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公開番号
2024164800
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-27
出願番号
2024027766
出願日
2024-02-27
発明の名称
量子ドット電界発光素子及びその製造方法
出願人
日本放送協会
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
H10K
50/115 20230101AFI20241120BHJP()
要約
【課題】発光効率が高く、色純度の高い光を発することが可能な量子ドット電界発光素子を提供する。
【解決手段】陰極120と、金属酸化物からなる電子輸送層130と、有機材料からなる中間層140と、量子ドットを含む発光層150と、陽極180と、をこの順に具え、前記電子輸送層130が、フッ素処理されていることを特徴とする、量子ドット電界発光素子100である。前記中間層140を構成する有機材料は、ピリジン環を含むことが好ましい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
陰極と、金属酸化物からなる電子輸送層と、有機材料からなる中間層と、量子ドットを含む発光層と、陽極と、をこの順に具え、
前記電子輸送層が、フッ素処理されていることを特徴とする、量子ドット電界発光素子。
続きを表示(約 740 文字)
【請求項2】
前記中間層を構成する有機材料が、ピリジン環を含む、請求項1に記載の量子ドット電界発光素子。
【請求項3】
前記中間層を構成する有機材料が、トリアジン骨格を有する、請求項1に記載の量子ドット電界発光素子。
【請求項4】
前記発光層が、更に有機材料を含む、請求項1に記載の量子ドット電界発光素子。
【請求項5】
前記発光層が含む有機材料は、最高被占有分子軌道(HOMO)準位が5.5eV以下である、請求項4に記載の量子ドット電界発光素子。
【請求項6】
前記発光層が含む有機材料は、最低空分子軌道(LUMO)準位が3.1eV以下である、請求項5に記載の量子ドット電界発光素子。
【請求項7】
前記発光層が含む有機材料は、下記構造式:
TIFF
2024164800000009.tif
53
134
で表されるDIC-TRZである、請求項6に記載の量子ドット電界発光素子。
【請求項8】
陰極を形成する工程と、
金属酸化物からなる電子輸送層を形成する工程と、
前記電子輸送層をフッ素処理する工程と、
有機材料からなる中間層を形成する工程と、
量子ドットを含む発光層を形成する工程と、
陽極を形成する工程と、をこの順に含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の量子ドット電界発光素子の製造方法。
【請求項9】
前記電子輸送層をフッ素処理する工程において、当該電子輸送層を、フッ素源の雰囲気下で、酸素プラズマ処理する、請求項8に記載の量子ドット電界発光素子の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子ドット電界発光素子及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ディスプレーの色再現性を高めるため、近年、高色純度発光を示す量子ドット電界発光素子が注目されている。量子ドットは、粒径数nm程度の粒子であり、伝導帯から価電子帯への電子遷移に伴う発光(バンド端発光)を示す。量子ドットは、粒径によって発光色が大きく変化し、粒径が小さい程、より短波長で発光する。一般的に、有機材料は、基底状態と励起状態の構造の差が大きいため、発光スペクトルの線幅が大きいのに対し、量子ドットは、基底状態と励起状態の構造差が小さいため、狭い半値幅の発光を示す。そのため、原理上、有機電界発光素子に比べて、量子ドット電界発光素子は、より色純度の高い発光を示す。
しかしながら、量子ドットの粒子内や表面に欠陥が存在すると、バンド端発光に加えて、欠陥由来の発光が異なる波長で発せられるため、色純度が低下してしまう。また、欠陥上での熱失活も起こるため、発光効率が大きく低下してしまう。更に、量子ドットを含む発光層に隣接するキャリア輸送層に構造欠陥があった場合も、量子ドットを含む発光層/キャリア輸送層界面での副次発光や熱失活が起こるため、同様の問題が起こる。そのため、量子ドット電界発光素子において、高効率の高色純度発光を得るためには、量子ドットとキャリア輸送材料の構造欠陥密度を十分に低下させる必要がある。
【0003】
これに対して、量子ドットの構造欠陥由来の発光や熱失活を抑制するために、量子ドットの表面をシェルで覆ったコアシェル型の量子ドットが広く利用されている(非特許文献1)。該コアシェル型量子ドットにおいては、発光する量子ドットのコアをよりエネルギーギャップの大きいシェルで覆うことで、量子ドット内で生成した励起子をコア内に閉じ込められるため、量子ドット表面の欠陥由来の失活を抑制することができ、高効率な高色純度発光を得ることができる。
しかしながら、量子ドット表面の欠陥を完全に無くすことは困難であり、現在の技術では、ある程度の副次発光成分の発生や励起子の熱失活は免れ得ない。また、近年注目されているペロブスカイト量子ドット電界発光素子は、ペロブスカイト量子ドットがシェル構造を持たないため、代替手段が必要となる(非特許文献2)。
【0004】
一方、逆構造の量子ドット電界発光素子の電子輸送層には、酸化亜鉛(ZnO)が広く用いられているが、構造欠陥が生じ易いといった問題がある。そこで最近、マグネシウムをドープした酸化亜鉛(ZnMgO)が広く用いられるようになっている(非特許文献3)。該ZnMgOを電子輸送層に用いると、ZnOを利用した場合に比べて、バンドギャップが広がるため、構造欠陥の影響を受け難くなり、発光効率が改善する。
