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公開番号2025137213
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-19
出願番号2024036284
出願日2024-03-08
発明の名称水素製造用触媒及びその製造方法、並びに水素製造方法
出願人兵庫県公立大学法人,サンアロイ工業株式会社
代理人個人
主分類B01J 23/75 20060101AFI20250911BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】アンモニアボラン(NH3BH3)から水素ガス(H2(g))を高能率に安定して生成する。
【解決手段】NH3BH3から水素を生成するための触媒であり、炭化タングステン(WC)の格子中に、Co-Fe合金ナノ結晶を固溶し、強磁性とされたタングステン炭化物からなる。タングステン炭化物は、NH3BH3の水溶液に混合され、NH3BH3を加水分解する。このとき、WCの表面にNH3BH3を吸着して開裂しプロトン(H+)を放出する。プロトン(H+)とCo-Fe合金ナノ結晶からの電子スピンとの磁気双極子作用により、プロトン(H+)を集積還元して水素分子(H2)を生成する。Co-Fe合金ナノ結晶と反磁性の水素分子(H2)の磁気的反発相互作用により、不可逆過程のエントロピー生成速度(dSirr/dt)の時間微分(d2Sirr/dt2)の経時変化の振動を抑制し安定した水素生成が行われる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アンモニアボラン(NH

BH

)から水素(H

)を生成するために用いられる水素製造用触媒であって、
炭化タングステン(WC)の格子中に、強磁性のコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶が固溶され、内部磁場が付与されている強磁性のタングステン炭化物からなることを特徴とする水素製造用触媒。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記タングステン炭化物は、強磁性のコバルト(Co)を99.5~91.5mol%、鉄(Fe)を0.5~8.5mol%からなるコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶を内包して内部磁場が付与されていることを特徴とする請求項1記載の水素製造用触媒。
【請求項3】
アンモニアボラン(NH

BH

)から水素を生成するために用いられるタングステン炭化物からなる水素製造用触媒の製造方法であって、
タングステン成分と強磁性のコバルト成分及び鉄成分を混合した混合水溶液を作製し、
次いで、前記混合水溶液を蒸発乾固又は噴霧乾燥してコバルト成分及び鉄成分含有の固形物を生成し、
前記固形物を熱分解して酸化物粉末を生成し、又は、さらに水素熱還元してコバルト-鉄(Co-Fe)合金固溶タングステン合金粉末を生成し、
その後、前記コバルト-鉄(Co-Fe)合金固溶タングステン合金粉末を炭化処理し、強磁性のコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶を内包して内部磁場が付与され強磁性とされたタングステン炭化物を生成した
ことを特徴とする水素製造用触媒の製造方法。
【請求項4】
前記コバルト-鉄(Co-Fe)合金固溶タングステン合金粉末を炭化処理する工程で、前記強磁性のコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶を内包して内部磁場が付与され強磁性とされたタングステン炭化物とともに、タングステン複炭化物(W

(Co-Fe)

C、(Co-Fe)



C)が生成されることを特徴とする請求項3記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項5】
前記混合水溶液は、コバルト(Co)を99.5~91.5mol%、鉄(Fe)を0.5~8.5mol%の比率で混合したコバルト-鉄(Co-Fe)合金成分とタングステン成分をモル比で20:80の比率で混合されていることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の水素製造用触媒の製造方法。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載された水素製造用触媒とアンモニアボラン(NH

BH

)を混合した水溶液を作製し、次いで、前記水溶液を加水分解し、前記アンモニアボラン(NH

BH

)から水素ガス(H

(g))を生成することを特徴とする水素製造方法。
【請求項7】
前記水溶液を加水分解し、前記アンモニアボラン(NH

BH

)から水素ガスを生成する際、反磁性の水素ガス(H

(g))と強磁性のコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶の反発相互作用により、前記水素ガス(H

(g))の前記コバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶の表面からの脱離を図ることを特徴とする請求項6記載の水素製造方法。
【請求項8】
請求項3~5のいずれか1項に記載された製造方法により製造された水素製造用触媒とアンモニアボラン(NH

