TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2024131305
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-30
出願番号2023041499
出願日2023-03-16
発明の名称電力用半導体装置及びその製造方法
出願人三菱電機株式会社
代理人弁理士法人ぱるも特許事務所
主分類H01L 21/52 20060101AFI20240920BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】故障確率が低く、長寿命の電力用半導体装置及びその製造方法を得ること。
【解決手段】基板と、基板の一方の面に、焼結性金属材料を介して接合された半導体素子と、を備え、焼結性金属材料が対向配置された基板の一方の面の領域に、焼結性金属材料が基板の一方の面に接合された接合領域と、焼結性金属材料が基板の一方の面に接合されていない未接合領域とが設けられ、未接合領域と焼結性金属材料との間には隙間が形成され、基板の一方の面に垂直に見て、未接合領域は、接合領域に挟まれた部分に形成され、未接合領域は、焼結性金属材料の配置領域の外側まで延びている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板と、
前記基板の一方の面に、焼結性金属材料を介して接合された半導体素子と、を備え、
前記焼結性金属材料が対向配置された前記基板の一方の面の領域に、前記焼結性金属材料が前記基板の一方の面に接合された接合領域と、前記焼結性金属材料が前記基板の一方の面に接合されていない未接合領域とが設けられ、
前記未接合領域と前記焼結性金属材料との間には隙間が形成され、
前記基板の一方の面に垂直に見て、
前記未接合領域は、前記接合領域に挟まれた部分に形成され、
前記未接合領域は、前記焼結性金属材料の配置領域の外側まで延びている電力用半導体装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記基板と、前記半導体素子と、前記焼結性金属材料とは、封止樹脂により封止されている請求項1に記載の電力用半導体装置。
【請求項3】
前記未接合領域は、前記基板の一方の面に形成された凹部に設けられ、
前記凹部は、前記基板の一方の面に垂直に見て、前記焼結性金属材料の配置領域の外側まで延出している請求項1又は2に記載の電力用半導体装置。
【請求項4】
前記基板の一方の面において、前記接合領域と前記未接合領域の材質が異なっている請求項1又は2に記載の電力用半導体装置。
【請求項5】
前記未接合領域は、酸化被膜が形成された前記基板の一方の面の部分に設けられている請求項1又は2に記載の電力用半導体装置。
【請求項6】
複数の前記未接合領域が設けられ、
複数の前記未接合領域のそれぞれは、前記焼結性金属材料の配置領域の外側まで延びている請求項1又は2に記載の電力用半導体装置。
【請求項7】
2つの前記未接合領域のそれぞれは、離間して設けられ、
前記基板の一方の面に垂直に見て、2つの前記未接合領域に挟まれた前記接合領域の部分と、前記半導体素子の中央の部分とが重複して配置されている請求項6に記載の電力用半導体装置。
【請求項8】
複数の前記半導体素子を備え、
複数の前記半導体素子は、1枚の前記基板の一方の面に、一つの方向に並べて配置され、
1枚の前記基板の一方の面に、前記一つの方向に延出した単数又は複数の前記凹部が形成され、複数の前記半導体素子は、前記単数又は複数の凹部に対向している請求項3に記載の電力用半導体装置。
【請求項9】
基板、焼結性金属材料、及び半導体素子を用意する部材用意工程と、
前記焼結性金属材料が前記基板に接合されない未接合領域を、前記基板の一方の面に形成する未接合領域形成工程と、
前記未接合領域を含む前記基板の一方の面の領域に、前記焼結性金属材料を供給する供給工程と、
前記焼結性金属材料を介して前記半導体素子を前記基板の一方の面に押し付けながら前記焼結性金属材料を焼結させる接合工程と、を備え、
