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公開番号2024157902
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023072560
出願日2023-04-26
発明の名称応力補正用ガラス、強化ガラスの応力測定方法、強化ガラスの応力測定装置、強化ガラスの応力測定システム
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人
主分類G01L 25/00 20060101AFI20241031BHJP(測定;試験)
要約【課題】比較的厚い強化ガラスの応力を測定する応力測定装置の校正に使用可能な応力補正用ガラスを提供すること。
【解決手段】本応力補正用ガラスは、強化ガラスの応力を測定する応力測定装置の校正に使用する応力補正用ガラスであって、応力値がゼロとなる深さDOCは、150μm以上であり、板厚中心の引張応力CTは、深さ800μmの応力値の0.8倍以上1.2倍以下である。
【選択図】図19
特許請求の範囲【請求項1】
強化ガラスの応力を測定する応力測定装置の校正に使用する応力補正用ガラスであって、
応力値がゼロとなる深さDOCは、150μm以上であり、
板厚中心の引張応力CTは、深さ800μmの応力値の0.8倍以上1.2倍以下である、応力補正用ガラス。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
引張領域での応力値の変化が深さ800μmの応力値に対して0.8倍以上1.2倍以下である領域が深さ方向に1mm以上ある、請求項1に記載の応力補正用ガラス。
【請求項3】
少なくともイオン交換されている、請求項1又は2に記載の応力補正用ガラス。
【請求項4】
板厚が2mm以上である、請求項1又は2に記載の応力補正用ガラス。
【請求項5】
前記DOCが600μm以下である、請求項1又は2に記載の応力補正用ガラス。
【請求項6】
前記CTは、応力補正用ガラスの板厚をt[μm]としたときに、
CT≦CTlimit=(-32.0)×ln(t/1000)+97.7[MPa]
を満たす、請求項1又は2に記載の応力補正用ガラス。
【請求項7】
最表層の応力値が100MPa以上である、請求項1又は2に記載の応力補正用ガラス。
【請求項8】
応力測定可能な最大深さが600μm以上1500μm以下である第1の応力測定装置で、請求項1又は2に記載の応力補正用ガラスの値付けをした後、
応力評価可能な最大深さが2000μm以上4000μm以下である第2の応力測定装置を、値付けをした前記応力補正用ガラスを用いて校正し、
校正後の前記第2の応力測定装置で強化ガラスの応力を測定する、強化ガラスの応力測定方法。
【請求項9】
請求項1又は2に記載の応力補正用ガラスを用いて校正した応力の補正値が格納された、強化ガラスの応力測定装置。
【請求項10】
レーザ光の偏光位相差と散乱光を利用した光弾性応力測定の原理を用いて応力を測定する、請求項9に記載の強化ガラスの応力測定装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、応力補正用ガラス、強化ガラスの応力測定方法、強化ガラスの応力測定装置、強化ガラスの応力測定システムに関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
測定対象物の応力を非破壊で測定する様々な応力測定装置が知られている。一例として表裏関係にある第1の主面と第2の主面とを有する板状の透明物品の応力を測定する透明物品の応力測定装置であって、前記透明物品を、前記第2の主面の少なくとも一部に光透過性を有する固体状または液体状の媒質を接触させた状態で支持可能とする支持部と、前記第1の主面側から前記透明物品の測定対象部位に測定光を入射させる光源部と、前記透明物品内を伝播した後に射出された前記測定光を受光する受光部と、前記受光部において受光した前記測定光に基づいて前記透明物品の応力を測定する演算部とを備える、透明物品の応力測定装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
他の例として、レーザ光の偏光位相差を、前記レーザ光の波長に対して1波長以上可変する偏光位相差可変部材と、前記偏光位相差を可変されたレーザ光が強化ガラスに入射されたことにより発する散乱光を、所定の時間間隔で複数回撮像し、複数の画像を取得する撮像素子と、前記複数の画像を用いて前記散乱光の周期的な輝度変化を測定し、前記輝度変化の位相変化を算出し、前記位相変化に基づき前記強化ガラスの表面からの深さ方向の応力分布を算出する演算部と、を有する、透明物品の応力測定装置が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2016-24002号公報
国際公開第2018/056121号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、特許文献1及び2に記載のように、厚さが1mm以下程度の比較的薄い物を測定対象物とする応力測定装置が多かった。しかし、近年、比較的厚さの厚い測定対象物の応力測定に対するニーズがある。例えば、厚さが3mm以上程度の比較的厚い強化ガラスの応力の測定に対するニーズがある。
【0006】
ところで、応力測定装置で強化ガラスの応力を測定する際には、測定精度を向上するために校正を行うことが一般的である。しかし、比較的薄い強化ガラスを測定する応力測定装置の校正に使用する応力補正用ガラスが、比較的厚い強化ガラスを測定する応力測定装置の校正にそのまま使用できるとは限らない。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、比較的厚い強化ガラスの応力を測定する応力測定装置の校正に使用可能な応力補正用ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本応力補正用ガラスは、強化ガラスの応力を測定する応力測定装置の校正に使用する応力補正用ガラスであって、応力値がゼロとなる深さDOCは、150μm以上であり、板厚中心の引張応力CTは、深さ800μmの応力値の0.8倍以上1.2倍以下である。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、比較的厚い強化ガラスの応力を測定する応力測定装置の校正に使用可能な応力補正用ガラスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
第1実施形態に係る応力測定装置を例示する図である。
第1実施形態に係る応力測定装置を図1のH方向から見た図である。
液晶素子の印加電圧と偏光位相差との関係を例示する図である。
液晶素子に偏光位相差が時間的に直線的に変化するような駆動電圧を発生させる回路を例示する図である。
撮像素子に結像されたレーザ光Lのある瞬間の散乱光像を例示する図である。
図5の点Bと点Cでの散乱光輝度の時間的な変化を例示する図である。
ガラス深さに応じた散乱光変化の位相を例示する図である。
図7の散乱光変化の位相データを基に、式1より求めた応力分布を例示する図である。
異なる時刻t1、t2の実際の散乱光像を例示する図である。
強化ガラス中のレーザ光Lの入射面の好ましくない設計例を示す図である。
強化ガラス中のレーザ光Lの入射面の好ましい設計例を示す図である。
応力測定装置1の演算部70の機能ブロックを例示する図である。
応力測定装置1を用いた評価方法を例示するフローチャート(その1)である。
応力測定装置1を用いた評価方法を例示するフローチャート(その2)である。
撮像素子60で得られた、ある時刻の散乱光の画像である。
図15(a)の領域Eにおける平均散乱光輝度の時間的変化のグラフである。
散乱光輝度振幅値Asとガラスの深さの関係を例示する図である。
薄板ガラスと厚板ガラスの応力プロファイルの一例を示す図である。
応力補正用ガラス5Aの応力プロファイルを示す図(その1)である。
応力補正用ガラス5Aの応力プロファイルを示す図(その2)である。
応力補正用ガラス5Aの応力プロファイルの実測結果を示す図である。
応力補正用ガラス5Bの応力プロファイルを示す図(その1)である。
応力補正用ガラス5Bの応力プロファイルを示す図(その2)である。
第1実施形態に係る応力測定システムを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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