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公開番号
2024156327
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-06
出願番号
2023070699
出願日
2023-04-24
発明の名称
高分子材料の観察用検体の作製方法および高分子材料の観察方法
出願人
横浜ゴム株式会社
,
国立大学法人東北大学
代理人
清流国際弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
G01N
1/28 20060101AFI20241029BHJP(測定;試験)
要約
【課題】高分子材料の分子鎖や原子の状態を直接的に観察することができる高分子材料の観察用検体の作製方法および高分子材料の観察方法を提供する。
【解決手段】架橋密度を複数種類に異ならせて弱架橋状態にした高分子材料について、厚さを複数種類に異ならせてスライスした試料10Aを作製し、走査型透過電子顕微鏡2によって、所定の同一設定下で、それぞれの試料10Aの画像データD1を取得し、取得したそれぞれの画像データD1での高分子材料の分子鎖または原子の明確程度が許容範囲である試料10Aの架橋密度および厚さのそれぞれの範囲を、その高分子材料の架橋密度基準範囲、厚さ基準範囲として予め設定しておき、その高分子材料の観察用検体10を作製する際には、その高分子材料を架橋密度基準範囲の弱架橋状態にして、その弱架橋状態の高分子材料を厚さ基準範囲の厚さの1nm以上50nm以下の厚さにスライスする。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
所定の架橋状態の高分子材料を薄肉にスライスして走査型透過電子顕微鏡による観察用検体にする高分子材料の観察用検体の作製方法において、
架橋密度を複数種類に異ならせて弱架橋状態にした前記高分子材料について、厚さを複数種類に異ならせてスライスした試料を作製し、
前記走査型透過電子顕微鏡によって、所定の同一設定下で、それぞれの前記試料の画像データを取得し、取得したそれぞれの画像データでの前記高分子材料の分子鎖または原子の明確程度が許容範囲である前記試料の架橋密度および厚さのそれぞれの範囲を、その高分子材料の架橋密度基準範囲、厚さ基準範囲として予め設定しておき、
その高分子材料の観察用検体を作製する際には、その高分子材料を前記架橋密度基準範囲の弱架橋状態にして、その弱架橋状態の高分子材料を前記厚さ基準範囲の厚さにスライスする高分子材料の観察用検体の作製方法。
続きを表示(約 810 文字)
【請求項2】
前記厚さ基準範囲が1nm以上50nm以下である請求項1に記載の高分子材料の観察用検体の作製方法。
【請求項3】
前記架橋密度基準範囲が1.0×10
-6
mol/cm
3
以上1.0×10
-4
mol/cm
3
以下である請求項1または2に記載の高分子材料の観察用検体の作製方法。
【請求項4】
前記観察用検体を作製する際には、未架橋の前記高分子材料のポリマー100質量部に対して架橋剤を0.1質量部以上2質量部以下配合することにより、前記高分子材料を前記架橋密度範囲の弱架橋状態にする請求項3に記載の高分子材料の観察用検体の作製方法。
【請求項5】
所定の架橋状態の高分子材料を薄肉にスライスした観察用検体の画像データを、走査型透過電子顕微鏡を用いて取得する高分子材料の観察方法において、
前記高分子材料を、架橋密度が予め設定された架橋密度基準範囲の弱架橋状態にするとともに、1nm以上50nm以下の厚さにスライスして前記観察用検体として使用し、前記走査型透過電子顕微鏡を用いて取得した前記観察用検体の前記画像データでの前記高分子材料の分子鎖または原子の状態を観察する高分子材料の観察方法。
【請求項6】
前記走査型透過電子顕微鏡を用いて、前記観察用検体の暗視野像データおよび明視野像データのうちの少なくとも一方の像データを撮像して、撮像した前記像データを演算装置による像シミュレーションを用いてデータ処理することにより前記画像データとして生成する請求項5に記載の高分子材料の観察方法。
【請求項7】
前記画像データのコントラストに基づいて前記演算装置により前記観察用検体の厚さを算出するデータ処理を行う請求項6に記載の高分子材料の観察方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料の観察用検体の作製方法および高分子材料の観察方法に関し、より詳しくは、高分子材料を構成する分子鎖や原子の状態を直接的に観察できる高分子材料の観察用検体の作製方法および高分子材料の観察方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
