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公開番号2024172944
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023091024
出願日2023-06-01
発明の名称冷凍サイクル装置
出願人株式会社豊田自動織機
代理人個人,個人
主分類F25B 1/00 20060101AFI20241205BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】気体軸受の耐久性の向上を図ること。
【解決手段】圧縮機12は、切換弁71が許容状態であるときに起動するため、圧縮機12の起動時においては圧縮機12の圧縮比が小さくなっている。したがって、回転体から気体軸受に加わる押し付け荷重が小さくなる。切換弁71は、圧縮機12の起動後に遮断状態に切り換わる。したがって、圧縮機12の起動後の圧縮機12の圧縮比が、切換弁71を許容状態に切り換える前の圧縮比に戻るため、圧縮機12の起動後の圧縮効率に影響を及ぼすことが回避されている。そして、圧縮機12は、切換弁71が遮断状態から許容状態に切り換わった後に停止する。このため、圧縮機12が停止しようとして回転体の回転数が浮上回転数を下回って、気体軸受が回転体と接した状態で回転体を支持していても、回転体から気体軸受に加わる押し付け荷重が小さくなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
前記圧縮機から吐出された冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する膨張弁と、
前記膨張弁で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、をこの順に環状に接続して構成される冷凍サイクルを備え、
前記冷凍サイクルを用いて、前記凝縮器及び前記蒸発器の少なくとも一方を介した冷媒と温調対象との熱交換を行うことにより、前記温調対象の温度を調節し、
前記圧縮機は、
前記蒸発器からの冷媒が吸入される吸入圧領域、及び圧縮された冷媒が吐出される吐出圧領域を有するハウジングと、
前記ハウジング内に収容される回転体と、
前記回転体の回転によって冷媒を圧縮するために駆動する圧縮部と、
前記回転体を回転可能に支持する気体軸受と、を備えている冷凍サイクル装置であって、
前記冷凍サイクルは、
前記吐出圧領域から前記凝縮器の入口までの間の領域である第1領域と、
前記蒸発器の出口から前記吸入圧領域までの間の領域である第2領域と、を有し、
前記第1領域と前記第2領域とを接続するバイパス通路と、
前記第1領域から前記バイパス通路を介した前記第2領域への冷媒の流れを許容する許容状態と、前記第1領域から前記バイパス通路を介した前記第2領域への冷媒の流れを遮断する遮断状態と、に切換可能な切換弁と、を備え、
前記圧縮機は、前記切換弁が前記許容状態であるときに起動するとともに、前記切換弁は、前記圧縮機の起動後に前記遮断状態に切り換わり、前記圧縮機は、前記切換弁が前記遮断状態から前記許容状態に切り換わった後に停止することを特徴とする冷凍サイクル装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記切換弁は、前記温調対象の温度が上昇して予め設定されている第1閾値温度に達すると前記許容状態に切り換わり、且つ、前記温調対象の温度が下降して予め設定されている第2閾値温度に達すると前記許容状態に切り換わることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記切換弁は、前記圧縮機が起動してから所定時間経過後に前記許容状態から前記遮断状態に切り換わることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記切換弁は、前記圧縮機が起動してから前記回転体の回転数が所定回転数に達すると前記許容状態から前記遮断状態に切り換わることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
前記圧縮機から吐出された冷媒を凝縮する凝縮器と、
前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する膨張弁と、
前記膨張弁で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、をこの順に環状に接続して構成される冷凍サイクルを備え、
前記冷凍サイクルを用いて、前記凝縮器及び前記蒸発器の少なくとも一方を介した冷媒と温調対象との熱交換を行うことにより、前記温調対象の温度を調節し、
前記圧縮機は、
前記蒸発器からの冷媒が吸入される吸入圧領域、及び圧縮された冷媒が吐出される吐出圧領域を有するハウジングと、
前記ハウジング内に収容される回転体と、
前記回転体の回転によって冷媒を圧縮するために駆動する圧縮部と、
前記回転体を回転可能に支持する気体軸受と、を備えている冷凍サイクル装置であって、
前記膨張弁は、第1開度と、前記第1開度よりも大きい開度である第2開度と、に切換可能であり、
前記圧縮機は、前記膨張弁が前記第2開度であるときに起動するとともに、前記膨張弁は、前記圧縮機の起動後に前記第1開度に切り換わり、前記圧縮機は、前記膨張弁が前記第1開度から前記第2開度に切り換わった後に停止することを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記膨張弁は、前記温調対象の温度が上昇して予め設定されている第1閾値温度に達すると前記第2開度に切り換わり、且つ、前記温調対象の温度が下降して予め設定されている第2閾値温度に達すると前記第2開度に切り換わることを特徴とする請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項7】
前記膨張弁は、前記圧縮機が起動してから所定時間経過後に前記第2開度から前記第1開度に切り換わることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項8】
