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公開番号2024136699
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023047894
出願日2023-03-24
発明の名称積層型フィルタ装置
出願人TDK株式会社
代理人インフォート弁理士法人,弁理士法人イトーシン国際特許事務所
主分類H03H 7/09 20060101AFI20240927BHJP(基本電子回路)
要約【課題】所望の特性を実現しながら小型化が可能な積層型フィルタ装置を実現する。
【解決手段】フィルタ装置1の複数の共振器11～14の各々は、積層体50の複数の誘電体層51～61の積層方向Tに直交する軸の周りに巻回され、且つその開口部が他の1つまたは2つの共振器の開口部と対向するように配置されている。複数の共振器11～14は、回路構成上隣接する第1の共振器および第2の共振器を含んでいる。第1の共振器と第2の共振器の各々は、軸に平行な方向において所定の間隔を開けて配置された第1の部分および第2の部分を含んでいる。第1の共振器の第2の部分と、第2の共振器の第1の部分は、隣接する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項１】
第１の信号端子と、
第２の信号端子と、
回路構成上、前記第１の信号端子と前記第２の信号端子との間に設けられた複数の共振器と、
前記第１の信号端子、前記第２の信号端子および前記複数の共振器を一体化するための積層体であって、積層された複数の誘電体層を含む積層体とを備え、
前記複数の共振器の各々は、前記複数の誘電体層の積層方向に直交する軸の周りに巻回され、且つその開口部が前記複数の共振器のうちの他の１つまたは２つの共振器の開口部と対向するように配置され、
前記複数の共振器は、回路構成上隣接する第１の共振器および第２の共振器を含み、
前記第１の共振器と前記第２の共振器の各々は、前記軸に平行な方向において所定の間隔を開けて配置された第１の部分および第２の部分を含み、
前記第１の共振器の前記第２の部分と、前記第２の共振器の前記第１の部分は、隣接することを特徴とする積層型フィルタ装置。
続きを表示（約 980 文字）【請求項２】
前記第１の共振器の前記第２の部分と、前記第２の共振器の前記第１の部分は、前記第１の共振器の前記第１の部分と、前記第２の共振器の前記第２の部分との間に配置されていることを特徴とする請求項１記載の積層型フィルタ装置。
【請求項３】
前記第１の共振器の前記第２の部分と前記第２の共振器の前記第１の部分との間の電磁結合は、前記第１の共振器の前記第１の部分と前記第２の共振器の前記第１の部分との間の電磁結合よりも強いことを特徴とする請求項１記載の積層型フィルタ装置。
【請求項４】
前記第１の部分と前記第２の部分は、直列に接続されていることを特徴とする請求項１記載の積層型フィルタ装置。
【請求項５】
前記軸に平行な一方向から見たときに、前記第１の部分を流れる電流の方向と、前記第２の部分を流れる電流の方向は、同じであることを特徴とする請求項１記載の積層型フィルタ装置。
【請求項６】
前記第１の共振器と前記第２の共振器の各々における前記第１の部分と前記第２の部分との間隔は、前記第１の共振器と前記第２の共振器との間隔以下であることを特徴とする請求項１記載の積層型フィルタ装置。
【請求項７】
前記複数の共振器の各々は、それぞれ巻回数が３／４回である複数の部分を含むことを特徴とする請求項１記載の積層型フィルタ装置。
【請求項８】
前記複数の共振器のそれぞれの巻回数は、同じであることを特徴とする請求項７記載の積層型フィルタ装置。
【請求項９】
前記複数の共振器は、３つの、前記第１の共振器と前記第２の共振器の組を含むことを特徴とする請求項１記載の積層型フィルタ装置。
【請求項１０】
前記複数の共振器は、４つの共振器を含み、
前記４つの共振器のうちの１つの共振器は、前記第１の信号端子に接続され、
前記４つの共振器のうちの他の１つの共振器は、前記第２の信号端子に接続され、
前記４つの共振器のうちの残りの２つの共振器は、回路構成上、前記１つの共振器と前記他の１つの共振器との間に設けられていることを特徴とする請求項１ないし８のいずれかに記載の積層型フィルタ装置。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数の共振器を備えた積層型フィルタ装置に関する。
続きを表示（約 2,100 文字）【背景技術】
【０００２】
通信装置に用いられる電子部品の一つには、複数の共振器を備えたバンドパスフィルタがある。特に小型の通信装置に用いられるバンドパスフィルタには、小型化が求められる。小型化に適したバンドパスフィルタとしては、積層された複数の誘電体層と複数の導体層とを含む積層体を用いたものが知られている。
