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公開番号2024172399
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023090097
出願日2023-05-31
発明の名称電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジ
出願人株式会社リコー
代理人個人
主分類G03G 9/113 20060101AFI20241205BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】抵抗値変動、非画像部へのキャリア付着および帯電変動を抑制し得る電子写真画像形成用キャリアを提供する。
【解決手段】芯材粒子と前記芯材粒子を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層は、樹脂、カーボンブラックおよび粒子Aを含有し、前記カーボンブラックおよび粒子Aは、前記被覆層の厚み方向に濃度勾配を有し、前記被覆層の表面に向かうほど前記粒子Aの濃度は高く、前記カーボンブラックの濃度は低くなり、前記被覆層の表面から深さ0.0~0.1[μm]の範囲において、前記被覆層中の前記カーボンブラックの体積割合が0[%]以上30[%]以下であり、かつ前記粒子Aは、無機微粒子からなる基体と、アンチモンを含有する粒子とを含む電子写真画像形成用キャリアによって上記課題を解決した。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
芯材粒子と前記芯材粒子を被覆する被覆層とを有する電子写真画像形成用キャリアであって、
前記被覆層は、樹脂、カーボンブラックおよび粒子Aを含有し、
前記カーボンブラックおよび粒子Aは、前記被覆層の厚み方向に濃度勾配を有し、前記被覆層の表面に向かうほど前記粒子Aの濃度は高く、かつ前記カーボンブラックの濃度は低くなり、
前記被覆層の表面から深さ0.0~0.1[μm]の範囲において、前記被覆層中の前記カーボンブラックの体積割合が0[%]以上30[%]以下であり、かつ
前記粒子Aは、無機微粒子からなる基体と、アンチモンを含有する粒子とを含むことを特徴とする、電子写真画像形成用キャリア。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記アンチモンを含有する粒子が、アンチモンをドープした酸化スズを含有することを特徴とする、請求項1の記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項3】
前記アンチモンが、五酸化二アンチモンであることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項4】
前記無機微粒子からなる基体が、酸化アルミニウムであることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項5】
前記被覆層が、前記粒子A以外に粒子Bを含有し、前記粒子Bが少なくとも硫酸バリウムを含有することを特徴とする、請求項1に記載の電子写真画像形成用キャリア。
【請求項6】
請求項1に記載の電子写真画像形成用キャリアを含有することを特徴とする、電子写真画像形成用現像剤。
【請求項7】
請求項6に記載の電子写真画像形成用現像剤を用いて画像形成することを特徴とする、電子写真画像形成方法。
【請求項8】
請求項6に記載の電子写真画像形成用現像剤を含むことを特徴とする、電子写真画像形成装置。
【請求項9】
請求項6に記載の電子写真画像形成用現像剤を備えることを特徴とする、プロセスカートリッジ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真画像形成用キャリア、電子写真画像形成用現像剤、電子写真画像形成方法、電子写真画像形成装置およびプロセスカートリッジに関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
一般に電子写真法、静電写真法等の画像形成方法においては、潜像担持体上に形成された静電潜像を現像するために、トナーとキャリアとを撹拌混合することによって得られる現像剤が使用される。この現像剤は、適当に帯電された混合物であることが要求される。一般に静電潜像を現像する方法としては、トナーとキャリアとを混合して得られる二成分系現像剤を使用する方法と、キャリアを含まない一成分系現像剤を使用する方法が公知である。二成分現像方式は、キャリアを使用することからトナーに対する摩擦帯電面積が広く、一成分方式に比較して帯電特性が安定しており、長期に渡って高画質を維持する上で有利である。また、現像領域へのトナー量供給能力が高いことから、特に高速機に多く採用されている。また、レーザービームなどで感光体上に静電潜像を形成し、この潜像を顕像化するデジタル方式電子写真システムにおいても、前述の特徴が有用であることから二成分現像方式が広く採用されている。
【0003】
このような二成分系現像方式に使用されるキャリアは、キャリア表面へのトナーのスペント防止、キャリア均一表面の形成、表面酸化防止、感湿性低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体のキャリアによるキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御または帯電量の調節等を目的として、適当な樹脂材料で被覆等を施すことにより、高耐久性化を図る検討が成されている。例えば特定の樹脂材料で被覆されたもの(特許文献1)、さらにその被覆層に種々の添加剤を添加するもの(特許文献2~8)、さらに、キャリア表面に添加剤を付着させたものを用いるもの(特許文献9)などが開示されている。また、特許文献10にはグアナミン樹脂と該グアナミン樹脂と架橋可能な熱硬化樹脂でキャリア被覆材を構成するものが開示され、特許文献11には、メラミン樹脂とアクリル樹脂の架橋物をキャリア被覆材として用いることが開示されている。