前記接合工程では、前記焼結性金属材料が対向配置された前記基板の一方の面の領域に、前記焼結性金属材料が前記基板の一方の面に接合された接合領域と、前記焼結性金属材料が前記基板の一方の面に接合されていない未接合領域と、を設け、前記未接合領域と前記焼結性金属材料との間に隙間を形成し、
前記未接合領域形成工程では、前記基板の一方の面に垂直に見て、前記未接合領域を、前記接合領域に挟まれる部分に形成し、
前記接合工程では、前記未接合領域を、前記焼結性金属材料の配置領域の外側まで延ばして形成している電力用半導体装置の製造方法。
【請求項10】
外部と接続される端子を前記半導体素子に接続する端子接続工程と、
前記基板と、前記半導体素子と、前記焼結性金属材料とを、前記端子の一部を露出させた状態で、封止樹脂により封止する封止工程と、をさらに備えた請求項9に記載の電力用半導体装置の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本願は、電力用半導体装置及びその製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
電力用半導体装置は、例えば、スイッチング素子あるいは整流素子としての、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)、ダイオードなどの半導体素子が搭載されたパワーモジュールである。これらの半導体素子は、例えば、縦型半導体素子である。縦型半導体素子は、素子の表裏面を貫通して通電される。そのため、縦型半導体素子には、電気的な接続を得るための金属膜が面内全域に施された裏面電極と、素子の本体部分を介して裏面電極に対向した表面の一部分にメタライズが施された表面電極と、が設けられる。大電流を流すために、裏面電極は基板に接続され、表面電極は配線金属板に接続される。配線金属板は、外部の端子に接続される。縦型半導体素子には、このような配線構造が用いられている。
【0003】
パワーモジュールの駆動時において、半導体素子には大電流が流れる。そのため、半導体素子は発熱する。発熱により半導体素子の内部の接合部温度(ジャンクション温度)が規定された温度を超えた場合、半導体素子は故障する。そのため、半導体素子に生じた熱を、基板を通して放熱する必要がある。放熱を促進するために、半導体素子と基板と間の接続部には、熱伝導率が高い部材を適用することが求められている。
【0004】
また、半導体素子の電力損失を低減する観点から、近年、半導体素子の材質をシリコン(Si)からワイドギャップ半導体である炭化ケイ素(SiC)又は窒化ガリウム(GaN)等へ変更することが進められている。これらのワイドギャップ半導体を用いた次世代半導体素子は耐熱温度が高いため、シリコンによる半導体素子に比べてより高温で動作することが可能となる。次世代半導体素子を用いた場合、次世代半導体素子と基板との接合部は、より高温動作に対応可能な機械特性が必要となる。そのため、半導体素子と基板との間の接合部に用いる接合材を、熱伝導率と、高温での機械特性の観点から、従来のはんだ接合よりもそれらの特性に優れている焼結性金属材料の適用が進められている(例えば特許文献1、及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2020/050077号
特開2020-44480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
焼結性金属材料は、ナノサイズに微粒子化した金属材料と溶剤等の有機成分などから構成されている。焼結性金属材料に含まれる金属材料には、主に、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等が用いられる。これらの貴金属を微粒子化した際には、それぞれの粒子を安定化させるために、粒子の周囲を有機物で被覆する。また、焼結性金属材料は、一般的に、微粒子の供給性を上げるために溶剤等で希釈されている。半導体素子と基板との間に供給される焼結性金属材料は半導体素子を搭載した後に加熱され、半導体素子と基板とは焼結性金属材料により接合される。接合の際、焼結性金属材料に含まれた溶剤からアウトガス等のガスが揮発する。このガスの揮発に起因して、半導体素子と焼結性金属材料の界面にガス成分が広がり半導体素子と焼結性金属材料との間の接合面積が低下すること、半導体素子にガスの揮発によるダメージが加わること、半導体素子の表面にガスが付着した後にガスが冷えて半導体素子の表面に固着して汚染となることなどの課題が生じている。このガスを半導体素子の直下から外へ逃がすことが、接合の信頼性の高めたパワーモジュールを得るために不可欠である。
