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公開番号2024147181
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-16
出願番号2023060035
出願日2023-04-03
発明の名称発汗分析装置および方法
出願人日本電信電話株式会社,国立大学法人 新潟大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A61B 5/00 20060101AFI20241008BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】着用者の汗に関する物理量の計測に際し、皮膚の圧迫による発汗抑制の影響を避けた計測を実現する。
【解決手段】発汗分析装置は、着用者の皮膚と接触するように配置され、着用者の皮膚から分泌される汗に由来する電気信号を出力するセンサ1と、センサ1による着用者の皮膚の圧迫状態を示す電気信号を出力するセンサ2と、センサ2から出力された電気信号に基づいて、着用者の皮膚の圧迫状態が正常かどうかを判定し、センサ1から出力された電気信号に基づいて、着用者の汗に関する物理量を算出するMCU部6とを備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
着用者の皮膚と接触するように配置され、前記着用者の皮膚から分泌される汗に由来する電気信号を出力するように構成された第1のセンサと、
前記第1のセンサによる前記着用者の皮膚の圧迫状態を示す電気信号を出力するように構成された第2のセンサと、
前記第1のセンサから出力された電気信号に基づいて、前記着用者の汗に関する物理量を算出するように構成された物理量算出部と、
前記第2のセンサから出力された電気信号に基づいて、前記着用者の皮膚の圧迫状態が正常かどうかを判定するように構成された圧迫状態判定部とを備えることを特徴とする発汗分析装置。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
請求項1記載の発汗分析装置において、
前記圧迫状態判定部は、前記第2のセンサから出力された電気信号が示す物理量の値があらかじめ設定された上下限値の範囲内の場合に前記圧迫状態が正常と判定し、前記第2のセンサから出力された電気信号が示す物理量の値が前記上下限値の範囲外の場合に前記圧迫状態が異常と判定することを特徴とする発汗分析装置。
【請求項3】
請求項1記載の発汗分析装置において、
前記第1のセンサは、前記圧迫状態が異常と判定されたときに電気信号の出力を停止し、この停止の後に前記圧迫状態が正常と判定されたときに電気信号の出力を再開し、
前記物理量算出部は、前記圧迫状態が異常と判定されたときに物理量の算出処理を停止し、この停止の後に前記圧迫状態が正常と判定されたときに物理量の算出処理を再開することを特徴とする発汗分析装置。
【請求項4】
請求項1記載の発汗分析装置において、
前記圧迫状態が異常と判定された場合に前記圧迫状態が異常な状態の継続時間を計測し、前記圧迫状態が正常と判定され、かつ前記第1のセンサの電気信号の出力と前記物理量算出部による物理量の算出処理とが停止している状態の場合に、前記圧迫状態が正常な状態の継続時間を計測するように構成された時間計測部をさらに備え、
前記第1のセンサは、前記圧迫状態が異常な状態の継続時間があらかじめ設定された第1の閾値を超えたときに電気信号の出力を停止し、この停止の後に前記圧迫状態が正常な状態の継続時間があらかじめ設定された第2の閾値を超えたときに電気信号の出力を再開し、
前記物理量算出部は、前記圧迫状態が異常な状態の継続時間が前記第1の閾値を超えたときに物理量の算出処理を停止し、この停止の後に前記圧迫状態が正常な状態の継続時間が前記第2の閾値を超えたときに物理量の算出処理を再開することを特徴とする発汗分析装置。
【請求項5】
請求項1記載の発汗分析装置において、
前記物理量算出部の算出結果と前記圧迫状態判定部の判定結果とを外部装置に送信するように構成された通信部をさらに備えることを特徴とする発汗分析装置。
【請求項6】
請求項1記載の発汗分析装置において、
前記第2のセンサは、前記着用者の皮膚の圧迫状態を示す電気信号として、圧力、ひずみ、接触インピーダンス、皮膚電位のうち少なくとも1つを示す電気信号を出力することを特徴とする発汗分析装置。
【請求項7】
請求項1記載の発汗分析装置において、
前記物理量算出部は、前記着用者の汗に関する物理量として、前記着用者の発汗量と前記着用者の汗中の電解質濃度のうち少なくとも一方を算出することを特徴とする発汗分析装置。
【請求項8】
着用者の皮膚と接触するように配置された第1のセンサが、前記着用者の皮膚から分泌される汗に由来する電気信号を出力する第1のステップと、
第2のセンサが、前記第1のセンサによる前記着用者の皮膚の圧迫状態を示す電気信号を出力する第2のステップと、
前記第2のセンサから出力された電気信号に基づいて、前記着用者の皮膚の圧迫状態が正常かどうかを判定する第3のステップと、
前記第1のセンサから出力された電気信号に基づいて、前記着用者の汗に関する物理量を算出する第4のステップとを含むことを特徴とする発汗分析方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に装着して、着用者の汗に関する物理量を計測する発汗分析装置および方法に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
