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公開番号2025017568
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023120687
出願日2023-07-25
発明の名称GM冷凍機
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人プロスペック特許事務所
主分類F25B 9/14 20060101AFI20250130BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約【課題】駆動力源に掛かる負荷トルクの最大値を低減できるGM冷凍機を提供する。
【解決手段】GM冷凍機10は、シリンダ内空間110に作動ガスが充填されるシリンダ部材11と、シリンダ内空間110に軸線方向に往復移動可能に配設されるディスプレーサ12と、電動モータ14の回転軸141の回転に伴い回転するクランクシャフト15と、クランクシャフト15の回転によってディスプレーサ12を軸線方向に往復移動させるスコッチヨーク16と、シリンダ部材11の高温端部の側に配置され、内部にスコッチヨーク16が配置されるハウジング13と、シリンダ内空間110の低温端部内および高温端部内の作動ガスの容積および圧力がGMサイクルに従って変動させるように構成される圧力振動機構17と、ディスプレーサ12を高温端部の側から低温端部の側に向かって弾性付勢する第一ばね21および第二ばね22と、を備える。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
一端側に高温端部を有し他端側に低温端部を有するとともに内部の空間であるシリンダ内空間に作動ガスが充填されるシリンダ部材と、
内部に蓄冷材が充填され、前記シリンダ内空間を前記シリンダ部材の軸線方向である第一方向に往復移動可能に前記シリンダ内空間に配設されるディスプレーサと、
回転動力を出力する回転軸を有する駆動力源と、
前記回転軸に接続され、前記回転軸の回転に伴い前記回転軸の軸心を中心として偏心回転する偏心部を有するクランクシャフトと、
内側空間が形成されるように枠状に形成され前記内側空間に前記クランクシャフトの前記偏心部が挿入される枠状部と、一方の端部が前記枠状部に接続され他方の端部が前記ディスプレーサに接続される第一ロッド部と、を有し、前記内側空間内での前記偏心部の偏心回転によって前記枠状部および前記第一ロッド部が前記第一方向に往復移動することにより、前記ディスプレーサを前記シリンダ内空間にて前記第一方向に往復移動させるように構成されたスコッチヨークと、
前記シリンダ部材の前記高温端部の側に配置され、内部に形成される空間に前記スコッチヨークが配置されるハウジングと、
高圧および低圧を生成するコンプレッサを備え、前記シリンダ内空間の前記低温端部内および前記高温端部内の作動ガスの容積および圧力がGMサイクルに従って変動するように、前記ディスプレーサの往復移動に連動して前記シリンダ内空間に前記コンプレッサにより生成される高圧および低圧を交互に印加する圧力振動機構と、
前記ディスプレーサを前記第一方向のうち前記シリンダ部材の前記高温端部から前記低温端部に向かう方向に弾性付勢する付勢部材と、
を備える、GM冷凍機。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載のGM冷凍機であって、
前記圧力振動機構は、
前記コンプレッサの高圧ポートと前記シリンダ内空間の前記高温端部とを連通する高圧経路と、
前記高圧経路上に設けられ、前記高圧経路を開通する開状態と遮断する閉状態とに切替え可能に構成される高圧弁と、
前記コンプレッサの低圧ポートと前記シリンダ内空間の前記高温端部とを前記ハウジングの内部の空間を経由して連通する低圧経路と、
前記低圧経路上に設けられ、前記低圧経路を開通する開状態と遮断する閉状態とに切替え可能に構成される低圧弁と、を備え、
前記シリンダ内空間の前記低温端部内および前記高温端部内の作動ガスの容積および圧力がGMサイクルに従って変動するように、前記高圧弁および前記低圧弁の開状態と閉状態とを切替えるように構成される、
GM冷凍機。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のGM冷凍機であって、
前記GMサイクルは、前記コンプレッサにより前記シリンダ内空間の前記高温端部内の圧力を前記ハウジングの内圧よりも高い圧力に維持しながら前記ディスプレーサを前記低温端部の側から前記高温端部の側に向かって移動させる高圧移送行程と、前記コンプレッサにより前記シリンダ内空間の作動ガスを前記ハウジングの内部の空間を経由して吸引しながら前記ディスプレーサを前記高温端部の側から前記低温端部の側に向かって移動させる低圧移送行程と、を含み、
前記付勢部材の付勢力により前記回転軸に掛かるトルクの絶対値の大きさは、0より大きく、前記高圧移送行程における前記付勢部材の付勢力以外の負荷によるトルクの極大値と前記低圧移送行程における前記付勢部材の付勢力以外の負荷によるトルクの極大値との差分未満である、GM冷凍機。
【請求項4】
請求項3に記載のGM冷凍機であって、
前記ハウジングの前記シリンダ部材とは反対側に設けられる付勢部材収容部材を備え、
前記スコッチヨークは、一方の端部が前記ハウジングから前記シリンダ部材とは反対側に突出し、他方の端部が前記スコッチヨークの前記枠状部に接続される第二ロッド部を備え、
前記付勢部材は、前記付勢部材収容部材の内部に収容され、前記スコッチヨークの前記第二ロッド部を前記第一方向のうち前記シリンダ部材の前記高温端部から前記低温端部に向かう方向に弾性付勢する第一弾性圧縮コイルばねを含む、GM冷凍機。
【請求項5】
請求項3に記載のGM冷凍機であって、