加硫ゴムなどの架橋した高分子材料の物性は、その高分子材料を構成する分子鎖の状態(構造)などに影響を受けることが知られている。高分子材料の分子鎖や原子の状態を直接的に観察できれば、架橋状態の高分子材料の物性の把握や分析などに関して多大な発展が期待できる。
【0003】
従来、走査型透過電子顕微鏡を用いてゴム材料に含まれる充填剤の分散状態を観察する観察方法が種々提案されている(特許文献1、2参照)。提案されている観察方法では、厚さを200~1500nmとしたゴム材料の三次元構造をトモグラフィー法により再構築している。この観察方法で得られた三次元像では、多数のゴム成分(ポリマー)の分子鎖どうしや充填剤を構成する粒子どうしが凝集した高次凝集構造が確認できる。しかしながら、この観察方法はポリマーの分子鎖や原子の状態を直接的に観察するものではない。それ故、高分子材料の分子鎖や原子の状態を直接的に観察するには改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5767477号公報
特開2013-44607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高分子材料の分子鎖や原子の状態を直接的に観察することができる高分子材料の観察用検体の作製方法および高分子材料の観察方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成する本発明の高分子材料の観察用検体の作製方法は、所定の架橋状態の高分子材料を薄肉にスライスして走査型透過電子顕微鏡による観察用検体にする高分子材料の観察用検体の作製方法において、架橋密度を複数種類に異ならせて弱架橋状態にした前記高分子材料について、厚さを複数種類に異ならせてスライスした試料を作製し、前記走査型透過電子顕微鏡によって、所定の同一設定下で、それぞれの前記試料の画像データを取得し、取得したそれぞれの画像データでの前記高分子材料の分子鎖または原子の明確程度が許容範囲である前記試料の架橋密度および厚さのそれぞれの範囲を、その高分子材料の架橋密度基準範囲、厚さ基準範囲として予め設定しておき、その高分子材料の観察用検体を作製する際には、その高分子材料を前記架橋密度基準範囲の弱架橋状態にして、その弱架橋状態の高分子材料を前記厚さ基準範囲の厚さにスライスすることを特徴とする。
【0007】
上記の目的を達成する本発明の高分子材料の観察方法は、所定の架橋状態の高分子材料を薄肉にスライスした観察用検体の画像データを、走査型透過電子顕微鏡を用いて取得する高分子材料の観察方法において、前記高分子材料を、架橋密度が予め設定された架橋密度基準範囲の弱架橋状態にするとともに、1nm以上50nm以下の厚さにスライスして前記観察用検体として使用し、前記走査型透過電子顕微鏡を用いて取得した前記観察用検体の前記画像データでの前記高分子材料の分子鎖または原子の状態を観察することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の高分子材料の観察用検体の作製方法によれば、その高分子材料の観察用検体を作製する際には、その高分子材料を予め設定された前記架橋密度基準範囲の弱架橋状態にして、その弱架橋状態の高分子材料を予め設定された前記厚さの基準範囲の厚さにスライスするので、走査型透過電子顕微鏡を用いて取得した前記観察用検体の前記画像データでは前記高分子材料の分子鎖または原子の状態が視認可能になる。その結果、この分子鎖または原子の状態を直接的に観察して把握するには有利になる。
【0009】
本発明の高分子材料の観察方法によれば、前記高分子材料を、架橋密度が予め設定された架橋密度基準範囲の弱架橋状態で、かつ、1nm以上50nm以下の超薄肉にスライスして前記観察用検体として使用する。そのため、走査型透過電子顕微鏡を用いて取得した前記観察用検体の前記画像データでは、前記高分子材料の分子鎖または原子の状態が視認可能になり、この分子鎖または原子の状態を直接的に観察して把握するには有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
観察システムを例示する説明図である。
走査型透過電子顕微鏡を例示する説明図である。
高分子材料の観察用検体の作製方法の実施形態の手順を例示するフロー図である。
高分子材料の観察方法の実施形態の手順を例示するフロー図である。
暗視野像データを例示する説明図である。
暗視野像データを例示する説明図である。
明視野像データを例示する説明図である。
モデルデータを例示する説明図である。
暗視野像データから生成された画像データを例示する説明図である。
明視野像データから生成された画像データを例示する説明図である。
暗視野像データから生成された画像データを例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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