【0007】
上記特許文献1においては、焼結性金属材料を用いて接合する際、熱応力による負荷での剥離及び亀裂などの破壊が生じることによる放熱性の悪化を抑制するために、被接合材の表面を粗化する手法が開示されている。この手法は、繰り返し応力による負荷で発生する剥離に対しての対策である。上述したガスに対する対策については、上記特許文献1には記載されていない。
【0008】
一方、特許文献2においては、焼結性金属材料を基板上に供給する際に、半導体素子の下側になる焼結性金属材料の間に意図的に空隙を配置している。空隙を配置したことにより、接合時に発生するガスを空隙に集める効果を得ている。しかしながら、接合が完了した後もこの空隙がボイドとなるため、半導体素子と基板とをつなぐ形で貫通した貫通ボイドとして半導体素子の下側に残存している。半導体素子の直下に多数のボイドが接合後に残存していることが特許文献2の図4(b)に示されている。上述したように、焼結性金属材料は発熱した半導体素子から熱を基板へ逃がす役割を担っている。半導体素子から基板にまで繋がる貫通ボイドは半導体素子からの熱を逃がす際にホットスポットになり、半導体素子の放熱が抑制されるため、半導体素子の故障ならびに寿命の低減につながるという課題があった。
【0009】
そこで、本願は、故障確率が低く、長寿命の電力用半導体装置及びその製造方法を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に開示される電力用半導体装置は、基板と、基板の一方の面に、焼結性金属材料を介して接合された半導体素子と、を備え、焼結性金属材料が対向配置された基板の一方の面の領域に、焼結性金属材料が基板の一方の面に接合された接合領域と、焼結性金属材料が基板の一方の面に接合されていない未接合領域とが設けられ、未接合領域と焼結性金属材料との間には隙間が形成され、基板の一方の面に垂直に見て、未接合領域は、接合領域に挟まれた部分に形成され、未接合領域は、焼結性金属材料の配置領域の外側まで延びているものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

三菱電機株式会社
開閉器
6日前
三菱電機株式会社
モータ
3日前
三菱電機株式会社
冷蔵庫
12日前
三菱電機株式会社
冷蔵庫
3日前
三菱電機株式会社
吸音体
6日前
三菱電機株式会社
照明器具
16日前
三菱電機株式会社
照明器具
12日前
三菱電機株式会社
照明器具
16日前
三菱電機株式会社
照明器具
16日前
三菱電機株式会社
照明器具
2日前
三菱電機株式会社
回転電機
17日前
三菱電機株式会社
食器洗浄機
17日前
三菱電機株式会社
加熱調理器
6日前
三菱電機株式会社
加熱調理器
6日前
三菱電機株式会社
電池パック
16日前
三菱電機株式会社
加熱調理器
23日前
三菱電機株式会社
電気掃除機
24日前
三菱電機株式会社
加熱調理器
2日前
三菱電機株式会社
空気調和機
6日前
三菱電機株式会社
電動駆動装置
6日前
三菱電機株式会社
給湯システム
16日前
三菱電機株式会社
貯湯式給湯機
16日前
三菱電機株式会社
発熱対応構造
6日前
三菱電機株式会社
給湯システム
16日前
三菱電機株式会社
角度検出装置
16日前
三菱電機株式会社
換気端末部材
16日前
三菱電機株式会社
電力変換装置
3日前
三菱電機株式会社
最適演算装置
16日前
三菱電機株式会社
貯湯式給湯機
17日前
三菱電機株式会社
RC-IGBT
5日前
三菱電機株式会社
掃除機システム
6日前
三菱電機株式会社
誘導加熱調理器
17日前
三菱電機株式会社
冷凍サイクル装置
9日前
三菱電機株式会社
燃料電池システム
16日前
三菱電機株式会社
高周波パッケージ
2日前
三菱電機株式会社
空調制御システム
24日前
続きを見る