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公開番号2024141988
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023053911
出願日2023-03-29
発明の名称リポマイセス(Lipomyces)属に属する油脂高産生株、及び当該油脂高産生株を用いて油脂を製造する方法
出願人学校法人 新潟科学技術学園,日清食品ホールディングス株式会社
代理人弁理士法人有古特許事務所
主分類C12N 1/16 20060101AFI20241003BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】Lipomyces属に属する酵母であって、公知の油脂高産生変異株よりも油脂産生能に優れた新規変異株の取得と、当該新規変異株を使用するパーム油代替油脂の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る新規な油脂高産生変異株は、リポマイセス(Lipomyces)属に属する酵母であって、受託番号:NITE BP-03796として独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに受託された油脂高産生株である。この新規な油脂高産生変異株は、Lipomyces starkeyiの野生株であるCBS1807に対してUV照射によって変異を誘発することによって得られる変異株N5株に、さらにUV照射によって変異を誘発し、Percoll密度勾配遠心分離法によって低密度分画を分取し、培養を繰り返すことで取得される。
【選択図】図19
特許請求の範囲【請求項1】
リポマイセス(Lipomyces)属に属する酵母であって、受託番号:NITE BP-03796として独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに受託された油脂高産生株。
続きを表示(約 120 文字)【請求項2】
油脂酵母リポマイセス(Lipomyces)属に属する酵母であって、受託番号:NITE BP-03796によって独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに受託された油脂高産生株を用いて、油脂を製造する方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、リポマイセス(Lipomyces)属に属する新規な油脂高産生株、及び当該油脂高産生株を用いて油脂を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
パーム油は、アブラヤシの果実から得られる常温で固体の植物油である。パーム油は、飽和脂肪酸を多く含有し、パルミチン酸及びオレイン酸が脂肪酸の約8割を占めることを特徴としている。パーム油の用途としては、食用油以外に、マーガリン、ショートニング又は石鹸の原料が知られている。また、パーム油は、即席フライ麺又はポテトチップスのようなスナック菓子の揚げ油としても利用されている。
【0003】
パーム油は、世界で最も生産されている植物油であり、2015年には世界全体で6256万トンのパーム油が生産されている。アブラヤシは、高温多湿の熱帯地域で育つ植物で、原産国は西アフリカ及び中南米であるが、現在、パーム油生産の80%以上はマレーシアとインドネシアで行われている。アブラヤシは、1年を通して実をつけるので単位面積あたりの収穫量が他の植物油原料よりはるかに高く、大豆油又は菜種油と比べて8~10倍もの生産が可能である。そのため、パーム油の価格は、他の植物油脂より安く、安定供給が可能なため、多くの国々がパーム油を輸入している。
【0004】
アブラヤシが育つのは赤道直下の高温多湿の熱帯地方のみであるが、生育条件が熱帯雨林の分布と重なっている。そのため、アブラヤシプランテーションを開発するためには、熱帯雨林を伐採する他なく、毎年多くの熱帯雨林が伐採によって消失している。また、プランテーション開発時には大規模な森林火災も発生している。このような熱帯雨林の消失によって、そこに住む希少な野生動物が絶滅の危機に瀕している。
【0005】
さらに、急速なパーム油需要の拡大に伴い、労働者が劣悪な労働環境におかれたり、土地開発において地域住民と開発業者との衝突を生じたりするなど、パーム油は、地球規模の環境問題のみならず、労働問題及び人権問題を引き起こす原因にもなっている。
【0006】
こうしたことから、近年では、パーム油の代替油脂を、微生物を利用して製造する方法が模索されている。油脂産生酵母であるLipomyces属酵母は、パーム油に脂肪酸組成が近似する油脂を産生することが知られている。Lipomyces属酵母が産生する油脂は、物理的性質もパーム油に類似しており、環境リスク、気候変動リスク及び持続可能性の観点から、代替パーム油として期待されている。
【0007】
油脂産生酵母を利用する代替油脂の製造方法においては、野生型Lipomyces starkeyiによって産生される油脂量が不十分であるため、野生株を変異させ、油脂産生量が多い油脂高産生株(油脂高蓄積株)を得ることも検討されている。非特許文献1及び2には、Lipomyces starkeyiの野生株であるCBS1807をエチルメチルスルホン酸又はUV照射によって突然変異を誘発させ、密度勾配遠心分離法によって油脂高産生株の濃縮を繰り返すことにより、油脂高産生株の濃縮分画を取得することが開示されている。
【0008】
特許文献1には、リポマイセス(Lipomyces)属又はロドスポリジウム(Rhodosporidium)属に属する油脂産生酵母を、ポリビニルピロリドンでコートされたケイ酸コロイド粒子より成る試薬を用いた密度勾配遠心法にかけ、油脂高産生株を製造する方法が開示されている。特許文献1には、酵母に変異源エチルメタンスルホネート(EMS)処理を行うこと、又は酵母に変異源UV処理を行い、その後に酵母を、ポリビニルピロリドンでコートされたケイ酸コロイド粒子より成る試薬を用いた密度勾配遠心法にかけることも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第7082340号公報
【非特許文献】
【0010】
Yamazaki H, Kobayashi A, Ebina S, et al. (2019). Highly selective isolation and characterization of Lipomyces starkeyi mutants with increased production of triacylglycerol. Applied Microbiology and Biotechnology. 103, 6297-6308.
Hiroaki Takaku et al., Isolation and characterization of Lipomyces starkeyi mutants with greatly increased lipid productivity following UV irradiation, J Biosci Bioeng., 131(6), 613-621, (2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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