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公開番号2024168253
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023084759
出願日2023-05-23
発明の名称研削制御装置及び研削方法
出願人住友重機械工業株式会社
代理人個人
主分類B24B 47/20 20060101AFI20241128BHJP(研削;研磨)
要約【課題】研削において発生する凸状の切り残しを小さくしたり、被加工面に形成された複数のピットをさらに深くしたりすることが可能な研削制御装置を提供する。
【解決手段】外周面に複数のブレードが形成された砥石を回転させる回転駆動装置、加工対象物を保持する可動テーブル及び砥石の一方を他方に対して研削方向に移動させる研削方向駆動装置を、研削制御装置が制御することによって加工対象物の研削を行う。研削制御装置は、砥石の回転角と可動テーブルの研削方向の位置とを同期させる制御を行う機能を有する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
外周面に複数のブレードが形成された砥石を回転させる回転駆動装置、加工対象物を保持する可動テーブル及び前記砥石の一方を他方に対して研削方向に移動させる研削方向駆動装置を制御して研削を行う研削制御装置であって、
前記砥石の回転角と前記可動テーブルの研削方向の位置とを同期させる制御を行う機能を有する研削制御装置。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記可動テーブル及び前記砥石の一方を他方に対して研削方向に移動させて研削を行った後、前記可動テーブル及び前記砥石の他方に対する一方の移動方向を反転させる反転動作を行って次の研削を行う際に、前記砥石の回転速度を一定に維持し、前記反転動作の時間の長さを調整することにより、前記砥石の回転角と前記可動テーブルの研削方向の位置とを同期させる請求項1に記載の研削制御装置。
【請求項3】
前記可動テーブルが第1位置を通過し、移動方向が反転して前記第1位置に戻るまでの前記砥石の回転角の位相ずれ量の目標値が設定されると、前記目標値の位相ずれ量が生じるように前記反転動作の時間の長さを調整する請求項2に記載の研削制御装置。
【請求項4】
外周面に複数のブレードが形成された砥石を回転させながら、加工対象物及び前記砥石の一方を他方に対して研削方向に移動させて研削を行う研削方法であって、
前記砥石の回転角と前記加工対象物の研削方向の位置とを同期させて研削を行う研削方法。
【請求項5】
前記加工対象物及び前記砥石の一方を他方に対して研削方向に移動させて研削を行った後、前記加工対象物及び前記砥石の他方に対する一方の移動方向を反転させる反転動作を行って次の研削を行う際に、前記砥石の回転速度を一定に維持し、前記反転動作の時間の長さを調整することにより、前記砥石の回転角と前記加工対象物の研削方向の位置とを同期させる請求項4に記載の研削方法。
【請求項6】
前記加工対象物が第1位置を通過し、移動方向が反転して前記第1位置に戻るまでの前記砥石の回転角の位相ずれ量の目標値を設定し、
前記目標値の位相ずれ量が生じるように前記反転動作の時間の長さを調整する請求項5に記載の研削方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、研削制御装置及び研削方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
円柱状の砥石の外周面をドレッシングすることにより、複数のブレードが形成される。ドレッシングによって複数のブレードが形成された砥石を回転させながらワークの研削を行う技術が公知である(非特許文献1)。ブレードの形状がワークに転写され、被研削面にテクスチャパターンが刻まれる。このテクスチャパターンは、面粗さ、うねり、ビビリマーク等の原因になる。非特許文献1に、多条ドレッシングを行って作製された砥石を用いることにより、うねりの狭ピッチ化、振幅低減効果が確認され、ビビリ対策に有効であることが示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
市原浩一、「ドレス条痕の砥石真円度への影響および多条ドレス原理と研削効果」、砥粒加工学会誌、Vol.63 No.7、pp.26-32(2019)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
研削時に砥石のブレードに接触しなかった領域に、凸状の切り残しが生じる。被研削面の平坦性を高めるために、凸状の切り残しを除去することが望ましい。また、ブレードに削られることによって形成された複数のピットを摺動面の油だまりとして利用する場合には、ピットをさらに深くしたい場合もある。
【0005】
本発明の目的は、研削において発生する凸状の切り残しを小さくしたり、被加工面に形成された複数のピットをさらに深くしたりすることが可能な研削制御装置及び研削方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一観点によると、
外周面に複数のブレードが形成された砥石を回転させる回転駆動装置、加工対象物を保持する可動テーブル及び前記砥石の一方を他方に対して研削方向に移動させる研削方向駆動装置を制御して研削を行う研削制御装置であって、
前記砥石の回転角と前記可動テーブルの研削方向の位置とを同期させる制御を行う機能を有する研削制御装置が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によると、
外周面に複数のブレードが形成された砥石を回転させながら、加工対象物及び前記砥石の一方を他方に対して研削方向に移動させて研削を行う研削方法であって、
前記砥石の回転角と前記加工対象物の研削方向の位置とを同期させて研削を行う研削方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
砥石の回転角と可動テーブルの研削方向の位置とを同期させて追加の研削を行うことにより、1回の研削で残った切り残し部を小さくしたり、1回の研削で形成されたピットを深くしたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、一実施例による研削制御装置を搭載した平面研削装置の概略斜視図である。
図2Aは、砥石及びドレッサの概略斜視図であり、図2Bは、砥石の外周面近傍及びドレッサの断面図である。
図3Aは、ドレッシングされた砥石の外周面の展開図であり、図3Bは、図3Aの一点鎖線3B-3Bにおける砥石の断面図である。
図4A~図4Dは、可動テーブル及びワークの移動方向を反転させるときの制御を説明するための可動テーブル、ワーク、及び砥石の位置関係を示す図である。
図4E及び図4Fは、可動テーブル及びワークの移動方向を反転させるときの制御を説明するための可動テーブル、ワーク、及び砥石の位置関係を示す図である。
図5は、可動テーブル及びワークの研削方向(x方向)の速度の時間変化を示すグラフである。
図6は、研削制御装置のブロック図である。
図7は、研削制御装置(図1)が実行する手順を示すフローチャートである。
図8は、ステップS1の手順を終了した後のワークの被研削面に形成されている凹凸パターンを示す図である。
図9は、ステップS2、S3、S4の手順において、砥石のブレードが研削する領域と、ステップS1で形成されたピットとの位置関係を示す図である。
図10は、ステップS4の手順を終了した後のワークの被研削面に形成されている凹凸パターンを示す図である。
図11は、他の実施例による研削制御装置が実行する手順を示すフローチャートである。
図12Aは、図11に示した実施例による研削制御装置で研削されたワークの被研削面の凹凸パターンを示す図であり、図12B及び図12Cは、それぞれステップS1の後及びステップS10の後の、図12Aの一点鎖線12B-12Bにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1~図10を参照して、一実施例による研削制御装置及び研削方法について説明する。
図1は、本実施例による研削制御装置20を搭載した平面研削装置の概略斜視図である。基台50に、テーブル案内機構51を介して可動テーブル52が水平面内の一方向に往復移動可能に支持されている。可動テーブル52の移動方向をx方向とし、鉛直上方をz軸の正の向きとするxyz直交座標系を定義する。可動テーブル52の上に加工対象物であるワーク60が支持される。
(【0011】以降は省略されています)

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