TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024148497
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2023061677
出願日2023-04-05
発明の名称嫌気性水処理方法
出願人オルガノ株式会社
代理人弁理士法人YKI国際特許事務所
主分類C02F 3/28 20230101AFI20241010BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】嫌気性処理の悪化を検知して、嫌気性処理の安定化を図ることができる嫌気性水処理方法を提供する。
【解決手段】嫌気性微生物を含有する汚泥が投入された反応槽により有機物含有水を嫌気条件で生物処理する嫌気性水処理方法であって、前記反応槽で発生したバイオガス中の水素ガス濃度を測定し、測定した水素ガス濃度に基づいて、脱窒菌の電子受容体を前記有機物含有水に添加することを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
嫌気性微生物を含有する汚泥が投入された反応槽により有機物含有水を嫌気条件で生物処理する嫌気性水処理方法であって、
前記反応槽で発生したバイオガス中の水素ガス濃度を測定し、測定した水素ガス濃度に基づいて、脱窒菌の電子受容体を前記有機物含有水に添加することを特徴とする嫌気性水処理方法。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記反応槽で発生したバイオガス中のメタンガス濃度を測定し、測定したメタンガス濃度が55vol%未満とならないように、前記電子受容体を前記有機物含有水に添加することを特徴とする請求項1に記載の嫌気性水処理方法。
【請求項3】
バイオガスを燃焼する設備に、前記反応槽で発生した前記バイオガスを供給する工程を備え、
前記設備において前記バイオガスを燃焼する際のバイオガス中のメタンガス濃度を測定し、測定したメタンガス濃度が55vol%未満とならないように、前記電子受容体を前記有機物含有水に添加することを特徴とする請求項1に記載の嫌気性水処理方法。
【請求項4】
前記有機物含有水に添加する前記電子受容体の添加量、前記反応槽で発生するバイオガス発生量及び前記バイオガス中のメタンガス濃度から、前記反応槽で発生する窒素ガス及びメタンガスの発生量を算出し、前記反応槽で発生するバイオガス中のメタンガス濃度が55vol%未満とならない前記電子受容体の添加量の上限値を決定することを特徴とする請求項1に記載の嫌気性水処理方法。
【請求項5】
前記電子受容体は硝酸態窒素であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の嫌気性水処理方法。
【請求項6】
前記水素ガス濃度を測定するバイオガスは、脱硫処理されたバイオガスであることを特徴とする請求項1に記載の嫌気性水処理方法。
【請求項7】
前記メタンガス濃度を測定するバイオガスは、脱硫処理されたバイオガスであることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の嫌気性水処理方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、嫌気性水処理方法の技術に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
嫌気性処理とは、酸素がない条件下で加水分解、酸生成、メタン生成の3つの過程を経て、有機性排水や廃棄物に含まれる有機物を、メタンと二酸化炭素まで分解する方法である。高分子状物質は加水分解を経て糖類、アミノ酸、長鎖脂肪酸となる。酸生成では、糖類、アミノ酸、長鎖脂肪酸がプロピオン酸や酢酸といった揮発性脂肪酸(Volatile Fatty Acid:VFA)、水素、二酸化炭素へ変換される。そして、酢酸からメタンと二酸化炭素、水素と二酸化炭素からメタンが生成される。嫌気性処理は、(1)酸素を送り込むための曝気動力を必要としない、(2)メタンをエネルギーとして回収できる、(3)処理に伴って発生する菌体(余剰汚泥)が少ない、という特徴があり、省エネルギーおよび創エネルギー型の資源循環型の技術として注目されている。
【0003】
しかしながら、メタン生成菌は環境条件の変動に弱く、温度、pH、流入負荷が至適範囲に保たれていないと代謝阻害されるという欠点がある。負荷変動や過負荷によって、プロピオン酸を酢酸と水素に酸化する水素生成性酢酸生成菌と、水素と二酸化炭素からメタンを生成する水素資化性メタン生成菌の代謝のバランスが崩れる場合がある。そして、プロピオン酸酸化速度がメタン生成速度を上回ると、反応槽内で水素が蓄積されるが、反応槽内の水素ガス濃度が低濃度に維持されないと、プロピオン酸は熱力学的に分解されないため、プロピオン酸濃度が増大する。プロピオン酸が蓄積するとpH低下を引き起こし、メタン生成が停止する虞がある(非特許文献1)。嫌気性処理は一度悪化すると、処理回復に時間を要するため、処理の安定性を維持することが重要である。
