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公開番号2024172559
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023090348
出願日2023-05-31
発明の名称スクロール圧縮機及び冷凍装置
出願人ダイキン工業株式会社
代理人弁理士法人前田特許事務所
主分類F04C 18/02 20060101AFI20241205BHJP(液体用容積形機械;液体または圧縮性流体用ポンプ)
要約【課題】可動スクロールとフローティング部材との潤滑不良を抑制する。
【解決手段】スクロール圧縮機(10)は、固定スクロール(31)及び可動スクロール(35)を有する圧縮機構(30)と、可動スクロールを固定スクロールに対して押し付けるフローティング部材(50)と、を備える。可動スクロールは、第1接触面(111)と、第1隙間形成面(112)と、を含む。フローティング部材は、第2接触面と、第2隙間形成面と、を含む。第1隙間形成面は、第1接触面よりも外周側(Ro)に配置されている。第2隙間形成面は、第2接触面よりも内周側(Ri)に配置されている。可動スクロールの第1軸心(Z1)から第1隙間形成面の内周端部(112i)までの距離(R1)と、フローティング部材の第2軸心(Z2)から第2隙間形成面の外周端部(122o)までの距離(R2)と、第1軸心と第2軸心との距離(r)とは、(R2-r)<R1<(R2+r)の関係にある。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
固定スクロール(31)及び可動スクロール(35)を有する圧縮機構(30)と、
前記可動スクロール(35)を前記固定スクロール(31)に対して軸方向(Z)に押し付けるフローティング部材(50)と、を備え、
前記可動スクロール(35)における前記フローティング部材(50)に対向する第1対向面(110)は、前記フローティング部材(50)に接触する第1接触面(111)と、前記フローティング部材(50)との間で隙間(H)を形成する第1隙間形成面(112)と、を含み、
前記フローティング部材(50)における前記可動スクロール(35)に対向する第2対向面(120)は、前記可動スクロール(35)に接触する第2接触面(121)と、前記可動スクロール(35)との間で隙間(H)を形成する第2隙間形成面(122)と、を含み、
前記第1隙間形成面(112)は、前記第1接触面(111)よりも径方向(R)における外周側(Ro)及び内周側(Ri)のうちの一方側(Ra)に配置されており、
前記第2隙間形成面(122)は、前記第2接触面(121)よりも前記径方向(R)における外周側(Ro)及び内周側(Ri)のうちの他方側(Rb)に配置されており、
前記可動スクロール(35)の第1軸心(Z1)から前記第1隙間形成面(112)の前記径方向(R)における前記他方側(Rb)の端部(112b)までの距離(R1)と、
前記フローティング部材(50)の第2軸心(Z2)から前記第2隙間形成面(122)の前記径方向(R)における前記一方側(Ra)の端部(122a)までの距離(R2)と、
前記第1軸心(Z1)と前記第2軸心(Z2)との距離(r)とは、
(R2-r)<R1<(R2+r)又は(R1-r)<R2<(R1+r)の関係を満たす、
スクロール圧縮機。
続きを表示(約 930 文字)【請求項2】
前記第1隙間形成面(112)は、前記第1接触面(111)に対して傾斜した第1傾斜部(113)で構成されおり、
前記第2隙間形成面(122)は、前記第2接触面(121)に対して傾斜した第2傾斜部(123)で構成されている、
請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項3】
前記第1傾斜部(113)は、前記径方向(R)における前記一方側(Ra)に延びるに従って前記軸方向(Z)における前記フローティング部材(50)とは反対側に延びており、
前記第2傾斜部(123)は、前記径方向(R)における前記他方側(Rb)に延びるに従って前記軸方向(Z)における前記可動スクロール(35)とは反対側に延びている、
請求項2に記載のスクロール圧縮機。
【請求項4】
前記第1隙間形成面(112)は、前記第1接触面(111)に対して前記軸方向(Z)における前記フローティング部材(50)とは反対側に凹む第1凹部(114)で構成されており、
前記第2隙間形成面(122)は、前記第2接触面(121)に対して前記軸方向(Z)における前記可動スクロール(35)とは反対側に凹む第2凹部(124)で構成されている、
請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項5】
前記径方向(R)における前記一方側(Ra)は、外周側(Ro)であり、
前記径方向(R)における前記他方側(Rb)は、内周側(Ri)であり、
前記可動スクロール(35)の前記第1軸心(Z1)から前記第1隙間形成面(112)の内周端部(112i)までの距離(R1)と、