前記膨張弁は、前記圧縮機が起動してから前記回転体の回転数が所定回転数に達すると前記第2開度から前記第1開度に切り換わることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の冷凍サイクル装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍サイクル装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、圧縮機と、凝縮器と、膨張弁と、蒸発器と、をこの順に環状に接続して構成される冷凍サイクルを備えた冷凍サイクル装置が知られている。圧縮機は、冷媒を圧縮して吐出する。凝縮器は、圧縮機から吐出された冷媒を凝縮する。膨張弁は、凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する。蒸発器は、膨張弁で減圧された冷媒を蒸発させる。そして、冷凍サイクル装置は、冷凍サイクルを用いて、凝縮器及び蒸発器の少なくとも一方を介した冷媒と温調対象との熱交換を行うことにより、温調対象の温度を調節する。
【0003】
圧縮機は、ハウジングと、回転体と、圧縮部と、を備えている。ハウジングは、吸入圧領域、及び吐出圧領域を有している。吸入圧領域には、蒸発器からの冷媒が吸入される。吐出圧領域には、圧縮された冷媒が吐出される。回転体は、ハウジング内に収容されている。圧縮部は、回転体の回転によって冷媒を圧縮するために駆動する。
【0004】
さらに、圧縮機は、例えば特許文献1のような気体軸受を備えている場合がある。気体軸受は、回転体を回転可能に支持する。気体軸受は、回転体が浮上回転数に達するまでは、回転体と接した状態で回転体を支持する。そして、回転体の回転数が浮上回転数に達すると、気体軸受と回転体との間に生じる気体膜の動圧によって、回転体が気体軸受に対して浮上する。これにより、気体軸受は、回転体と接触せずに回転体を支持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-333135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、冷凍サイクルにおいて、吐出圧領域から凝縮器の入口までの間の領域である第1領域と、蒸発器の出口から吸入圧領域までの間の領域である第2領域と、の圧力差が大きくなるほど、圧縮機の圧縮比は大きくなる。ここで、圧縮機の圧縮比が大きいほど、回転体が浮上回転数に達しておらず、気体軸受が回転体と接した状態で回転体を支持している際の回転体から気体軸受に加わる押し付け荷重が大きくなる。回転体から気体軸受に加わる押し付け荷重が大きいほど、気体軸受の耐久性が悪化してしまう。したがって、気体軸受の耐久性の向上を図ることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、前記圧縮機から吐出された冷媒を凝縮する凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する膨張弁と、前記膨張弁で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、をこの順に環状に接続して構成される冷凍サイクルを備え、前記冷凍サイクルを用いて、前記凝縮器及び前記蒸発器の少なくとも一方を介した冷媒と温調対象との熱交換を行うことにより、前記温調対象の温度を調節し、前記圧縮機は、前記蒸発器からの冷媒が吸入される吸入圧領域、及び圧縮された冷媒が吐出される吐出圧領域を有するハウジングと、前記ハウジング内に収容される回転体と、前記回転体の回転によって冷媒を圧縮するために駆動する圧縮部と、前記回転体を回転可能に支持する気体軸受と、を備えている冷凍サイクル装置であって、前記冷凍サイクルは、前記吐出圧領域から前記凝縮器の入口までの間の領域である第1領域と、前記蒸発器の出口から前記吸入圧領域までの間の領域である第2領域と、を有し、前記第1領域と前記第2領域とを接続するバイパス通路と、前記第1領域から前記バイパス通路を介した前記第2領域への冷媒の流れを許容する許容状態と、前記第1領域から前記バイパス通路を介した前記第2領域への冷媒の流れを遮断する遮断状態と、に切換可能な切換弁と、を備え、前記圧縮機は、前記切換弁が前記許容状態であるときに起動するとともに、前記切換弁は、前記圧縮機の起動後に前記遮断状態に切り換わり、前記圧縮機は、前記切換弁が前記遮断状態から前記許容状態に切り換わった後に停止する。
【0008】
これによれば、切換弁が許容状態に切り換わると、第1領域からバイパス通路を介した第2領域への冷媒の流れが許容されるため、第1領域と第2領域との圧力差が小さくなっていく。すると、圧縮機の圧縮比は小さくなっていく。一方で、切換弁が遮断状態に切り換わると、第1領域からバイパス通路を介した第2領域への冷媒の流れが遮断されるため、第1領域と第2領域との圧力差が、切換弁を許容状態に切り換える前の圧力差に戻る。したがって、圧縮機の圧縮比が、切換弁を許容状態に切り換える前の圧縮比に戻る。
【0009】
ここで、圧縮機の起動時は、回転体が浮上回転数に達しておらず、気体軸受が回転体と接した状態で回転体を支持している。圧縮機は、切換弁が許容状態であるときに起動するため、圧縮機の起動時においては圧縮機の圧縮比が小さくなっている。したがって、回転体から気体軸受に加わる押し付け荷重を小さくすることができる。切換弁は、圧縮機の起動後に遮断状態に切り換わる。したがって、圧縮機の起動後の圧縮機の圧縮比が、切換弁を許容状態に切り換える前の圧縮比に戻るため、圧縮機の起動後の圧縮効率に影響を及ぼすことが回避されている。そして、圧縮機は、切換弁が遮断状態から許容状態に切り換わった後に停止する。ここで、圧縮機が停止しようとして回転体の回転数が小さくなっていくと、回転体の回転数が浮上回転数を下回って、気体軸受が回転体と接した状態で回転体を支持することになる。圧縮機は、切換弁が許容状態に切り換わって圧縮機の圧縮比が小さい状態で停止する。このため、圧縮機が停止しようとして回転体の回転数が浮上回転数を下回って、気体軸受が回転体と接した状態で回転体を支持していても、回転体から気体軸受に加わる押し付け荷重を小さくすることができる。以上により、気体軸受の耐久性の向上を図ることができる。
【0010】
上記冷凍サイクル装置において、前記切換弁は、前記温調対象の温度が上昇して予め設定されている第1閾値温度に達すると前記許容状態に切り換わり、且つ、前記温調対象の温度が下降して予め設定されている第2閾値温度に達すると前記許容状態に切り換わるとよい。このような構成は、切換弁を許容状態に切り換えるタイミングとして好適である。
(【0011】以降は省略されています)

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