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10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2024172898
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023090942
出願日
2023-06-01
発明の名称
アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体の製造方法
出願人
国立大学法人 東京大学
,
株式会社レゾナック
,
日本ポリエチレン株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07F
15/00 20060101AFI20241205BHJP(有機化学)
要約
【課題】種々の応用が可能な極性基を有する高分子量オレフィン重合体を高い触媒活性で製造することのできる触媒として有用な、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体を、簡略化した操作かつ高い収率で製造可能とする方法を提供すること。
【解決手段】特定のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物と、特定の金属化合物を反応させ、続いて電子供与性配位子を反応させる、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体の製造方法。
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024172898000015.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">36</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">151</com:WidthMeasure> </com:Image> 【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
一般式(1)
TIFF
2024172898000012.tif
50
147
(式中、Mはニッケル又はパラジウムを表し、R
5
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~30の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~30の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換された総炭素原子数2~40の炭化水素基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基で置換された総炭素原子数7~50の炭化水素基、炭素原子数2~10のアミド基で置換された総炭素原子数3~40の炭化水素基、炭素原子数1~30のアルコキシ基、炭素原子数6~30のアリールオキシ基、及び炭素原子数2~10のアシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R
6
及びR
7
は、それぞれ独立して、アルコキシ基、アリールオキシ基、水素原子若しくは炭化水素基で置換されたシリル基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、又は水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びアシロキシ基からなる群から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい総炭素原子数1~180の炭化水素基を表し、R
6
及びR
7
の少なくとも一方は、一般式(2)
TIFF
2024172898000013.tif
43
148
(式中、R
12
、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、及びR
21
は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~10の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換された総炭素原子数2~20の炭化水素基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基で置換された総炭素原子数7~20の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、及び炭素原子数2~10のアシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R
16
とR
21
は単結合を形成していてもよい。なお、一般式(2)では、炭素原子と一般式(1)におけるPとの結合も表記している。)で表されるアラルキル基である。R
8
、R
9
、R
10
、及びR
11
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20の炭化水素基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、水素原子若しくは炭素原子数1~20の炭化水素基で置換されたシリル基、又はハロゲン原子で置換された炭素原子数1~20の炭化水素基を表す。Lは電子供与性配位子を表し、qは1/2、1又は2である。)
で表されるアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体の製造方法であって、
下記一般式(3)
TIFF
2024172898000014.tif
54
146
(R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
、及びR
11
は、一般式(1)と同一であり、R
22
は炭素原子数1~20の炭化水素基、水素原子若しくは炭素原子数1~20の炭化水素基で置換されたシリル基、又はハロゲン原子で置換された炭素原子数1~20の炭化水素基を表す。)で表されるアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物と、置換基R
5
を有するM化合物(R
5
及びMは、一般式(1)と同一である。)を反応させる工程1と、
前記アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物と前記置換基R
5
を有するM化合物との錯形成物に電子供与性配位子Lを反応させる工程2と
を含む、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
一般式(3)において、R
22
が炭素原子数1~20の炭化水素基である、請求項1に記載の金属錯体の製造方法。
【請求項3】
一般式(3)において、R
22
が炭素原子数1~20のアルキル基である、請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
【請求項4】
一般式(1)及び一般式(3)において、R
8
、R
9
、R
10
、及びR
11
が、全て水素原子である、請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
【請求項5】
一般式(1)及び一般式(3)において、R
6
及びR
7
が一般式(2)で表される同一のアラルキル基である、請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
【請求項6】
一般式(2)において、R
12
、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、及びR
21
が、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~10の炭化水素基、又は炭素原子数1~10のアルコキシ基である、請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
【請求項7】
一般式(2)において、R
12
、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、及びR
21
が全て水素原子である、請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
【請求項8】
一般式(1)において、Mがパラジウムである、請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
【請求項9】
前記置換基R
5
