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公開番号2024152291
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-25
出願番号2023066403
出願日2023-04-14
発明の名称波形解析方法、波形解析装置、及び分析装置
出願人株式会社島津製作所
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類G01N 27/62 20210101AFI20241018BHJP(測定;試験)
要約【課題】自動でピーク検出を行う際により正確なピーク情報を提供する。
【解決手段】本発明に係る波形解析方法の一態様は、クロマトグラム又はスペクトルである信号波形を解析する波形解析方法であって、ピーク部分の位置が既知である参照波形を複数用いた機械学習によって、入力される波形に含まれるピーク部分を特定する学習済みモデルを作成するモデル作成ステップと、解析対象波形を複数の部分波形に分割し、学習済みモデルを用いて解析対象波形の複数の部分波形のそれぞれがピーク部分であるか否かを判定し、該判定結果に基いて、解析対象波形における、ピーク領域、非ピーク領域、を含む複数の異なる種類の領域を推定する領域推定ステップ(S11-S14)と、推定された各領域の、解析対象波形の横軸に沿った並びが所定の規則に従っているか否かを判定することにより、領域の推定結果として妥当でない部分を検出する検出ステップ(S15)と、を有する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
クロマトグラム又はスペクトルである信号波形を解析する波形解析方法であって、
ピーク部分の位置が既知である参照波形を複数用いた機械学習によって、入力される波形に含まれるピーク部分を特定する学習済みモデルを作成するモデル作成ステップと、
解析対象波形を複数の部分波形に分割し、前記学習済みモデルを用いて該複数の部分波形のそれぞれがピーク部分であるか否かを判定し、該判定の結果に基いて、前記解析対象波形における、ピーク領域、非ピーク領域、を含む複数の異なる種類の領域を推定する領域推定ステップと、
前記領域推定ステップにおいて推定された各領域の、前記解析対象波形の横軸に沿った並びが所定の規則に従うか否かを判定することにより、領域の推定結果として妥当でないものを検出する検出ステップと、
を有する波形解析方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記モデル作成ステップでは、ピーク部分の位置が既知である参照波形を分割することにより作成された複数の部分波形からなる組を複数用いた機械学習によって、入力される波形に含まれるピーク部分を特定する学習済みモデルを作成する、請求項1に記載の波形解析方法。
【請求項3】
前記検出ステップで検出された前記妥当でない部分における領域の推定結果を所定の規則に従って修正する修正ステップ、をさらに有する請求項1に記載の波形解析方法。
【請求項4】
前記検出ステップで検出された前記妥当でない部分における領域の推定結果を、ユーザーが視認可能な形式で該ユーザーに通知する通知ステップ、をさらに有する請求項1に記載の波形解析方法。
【請求項5】
前記学習済みモデルは、ピークの開始点と終了点の位置が既知である参照波形を複数用いた機械学習によって作成され、
前記複数の異なる種類の領域は、ピーク領域、非ピーク領域のほかに、ピーク開始領域、ピーク終了領域を含み、
前記所定の規則は、一つのピーク領域の両端の一方にピーク開始領域、他方にピーク終了領域が存在することである、請求項1に記載の波形解析方法。
【請求項6】
前記検出ステップでは、前記解析対象波形の横軸のパラメーター値の小さい方から順に該横軸に沿ってピーク開始領域とピーク終了領域との対を探索し、見つかったピーク開始領域とピーク終了領域との対で一つのピーク領域が挟まれる場合に、妥当な領域推定結果であると判定する、請求項5に記載の波形解析方法。
【請求項7】
前記検出ステップにおいて、一つのピーク領域の両端にピーク開始領域又はピーク終了領域の一方又は両方が存在しないことが検出された場合、該ピーク領域の端部をピーク開始領域及び/又はピーク終了領域とする修正ステップ、をさらに有する、請求項5に記載の波形解析方法。
【請求項8】
前記ピーク領域は、ピークが一つである単一ピーク領域、及び、複数のピークが重なっている未分離ピーク領域、を含み、
前記検出ステップでは、解析対象波形の横軸に沿って前記二つ以上の異なる種類のピーク領域が隣接している場合に、妥当でない領域推定結果であると判定する、請求項5に記載の波形解析方法。
【請求項9】
前記検出ステップにおいて、解析対象波形の横軸に沿って前記二つ以上の異なる種類のピーク領域が隣接しているために領域推定結果が妥当でないと判定されたとき、該二つ以上の異なる種類のピーク領域を、それらのうちの最も長い領域を有する種類のピーク領域に統一する修正ステップ、をさらに有する、請求項5に記載の波形解析方法。
【請求項10】
前記検出ステップでは、前記ピーク領域におけるSN比、分離度、シンメトリー係数、ピークの欠けの割合、ピーク高さ、若しくはピーク幅、又は、前記非ピーク領域におけるベースラインの傾き、のうちのいずれか一つ以上を計算し、その計算結果を領域の妥当性を判定する際に併せて利用する、請求項1に記載の波形解析方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、分析装置により取得された信号波形を解析する方法及び装置、並びに、そうした波形解析装置を備えた分析装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
