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公開番号2024149101
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023062778
出願日2023-04-07
発明の名称研削プレート、研削装置、表面加工方法、単結晶SiC基板の製造方法及び単結晶SiC基板
出願人株式会社レゾナック,国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人個人,個人,個人
主分類B24D 7/06 20060101AFI20241010BHJP(研削;研磨)
要約【課題】既存の装置に適用可能であり、大口径の基板に対して、微小なキズの発生を抑制することが可能な研削プレートを提供する。
【解決手段】研削プレートであって,前記研削プレートは、平坦面を有する台金上に砥石セグメントを備え、前記砥石セグメントは、表面に砥粒が固定された軟質パッドまたは砥粒及び樹脂を含むレジンボンド砥石を有し、前記砥石セグメントは、前記研削プレート及び被加工物テーブルの配置によって定まる被加工物面内の砥粒軌跡密度と、前記砥粒及び被加工物の相対速度と、に基づいて均一に加工できるように設計されたセグメント形状を有し、前記砥粒は、単結晶SiCよりも軟らかくかつバンドギャップを有する少なくとも1種以上の金属酸化物、もしくはSiCからなることを特徴とする、研削プレート。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
研削プレートであって、
前記研削プレートは、平坦面を有する台金上に砥石セグメントを備え、
前記砥石セグメントは、表面に砥粒が固定された軟質パッドまたは砥粒及び樹脂を含むレジンボンド砥石を有し、
前記砥石セグメントは、前記研削プレート及び被加工物テーブルの配置によって定まる被加工物面内の砥粒軌跡密度と、前記砥粒及び被加工物の相対速度と、に基づいて均一に加工できるように設計されたセグメント形状を有し、
前記砥粒は、単結晶SiCよりも軟らかくかつバンドギャップを有する少なくとも1種以上の金属酸化物、もしくはSiCからなることを特徴とする、研削プレート。
続きを表示(約 490 文字)【請求項2】
前記砥粒が、酸化セリウム、酸化チタン、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化錫から選ばれる少なくとも1種以上の金属酸化物からなることを特徴とする、請求項1に記載の研削プレート。
【請求項3】
前記砥粒がSiCからなることを特徴とする、請求項1に記載の研削プレート。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の研削プレートを有することを特徴とする、研削装置。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載の研削プレートを研削装置に装着し、145mm以上の直径を有する単結晶SiC基板の表面を、液体のクーラントを用いないで加工することを特徴とする、表面加工方法。
【請求項6】
請求項5に記載の表面加工方法により基板を表面加工する工程を含むことを特徴とする、単結晶SiC基板の製造方法。
【請求項7】
C面の加工変質層が1μm以下であり、表面粗さSaが1nmより大きく5nm以下であり、145mm以上の直径をもつことを特徴とする、単結晶SiC基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、研削プレート、研削装置、表面加工方法、単結晶SiC基板の製造方法及び単結晶SiC基板に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
半導体材料であるSiC(炭化珪素)は、現在広くデバイス用基板として使用されているSi(珪素)に比べてバンドギャップが広いことから、単結晶SiC基板を使用してパワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等を作製する研究が行われている。
【0003】
上記単結晶SiC基板は、例えば、昇華法で製造された単結晶SiCインゴットを切断し、その後、両面を鏡面加工することで形成される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
切断された基板には反り、うねり、厚みばらつきや加工歪が存在し、例えばダイヤモンド砥粒での研削加工でこれらを軽減した上でCMP(ケミカルメカニカルポリシング)で鏡面化することが行われているが、CMPの加工速度は小さいため、CMP前の加工歪層深さをできるだけ小さくすることが望まれている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
また、厚みばらつきは少ないことが望まれる。厚みばらつきはTTV(Total Thickness Variations,全厚さ変動)という指標で示されるが、特許文献2には、直径3インチでTTVが0.623、0.673、0.739μmのSiC基板が開示され、また特許文献3には直径76mmでTTVが1.7μmであるSiC基板と直径100mmでTTVが1.05μmであるSiC基板が開示されている。
【0006】
SiC等の非酸化物セラミックスの鏡面加工には、メカノケミカル効果を利用したメカノケミカルポリシング技術があり、例えば非特許文献2には、平均粒径0.5μm酸化クロム砥粒をアクリロニトリルやフェノールなどの樹脂で成形したポリシングディスク上で乾式研磨する手法と単結晶SiCの加工結果が開示されている。
【0007】
また、特許文献4にはトライボ触媒作用と名付けられた仮説に基づき、直径3インチのSiC基板の鏡面加工を行い、TTVに相当する基板高さの最大値と最小値の差は1.4μmであることが開示され、非特許文献3には直径100mmのSiC基板について同様の鏡面加工を行い、TTVが1.8μmであることが開示されている。具体的な手段として、特許文献4では、バンドギャップをもつ材料で構成される砥粒が被加工物との機械的摺動によりエネルギーが与えられ、砥粒表面の電子が励起されて電子正孔対が生じ、光触媒材料で説明される内容と同様の機構で、スーパーオキシドアニオン、ヒドロキシルラジカル、あるいは原子状酸素といった非常に酸化力の強い活性種が生じて試料表面を酸化させるというメカニズムが提案され、直径3インチでTTVが小さいSiC基板を製造する方法が開示されている。また、非特許文献3では特許文献4と同様の原理で加工を行い、直径100mmでTTVが小さいSiC基板が得られたと開示されている。
【0008】
また、特許文献5に開示されるように、単結晶SiC基板のおもて面は、次工程でエピタキシャル成長させるため、鏡面である必要があるが、裏面は、種々、ハンドリング等の観点から、面粗度の大きい面であることが好ましい。
【0009】
さらに、単結晶SiC基板を前記昇華法の種結晶として使用する場合には、前記結晶成長面に異物や研磨傷などのダメージがある場合に、結晶成長が阻害され、高品質の炭化珪素単結晶を成長させることができない。そのため、例えば特許文献6に開示されるように、結晶成長前に水素ガス等でエッチング処理を行って、ゴミや研磨傷ダメージなどの結晶成長阻害要因を除去して、沿面成長を促進して、結晶欠陥の少ない高品質の炭化珪素単結晶を結晶成長させるということが行われてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特許第4499698号公報
特開2012-214376号公報
特表2016-501809号公報
特許第6016301号公報
特許第5560774号公報
特開2010-111540号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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