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公開番号2024155054
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069438
出願日2023-04-20
発明の名称熱電変換モジュールおよび熱流センサ
出願人国立大学法人 東京大学,三菱ケミカル株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類H10N 15/20 20230101AFI20241024BHJP()
要約【課題】安価で且つ常温から400K以下の温度範囲での使用に適した熱電変換モジュールおよび熱流センサを提供する。
【解決手段】熱電変換モジュール100は、Fe3Siを含有する異常ネルンスト効果材1を備え、磁束密度2Tの磁場を印加したときの異常ネルンスト効果材1の異常ネルンスト係数の絶対値の最大値が、320K~400Kの範囲において、2.0μV/K以上であり、異常ネルンスト係数の絶対値の標準偏差が、温度320K~400Kの範囲において、0.15μV/K以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Fe

Siを含有する異常ネルンスト効果材を備え、
磁束密度2Tの磁場を印加したときの前記異常ネルンスト効果材の異常ネルンスト係数の絶対値の最大値が、320K~400Kの範囲において、2.0μV/K以上であり、
前記異常ネルンスト係数の絶対値の標準偏差が、温度320K~400Kの範囲において、0.15μV/K以下である、熱電変換モジュール。
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
前記異常ネルンスト効果材がFe

Siの多結晶体である、請求項1に記載の熱電変換モジュール。
【請求項3】
前記多結晶体が、D0

構造である、請求項2に記載の熱電変換モジュール。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の熱電変換モジュールを備える、熱流センサ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電変換モジュールおよび熱流センサに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
未利用の熱エネルギーを活用するために、熱電変換モジュールの開発が積極的に行われている。熱電変換モジュールとしては、温度勾配によって電圧を発生させることが可能なゼーベック効果(Seebeck Effect)を利用した熱電変換モジュールがよく知られている。
【0003】
ゼーベック効果では、温度勾配と同じ方向に電圧が生じることから、ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールはπ型構造を構成単位とする複雑な3次元構造となる。そのため、ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールは大面積化やフィルム化が困難である。また、ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールは、希少性の高い材料が用いられており、製造コストが高いという課題がある。また、毒性の観点においても課題がある。
【0004】
ゼーベック効果を利用した熱電変換モジュールに対し、近年、異常ネルンスト効果(Anomalous Nernst Effect)により起電力を生じる異常ネルンスト効果材を用いた熱電変換モジュールが提案されている。異常ネルンスト効果とは、磁性体に熱流を流して温度差が生じたときに、磁化方向と温度勾配の双方に直交する方向に電圧が生じる現象である。
【0005】
異常ネルンスト効果では、温度勾配に直交する方向に電圧が生じることから、異常ネルンスト効果を利用した熱電変換モジュールでは、熱源に沿うように展開することができ、大面積化及びフィルム化がしやすいという利点がある。
【0006】
例えば、異常ネルンスト効果を利用した熱電変換モジュールとして、特許文献1には、組成式がFe

Xで表され、前記Xが典型元素若しくは遷移元素であるストイキオメトリックな組成の第1物質、前記第1物質からFeと前記Xとの組成比がずれたオフ・ストイキオメトリックな組成の第2物質、前記第1物質のFeサイトの一部若しくは前記第2物質のFeサイトの一部を前記X以外の典型金属元素若しくは遷移元素で置換した第3物質、組成式がFe

M1
1-x
M2

(0<x<1)で表され、前記M1及び前記M2が互いに異なる典型元素である第4物質、又は前記第1物質のFeサイトの一部を前記X以外の遷移元素で置換し、前記Xのサイトの一部を前記X以外の典型金属元素で置換した第5物質からなり、前記第1物質、前記第2物質、前記第3物質、前記第4物質及び前記第5物質は、異常ネルンスト効果を示す、熱電変換素子が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2020/218613号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在、異常ネルンスト効果を利用した熱電変換モジュールとしては、安価な材料を用いた熱電変換モジュールが求められている。加えて、常温から400K以下の温度範囲での使用に適した熱電変換モジュールが求められている。
【0009】
本発明は、上記の事情を鑑みなされた発明であり、安価で且つ400K以下の温度範囲での使用に適した熱電変換モジュールおよび熱流センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
<1>本発明の態様1の熱電変換モジュールは、Fe

Siを含有する異常ネルンスト効果材を備え、磁束密度2Tの磁場を印加したときの前記異常ネルンスト効果材の異常ネルンスト係数の絶対値の最大値が、320K~400Kの範囲において、2.0μV/K以上であり、
異常ネルンスト係数の絶対値の標準偏差が、温度320K~400Kの範囲において、0.15μV/K以下である。
<2>本発明の態様2は、態様1の熱電変換モジュールにおいて、前記異常ネルンスト効果材がFe

Siの多結晶体であってもよい。
<3>本発明の態様3は、態様2の熱電変換モジュールにおいて、前記多結晶体がFe

SiのD0

構造であってもよい。
<4>本発明の態様4の熱流センサは、態様1~3の熱電変換モジュールを備える。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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