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公開番号2024159280
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023075156
出願日2023-04-28
発明の名称計画装置
出願人株式会社東芝,東芝エネルギーシステムズ株式会社
代理人弁理士法人サクラ国際特許事務所
主分類G06Q 50/06 20240101AFI20241031BHJP(計算;計数)
要約【課題】資源のサプライチェーン全体の計画を最適化可能とする計画装置を提供する。
【解決手段】エネルギーシステムにおいて、計画装置は、電力調達源たる電力系統40、卸電力取引市場52及び相対電力54からの電力情報、水素製造装置における製造情報、貯蔵装置における貯蔵情報、供給装置からの供給情報及び輸送装置から配送情報を受信する取得受信部と、前記各情報に基づいて全体計画の最適化の演算条件を設定する設定部と、全体計画をなす問題について所定の条件に基づいて二以上の問題群に分割する問題分割部と、異なる特性をもつ二以上の計算機資源を分割した問題群それぞれに対してその特性に応じて割り当て、受信した問題群毎の演算結果を結合して全体計画を生成するリソース割当部と、計算機資源を割り当てた問題群及び演算条件を計算機資源に対して送信し該計算機資源から演算結果を受信する問題送受信部と、を具備する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力調達源、燃料物質製造装置、燃料物質貯蔵装置、燃料物質供給装置及び燃料物質配送装置と接続され、
前記電力調達源から電力供給を受けて前記燃料物質製造装置が燃料物質を製造する製造計画、前記燃料物質貯蔵装置が前記燃料物質を貯蔵する貯蔵計画、前記燃料物質供給装置が前記燃料物質を供給する供給計画、及び前記燃料物質配送装置が前記燃料物質を配送する配送計画を含む全体計画を最適化する計画装置であって、
前記電力調達源からの電力供給量を含む電力情報、前記燃料物質製造装置における製造量を含む製造情報、前記燃料物質貯蔵装置における貯蔵量を含む貯蔵情報、前記燃料物質供給装置からの供給量を含む供給情報、及び前記燃料物質配送装置から配送量を含む配送情報を受信する情報受信部と、
前記電力情報、前記製造情報、前記貯蔵情報、前記供給情報及び前記配送情報に基づいて、前記全体計画の最適化の演算条件を設定する設定部と、
前記全体計画をなす前記製造計画、前記貯蔵計画、前記供給計画及び前記配送計画に関する問題について、所定の条件に基づいて二以上の問題群に分割する問題分割部と、
異なる特性をもつ二以上の計算機資源を、前記分割した問題群それぞれに対してその特性に応じて割り当てるリソース割当部と、
前記計算機資源を割り当てた問題群及び前記演算条件を前記計算機資源に対して送信し、該計算機資源から演算結果を受信する問題送受信部と、
前記受信した問題群ごとの演算結果を結合して前記全体計画を生成する結合部と、
を具備する計画装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
前記問題分割部が分割する問題は、前記燃料物質の製造コスト、前記燃料物質の供給コスト、前記燃料物質の製造時における環境負荷度、及び前記燃料物質の供給時における環境負荷度の少なくとも二以上の問題を分割することを特徴とする請求項1記載の計画装置。
【請求項3】
前記全体計画について、前記電力調達源からデマンドレスポンスによる電力調達の余地を探索するデマンドレスポンス供出可能量探索部をさらに備えた請求項1記載の計画装置。
【請求項4】
過去に生成した前記全体計画を記憶する記憶部と、
生成した前記全体計画と前記過去に生成した前記全体計画とに基づいて次回の前記全体計画の立案の要否を判定する計画演算部とをさらに備えた請求項1記載の計画装置。
【請求項5】
過去に生成した前記全体計画及びその実績に基づく学習結果を記憶する記憶部をさらに備え、
前記設定部は、前記学習結果に基づいて、計画長、貯蔵装置の時刻毎の仮定残量上限値、貯蔵装置の時刻毎の仮定残量下限値、補機装置の時刻毎の仮定固定値のいずれか一以上を含む演算条件を設定することを特徴とする請求項1記載の計画装置。
