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公開番号2025176681
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-12-04
出願番号2025043888
出願日2025-03-18
発明の名称エアフィルタ濾材及びその製造方法
出願人国立大学法人信州大学,北越コーポレーション株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 39/16 20060101AFI20251127BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】本開示の目的は、帯電処理を用いずに、低い圧力損失と高い捕集効率とを合わせ持つエアフィルタ濾材及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】本開示に係るエアフィルタ濾材は、不織布を有するエアフィルタ濾材であって、前記不織布は、ガラス転移温度が-20~70℃である第1のポリマーを含む数平均繊維径が3.0μm以下の第1の繊維と、ガラス転移温度が80~160℃である第2のポリマーを含む数平均繊維径が7.0μm以上の第2の繊維と、を含有し、見掛密度が0.085g/cm3以下である。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
不織布を有するエアフィルタ濾材であって、
前記不織布は、ガラス転移温度が-20~70℃である第1のポリマーを含む数平均繊維径が3.0μm以下の第1の繊維と、ガラス転移温度が80~160℃である第2のポリマーを含む数平均繊維径が7.0μm以上の第2の繊維と、を含有し、見掛密度が0.085g/cm

以下であることを特徴とするエアフィルタ濾材。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記不織布は、メルトブロー不織布であることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルタ濾材。
【請求項3】
前記第1のポリマーが、ポリプロピレンであり、かつ、前記第2のポリマーが、ポリカーボネートであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアフィルタ濾材。
【請求項4】
前記不織布に含有される前記第1の繊維と前記第2の繊維との体積比率(第1の繊維/第2の繊維)が、90/10~20/80であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアフィルタ濾材。
【請求項5】
前記不織布に含有される前記第1の繊維と前記第2の繊維との体積比率(第1の繊維/第2の繊維)が、90/10~30/70であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアフィルタ濾材。
【請求項6】
飽和イソプロパノール蒸気に24時間暴露する除電処理を行った後のQF値が0.022以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアフィルタ濾材。
【請求項7】
ガラス転移温度が-20~70℃である第1のポリマーを複数の第1のノズル孔から吐出させ、同時にガラス転移温度が80~160℃である第2のポリマーを複数の第2のノズル孔から吐出させる吐出工程と、
前記第1のノズル孔から吐出された前記第1のポリマーと、前記第2のノズル孔から吐出された前記第2のポリマーとを、250~350℃の延伸空気を吹き付けることによって延伸して、前記第1のポリマーを含む数平均繊維径が3.0μm以下の第1の繊維と、前記第2のポリマーを含む数平均繊維径が7.0μm以上の第2の繊維と、を形成する延伸工程と、
前記第1の繊維及び前記第2の繊維を、見掛密度が0.085g/cm

以下となるように捕集面の上に捕集する捕集工程を含み、
該第2のノズル孔の孔径は、前記第1のノズル孔の孔径よりも大きいことを特徴とするエアフィルタ濾材の製造方法。
【請求項8】
前記第1のノズル孔と前記第2のノズル孔とが、前記捕集面を横断する方向に一列に並んで設けられており、
前記第1のノズル孔の数と前記第2のノズル孔の数との孔数比率(第1のノズル孔/第2のノズル孔)が、12/1~4/1であることを特徴とする請求項7に記載のエアフィルタ濾材の製造方法。
【請求項9】
前記第1のノズル孔及び前記第2のノズル孔の配列は、前記第1のノズル孔及び前記第2のノズル孔を前記孔数比率で配列した配列単位を有し、
該配列単位の繰り返し回数は、10~200回であることを特徴とする請求項8に記載のエアフィルタ濾材の製造方法。
【請求項10】
前記第1のポリマーのMFRは、500~2000g/10分であり、かつ、
前記第2のポリマーのMFRは、30~300g/10分であり、かつ、
前記第1のポリマーのMFRは前記第2のポリマーのMFRの5倍以上であることを特徴とする請求項7又は8に記載のエアフィルタ濾材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、気体、特に空気中のダストを濾過するための除塵用エアフィルタ濾材に関し、特に、低い圧力損失及び高い捕集効率を有することを特徴とするエアフィルタ濾材及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、住環境の健康への影響及び感染症防止に対する関心の高まりにともない、居住空間又はオフィスなどの空気の清浄化が求められている。空気中の浮遊塵を除去する方法としては、除塵用エアフィルタを用いる方法が一般的であり、種々の除塵用エアフィルタ濾材が用いられている。エアフィルタ濾材としては、少ないエネルギー消費でダストを除去できる低い圧力損失と高い捕集効率を合わせ持つ濾材が強く求められている。
【0003】
メルトブロー不織布は、エアフィルタ濾材として広く用いられている。低い圧力損失と高い捕集効率とを合わせ持つメルトブロー不織布からなるエアフィルタ濾材を得る方法としては、例えば、互いに異なる樹脂からなる2種の長繊維が混繊されており、比容積が12cm