ガスクロマトグラフ(GC)や液体クロマトグラフ(LC)等の分析装置により取得されるクロマトグラムには、試料に含まれる成分由来のピークが現れる。そうした分析装置に備えられたデータ装置では、一般に、分析により得られたクロマトグラムに対する波形処理を行うことでピークが検出され、検出された複数のピークに対し同定処理を行うことで目的化合物のピークが同定される。また、同定されたピークの面積又は高さから、該ピークに対応する化合物の濃度や含有量が算出される。
【0003】
これまでピークを検出する方法として様々な方法が実用に供されているが、近年、新たなピーク検出方法として、機械学習を利用した方法が提案され実用化されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1の記載に波形解析方法では、ピーク部分の位置が既知である参照波形を時間軸方向に細かく分割することで作成された複数の部分波形を含む組を参照波形毎に用意し、多数組の参照波形毎の部分波形を用いた機械学習によって、入力波形に含まれるピーク部分に相当する部分波形を特定する学習済みモデルを作成する。解析対象波形も参照波形と同様に複数の部分波形に分割し、学習済みモデルを用いてその複数の部分波形のそれぞれがピーク部分であるか否かを判定する。そして、その判定結果に基いて解析対象波形のうちのピーク領域とそれ以外の領域とを決定する。ピーク部分以外に、ピーク開始点、ピーク終了点に対応する部分波形を用いた機械学習を行うことで、解析対象波形における複数の部分波形の中で、ピーク開始点、ピーク終了点に対応する部分波形も見つけることができる。さらにまた、ピーク部分をさらに単一ピーク部分と複数のピークが重畳している未分離ピーク部分とに分けることで、解析対象波形の中で単一ピーク領域と未分離ピーク領域とを判定することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2021/064924号
【非特許文献】
【0006】
「Peakintelligence for LCMS LabSolutions LCMS、LabSolutions Insight向け波形処理オプションソフトウェア」、[online]、[2023年3月16日検索]、株式会社島津製作所、インターネット<URL:https://www.an.shimadzu.co.jp/products/liquid-chromatograph-mass-spectrometry/lc-ms-software/peakintelligence/index.html>
Olaf Ronneberger、ほか2名、「U-Net: Convolutional Networks for Biomedical Image Segmentation」、[online]、[Submitted on 18 May 2015]、arXiv.org、インターネット<URL: https://arxiv.org/pdf/1505.04597.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
機械学習を利用したピーク検出は、ユーザーによる面倒なパラメーター設定の手間が不要である又は軽減できるという点で非常に有用な方法である。また、多くの場合、様々なクロマトグラム波形に対してかなり正確にピークを検出することが可能である。それでも、解析対象波形の形状等によってはピーク領域等の判定が的確になされない場合があり、ごく一般的な技術常識に反するような合理性を欠く妥当でないピーク検出結果が出力されることがあった。
【0008】
本発明の目的は、機械学習を利用したピーク検出処理によって適切にピーク検出がなされない場合であっても、該ピーク検出処理後に実施する波形処理によって適切でないピーク部分を自動的に認識し、それをユーザーに知らせたり、或いは人手を掛けずに修正したりすることができる波形解析方法及び波形解析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る波形解析方法の一態様は、クロマトグラム又はスペクトルである信号波形を解析する波形解析方法であって、
ピーク部分の位置が既知である参照波形を複数用いた機械学習によって、入力される波形に含まれるピーク部分を特定する学習済みモデルを作成するモデル作成ステップと、
解析対象波形を複数の部分波形に分割し、前記学習済みモデルを用いて該複数の部分波形のそれぞれがピーク部分であるか否かを判定し、該判定の結果に基いて、前記解析対象波形における、ピーク領域、非ピーク領域、を含む複数の異なる種類の領域を推定する領域推定ステップと、
前記領域推定ステップにおいて推定された各領域の、前記解析対象波形の横軸に沿った並びが所定の規則に従うか否かを判定することにより、領域の推定結果として妥当でないものを検出する検出ステップと、
を有する。
【0010】
本発明に係る波形解析装置の一態様は、クロマトグラム又はスペクトルである信号波形を解析する波形解析装置であって、
解析対象波形を複数の部分波形に分割し、ピーク部分の位置が既知である参照波形を複数用いた機械学習によって作成された学習済みモデルを使用して、前記解析対象波形の複数の部分波形のそれぞれがピーク部分であるか否かを判定し、該判定の結果に基いて、前記解析対象波形における、ピーク領域、非ピーク領域、を含む複数の異なる種類の領域を推定する領域推定部と、
前記領域推定部において推定された各領域の、前記解析対象波形の横軸に沿った並びが所定の規則に従うか否かを判定することにより、領域の推定結果として妥当でないものを検出する検出部と、
を備える。
(【0011】以降は省略されています)

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