【請求項6】
前記リソース割当部は、前記計算機資源を前記分割した問題群それぞれに割り当てた後、割り当てた前記計算機資源に適合した形式に前記問題群を修正することを特徴とする請求項1記載の計画装置。
【請求項7】
前記問題送信部が送信する前記計算機資源を割り当てた問題群及び前記演算条件を暗号化する暗号化部をさらに具備する請求項1記載の計画装置。
【請求項8】
前記問題分割部は、前記全体計画のうち、前記燃料物質製造装置が製造した燃料物質を前記燃料物質貯蔵装置及び前記燃料物質供給装置により供給する計画、及び前記燃料物質配送装置により燃料物質を配送する計画について、問題分割、問題縮小、問題の一部省略、計画長短縮及び計画長分割のいずれか一以上を行うことを特徴とする請求項1記載の計画装置。
【請求項9】
前記問題分割部が分割する問題は、卸電力取引市場からの最大買電可能電力予測、卸電力取引市場への最大売電可能電力予測、卸電力取引市場からの平均買電単価予測、卸電力取引市場への平均売電単価予測、燃料物質需要家の燃料物質需要予測値の少なくとも一つを確率分布または信頼区間に係る問題を含むことを特徴とする請求項1記載の計画装置。
【請求項10】
前記問題分割部が分割する問題は、さらに、再エネ発電予測、燃料物質需要家への輸送装置が供給装置に戻り充填待ち状態になるまでの予測時間の少なくとも一つを確率分布または信頼区間に係る問題を含むことを特徴とする請求項1記載の計画装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、資源サプライチェーン全体の計画立案を行う計画装置に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
新たなクリーンエネルギーとして、水素エネルギーが注目されつつある。電力と水を入力として、水素製造装置によって燃料物質としての水素が生成される。水素を入力として、水素発電装置によって電力と熱が生成される。すなわち、水素製造装置、水素貯蔵装置、水素発電装置(これらを以下、水素システムと呼ぶ)によって、電力を水素に変換し再び電力に変換することができる。これらの装置群を電力網に接続することで、他の発電設備からの供給過多の場合は電力網から電力を吸い取り(この場合電力需要となる)、需要過多の場合は電力網に電力を与える(この場合電力供給となる)ことが可能となり、電力網の安定化に寄与することができる。
【0003】
また、自然エネルギー由来の再生エネルギー発電設備(以下、再エネ発電設備と称する。)にも注目が集まっている。世界各国で国内電源の再エネ発電設備の割合を大幅に高める動きが出てきており、気象条件に応じて大きく変動する再エネ発電を安定化させる手段として、水素システムへの期待が高まっている。
【0004】
一方、水素の利活用による脱炭素化のためには、利用時のみでなく製造時や貯蔵・輸送時なども含め、一貫した取り組みが必要となる。そのため、水素サプライチェーン全体を一気通貫した計画を策定することが好ましいが、予測、最適化、学習など計算すべき問題規模が莫大となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2020/196889号
特表2015-517144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、資源としての水素の利活用による脱炭素化を進めるために資源のサプライチェーン全体の計画を策定するには、必要とする計算量が膨大となる問題がある。実施形態の計画装置は、かかる課題を解決するためになされたもので、資源のサプライチェーン全体の計画を最適化可能とする計画装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の計画装置は、電力調達源、燃料物質製造装置、燃料物質貯蔵装置、燃料物質供給装置及び燃料物質配送装置と接続され、電力調達源から電力供給を受けて燃料物質製造装置が燃料物質を製造する製造計画、燃料物質貯蔵装置が燃料物質を貯蔵する貯蔵計画、燃料物質供給装置が燃料物質を供給する供給計画、及び燃料物質配送装置が燃料物質を配送する配送計画を含む全体計画を最適化する計画装置である。