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公開番号2024162561
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023078182
出願日2023-05-10
発明の名称乳化液状調味料
出願人キユーピー株式会社
代理人個人,個人
主分類A23L 27/60 20160101AFI20241114BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約【課題】人工的な食品添加物を用いずに、長期保存後であっても、酸化臭の発生を抑制し、かつ、卵黄のコク味を向上できる乳化液状調味料の提供。
【解決手段】本発明の乳化液状調味料は、少なくとも、食用油脂及び水を含有する乳化液状調味料であって、
前記乳化液状調味料が、発酵大豆水溶性多糖類及び卵黄をさらに含み、
前記卵黄の含有量が、生卵黄換算で、前記乳化液状調味料全体に対して0.5質量%以上であり、
前記発酵大豆水溶性多糖類が、下記の特性:
i)分子量が3×103以上10×104以下であること、
を有することを特徴とするものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも、食用油脂及び水を含有する乳化液状調味料であって、
前記乳化液状調味料が、発酵大豆水溶性多糖類及び卵黄をさらに含み、
前記卵黄の含有量が、生卵黄換算で、前記乳化液状調味料全体に対して0.5質量%以上であり、
前記発酵大豆水溶性多糖類が、下記の特性:
i)分子量が3×10

以上10×10

以下であること、
を有することを特徴とする、
乳化液状調味料。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記発酵大豆水溶性多糖類の含有量が、前記食用油脂の含有量100質量部に対して0.001質量部以上であることを特徴とする、
請求項1に記載の乳化液状調味料。
【請求項3】
前記発酵大豆水溶性多糖類の含有量が、前記乳化液状調味料全体に対して0.001質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の乳化液状調味料。
【請求項4】
前記発酵大豆水溶性多糖類が、麹発酵大豆水溶性多糖類であることを特徴とする、
請求項1に記載の乳化液状調味料。
【請求項5】
前記発酵大豆水溶性多糖類が、下記の特性:
ii)下記の酸性卵黄液酸化モデル系の試験方法で評価した発酵大豆水溶性多糖類の抗酸化活性は、無添加対照区を100とした場合に対して110以上であること、
を有することを特徴とする、
請求項1に記載の乳化液状調味料。
[酸性卵黄液酸化モデル系の試験方法]
(1)卵黄10gを蒸留水130gで希釈した後、60℃で3分間加熱した希釈卵黄溶液を得る。この希釈卵黄溶液に氷酢酸を加えてpH4.0に調整し、酸性卵黄溶液とする(卵黄固形分1%含有)。続いて、抗酸化活性を評価する試料を蒸留水で分散した分散液を、酸性卵黄溶液に添加し、これを試験溶液とする。このとき、前記試験溶液における試料量が前記酸性卵黄溶液に含まれるFe含量の100倍となるように、前記分散液の試料濃度及び添加量を調整する(以下式)。
式:(試料量)/(前記酸性卵黄溶液のFe含量)=100(w/w)
(2)スクリューキャップ付き15mL容試験管に、前記試験溶液を10mL入れ、空気が流通する状態で、暗所、55℃にて65時間インキュベートする。この試験溶液から200μLを試験管に取り、エーテル/エタノール(1:3,v/v)混合溶液3mLを加えて撹拌後、1,200×gで5分間遠心分離する。この上清の蛍光強度(Ex360nm,Em440nm)を蛍光分光光度計にて測定する。
(3)蛍光強度は硫酸キニーネを0.1N硫酸で1μg/mLに希釈した溶液の測定値を100とした場合の相対蛍光強度値を用いる。本願発明における抗酸化活性は、以下の計算式で算出される。
抗酸化活性={(無添加対照区の相対蛍光強度)/(各試料区の相対蛍光強度)}×100
【請求項6】
前記乳化液状調味料のpHが2.0以上4.5以下であることを特徴とする、
請求項1に記載の乳化液状調味料。
【請求項7】
前記乳化液状調味料が、マヨネーズ様調味料であることを特徴とする、
請求項1に記載の乳化液状調味料。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の乳化液状調味料を含有する食品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乳化液状調味料に関し、詳細には、少なくとも、食用油脂、卵黄及び水を含有する乳化液状調味料に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
乳化液状調味料は、含有成分が保存中に酸化される結果、風味の変化が生じたり、変質や変色が生じたりすることがある。特に卵黄を含有している乳化液状調味料についてその傾向は顕著である。そこで、酸化を防止するために、例えば、エチレンジアミン四酢酸・カルシウム・2ナトリウム(EDTA・Ca2Na)等の人工的な食品添加物が添加されてきた。
【0003】
しかしながら、近年、食品添加物として使用される化学物質が生体内に及ぼす影響が問題となっている。また、近年、消費者は人工的な食品添加物の使用を避ける傾向にある。このため、食品への化学物質の使用をできる限り避けることが求められている。このような技術的課題に対して、酸性水中油型乳化食品に、プロテアーゼを用いて卵白を加水分解して得られる卵白加水分解物を配合することにより、酸化の進行及び風味の変化を抑制することが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、依然として、エチレンジアミン四酢酸・カルシウム・2ナトリウム等の人工的な食品添加物を用いずに、長期保存後であっても、酸化臭の発生を抑制できる乳化液状調味料が求められている。
【0004】
また、卵黄を比較的多量に含有するマヨネーズ等の乳化液状調味料は、保存中に卵黄のコク味が経時的に向上していくことが知られている。一方で、油脂の酸化を防止する目的で、上記のようにエチレンジアミン四酢酸・カルシウム・2ナトリウムを加えた場合は、酸化の防止はするものの、卵黄のコク味向上については抑制してしまうことが分かった。そこで、経時的に進行する油脂の酸化臭の発生の抑制と、卵黄のコク味向上とを両立した乳化液状調味料が求められてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2006-187277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、エチレンジアミン四酢酸・カルシウム・2ナトリウム等の人工的な食品添加物を用いずに、長期保存後であっても、油脂由来の酸化臭の発生を抑制でき、同時に卵黄のコク味向上を達成する乳化液状調味料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために、誠意研究を進めたところ、少なくとも、食用油脂、卵黄及び水を含有する乳化液状調味料に特定の発酵大豆水溶性多糖類を配合することで、意外にも、長期保存後の油脂由来の酸化臭の発生を抑制し、かつ、卵黄のコク味を向上できる乳化液状調味料が得られることを知見した。本発明者らは、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1] 少なくとも、食用油脂及び水を含有する乳化液状調味料であって、
前記乳化液状調味料が、発酵大豆水溶性多糖類及び卵黄をさらに含み、
前記卵黄の含有量が、生卵黄換算で、前記乳化液状調味料全体に対して0.5質量%以上であり、
前記発酵大豆水溶性多糖類が、下記の特性:
i)分子量が3×10