地球温暖化に伴い、世界的に熱波の発生が増加している。日本においても同様で、猛暑の頻度の増加に伴い、熱中症の発生件数が増加傾向にあり、社会問題となっている(非特許文献1)。
【0003】
熱中症とは、高温下や激しい運動下で引き起こされる多臓器不全の状態を表している。一般的に、人の体温は、視床下部前葉による体温調節のプロセスを経て、約37℃に維持されている。気化、熱放射、対流、熱伝導といった発汗に関連した物理現象は、体表面を冷却するために機能している。
【0004】
体温が上昇すると、皮膚血管拡張により、皮膚血流が増加し、温熱性発汗が開始される。皮膚血管拡張は、血管内容積の相対的な減少を引き起こし、熱失神の原因となる。汗による塩分と水分の損失は、脱水と塩分枯渇を引き起こし、熱疲労と痙攣を伴う。塩分と水分がさらに失われると、体温調節機能が低下し、続いて中枢循環から皮膚や筋肉へのシャントにより内臓の血流が低下し、臓器不全に陥り、いわゆる熱中症と呼ばれる状態となる(非特許文献2)。
【0005】
上記のように、人の体内の水分と塩分は、体温調節に重要な役割を果たしている。熱疲労の原因となる脱水症状を防ぐには、適切な量の水分と塩分を補給することが重要である。汗に含まれる塩分濃度は、発汗量の増加と共に線形に増加することが多くの文献で報告されている。ただし、塩分濃度の増加率は、人の発汗能力や汗腺での塩分再吸収能力によって変化するため、個人差がある。また、個人の発汗能力、塩分再吸収能力は、人の暑熱順化の影響を受けて変化することも知られている。そのため、水分と塩分の損失を監視するには、人の発汗量と汗に含まれる塩分濃度の両方を連続的に監視することが有効と考えられる。
この監視を実現する先行技術として、発汗量と電解質濃度を同時計測するウェアラブルセンサが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0006】
図12は特許文献1に開示されたウェアラブルセンサの断面図である。ウェアラブルセンサは、液体の流路となる貫通孔11と貫通孔11の出口側の端部と連通する凹部12とを有する基材10と、貫通孔11の入口側の端部が開口する基材10の面に配置された電極14と、貫通孔11の出口側の開口から凹部12に流出した液体と接触するように基材10の出口側の面(上面)に配置された吸水構造体15と、吸水構造体15の基材10と向かい合う面に、貫通孔11の出口側の開口と向かい合うように配置された吸水性の電極16とを備えている。図12の13は基材10の下面に形成された凹部、100はウェアラブルセンサの着用者の皮膚、101は着用者の汗腺、102は着用者の皮膚表面から分泌される汗である。
【0007】
ウェアラブルセンサを利用すれば、ウェアラブルセンサと着用者の皮膚とを密着させた状態で貫通孔11から凹部12に流出した汗による電極14と16間の通電特性に基づいて、着用者の汗の流量(発汗量)、および汗中の塩分濃度など、汗中に含有される諸成分の濃度を計測することができる。
しかしながら、特許文献1に開示されたウェアラブルセンサでは、着用者の皮膚との十分な密着状態が維持されていないと、発汗量や汗中の成分濃度といった物理量を正常に計測することができないという課題があった。
【0008】
また、人の生理現象には、体の一部を圧迫すると、圧迫側で発汗が抑制され、その反対側の発汗が増えるという発汗反射現象があることが知られている。特許文献1に開示されたウェアラブルセンサでは、皮膚圧迫による、局所的な発汗抑制の影響といった生理現象を考慮していないので、例えば測定データが変動したときに、その変動が着用者の生理現象が原因か、運動負荷や暑熱負荷等が原因か、といった判別ができず、暑熱下や運動下での着用者の脱水状態を監視するといった用途への利用が難しいという課題があった。
以上の課題は、特許文献2、特許文献3に開示されたウェアラブルセンサにおいても、同様に発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開WO2021/038742号
国際公開WO2021/038758号
特許第7111254号公報
【非特許文献】
【0010】
A. Hirata,T. Miyazawa,R. Uematsu,S. Kodera,Y. Hashimoto,K. Takagahara,Y. Higuchi,H. Togo,T. Kawahara,H. Tanaka,“Body Core Temperature Estimation Using New Compartment Model With Vital Data From Wearable Devices”,IEEE Access 2021,9,124452-124462.(DOI:10.1109/ACCESS.2021.3110252)
T. Hifumi,Y. Kondo,K. Shimizu,Y. Miyake,“Heat stroke”,Journal of Intensive Care,2018,6,1-8,<https://doi.org/10.1186/s40560-018-0298-4>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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