【0004】
樹脂被覆キャリアは、樹脂被覆に伴って絶縁化され、現像電極として働かなくなるので、特にベタ画像部でエッジ効果が生じやすくなるといった欠点がある。また、トナー離脱時のカウンターチャージも過大となるので、静電現像による非画像部へのキャリア付着が発生しやすくなる。そこで、この問題を解決するために、例えば、キャリアの被覆層中に導電剤として導電性カーボンや導電性フィラーを分散した樹脂被覆キャリアが提案されている(例えば、特許文献12~15)。また、特許文献16には、導電性材料(カーボンブラック)を芯材表面に存在させて、被覆層中に導電性材料を存在させないキャリアが提案されている。また、特許文献17には、被覆層がその厚み方向にカーボンブラックの濃度勾配を持ち、該被覆層は表面に向かうほどカーボンブラック濃度が低くなり、しかも、該被覆層の表面にはカーボンブラックが存在しないキャリアが提案されている。また、特許文献18には、芯材粒子表面に導電性カーボンを含有した内部被覆層を設け、更に、その上に白色系導電性材料を含有した表面被覆層を設けてなる2層コート型キャリアが提案されている。特許文献19~21では、キャリア被覆層中に導電性フィラーを含有させたキャリアが示されている。これらのキャリアでは、カーボンに限定せずに導電性フィラーを導電性微粒子として使用することが可能であることから、キャリアから脱離した有色物のトナーへの影響を少なくするために着色量の少ない材料を選択することが可能である。また特許文献22~23には、キャリア被覆層中にアンチモンを含むスズの酸化物を含有したキャリアが提案されている。アンチモンをドープした酸化スズは導電性が高く、高い抵抗調整能力を有し、且つ、色味も薄いため色汚れ抑制にも有効である。特許文献24には、キャリアの被覆層が、カーボンブラックと、無機微粒子A及び無機微粒子Bの2種類の無機微粒子とを含有し、無機微粒子A及びカーボンブラックが被覆層の厚み方向に濃度勾配を持って存在し、キャリアの表面側に向かうほど、無機微粒子Aの濃度が高く、かつカーボンブラックの濃度が低くなり、キャリア表面からの被覆層の脱離が少なく、キャリア付着も問題ない現像装置が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、抵抗値変動、非画像部へのキャリア付着および帯電変動を抑制し得る電子写真画像形成用キャリアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)芯材粒子と前記芯材粒子を被覆する被覆層とを有する電子写真画像形成用キャリアであって、
前記被覆層は、樹脂、カーボンブラックおよび粒子Aを含有し、
前記カーボンブラックおよび粒子Aは、前記被覆層の厚み方向に濃度勾配を有し、前記被覆層の表面に向かうほど前記粒子Aの濃度は高く、かつ前記カーボンブラックの濃度は低くなり、
前記被覆層の表面から深さ0.0~0.1[μm]の範囲において、前記被覆層中の前記カーボンブラックの体積割合が0[%]以上30[%]以下であり、かつ
前記粒子Aは、無機微粒子からなる基体と、アンチモンを含有する粒子とを含むことを特徴とする、電子写真画像形成用キャリア。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、抵抗値変動、非画像部へのキャリア付着および帯電変動を抑制し得る電子写真画像形成用キャリアを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、画像形成装置の一例を示す概略図である。
図2は、本発明のプロセスカートリッジの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
本発明の電子写真画像形成用キャリアは、上記構成1)に示す通りであるが、本発明は、下記2)~9)の形態も好適に含むものである。
【0010】
2)前記アンチモンを含有する粒子が、アンチモンをドープした酸化スズを含有することを特徴とする、上記1)に記載の電子写真画像形成用キャリア。
3)前記アンチモンが、五酸化二アンチモンであることを特徴とする、上記1)または2)に記載の電子写真画像形成用キャリア。
4)前記無機微粒子からなる基体が、酸化アルミニウムであることを特徴とする、上記1)~3)のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
5)前記被覆層が、前記粒子A以外に粒子Bを含有し、前記粒子Bが少なくとも硫酸バリウムを含有することを特徴とする、上記1)~4)のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリア。
6)上記1)~5)のいずれかに記載の電子写真画像形成用キャリアを含有することを特徴とする、電子写真画像形成用現像剤。
7)上記6)に記載の電子写真画像形成用現像剤を用いて画像形成することを特徴とする、電子写真画像形成方法。
8)上記6)に記載の電子写真画像形成用現像剤を含むことを特徴とする、電子写真画像形成装置。
9)上記6)に記載の電子写真画像形成用現像剤を備えることを特徴とする、プロセスカートリッジ。
(【0011】以降は省略されています)

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