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公開番号2024162463
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077989
出願日2023-05-10
発明の名称フッ化物イオン電池用の固体電解質材料及びその製造方法
出願人日亜化学工業株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類H01M 10/0562 20100101AFI20241114BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】高いフッ化物イオンのイオン伝導度を有するフッ化物イオン電池用の固体電解質材料を提供する。
【解決手段】ランタノイド金属原子、アルカリ土類金属原子及びフッ素原子を含む金属複合フッ化物を含むフッ化物イオン電池用の固体電解質材料である。金属複合フッ化物は、赤外吸収スペクトルにおいて、400cm-1以上450cm-1以下の波数範囲における吸収の最大値に対する3150cm-1以上3250cm-1以下の波数範囲における吸収の最大値の比が0.10以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ランタノイド金属原子、アルカリ土類金属原子及びフッ素原子を含む金属複合フッ化物を含み、
前記金属複合フッ化物は、赤外吸収スペクトルにおいて、400cm
-1
以上450cm
-1
以下の波数範囲における吸収の最大値に対する3150cm
-1
以上3250cm
-1
以下の波数範囲における吸収の最大値の比が0.10以下であるフッ化物イオン電池用の固体電解質材料。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記金属複合フッ化物は、セシウム原子を更に含む請求項1に記載の固体電解質材料。
【請求項3】
前記金属複合フッ化物は、L





色空間におけるL

の値が70以上である請求項1又は2に記載の固体電解質材料。
【請求項4】
前記金属複合フッ化物は、炭素の総含有量が200ppm以下である請求項1又は2に記載の固体電解質材料。
【請求項5】
前記金属複合フッ化物は、前記ランタノイド金属原子、前記アルカリ土類金属原子及び前記セシウム原子の合計モル数に対する、
前記ランタノイド金属原子のモル数の比が0を超えて0.6未満であり、
前記アルカリ土類金属原子のモル数の比が0.4以上1.0未満であり、
前記セシウム原子のモル数の比が0を超えて0.38未満である組成を有する請求項2に記載の固体電解質材料。
【請求項6】
前記金属複合フッ化物は、下記式(1)で表される組成を有する請求項1に記載の固体電解質材料。
Ln
(1-x―y)


Cs



(1)
(式(1)中、Lnはランタノイド金属原子を示し、Mはアルカリ土類金属原子を示す。x、y及びzは、0<x<1、0≦y<1、0<x+y<1、及び1.87<z<3を満たす)
【請求項7】
前記式(1)におけるxおよびyは、0.4≦x<1、0.4<x+y<1、及び0<y<0.38を満たす請求項6に記載の固体電解質材料。
【請求項8】
ランタノイド金属原子、アルカリ土類金属原子及びフッ素原子を含む第1金属複合フッ化物を準備することと、
前記第1金属複合フッ化物をフッ素含有物質の存在下で熱処理して第2金属複合フッ化物を得ることと、を含むフッ化物イオン電池用の固体電解質材料の製造方法。
【請求項9】
第1金属複合フッ化物は、前記アルカリ土類金属原子の含有量に対する前記ランタノイド金属原子の含有量の比が、0を超えて1.5以下である組成を有する請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記第1金属複合フッ化物は、セシウム原子を更に含む請求項8に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、フッ化物イオン電池用の固体電解質材料及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
高電圧で高エネルギー密度を有する電池として、フッ化物イオンの反応を利用するフッ化物イオン固体電池が知られている。フッ化物イオン電池は、例えば150℃以上の高温で動作するが、低温状態では固体電解質のイオン伝導度が低く動作しないという課題があった。これに関連して、例えば特許文献1には、タイソナイト構造を有する固体電解質材料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-77992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一態様は、高いフッ化物イオンのイオン伝導度を有するフッ化物イオン電池用の固体電解質材料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1態様は、ランタノイド金属原子、アルカリ土類金属原子及びフッ素原子を含む金属複合フッ化物を含むフッ化物イオン電池用の固体電解質材料である。前記金属複合フッ化物は、赤外吸収スペクトルにおいて、400cm
-1
以上450cm
-1
以下の波数範囲における吸収の最大値に対する3150cm
-1
以上3250cm
-1
以下の波数範囲における吸収の最大値の比が0.10以下である。
【0006】
第2態様は、ランタノイド金属原子、アルカリ土類金属原子及びフッ素原子を含む第1金属複合フッ化物を準備することと、前記第1金属複合フッ化物をフッ素含有物質の存在下で熱処理して第2金属複合フッ化物を得ることと、を含むフッ化物イオン電池用の固体電解質材料の製造方法である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、高いフッ化物イオンのイオン伝導度を有するフッ化物イオン電池用の固体電解質材料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。さらに本明細書に記載される数値範囲の上限及び下限は、数値範囲として例示された数値をそれぞれ任意に選択して組み合わせることが可能である。以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための、フッ化物イオン電池用の固体電解質材料及びその製造方法を例示するものであって、本発明は、以下に示すフッ化物イオン電池用の固体電解質材料及びその製造方法に限定されない。
【0009】
フッ化物イオン電池用の固体電解質材料
フッ化物イオン電池用の固体電解質材料(以下、単に「固体電解質材料」ともいう)は、ランタノイド金属原子、アルカリ土類金属原子及びフッ素原子を含む金属複合フッ化物を含む。固体電解質材料を構成する金属複合フッ化物は、赤外吸収スペクトルにおいて、400cm
-1
以上450cm
-1
以下の波数範囲における吸収の最大値に対する3150cm
-1
以上3250cm
-1
以下の波数範囲における吸収の最大値の比(以下、「特定比」ともいう)が0.10以下である。
【0010】
ランタノイド金属原子、アルカリ土類金属原子及びフッ素原子を含む金属複合フッ化物を含む固体電解質材料は、赤外吸収スペクトルにおける3200cm
-1
付近の吸収ピークが小さいことで、高いフッ化物イオンのイオン伝導度を示すことができる。これは例えば以下のように考えることができる。3200cm
-1
付近の吸収ピークは例えば水酸基の伸縮振動に由来する吸収ピークであると考えられる。水酸基の伸縮振動に由来する吸収ピーク強度が小さいことは、固体電解質材料を構成する金属複合フッ化物におけるフッ素原子の欠陥が少ないことを意味すると考えられ、これにより高いフッ化物イオンのイオン伝導度を示すことができると考えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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