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公開番号
2024158523
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023073784
出願日
2023-04-27
発明の名称
車両用駆動装置
出願人
株式会社アイシン
代理人
弁理士法人R&C
主分類
B60K
1/00 20060101AFI20241031BHJP(車両一般)
要約
【課題】車両用駆動装置を中核として車両における熱マネジメントシステムを適切に構成すると共に、車両用駆動装置を小型に構成する。
【解決手段】車両用駆動装置100は、回転電機MGと、動力伝達機構GTと、インバータモジュールINVと、電源モジュールPWRと、車載エアコンディショナ用の冷媒を循環させる冷媒回路の少なくとも一部を構成する冷媒回路モジュール2と、ケース9とを備える。ケース9は、インバータモジュールINVを収容する第1収容室E1と、回転電機MG及び動力伝達機構GTを収容する第2収容室E2とを備える。電源モジュールPWRは、第1収容室E1に収容される。冷媒回路モジュール2は、ケース9と一体化された部分である一体化部を備え、一体化部は、ケース9の一部を構成する部品21と、ケース9に取り付けられた部品Vとを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ロータを備えた回転電機と、
車輪に駆動連結される出力部材と、
前記回転電機と前記出力部材との間で駆動力を伝達する動力伝達機構と、
前記回転電機を駆動制御するためのインバータモジュールと、
車載バッテリに電気的に接続される回路を備えた電源モジュールと、
車載エアコンディショナ用の冷媒を循環させる冷媒回路の少なくとも一部を構成する冷媒回路モジュールと、
前記インバータモジュールを収容する第1収容室と、前記回転電機及び前記動力伝達機構を収容する第2収容室と、を備えたケースと、を備え、
前記電源モジュールは、前記第1収容室に収容され、
前記冷媒回路モジュールは、前記ケースと一体化された部分である一体化部を備え、
前記一体化部は、前記ケースの一部を構成する部品と、前記ケースに取り付けられた部品と、を含む、車両用駆動装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用駆動装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
特開2019-170077号公報には、車輪(803,804)の駆動力源となる回転電機(ロータ(20)、ステータ(30))と、この回転電機を駆動制御する駆動制御装置(131)と、駆動制御装置(131)を介して回転電機に接続されるバッテリ(805)を外部電源(900)から供給される電力によって充電する充電器(136)と、回転電機、駆動制御装置(131)、充電器(136)を収容するケース(10)とを備えた車両用駆動装置(1)が開示されている(背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。)。ケース(10)には、車両用駆動装置(1)が車両に搭載された車載姿勢での上下方向(Z)における下側に回転電機が収容される第1の収容室が形成され、上側に駆動制御装置(131)及び充電器(136)が収容される第2の収容室が形成されている。第1の収容室は、ケース(10)における円筒状の周壁部(10b)の内側に形成されている。第2の収容室は、周壁部(10b)の径方向外側において、周壁部(10b)の上下方向(Z)の上側に隣接した角筒状の角筒部(10e)の内側に、矩形箱状の空間として形成されている。周壁部(10b)には、さらに、周壁部(10b)に沿って冷媒が流れる冷却流路が形成された冷却部(60)が形成されている。
【0003】