【0004】
特許文献1には、嫌気性処理を安定的かつ効率的に行うために、反応槽内の汚泥中の水素生成性酢酸生成菌濃度(a)と水素資化性メタン生成菌濃度(b)と酢酸資化性メタン生成菌濃度(c)の比率(a:b:c)をモニターし、当該比率が所定の範囲内に保持されるように運転条件を制御することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、嫌気性処理を安定させるために、硫酸塩を添加してプロピオン酸などのVFA濃度を下げる方法が記されている。嫌気条件下では、硫酸還元菌がVFAを電子供与体、硫酸塩を電子受容体として代謝する。
【0006】
特許文献3には、処理が悪化した場合の回復方法として、硝酸塩を添加することが提案されている。嫌気条件下では、脱窒菌がVFAを電子供与体、硝酸塩を電子受容体として代謝する。硝酸塩還元で発生する窒素ガスは不活性ガスであり、メタン生成菌を阻害することはない。なお、特許文献3では、嫌気性処理の悪化を判断する方法は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2003-260490号公報
特開2006-55769号公報
特開2020-157177号公報
【非特許文献】
【0008】
北野ら、環境技術(2005)、34巻2号、pp.127-133
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示の目的は、嫌気性処理の悪化を検知して、嫌気性処理の安定化を図ることができる嫌気性水処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、嫌気性微生物を含有する汚泥が投入された反応槽により有機物含有水を嫌気条件で生物処理する嫌気性水処理方法であって、前記反応槽で発生したバイオガス中の水素ガス濃度を測定し、測定した水素ガス濃度に基づいて、脱窒菌の電子受容体を前記有機物含有水に添加することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

オルガノ株式会社
水質予測方法及び装置
1か月前
オルガノ株式会社
水処理装置および水処理方法
24日前
オルガノ株式会社
水処理装置および水処理方法
1か月前
オルガノ株式会社
水処理方法及び水処理システム
24日前
オルガノ株式会社
電気式脱イオン水製造装置及び純水製造方法
18日前
オルガノ株式会社
水処理システム、イオン交換装置および測定方法
24日前
オルガノ株式会社
分析装置を管理する管理方法、管理装置及びプログラム
1か月前
オルガノ株式会社
水処理方法及び水処理装置並びに水処理装置の設計方法
1か月前
オルガノ株式会社
選定支援システム、選定支援方法、及び選定支援プログラム
今日
オルガノ株式会社
脱イオン水製造システムの運転方法及び脱イオン水製造システム
17日前
栗田工業株式会社
排水処理方法
12日前
東ソー株式会社
ニッケル含有水溶液の浄化方法
4日前
ニシム電子工業株式会社
浄化処理システム
今日
栗田工業株式会社
逆浸透膜処理方法
11日前
栗田工業株式会社
逆浸透膜処理方法
11日前
東芝ライテック株式会社
液体処理装置
3日前
日本国土開発株式会社
スラリー処理方法
3日前
株式会社クボタ
担体流動槽及び浄化槽
4日前
株式会社クボタ
水処理設備
12日前
株式会社ササクラ
造水システム
17日前
ニシム電子工業株式会社
浄化処理システム及び浄化処理方法
今日
株式会社ジェーイー
水処理装置
11日前
株式会社加藤建設
脱水装置
18日前
栗田工業株式会社
排水負荷の推定方法および排水処理方法
12日前
フジクリーン工業株式会社
廃水処理方法
18日前
株式会社テックコーポレーション
電解水生成装置
10日前
オルガノ株式会社
電気式脱イオン水製造装置及び純水製造方法
18日前
JFEスチール株式会社
検知方法、検知装置およびプログラム
18日前
個人
濁水処理設備を用いた常圧浮上処理方法
11日前
大成建設株式会社
嫌気性汚泥の造粒化促進方法
11日前
栗田工業株式会社
有機物含有水の処理方法および有機物含有水処理装置
10日前
株式会社日本トリム
水処理装置
24日前
株式会社日本トリム
水処理装置
24日前
前澤工業株式会社
検出装置、検出方法及びプログラム
3日前
高砂熱学工業株式会社
シリカ除去装置及び吸着剤の再生方法
3日前
株式会社東芝
水処理装置
12日前
続きを見る