前記フローティング部材(50)の前記第2軸心(Z2)から前記第2隙間形成面(122)の外周端部(122o)までの距離(R2)と、
前記第1軸心(Z1)と前記第2軸心(Z2)との距離(r)とは、
(R2-r)<R1<(R2+r)の関係を満たす、
請求項1に記載のスクロール圧縮機。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つ記載のスクロール圧縮機(10)を備える、冷凍装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、スクロール圧縮機及び冷凍装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のスクロール圧縮機は、固定スクロール及び可動スクロールを有する圧縮機構と、フローティング部材と、を備える。フローティング部材の背面側に高圧又は中間圧が供給されることで、フローティング部材が押し上げられる。フローティング部材は、可動スクロールを固定スクロールに対して押し付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020―193576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フローティング部材は、可動スクロールを軸方向に支持するスラスト軸受として、機能する。フローティング部材は、可動スクロールの転覆に追従して傾く。フローティング部材は、可動スクロールに対してほとんど隙間なく接触した状態で、可動スクロールを好適に支持し得る。
【0005】
その反面、可動スクロールとフローティング部材との間には、潤滑油が流入しにくくなる。可動スクロールとフローティング部材との接触部(摺動部)は、潤滑不良により焼き付きが生じかねない。
【0006】
本開示の目的は、スクロール圧縮機において、可動スクロールとフローティング部材との間での潤滑不良を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第1の態様は、スクロール圧縮機(10)を対象とする。スクロール圧縮機(10)は、固定スクロール(31)及び可動スクロール(35)を有する圧縮機構(30)と、前記可動スクロール(35)を前記固定スクロール(31)に対して軸方向(Z)に押し付けるフローティング部材(50)と、を備え、前記可動スクロール(35)における前記フローティング部材(50)に対向する第1対向面(110)は、前記フローティング部材(50)に接触する第1接触面(111)と、前記フローティング部材(50)との間で隙間(H)を形成する第1隙間形成面(112)と、を含み、前記フローティング部材(50)における前記可動スクロール(35)に対向する第2対向面(120)は、前記可動スクロール(35)に接触する第2接触面(121)と、前記可動スクロール(35)との間で隙間(H)を形成する第2隙間形成面(122)と、を含み、前記第1隙間形成面(112)は、前記第1接触面(111)よりも径方向(R)における外周側(Ro)及び内周側(Ri)のうちの一方側(Ra)に配置されており、前記第2隙間形成面(122)は、前記第2接触面(121)よりも前記径方向(R)における外周側(Ro)及び内周側(Ri)のうちの他方側(Rb)に配置されており、前記可動スクロール(35)の第1軸心(Z1)から前記第1隙間形成面(112)の前記径方向(R)における前記他方側(Rb)の端部(112b)までの距離(R1)と、前記フローティング部材(50)の第2軸心(Z2)から前記第2隙間形成面(122)の前記径方向(R)における前記一方側(Ra)の端部(122a)までの距離(R2)と、前記第1軸心(Z1)と前記第2軸心(Z2)との距離(r)とは、(R2-r)<R1<(R2+r)又は(R1-r)<R2<(R1+r)の関係を満たす。
【0008】
第1の態様によれば、可動スクロール(35)の第1接触面(111)とフローティング部材(50)の第2接触面(121)とが互いに対向して接触する一の領域と、可動スクロール(35)の第1隙間形成面(112)とフローティング部材(50)の第2隙間形成面(122)とが互いに対向して両者の間で隙間(H)が形成される他の領域と、が形成される。
【0009】
一の領域では、フローティング部材(50)の第2接触面(121)は、可動スクロール(35)の第1接触面(111)を支持して、可動スクロール(35)を固定スクロール(31)に対して軸方向(Z)に押し付ける。
【0010】
他の領域では、可動スクロール(35)の第1隙間形成面(112)とフローティング部材(50)の第2隙間形成面(122)との隙間(H)に対する潤滑油の供給によって、可動スクロール(35)とフローティング部材(50)との接触部(摺動部)の潤滑が行われる。
(【0011】以降は省略されています)

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