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公開番号2024166153
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2024079426
出願日2024-05-15
発明の名称受信装置及びプログラム
出願人日本放送協会
代理人弁理士法人キュリーズ
主分類H04N 19/30 20140101AFI20241121BHJP(電気通信技術)
要約【課題】上位のレイヤのビットストリームに欠損が生じた場合でも、復号処理を初期化することなく復号処理を継続し、且つ、コストの増大を抑制する受信装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】受信装置200は、第1レイヤのビットストリームを受信する第1受信部211Aと、第2レイヤのビットストリームを受信する第2受信部211Bと、第1レイヤのビットストリーム及び第2レイヤのビットストリームを結合するレイヤ結合処理を行ってマルチレイヤビットストリームを出力するレイヤ結合部220と、第2受信部における受信状態について判定する受信状態判定部240と、を備える。レイヤ結合部220は、第2レイヤのビットストリームの一部が欠損した旨を判定手段が判定した場合、当該欠損した部分のビットストリームに対して差し替え用データを差し替えたうえでレイヤ結合処理を行う。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
マルチレイヤ符号化における第1レイヤのビットストリームを受信する第1受信手段と、
前記第1レイヤよりも上位の第2レイヤのビットストリームを受信する第2受信手段と、
前記第1レイヤのビットストリーム及び前記第2レイヤのビットストリームを結合するレイヤ結合処理を行ってマルチレイヤビットストリームを出力する結合手段と、
前記第2受信手段における受信状態について判定する判定手段と、を備え、
前記結合手段は、前記第2レイヤのビットストリームの一部が欠損した旨を前記判定手段が判定した場合、当該欠損した部分のビットストリームに対して差し替え用データを差し替えたうえで前記レイヤ結合処理を行う
受信装置。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第2レイヤにおける前記差し替えに用いる前記差し替え用データを保持するメモリ手段をさらに備え、
前記差し替え用データは、
前記第1レイヤにおける復号映像を前記第2レイヤにおける表示解像度に拡大した予測画像を生成させる予測モード情報と、
前記第2レイヤにおける各画像ブロックについて予測残差が含まれていないことを示す無残差情報と、を含む
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1受信手段及び前記第2受信手段のそれぞれは、フレーム単位でビットストリームの受信処理を行い、
前記判定手段は、前記第2レイヤのビットストリームのうち前記欠損した部分に対応する欠損フレームを差し替えフレームとして判定し、
前記結合手段は、前記差し替えフレームに対して前記差し替え用データを差し替えたうえで前記レイヤ結合処理を行う
請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記欠損フレームと、前記欠損フレームを参照画像として用いるフレームと、を差し替えフレーム群として判定し、
前記結合手段は、前記差し替えフレーム群を構成する各フレームに対して前記差し替え用データを差し替えたうえで前記レイヤ結合処理を行う
請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記第1受信手段及び前記第2受信手段のそれぞれは、複数のフレームをまとめたチャンク単位でビットストリームの受信処理を行い、
前記判定手段は、前記第2レイヤのビットストリームのうち前記欠損した部分を含む欠損チャンクを差し替えチャンクとして判定し、
前記結合手段は、前記差し替えチャンクに対して前記差し替え用データを差し替えたうえで前記レイヤ結合処理を行う
請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記欠損チャンク内の各フレームと、前記欠損チャンク内のフレームを参照画像として用いるフレームと、を差し替えフレーム群として判定し、
前記結合手段は、前記差し替えフレーム群を構成する各フレームに対して前記差し替え用データを差し替えたうえで前記レイヤ結合処理を行う
請求項5に記載の受信装置。
【請求項7】
前記第1レイヤのビットストリームは、第1伝送路を介して伝送され、
前記第2レイヤのビットストリームは、前記第1伝送路と異なる第2伝送路を介して伝送される
請求項1又は2に記載の受信装置。
【請求項8】
コンピュータを請求項1に記載の受信装置として機能させる
プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
近年、放送やストリーミングサービスなどの視聴においては、大型テレビやモバイル端末、タブレットなど、映像視聴に用いるデバイスが多様化している。これらのデバイスは映像処理能力や表示解像度などが様々であるため、それぞれのデバイスに適した解像度・フレームレートの映像を伝送することが好ましい。
【0003】
最新の映像符号化方式であるVVC(Versatile Video Coding)では、上記のような複数の映像を効率的に符号化するマルチレイヤ符号化機能が採用されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
マルチレイヤ符号化においては、符号化対象の複数の入力映像をレイヤ構造で符号化する。最も下位のレイヤ(L0)をまず符号化し、L0の復号映像を上位のレイヤ(L1,L2,…)の符号化処理による予測に用いることで、上位のレイヤの予測効率が向上し、それぞれを独立して符号化する場合に比べて符号化効率が向上する効果がある。特に、L0として低解像度映像を符号化し、低解像度映像の復号画像を用いて高解像度映像であるL1を符号化する空間スケーラビル符号化はマルチレイヤ符号化の典型的なユースケースである。
【0005】
現在の地上デジタル放送・ワンセグ放送などの例のように、放送サービスにおいては対象となる視聴端末の受信能力に応じて異なる放送方式が用いられることがある。例えば携帯電話などのように移動しながらの視聴が想定される視聴端末に対してはC/N比が低い場合にも受信・復号可能な放送方式を採用し、家庭での固定受信などの視聴が想定される端末に対してはC/N比が高い環境でのみ受信・復号可能とする放送方式を採用することが考えられる。
【0006】
VVCのマルチレイヤ符号化によって符号化されたマルチレイヤビットストリームのうち、低解像映像を符号化したL0ビットストリームを伝送容量は小さいが雑音に強い伝送路Aで伝送し、高解像度映像を符号化したL1ビットストリームを雑音に強くないが伝送容量の大きい別の伝送路Bで伝送することで、モバイル端末などの移動体受信を前提とした視聴端末では低解像度映像を、家庭での固定受信を行う大型テレビなどの視聴端末では、高解像度映像を視聴可能になる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
ISO/IEC 23090-3、”Information technology - Coded representation of immersive media - Part 3: Versatile video coding”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
L0ビットストリームとL1ビットストリームを異なる伝送路で伝送する場合、受信装置側で、それぞれの伝送路から伝送されたL0ビットストリーム及びL1ビットストリームを合成し、送信側のエンコーダが出力したマルチレイヤビットストリームを復元してデコーダに入力する必要がある。上述のように、L1ビットストリームを伝送容量が大きいが雑音に弱い伝送方式で伝送した場合、荒天の場合の降雨減衰などにより、固定受信であってもL1ビットストリームに欠損が生じる場合がある。
【0009】
このような場合、L1ビットストリームのデータに欠損がある部分については、高解像度映像を復号不可能となるため、デコーダはL0ビットストリームを復号し、低解像度映像を表示する必要がある。この場合、受信装置側の復号処理では、それまでの映像出力であるL1ビットストリームを復号した高解像度映像から、L0ビットストリームを復号した低解像度映像に映像出力の画面解像度を変更する必要があるため、復号処理を初期化する必要性がある。このため、受信側で映像が一度途切れてしまう問題が生じる可能性がある。また、L0ビットストリームの復号により得られる低解像度映像を、それまで表示していた高解像度映像の解像度に拡大(アップコンバート)するための解像度変換処理をデコーダと別に追加で受信装置に実装する必要があり、コストの増大につながる問題も生じる。
【0010】
そこで、本発明は、上位のレイヤのビットストリームに欠損が生じた場合でも、復号処理を初期化することなく復号処理を継続可能であって、且つコストの増大を抑制可能な受信装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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