しかしながら、電子輸送層にZnMgOを用いても、欠陥の影響を完全に無くすことは、依然として困難である。
【0005】
また、昨今、低環境負荷社会の実現のため、ディスプレーの低消費電力化も望まれている。上述のような電界発光素子において、消費電力を下げるためには、駆動電圧を下げることが有効であり、素子の駆動電圧を下げるために、様々な研究が進められている。かかる研究の中でも、最近、従来の理論限界よりも低い電圧で発光する電界発光素子が注目されている。例えば、下記非特許文献4及び5では、有機電界発光素子において、界面での三重項-三重項消滅を用いたアップコンバージョンを利用することで、超低駆動電圧を実現している。また、下記非特許文献6では、発光層内の再結合で得たエネルギーを電荷キャリアに受け渡すことで、超低電圧で駆動する有機電界発光素子、量子ドット電界発光素子、LED素子を実現している。また、下記非特許文献7では、界面でのAuger再結合のエネルギーを用いたアップコンバージョンにより、超低電圧で発光する緑色発光ペロブスカイト量子ドット電界発光素子を実現しており、該量子ドットのバンドギャップは2.3eVであるのに対し、それを下回る1.7Vでの発光を観測している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
B. O. Dabbousi et al., “(CdSe)ZnS Core-Shell Quantum Dots: Synthesis and Characterization of a Size Series of Highly Luminescent Nanocrystallites”, Journal of Physical Chemistry B, 1997, 101, 9463-9475
Cunlong Li et al., “Highly pure green light emission of perovskite CsPbBr3 quantum dots and their application for green light-emitting diodes”, Optics Express, 2016, 24, 15071-15078
Di Zhang et al., “3-4: Highly Efficient Green Top-Emission Light-Emitting Diodes Based on Indium-Phosphide Quantum Dots”, SID 2022 DIGEST, 2022, 53, 9-11
“Efficient Interfacial Upconversion Enabling Bright Emission at an Extremely Low Driving Voltage in Organic Light-Emitting Diodes”,Advanced Optical Materials, vol. 10, 2101710 (2022)
“Blue organic light-emitting diode with a turn-on voltage of 1.47 V”,Nature Communications, vol. 14, 5494 (2023)
“Ultralow-voltage operation of light-emitting diodes”,Nature Communications, vol. 13, 3845 (2022)
“Pure Formamidinium-Based Perovskite Light-Emitting Diodes with High Efficiency and Low Driving Voltage”,Advanced Materials, vol. 23, 1603826 (2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、既存の方法では、量子ドットやキャリア輸送層の構造欠陥に起因する副次発光成分の発生や発光効率の低下を十分に抑制できていない。
また、上述のように、電界発光素子において、アップコンバージョンを利用することで、バンドギャップ以下での発光が可能となるが、電界発光素子の中でも、量子ドット電界発光素子において実現できている発光開始電圧は依然として高く、更なる低電圧での発光の実現が望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、これらの問題点を鑑みて、量子ドットやキャリア輸送層の構造欠陥の影響を抑制し、発光効率が高く、色純度の高い光を発することが可能な量子ドット電界発光素子を提供することを課題とする。
また、本発明は、低電圧で発光することが可能な量子ドット電界発光素子を提供することを更なる課題とする。
更に、本発明は、かかる量子ドット電界発光素子の製造方法を提供することを更なる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の量子ドット電界発光素子及びその製造方法の要旨構成は、以下の通りである。
【0010】
[1] 陰極と、金属酸化物からなる電子輸送層と、有機材料からなる中間層と、量子ドットを含む発光層と、陽極と、をこの順に具え、
前記電子輸送層が、フッ素処理されていることを特徴とする、量子ドット電界発光素子。
上記[1]に記載の本発明の量子ドット電界発光素子は、発光効率が高く、色純度の高い光を発することができる。また、上記[1]に記載の量子ドット電界発光素子は、低電圧で発光することも可能である。
(【0011】以降は省略されています)
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