上のガラス転移温度を有する、2つのハードブロック鎖と、
-40℃以下のガラス転移温度を有し、前記2つのハードブロック鎖の間に位置するソフトブロック鎖と
を有し、
前記架橋されたポリフェニレンエーテルは、下記の一般式(1)で表される構造を含むポリフェニレンエーテルが、前記構造における少なくとも1つの芳香環に直接又はエーテル基を介して結合した少なくとも1つの重合性基によって分子間で架橋されて形成されており、
-30℃以上120℃以下の温度範囲における貯蔵弾性率が1×10

Pa以上3×10

Pa以下であり、150℃における貯蔵弾性率が1×10

Pa以上である、スチレン系エラストマー架橋体。
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(一般式(1)において、nは2以上の整数である。)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物、スチレン系エラストマー架橋体、及び接合部材に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
スチレン系熱可塑性エラストマーは、接着剤、シール材、樹脂成形体等のエラストマー材料、プラスチックの改質剤などに、幅広く使用されている。特許文献1には、ポリフェニレンエーテルを配合した、スチレン系熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。また、非特許文献1及び2には、そのような組成物にポリフェニレンエーテルを配合して貯蔵弾性率が変わることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-204032号公報
【非特許文献】
【0004】
Macromolecules 1988, 21, 1678-1685.
Polymer International 2003, 52, 514-521.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スチレン系熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、加熱成形後の短時間の冷却で強度を発現するため、作業性に優れた接着剤、シール材、樹脂成形体等のエラストマー材料として使用される。
【0006】
しかし、前記組成物は、温度により物性が変化しやすいので、接着剤、シール材又は樹脂成形体として使用できる温度範囲が狭い。そのため、使用時に、シール性(エラストマー性、耐応力緩和性)、高温での耐久性等の物性が劣るという問題がある。
【0007】
そこで本開示は、スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する組成物及びこれを架橋させた架橋体について、接着剤、シール材又は樹脂成形体として使用できる温度範囲を広くすること、及び高温での耐久性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の架橋性スチレン系熱可塑性エラストマー組成物(以下「エラストマー組成物」という。)の一態様は、少なくとも1種類のトリブロック共重合体と、少なくとも1種類のポリフェニレンエーテルとを含有し、前記トリブロック共重合体は、各々が、ポリスチレンを含みかつ80℃以上のガラス転移温度を有する、2つのハードブロック鎖と、-40℃以下のガラス転移温度を有し、前記2つのハードブロック鎖の間に位置するソフトブロック鎖とを有し、前記ポリフェニレンエーテルは、下記の一般式(1)で表される構造を含み、該構造における少なくとも1つの芳香環に直接又はエーテル基を介して結合した少なくとも1つの重合性基を有する。
【0009】
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【0010】
(一般式(1)において、nは2以上の整数である。)
前記一態様によると、ポリフェニレンエーテルは、一般式(1)で表される構造単位を有するので、トリブロック共重合体のハードブロック鎖との相溶性が高くなる。さらに、ポリフェニレンエーテルは、芳香環に直接又はエーテル基を介して結合した重合性基を少なくとも1つ有するので、トリブロック共重合体のハードブロック鎖と相溶したまま、分子間で架橋され得る。その結果、エラストマー組成物は、接着剤、シール材又は樹脂成形体として使用できる温度範囲が広くなり、かつ高温での耐久性が向上する。また、エラストマー組成物は、ソフトブロック鎖のガラス転移温度が-40℃以下であることにより、寒冷環境下でも接着剤、シール材又は樹脂成形体として使用できる。
(【0011】以降は省略されています)

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