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公開番号2024167825
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-04
出願番号2023084173
出願日2023-05-22
発明の名称電動車両の制御方法及び電動車両
出願人日産自動車株式会社
代理人弁理士法人後藤特許事務所
主分類B60L 15/20 20060101AFI20241127BHJP(車両一般)
要約【課題】全ての車輪を駆動している状態においてもスリップを抑制するスリップ制御を適切に実行する。
【解決手段】モータコントローラ14は、後輪32の駆動輪速を用いて前輪22のスリップ回転数制御を実行する。モータコントローラ14は、フロントモータ21のフロント最終トルク指令値Tmf_f *と、リアモータ31のリア最終トルク指令値Tmr_f *と、リアモータ角速度ωmrとに基づいて、電動車両10に作用する外乱トルク推定値T^distを推定する。モータコントローラ14は、その推定された外乱トルク推定値T^distと、フロント最終トルク指令値Tmf_f *とに基づいて制限トルクTlimを算出する。モータコントローラ14は、その算出された制限トルクTlimに基づいて、リアモータ31のリア目標トルク指令値Tmr *を補正してリア最終トルク指令値Tmr_f *を設定する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
第1輪を駆動する第1駆動モータと、第2輪を駆動する第2駆動モータと、前記第1駆動モータ及び前記第2駆動モータの動作を制御する制御装置と、を備える電動車両の制御方法であって、
前記制御装置は、
前記第2輪の駆動輪速を用いて前記第1輪のスリップ回転数制御を実行し、
前記第1駆動モータのトルク指令値である第1トルク指令値と、前記第2駆動モータのトルク指令値である第2トルク指令値と、前記第2駆動モータの回転状態とに基づいて、前記電動車両に作用する外乱に係るトルクを示す外乱トルク値を推定し、
推定した前記外乱トルク値と、前記第1トルク指令値とに基づいてトルク制限値を算出し、
算出した前記トルク制限値に基づいて前記第2駆動モータの目標トルク指令値を補正して前記第2トルク指令値を設定する、
電動車両の制御方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の電動車両の制御方法であって、
前記制御装置は、前記電動車両の加速時には、前記目標トルク指令値に対して前記トルク制限値を用いた上限の制限を行うことで前記第2トルク指令値を算出する、
電動車両の制御方法。
【請求項3】
請求項1に記載の電動車両の制御方法であって、
前記制御装置は、前記電動車両の減速時には、前記目標トルク指令値に対して前記トルク制限値を用いた下限の制限を行うことで前記第2トルク指令値を算出する、
電動車両の制御方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電動車両の制御方法であって、
前記制御装置は、前記目標トルク指令値の符号に基づいて、前記電動車両の加速及び減速を判定する、
電動車両の制御方法。
【請求項5】
請求項1から3の何れかに記載の電動車両の制御方法であって、
前記制御装置は、
前記第1トルク指令値と前記第2トルク指令値とに基づいて、前記第1駆動モータ及び前記第2駆動モータの総トルク指令値である第1トルク推定値を算出し、
前記第2駆動モータの回転状態に基づいて第2トルク推定値を算出し、
前記第1トルク推定値と前記第2トルク推定値とに基づいて、前記外乱トルク値を推定する、
電動車両の制御方法。
【請求項6】
請求項1から3の何れかに記載の電動車両の制御方法であって、
前記制御装置は、
前記第2輪の駆動輪速及び前記目標トルク指令値に基づいて前記電動車両の車速を推定し、
推定した前記車速に基づいて前記スリップ回転数制御を実行する、
電動車両の制御方法。
【請求項7】
第1輪を駆動する第1駆動モータと、第2輪を駆動する第2駆動モータと、前記第1駆動モータ及び前記第2駆動モータの動作を制御する制御装置と、を備える電動車両であって、
前記制御装置は、
前記第2輪の駆動輪速を用いて前記第1輪のスリップ回転数制御を実行し、
前記第1駆動モータのトルク指令値である第1トルク指令値と、前記第2駆動モータのトルク指令値である第2トルク指令値と、前記第2駆動モータの回転状態とに基づいて、前記電動車両に作用する外乱に係るトルクを示す外乱トルク値を推定し、
推定した前記外乱トルク値と、前記第1トルク指令値とに基づいてトルク制限値を算出し、
算出した前記トルク制限値に基づいて前記第2トルク指令値を補正する、
電動車両。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の制御方法及び電動車両に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、電動車両のスリップ状態を抑制するスリップ制御に関する技術が存在する。例えば、車輪を駆動する電動モータのモータ回転速度と、従動輪速度とを用いて駆動輪のスリップ状態を検出し、駆動輪のスリップが検出されたときにスリップ制御用指令トルクを算出して電動モータの出力を制限し、スリップを抑制するスリップ制御技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-158337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、スリップしていない従動輪(即ち、電動モータによる駆動を行っていない車輪)の回転数を用いて駆動輪のスリップ状態を検出してスリップ制御を行う。しかし、全ての車輪を駆動する電動車両の場合には、全ての車輪がスリップしている状態になる可能性がある。このように、全ての車輪がスリップしている状態では、スリップ状態を適切に検出することが困難となり、スリップを抑制するスリップ制御を適切に実行することが困難となるおそれがある。
【0005】
本発明は、全ての車輪を駆動している状態においてもスリップを抑制するスリップ制御を適切に実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、第1輪を駆動する第1駆動モータと、第2輪を駆動する第2駆動モータと、第1駆動モータ及び第2駆動モータの動作を制御する制御装置とを備える電動車両の制御方法である。この制御方法では、制御装置は、第2輪の駆動輪速を用いて第1輪のスリップ回転数制御を実行し、第1駆動モータのトルク指令値(第1トルク指令値)と、第2駆動モータのトルク指令値(第2トルク指令値)と、第2駆動モータの回転状態とに基づいて、電動車両に作用する外乱に係るトルクを示す外乱トルク値を推定し、その推定した外乱トルク値と第1トルク指令値とに基づいてトルク制限値を算出し、その算出したトルク制限値に基づいて第2駆動モータの目標トルク指令値を補正して第2トルク指令値を設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、全ての車輪を駆動している状態においてもスリップを抑制するスリップ制御を適切に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、電動車両のシステム構成の一例を示す概略構成図である。
図2は、モータコントローラによる制御処理例を示すフローチャートである。
図3は、アクセル開度-トルクテーブルの一例を示す図である。
図4は、トルク配分演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5は、電動車両の運動方程式で用いるパラメータを示す説明図である。
図6は、スリップ抑制演算処理のシステム構成例を示すブロック図である。
図7は、リアトルク制限演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8は、外乱推定演算部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図9は、制限トルク算出部の機能構成の一例を示すブロック図である。
図10は、リア最終トルク指令値の算出処理例を示す図である。
図11は、車速推定値の算出処理例を示すフローチャートである。
図12は、電動車両の加速時におけるタイムチャートである。
図13は、電動車両の減速時におけるタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
図1は、電動車両10のシステム構成の一例を示す概略構成図である。本実施形態では、モータ(電動機)を前後に独立して搭載した電動車両10を例にして説明する。すなわち、電動車両10は、前輪22と後輪32を各々異なるモータによって駆動する四輪駆動車両である。電動車両10は、フロント駆動システム11、リア駆動システム12、バッテリ13、及び、モータコントローラ14を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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