前記付勢部材は、前記ハウジングと前記ディスプレーサの前記高温端部との間に介在するとともに前記第一ロッド部の周りに配設された第二弾性圧縮コイルばねを含む、GM冷凍機。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、GM(ギフォード・マクマホン)冷凍機に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来、GM冷凍機には、低温端部および高温端部を有し内部にヘリウム等の作動ガスが充填されたシリンダ部材と、シリンダ部材の内部を低温端部側と高温端部側とに往復移動することによって作動ガスを移動させるディスプレーサと、ディスプレーサをシリンダ部材の内部で往復移動させる駆動機構と、シリンダ部材の内部空間の作動ガスの容積および圧力がGMサイクル(ギフォードマクマホンサイクル)に従って変動するようにディスプレーサの往復移動に連動してシリンダ部材の内部空間に高圧および低圧を交互に印加する圧力振動機構とを備えるものがある。
【0003】
特許文献1には、ディスプレーサを往復移動させる駆動機構として、電動モータと、クランクシャフトと、ディスプレーサに連結されるスコッチヨークとを備えるGM冷凍機が開示されている。そして、特許文献1の駆動機構は、電動モータの回転動力によってクランクシャフトのクランクピンを偏心回転させ、クランクピンの偏心回転をスコッチヨークの往復移動に変換することにより、ディスプレーサを往復移動させるように構成される。
【0004】
このような駆動機構においては、電動モータの回転軸には、ディスプレーサからスコッチヨークを介してクランクシャフトのクランクピンに伝達される負荷トルクが、回転軸の回転を止めようとする向きに作用する。そして、電動モータの回転軸に掛かる負荷トルクは、GMサイクルの1サイクル中においてディスプレーサの位置(換言すると、GMサイクルの位相)に応じて変動する。このため、GM冷凍機の駆動機構には、変動する負荷トルクの最大値よりも大きい駆動トルクを出力する電動モータが適用されなければならない。そして、駆動トルクが大きくなると電動モータのサイズおよび重量が大きくなるため、GM冷凍機の大型化および重量化を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-161146号公報
【発明の概要】
【0006】
(発明が解決しようとする課題)
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、駆動力源に掛かる負荷トルクの最大値を低減させることができるGM冷凍機を提供することを目的とする。
【0007】
(課題を解決するための手段)
前記課題を解決するため、本発明のGM冷凍機は、
一端側に高温端部を有し他端側に低温端部を有するとともに内部の空間であるシリンダ内空間に作動ガスが充填されるシリンダ部材と、
内部に蓄冷材が充填され、前記シリンダ内空間を前記シリンダ部材の軸線方向である第一方向に往復移動可能に前記シリンダ内空間に配設されるディスプレーサと、
回転動力を出力する回転軸を有する駆動力源と、
前記回転軸に接続され、前記回転軸の回転に伴い前記回転軸の軸心を中心として偏心回転する偏心部を有するクランクシャフトと、
内側空間が形成されるように枠状に形成され前記内側空間に前記クランクシャフトの前記偏心部が挿入される枠状部と、一方の端部が前記枠状部に接続され他方の端部が前記ディスプレーサに接続される第一ロッド部と、を有し、前記内側空間内での前記偏心部の偏心回転によって前記枠状部および前記第一ロッド部が前記第一方向に往復移動することにより、前記ディスプレーサを前記シリンダ内空間にて前記第一方向に往復移動させるように構成されたスコッチヨークと、
前記シリンダ部材の前記高温端部の側に配置され、内部に形成される空間に前記スコッチヨークが配置されるハウジングと、
高圧および低圧を生成するコンプレッサを備え、前記シリンダ内空間の前記低温端部内および前記高温端部内の作動ガスの容積および圧力がGMサイクルに従って変動するように、前記ディスプレーサの往復移動に連動して前記シリンダ内空間に前記コンプレッサにより生成される高圧および低圧を交互に印加する圧力振動機構と、
前記ディスプレーサを前記第一方向のうち前記シリンダ部材の前記高温端部から前記低温端部に向かう方向に弾性付勢する付勢部材と、
を備える。
【0008】
本発明のGM冷凍機においては、付勢部材の付勢力以外の原因で発生する負荷トルク(駆動力源の回転軸に駆動力源の外部から掛かるトルクであって、駆動力源が出力する駆動トルクとは反対向きを正値とするトルク)の最大値は、ディスプレーサがシリンダ内空間を高温端部側から低温端部側に向かって移動する間に存在する。本発明のGM冷凍機の付勢部材は、ディスプレーサを高温端部側から低温端部側に向かって弾性付勢するように構成される。すなわち、付勢部材の付勢力によるトルクは、ディスプレーサが高温端部側から低温端部側へ移動する間には、負荷トルクを低減する向きに作用する。このため、負荷トルクの最大値を小さくできる。したがって、電動モータに要求される駆動トルクを低減できるから、付勢部材が設けられない構成に比較して、小型で軽量な電動モータを適用できる。そしてその結果、GM冷凍機の小型化および軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本実施形態に係るGM冷凍機の断面概略図である。
図2は、本実施形態に係るGM冷凍機の断面概略図であり、図1のII-II矢視断面図である。
図3は、電動モータに掛かる負荷トルクを説明する模式図である。
図4は、電動モータに掛かる負荷トルクの変動を模式的に示すグラフである。
図5は、電動モータに掛かる負荷トルクの変動を模式的に示すグラフである。
図6は、電動モータに掛かる負荷トルクの変動を模式的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(GM冷凍機の構成)
図1および図2は、本実施形態に係るGM冷凍機10の断面概略図である。なお、図2は、図1のII-II矢視断面図である。本実施形態に係るGM冷凍機10は、シリンダ部材11、ディスプレーサ12、ハウジング13、電動モータ14、クランクシャフト15、スコッチヨーク16、および圧力振動機構17を備える。圧力振動機構17は、コンプレッサ18、高圧弁19、低圧弁20、および図略の開閉制御機構を備える。なお、本実施形態では、GM冷凍機10が1段式である例を示すが、GM冷凍機10は1段式に限定されない。
(【0011】以降は省略されています)

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