BH

)を混合した水溶液を作製し、次いで、前記水溶液を加水分解し、前記アンモニアボラン(NH

BH

)から水素ガス(H

(g))を生成することを特徴とする水素製造方法。
【請求項9】
前記水溶液を加水分解し、前記アンモニアボラン(NH

BH

)から水素ガス(H

(g))を生成する際、反磁性の水素ガスと強磁性のコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶の反発相互作用により、前記水素ガス(H

(g))のコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶の表面からの脱離を図ることを特徴とする請求項8記載の水素製造方法。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載された水素製造用触媒とアンモニアボラン(NH

BH

)を混合した水溶液を作製し、
次いで、前記水溶液を加水分解し、前記水素製造用触媒中の炭化タングステン(WC)の表面に前記アンモニアボラン(NH

BH

)を吸着させるとともに開裂してプロトン(H
+
)を放出させ、
前記プロトン(H
+
)と前記水素製造用触媒中のコバルト-鉄(Co-Fe)合金からの電子スピンとの磁気双極子作用により、前記水素製造用触媒中の強磁性のコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶の表面に前記プロトン(H
+
)を集積するとともに還元して反磁性の水素分子(H

)を生成し、
前記強磁性のコバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶と前記反磁性の水素分子(H

)の磁気的反発相互作用により、不可逆過程のエントロピー生成速度(dSirr/dt)の時間微分(d

Sirr/dt

)の経時変化が不安定に振動することを抑制して、前記コバルト-鉄(Co-Fe)合金ナノ結晶の表面から前記水素分子(H

)を脱離させ水素ガスを生成することを特徴とする水素製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水素製造用触媒及びその製造法に関し、さらには、その水素製造用触媒を用いて水素を製造する水素製造方法に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、環境破壊を抑制するエネルギー源として水素が注目され、水素を燃料とする燃料電池が注目され、実用化されている。
【0003】
水素は、常温、常圧の環境下において気相であり、所定の反応量の体積が固相に比較して数百倍~千倍であるばかりか、爆発性を有するため、安全に且つ大量に貯蔵することが困難である。このような水素ガスが有する問題点を解消し、安全で容易な取り扱いを可能とするため、燃料電池の燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリンなどを改質して得られる水素ガスが用いられている。
【0004】
この種の燃料は、安全性に問題があるばかりか、燃料電池の燃料として用いたとき起電力が十分でなく、電力の供給源として十分な性能を実現できない。
【0005】
従来用いられている水素含有媒体が有する問題点に鑑み、安全性に優れ、取り扱いが容易で、燃料電池の燃料として用いたとき十分な起電力を実現し得る燃料について鋭意研究されている。この種の燃料として、高濃度に水素を含有する水素含有化合物としてアンモニアボラン(NH

BH

)が提案されている(特許文献1、2)。
【0006】
アンモニアボラン(NH

BH

)に含有された水素は、アンモニアボラン(NH

BH

)を溶解した水溶液に触媒として白金(Pt)を加え、この水溶液を加水分解することにより生成される。
【0007】
従来、触媒に用いる白金(Pt)等の貴金属は、資源量が乏しく高価であるため、アンモニアボラン(NH

BH

)から、安価に安定して水素の生成を行うことが困難となる。そこで、本願出願人は、白金(Pt)等の貴金属に代わる触媒を提案している。(特許文献3、4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2006-286549号公報
特開2009-176556号公報
特開2023-61564号公報
特許第7417026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、自動車等の移動体装置の駆動源として用いられる燃料電池や民生用の携帯端末装置の電源に用いられる燃料電池にあっては、高濃度に水素を貯蔵する水素含有化合物から、安価に、安定して高能率で水素を生成し、さらには、電池自体の小型化を実現することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、水素含有化合物、特にアンモニアボラン(NH

BH

)から水素を生成する際に用いられる白金(Pt)の触媒の作用、その機能に着目し、鋭意研究し、白金(Pt)と同等、もしくは白金(Pt)以上の触媒作用を実現可能な水素製造用の触媒を実現したものである。
(【0011】以降は省略されています)

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