電力調達源からの電力供給量を含む電力情報、燃料物質製造装置における製造量を含む製造情報、燃料物質貯蔵装置における貯蔵量を含む貯蔵情報、燃料物質供給装置からの供給量を含む供給情報、及び燃料物質配送装置から配送量を含む配送情報を受信する情報受信部と、電力情報、製造情報、貯蔵情報、供給情報及び配送情報に基づいて、全体計画の最適化の演算条件を設定する設定部と、全体計画をなす製造計画、貯蔵計画、供給計画及び配送計画に関する問題について、所定の条件に基づいて二以上の問題群に分割する問題分割部と、異なる特性をもつ二以上の計算機資源を、分割した問題群それぞれに対してその特性に応じて割り当てるリソース割当部と、計算機資源を割り当てた問題群及び演算条件を計算機資源に対して送信し、該計算機資源から演算結果を受信する問題送受信部と、受信した問題群ごとの演算結果を結合して全体計画を生成する結合部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
第1実施形態の計画装置が計画を立案するエネルギーシステムの構成例を示すブロック図である。
第1実施形態の計画装置の構成を示すブロック図である。
第1実施形態の計画装置の計画立案における変数を示すブロック図である。
第1実施形態の計画装置の全体動作を示すフローチャートである。
第1実施形態の計画装置の分割動作を示すフローチャートである。
第1実施形態の計画装置の分割動作の例を示す概念図である。
第1実施形態の計画装置の分割動作の例を示す概念図である。
第1実施形態の計画装置の分割動作の例を示す概念図である。
第1実施形態の計画装置の割当動作の例を示す概念図である。
第2実施形態の計画装置の動作例を示すフローチャートである。
第3実施形態の計画装置の動作例を示すフローチャートである。
第4実施形態の計画装置の動作例を示すフローチャートである。
第5実施形態の計画装置の動作例を示すフローチャートである。
第6実施形態の計画装置の動作例を示すフローチャートである。
第7実施形態の計画装置の動作例を示す概念図である。
第8実施形態の計画装置の構成を示すブロック図である。
第8実施形態の計画装置の動作例を示すフローチャートである。
第9実施形態の計画装置の画面表示情報の例を示す図である。
第9実施形態の計画装置の画面表示情報の例を示す図である。
第9実施形態の計画装置の画面表示情報の例を示す図である。
第9実施形態の計画装置の画面表示情報の例を示す図である。
第9実施形態の計画装置の画面表示情報の例を示す図である。
第9実施形態の計画装置の画面表示情報の例を示す図である。
第9実施形態の計画装置の画面表示情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
燃料物質としての水素の利活用による脱炭素化のためには、利用時のみでなく製造時や貯蔵・輸送時なども含め、一貫した取り組みが必要となる。水素など資源のサプライチェーン全体を一気通貫した計画を策定することが好ましいが、計算すべき問題の規模が莫大となってしまう。そこで、実施形態の計画装置では、計画立案の演算に最適な分散処理を実現する。
【0010】
(エネルギーシステムの構成)
図1に示すように、実施形態のエネルギーシステム1は、水素製造装置20、貯蔵装置22、圧縮装置24、供給装置26、再生エネルギー発電装置(再エネ発電装置)44、蓄団地装置46を具備する水素製造システム50と、これらと相互接続された計画装置10を有する。エネルギーシステム1は、供給装置26から供給される水素を輸送する輸送装置28、輸送装置28から水素の供給を受ける需要装置30を配下に有してもよく、計画装置10とさらに相互接続されてもよい。計画装置10は、さらに卸電力取引市場52、相対電力54、予測サービス60と接続されてもよい。この実施形態では、管理対象たる燃料物質(資源)が水素である例に説明するが、これには限定されない。
(【0011】以降は省略されています)

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