周壁部(10b)に沿って形成された冷却流路は、角筒部(10e)の側に、冷媒が流入する流入口(16)と、冷媒が流出する流出口(17)とを有している。冷媒の流路において流入口(16)に近い側、即ち冷媒の流路の上流側には、駆動制御装置(131)が配置され、冷媒の流路において流出口(17)に近い側、即ち冷媒の流路の下流側には、充電器(136)が配置されている。これにより、回転電機を駆動する際に発熱する駆動制御装置(131)を冷たい冷媒によって効率的に冷やすことができる。外部電源(900)によるバッテリ(805)の充電は車両が停車中に行われるため、駆動制御装置(131)との熱交換によって冷媒の温度が上がりにくく、充電器(136)は冷媒の流路の下流側に配置されていても適切に冷却される。その他、電力系の力率の改善や電圧の安定化のために用いられるリアクトル(140)や平滑コンデンサ(141)も、冷媒の流路に沿って配置され、冷媒によって適切に冷却される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-170077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の通り、上記の文献に開示された車両用駆動装置は、複数の冷却対象を効率的に冷却することができる冷却構造を備えている。しかし、車両には、エアコンディショナなど、熱管理の対象となる装置が他にも存在する。車両の重量が軽いほど車両のエネルギー効率を高くし易く、また適切な熱利用及び廃熱管理も車両におけるエネルギー効率の向上に寄与する。従って、車載装置の中で重量の占める割合が比較的大きい車両用駆動装置を小型に構成すると共に、車両用駆動装置を利用してより総合的に車載装置の熱マネジメントが実施されることが好ましい。
【0006】
上記背景に鑑みて、車両用駆動装置を中核として車両における熱マネジメントシステムを適切に構成すると共に、車両用駆動装置を小型に構成する技術の提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた車両用駆動装置は、ロータを備えた回転電機と、車輪に駆動連結される出力部材と、前記回転電機と前記出力部材との間で駆動力を伝達する動力伝達機構と、前記回転電機を駆動制御するためのインバータモジュールと、車載バッテリに電気的に接続される回路を備えた電源モジュールと、車載エアコンディショナ用の冷媒を循環させる冷媒回路の少なくとも一部を構成する冷媒回路モジュールと、前記インバータモジュールを収容する第1収容室と、前記回転電機及び前記動力伝達機構を収容する第2収容室と、を備えたケースと、を備え、前記電源モジュールは、前記第1収容室に収容され、前記冷媒回路モジュールは、前記ケースと一体化された部分である一体化部を備え、前記一体化部は、前記ケースの一部を構成する部品と、前記ケースに取り付けられた部品と、を含む。
【0008】
本構成によれば、車両用駆動装置は、回転電機及び動力伝達機構に、回転電機を駆動制御するためのインバータモジュールを一体的に備えるだけでなく、さらに、電源モジュールと、車載エアコンディショナのための冷媒回路モジュールとを、回転電機及び動力伝達機構に一体的に備える。従って、これらの各要素を接続する配線や配管等を少なく抑え、或いは短く抑えることができ、車両用駆動装置の小型化を図り易い。さらに、本構成によれば、回転電機、動力伝達機構、及びインバータモジュールだけでなく、電源モジュールもケースに収容され、冷媒回路モジュールは、ケースと一体化された部分である一体化部を備えている。従って、多くの機能を備えて一体化された車両用駆動装置を実現でき、この点からも、車両用駆動装置の小型化を図り易い。また、本構成によれば、冷媒回路モジュールの一体化部が備える部品を用いて、車両用駆動装置を中核とした熱マネジメントシステムを適切に構成することができる。このように、本構成によれば、車両用駆動装置を中核として車両における熱マネジメントシステムを適切に構成すると共に、車両用駆動装置を小型に構成することができる。
【0009】
車両用駆動装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
車両用駆動装置の分解斜視図
車両用駆動装置のスケルトン図
車両用駆動装置の模式的な制御ブロック図
冷媒回路及び冷却水回路を模式的に示す図
車両用駆動装置を前後方向第1側から見た正面図
車両用駆動装置を前後方向第2側から見た背面図
車両用駆動装置を軸方向第2側から見た側面図
冷却ユニットとインバータモジュールと電源モジュールとの配置関係を模式的に示す斜視図
冷媒マニホールドにおける冷媒の順路の一例を模式的に示す図
車両用駆動装置の構成例を示す斜視図
車両用駆動装置の構成例を示す分解斜視図
図10とは別の方向から見た車両用駆動装置の構成例を示す斜視図
図11とは別の方向から見た車両用駆動装置の構成例を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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