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公開番号
2025100292
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2024084486
出願日
2024-05-24
発明の名称
パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物の製造方法
出願人
兵庫県公立大学法人
,
東ソー・ファインケム株式会社
代理人
個人
主分類
C07C
67/30 20060101AFI20250626BHJP(有機化学)
要約
【課題】パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物を、簡便かつ効率よく製造する方法を提供する
【解決手段】パーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)と、ジアルキル亜鉛(B)と、ハロゲン化芳香族化合物(C)とを銅(I)触媒の存在下で反応させることでパーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物を簡便かつ効率よく得る。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
一般式(1):I-(CF
2
CF
2
)
n
-I
(一般式(1)中、nは1~4の整数を示す。)で表されるパーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)と、
一般式(2):ZnR
1
R
2
(一般式(2)中、R
1
およびR
2
は、各々独立して、炭素数1~4のアルキル基を示す。)で表されるジアルキル亜鉛(B)と、
一般式(3):X-Ar
(一般式(3)中、
Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、
Arはベンゼン環、含ヘテロ原子芳香環及び多環芳香族炭化水素からなる群より選択される芳香環を示し、ここで、Arは1つ以上の置換基を有していてもよく、置換基は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~10のアルキル基、フッ素原子を1つ以上含む炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数1~10のアシル基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数3~10のアセタール基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基及びアミノ基からなる群より選択される置換基を示す。)
で表されるハロゲン化芳香族化合物(C)とを、銅(I)触媒の存在下で反応させることを特徴とする、
一般式(4):Ar-(CF
2
CF
2
)
n
-Ar
(一般式(4)中、nは1~4の整数を示し、Arは一般式(3)と同一のものを示す。)で表されるパーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物の製造方法。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
パーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)とジアルキル亜鉛(B)を反応させる工程と、ハロゲン化芳香族化合物(C)と反応させる工程を連続して行う請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
一般式(1)におけるnが2または3であり、一般式(2)におけるR
1
及びR
2
がエチル基である請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
一般式(1)で表されるパーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)と、一般式(2)で表されるジアルキル亜鉛(B)とを、アミド結合を有する溶媒中で混合してなる含フッ素亜鉛試薬。
【請求項5】
一般式(1)で表されるパーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)1モルに対し、一般式(2)で表されるジアルキル亜鉛(B)0.8~2.5モル当量を、アミド結合を有する溶媒中で混合してなる含フッ素亜鉛試薬。
【請求項6】
下記式(a)又は(b)で表されるパーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物。
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発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明はパーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物の製造方法に関する。
パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物は、フッ素ゴムの架橋剤や燃料電池用電解質膜等の機能性材料の製造中間体として工業的に有用な化合物である。
続きを表示(約 3,100 文字)
【背景技術】
【0002】
パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物の製造方法としては、パーフルオロアルキレンジヨージドと芳香族ハロゲン化物とを銅粉末によって反応させるウルマンカップリングが知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。ウルマンカップリングでは、パーフルオロアルキレンジヨージド1モルに対し4~9モル当量の過剰量の銅粉末を使用するために、多量の廃棄物が生じ、反応後処理が困難となる課題があった。
【0003】
一方、パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物の製造方法として、パーフルオロアルキレンジヨージドとジエチル亜鉛とをペンタン中-78℃~室温にて終夜反応させて、N,N’-ジメチルプロピレン尿素を加えパーフルオロアルキレン亜鉛錯体を白色固体として単離した後、芳香族ハロゲン化物に対して1モル当量の塩化銅(I)の存在下クロスカップリングさせる方法が知られている(非特許文献3)。非特許文献3の方法では、パーフルオロアルキレン亜鉛錯体を調製するのに低温反応が必要で手間がかかる他、パーフルオロアルキレン亜鉛錯体を単離するために製造プロセスの工程数が多くなる課題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
G.J.Chen,L.S.Chen and K.C.Eapen, J.Fluor.Chem.,1993,63,113-123。
P.Velez-Herrera and H.Ishida,J.Fluor.Chem.,2009,130,573-580。
P.T.Kaplan et.al.,Organometallics,2013,32,7552-7558。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物を、簡便かつ効率よく製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物について鋭意検討した結果、パーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)と、ジアルキル亜鉛(B)と、ハロゲン化芳香族化合物(C)とを銅(I)触媒の存在下で反応させることでパーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物を簡便かつ効率よく得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
即ち、本発明は下記の要旨に係るものである。
[1] 一般式(1):I-(CF
2
CF
2
)
n
-I
(一般式(1)中、nは1~4の整数を示す。)で表されるパーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)と、
一般式(2):ZnR
1
R
2
(一般式(2)中、R
1
およびR
2
は、各々独立して、炭素数1~4のアルキル基を示す。)で表されるジアルキル亜鉛(B)と、
一般式(3):X-Ar
(一般式(3)中、
Xは臭素原子またはヨウ素原子を示し、
Arはベンゼン環、含ヘテロ原子芳香環及び多環芳香族炭化水素からなる群より選択される芳香環を示し、ここで、Arは1つ以上の置換基を有していてもよく、置換基は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、炭素数1~10のアルキル基、フッ素原子を1つ以上含む炭素数1~10のフルオロアルキル基、炭素数1~10のアシル基、炭素数1~10のアルコキシカルボニル基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数3~10のアセタール基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基及びアミノ基からなる群より選択される置換基を示す。)
で表されるハロゲン化芳香族化合物(C)とを、銅(I)触媒の存在下で反応させることを特徴とする、
一般式(4):Ar-(CF
2
CF
2
)
n
-Ar
(一般式(4)中、nは1~4の整数を示し、Arは一般式(3)と同一のものを示す。)で表されるパーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物の製造方法。
[2] パーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)とジアルキル亜鉛(B)を反応させる工程と、ハロゲン化芳香族化合物(C)と反応させる工程を連続して行う項[1]に記載の製造方法。
[3] 一般式(1)におけるnが2または3であり、一般式(2)におけるR
1
及びR
2
がエチル基である項[1]または項[2]に記載の方法。
[4] 一般式(1)で表されるパーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)と、一般式(2)で表されるジアルキル亜鉛(B)とを、アミド結合を有する溶媒中で混合してなる含フッ素亜鉛試薬。
[5] 一般式(1)で表されるパーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)1モルに対し、一般式(2)で表されるジアルキル亜鉛(B)0.8モル当量~2.5モル当量を、アミド結合を有する溶媒中で混合してなる含フッ素亜鉛試薬。
[6] 下記式(a)又は(b)で表されるパーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物。
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【発明の効果】
【0008】
本発明により、機能性材料の製造中間体として有用なパーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物を簡便かつ効率よく製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様は、パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物の製造方法に関する。下記ではそれぞれの用語および詳細について説明する。
【0010】
<パーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)>
本発明の製造方法において、パーフルオロアルキレンジヨージド化合物(A)は、パーフルオロアルキレン基を有する芳香族化合物の原料である。用いることができるパーフルオロアルキレンジヨージド化合物としては下記例に限られないが、例えば、I-CF
2
CF
2
-I、I-(CF
2
CF
2
)
2
-I、I-(CF
2
CF
2
)
3
-I、I-(CF
2
CF
2
)
4
-Iが挙げられる。生体蓄積性や環境残留性を抑えられる点からI-CF
2
CF
2
-I、I-(CF
2
CF
2
)
2
-I、I-(CF
2
CF
2
)
3
-Iが好ましく、機能性材料の物性向上の点からI-(CF
2
CF
2
)
2
-I、I-(CF
2
CF
2
)
3
-Iがより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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