を有するM化合物が、炭素原子数1~5のアルキル基とハロゲン原子とを有する化合物である、請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
【請求項10】
前記置換基R
5
を有するM化合物が、中性配位子、及び炭素原子数1~5のアルキル基とハロゲン原子とを有する化合物である、請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体の製造に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体は、オレフィン重合、特に極性基を有するアリル化合物等の極性基含有モノマーの重合において高い性能を発現し、特に高分子量オレフィン重合体を取得できることが知られている(国際公開第2020/175482号(特許文献1)、国際公開第2023/037849号(特許文献2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/175482号
国際公開第2023/037849号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2では、アラルキル基を有するホスフィノベンゼンスルホン酸と、ジイソプロピルエチルアミン及びPd(cod)MeCl(cod=1,5-シクロオクタジエン)とを反応させたのち、ジイソプロピルエチルアミンを留去し、続いて炭酸カリウムと2,6-ルチジンを反応させることによってアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体を製造している。しかしながら、収率はいずれも十数%~30%程度と低い。これは、アラルキル基を有するホスフィノベンゼンスルホン酸と、ジイソプロピルエチルアミン及びPd(cod)MeCl(cod=1,5-シクロオクタジエン)を反応させて得られる中間体が不安定で分解を起こしてしまうためと考えられる。収率の低さに加え、精製工程において、沸点の高いアミン化合物を除去する必要があるため操作が煩雑であるという問題点もあり、工業的に適用するには収率の向上や工程の簡略化が求められていた。
【0005】
本発明の課題は、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体を、より簡略化した操作かつ高い収率で製造可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、原料としてアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物を使用し、これと特定の金属化合物を反応させ、続いて電子供与性配位子を反応させることによって、製造工程の簡略化、及び反応中間体分解の抑制による収率向上の2点において、より効率的にアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体を製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本開示は以下の[1]~[13]のアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体の製造方法に関する。
【0008】
[1]
一般式(1)
TIFF
2024172898000001.tif
50
151
(式中、Mはニッケル又はパラジウムを表し、R
5
は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~30の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~30の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換された総炭素原子数2~40の炭化水素基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基で置換された総炭素原子数7~50の炭化水素基、炭素原子数2~10のアミド基で置換された総炭素原子数3~40の炭化水素基、炭素原子数1~30のアルコキシ基、炭素原子数6~30のアリールオキシ基、及び炭素原子数2~10のアシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R
6
及びR
7
は、それぞれ独立して、アルコキシ基、アリールオキシ基、水素原子若しくは炭化水素基で置換されたシリル基、アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、又は水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、及びアシロキシ基からなる群から選ばれる1つ以上の基で置換されていてもよい総炭素原子数1~180の炭化水素基を表し、R
6
及びR
7
の少なくとも一方は、一般式(2)
TIFF
2024172898000002.tif
44
146
(式中、R
12
、R
13
、R
14
、R
15
、R
16
、R
17
、R
18
、R
19
、R
20
、及びR
21
は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素原子数1~10の炭化水素基、ハロゲン原子で置換された炭素原子数1~10の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基で置換された総炭素原子数2~20の炭化水素基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基で置換された総炭素原子数7~20の炭化水素基、炭素原子数1~10のアルコキシ基、炭素原子数6~10のアリールオキシ基、及び炭素原子数2~10のアシロキシ基からなる群より選ばれるいずれかを表し、R
16
とR
21
は単結合を形成していてもよい。なお、一般式(2)では、炭素原子と一般式(1)におけるPとの結合も表記している。)で表されるアラルキル基である。R
8
、R
9
、R
10
、及びR
11
は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1~20の炭化水素基、炭素原子数1~8のアルコキシ基、炭素原子数6~20のアリールオキシ基、水素原子若しくは炭素原子数1~20の炭化水素基で置換されたシリル基、又はハロゲン原子で置換された炭素原子数1~20の炭化水素基を表す。Lは電子供与性配位子を表し、qは1/2、1又は2である。)
で表されるアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体の製造方法であって、
下記一般式(3)
TIFF
2024172898000003.tif
55
150
(R
6
、R
7
、R
8
、R
9
、R
10
、及びR
11
は、一般式(1)と同一であり、R
22
は炭素原子数1~20の炭化水素基、水素原子若しくは炭素原子数1~20の炭化水素基で置換されたシリル基、又はハロゲン原子で置換された炭素原子数1~20の炭化水素基を表す。)で表されるアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物と、置換基R
5
を有するM化合物(R
5
及びMは、一般式(1)と同一である。)を反応させる工程1と、
前記アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸エステル化合物と前記置換基R
5
を有するM化合物との錯形成物に電子供与性配位子Lを反応させる工程2と
を含む、アラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体の製造方法。
[2]
一般式(3)において、R
22
が炭素原子数1~20の炭化水素基である、[1]に記載の金属錯体の製造方法。
[3]
一般式(3)において、R
22
が炭素原子数1~20のアルキル基である、[1]又は[2]に記載の金属錯体の製造方法。
[4]
一般式(1)及び一般式(3)において、R
8
、R
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造工程の簡略化及び収率の向上という工業的に優れた条件でアラルキル基を有するホスフィン-スルホン酸を配位子とする金属錯体を製造することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、「炭化水素」は、飽和及び不飽和の脂肪族炭化水素、並びに芳香族炭化水素を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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