以上10×10

以下であること、
を有することを特徴とする、
乳化液状調味料。
[2] 前記発酵大豆水溶性多糖類の含有量が、前記食用油脂の含有量100質量部に対して0.001質量部以上であることを特徴とする、
[1]に記載の乳化液状調味料。
[3] 前記発酵大豆水溶性多糖類の含有量が、前記乳化液状調味料全体に対して0.001質量%以上1.0質量%以下であることを特徴とする、
[1]または[2]に記載の乳化液状調味料。
[4] 前記発酵大豆水溶性多糖類が、麹発酵大豆水溶性多糖類であることを特徴とする、
[1]~[3]のいずれかに記載の乳化液状調味料。
[5] 前記発酵大豆水溶性多糖類が、下記の特性:
ii)下記の酸性卵黄液酸化モデル系の試験方法で評価した発酵大豆水溶性多糖類の抗酸化活性は、無添加対照区を100とした場合に対して110以上であること、
を有することを特徴とする、
[1]~[4]のいずれかに記載の乳化液状調味料。
[酸性卵黄液酸化モデル系の試験方法]
(1)卵黄10gを蒸留水130gで希釈した後、60℃で3分間加熱した希釈卵黄溶液を得る。この希釈卵黄溶液に氷酢酸を加えてpH4.0に調整し、酸性卵黄溶液とする(卵黄固形分1%含有)。続いて、抗酸化活性を評価する試料を蒸留水で分散した分散液を、酸性卵黄溶液に添加し、これを試験溶液とする。このとき、前記試験溶液における試料量が前記酸性卵黄溶液に含まれるFe含量の100倍となるように、前記分散液の試料濃度及び添加量を調整する(以下式)。
式:(試料量)/(前記酸性卵黄溶液のFe含量)=100(w/w)
(2)スクリューキャップ付き15mL容試験管に、前記試験溶液を10mL入れ、空気が流通する状態で、暗所、55℃にて65時間インキュベートする。この試験溶液から200μLを試験管に取り、エーテル/エタノール(1:3,v/v)混合溶液3mLを加えて撹拌後、1,200×gで5分間遠心分離する。この上清の蛍光強度(Ex360nm,Em440nm)を蛍光分光光度計にて測定する。
(3)蛍光強度は硫酸キニーネを0.1N硫酸で1μg/mLに希釈した溶液の測定値を100とした場合の相対蛍光強度値を用いる。本願発明における抗酸化活性は、以下の計算式で算出される。
抗酸化活性={(無添加対照区の相対蛍光強度)/(各試料区の相対蛍光強度)}×100
[6] 前記乳化液状調味料のpHが2.0以上4.5以下であることを特徴とする、
[1]~[5]のいずれかに記載の乳化液状調味料。
[7] 前記乳化液状調味料が、マヨネーズ様調味料であることを特徴とする、
[1]~[6]のいずれかに記載の乳化液状調味料。
[8] [1]~[7]のいずれかに記載の乳化液状調味料を含有する食品。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、長期保存後の油脂由来の酸化臭の発生を抑制し、かつ、卵黄のコク味を向上できる乳化液状調味料を提供することができる。このような乳化液状調味料は消費者の食欲を惹起することができ、乳化液状調味料のさらなる市場拡大が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<乳化液状調味料>
本発明の乳化液状調味料は、少なくとも、食用油脂及び水を含有するものであって、発酵大豆水溶性多糖類及び特定量の卵黄を含み、酢酸、卵黄以外の乳化材、増粘剤、及び他の原料等をさらに含んでもよい。乳化液状調味料は、水中油型(O/W型)エマルションやW/O/W型複合エマルションの構成を有してもよく、水中油型(O/W型)エマルションの構成が好ましい。乳化液状調味料は、少なくとも一部に乳化相を有すればよく、全部が乳化状態であってもよいし、乳化状態の部分の上に油相が積層されている状態であってもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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