/g以上である不織布からなる濾材(例えば、特許文献1を参照。)、ポリオレフィン系樹脂からなる細径の低融点繊維と繊維径が20~100μmの高融点繊維とを含み、高融点繊維が不織布の断面に断面長1.00mm当たり1本以上存在する不織布からなる濾材(例えば、特許文献2を参照。)、ポリオレフィン系樹脂からなる繊維径が7μm以下の繊維と繊維径が15~100μmの繊維とを含み、長さ方向の引張強力が0.45(N/5cm)/(g/m

)以上であり、6kg/cm

の荷重をかけた後の圧力損失の上昇率が25%以下である不織布からなる濾材(例えば、特許文献3を参照。)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2013-40412号公報
WO2013/089213号公報
特開2015-161041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記の通り、低い圧力損失と高い捕集効率とを合わせ持つエアフィルタ濾材を得るために、混繊メルトブロー不織布からなる濾材が提案されている。しかしながら、これらの濾材はいずれも帯電処理されたエレクトレット不織布からなる濾材であり、使用中に繊維表面の電荷が減衰した場合に捕集効率が大きく低下するおそれがあった。したがって、本開示の課題は、帯電処理を用いずに、低い圧力損失と高い捕集効率とを合わせ持つエアフィルタ濾材及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、粒子捕集に寄与する細径の濾過繊維と、各々の細径繊維の間に適切な空隙を形成する剛直で太径の骨格繊維と、を混繊したメルトブロー不織布が、低い圧力損失と高い捕集効率とを合わせ持つエアフィルタ濾材となることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明に係るエアフィルタ濾材は、不織布を有するエアフィルタ濾材であって、前記不織布は、ガラス転移温度が-20~70℃である第1のポリマーを含む数平均繊維径が3.0μm以下の第1の繊維と、ガラス転移温度が80~160℃である第2のポリマーを含む数平均繊維径が7.0μm以上の第2の繊維と、を含有し、見掛密度が0.085g/cm

以下であることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るエアフィルタ濾材では、前記不織布は、メルトブロー不織布である形態を包含する。
【0008】
本発明に係るエアフィルタ濾材では、前記第1のポリマーが、ポリプロピレンであり、かつ、前記第2のポリマーが、ポリカーボネートであることが好ましい。このような構成によれば、より高いQF値(Quality Factor)を有するエアフィルタ濾材を得ることができる。
【0009】
本発明に係るエアフィルタ濾材では、前記不織布に含有される前記第1の繊維と前記第2の繊維との体積比率(第1の繊維/第2の繊維)が、90/10~20/80であることが好ましい。このような構成によれば、より高いQF値を有するエアフィルタ濾材を得ることができる。
【0010】
本発明に係るエアフィルタ濾材では、前記不織布に含有される前記第1の繊維と前記第2の繊維との体積比率(第1の繊維/第2の繊維)が、90/10~30/70であることが好ましい。このような構成によれば、さらに高いQF値を有するエアフィルタ濾材を得ることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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