【０００３】
積層体を用いたバンドパスフィルタに用いられる共振器としては、例えば特許文献１に記載されているように、複数の誘電体層の積層方向に直交する軸に巻回されたインダクタまたは共振器が知られている。特許文献１には、複数の導体層と複数の層間接続導体（ビアホール導体）とによって構成され、複数の絶縁体層の積層方向に直交する軸に巻回されたインダクタを含む共振器が記載されている。特許文献１のインダクタは、外周側の第１の部分と、一部が第１の部分の内側に配置された内周側の第２の部分とを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１６－１１１３７７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
近年、小型の通信装置には、小型化、薄形化の要求が強く、通信装置に用いられる電子部品にも、小型化、薄形化が要求されている。ここで、複数の誘電体層の積層方向に直交する軸に巻回された共振器を含むバンドパスフィルタを薄形化することを考える。この場合、共振器の開口部が小さくなることによって共振器のＱ値が小さくなると共に、共振器のインダクタンスが小さくなる。その結果、所望の特性を得られない場合がある。特に、特許文献１に記載されたインダクタのように、外周側の部分と内周側の部分を含むインダクタでは、内周側の部分の開口部が相対的に大幅に小さくなる。
【０００６】
上記の問題は、バンドパスフィルタに限らず、複数の共振器を備えた積層型フィルタ装置全般に当てはまる。
【０００７】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、所望の特性を実現しながら小型化が可能な積層型フィルタ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明の積層型フィルタ装置は、第１の信号端子と、第２の信号端子と、回路構成上、第１の信号端子と第２の信号端子との間に設けられた複数の共振器と、第１の信号端子、第２の信号端子および複数の共振器を一体化するための積層体であって、積層された複数の誘電体層を含む積層体とを備えている。複数の共振器の各々は、複数の誘電体層の積層方向に直交する軸の周りに巻回され、且つその開口部が複数の共振器のうちの他の１つまたは２つの共振器の開口部と対向するように配置されている。複数の共振器は、回路構成上隣接する第１の共振器および第２の共振器を含んでいる。第１の共振器と第２の共振器の各々は、軸に平行な方向において所定の間隔を開けて配置された第１の部分および第２の部分を含んでいる。第１の共振器の第２の部分と、第２の共振器の第１の部分は、隣接する。
【発明の効果】
【０００９】
本発明の積層型フィルタ装置では、第１の共振器と第２の共振器の各々は、軸に平行な方向において所定の間隔を開けて配置された第１の部分および第２の部分を含んでいる。第１の共振器の第２の部分と、第２の共振器の第１の部分は、隣接する。これにより、本発明によれば、所望の特性を実現しながら小型化が可能な積層型フィルタ装置を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の回路構成を示す回路図である。
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の外観を示す斜視図である。
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における１層目ないし３層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における４層目ないし６層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における７層目ないし１０層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体における１１層目の誘電体層のパターン形成面を示す説明図である。
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部を示す斜視図である。
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の積層体の内部の一部を示す平面図である。
本発明の第１の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の特性の一例を示す特性図である。
本発明の第２の実施の形態に係る積層型フィルタ装置の回路構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
（【００１１】以降は省略されています）

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