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公開番号2024129726
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023039111
出願日2023-03-13
発明の名称フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240919BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】大気雰囲気に加えて水蒸気雰囲気でも優れた耐酸化性を示し、さらに、優れた熱疲労特性および高温疲労特性も有する、フェライト系ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】成分組成を適正に制御する、特には、Siを0.10~1.50%、Alを0.25~0.70%、Cu:1.00~1.50%およびNb:0.40~0.65%の範囲で含有させるとともに、酸化皮膜でのrf-GDS分析によるAl強度をCr強度よりも高くする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
表面に酸化皮膜を有する、フェライト系ステンレス鋼であって、
質量%で、
C:0.015%以下、
Si:0.10~1.50%、
Mn:1.00%以下、
P:0.040%以下、
S:0.010%以下、
Al:0.25~0.70%、
N:0.015%以下、
Cr:16.0~20.0%、
Cu:1.00~1.50%および
Nb:0.40~0.65%
であり、残部がFeおよび不可避的不純物である成分組成を有し、
前記酸化皮膜でのrf-GDS分析によるAl強度がCr強度よりも高い、フェライト系ステンレス鋼。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
前記成分組成が、さらに、質量%で、
Ni:1.00%以下、
Mo:2.50%以下、
Ti:0.30%以下、
V:0.300%以下、
B:0.0050%以下、
REM:0.08%以下、
Zr:0.50%以下、
Co:0.50%以下、
Sn:0.50%以下、
Sb:0.50%以下、
Ca:0.0050%以下および
Mg:0.0050%以下
のうちから選ばれる1種または2種以上を含有する、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼。
【請求項3】
請求項1または2に記載の成分組成を有する被処理材を準備する、工程と、
前記被処理材に、露点:-40℃以下の還元雰囲気において仕上げ焼鈍処理を施す、工程と、
をそなえる、フェライト系ステンレス鋼の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト系ステンレス鋼およびその製造方法に関する。本発明は、特に、高温下で使用される排気系部材に用いて好適な、優れた耐酸化性、熱疲労特性および高温疲労特性を有するフェライト系ステンレス鋼およびその製造方法に関する。高温下で使用される排気系部材としては、例えば、自動車やオートバイの排気パイプ、エキゾーストマニホールド、コンバータケースおよびマフラー等(以下、これらをまとめて、自動車の排気系部材ともいう)、ならびに、火力発電プラントの排気ダクト等が挙げられる。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
自動車の排気系部材には、優れた耐酸化性、熱疲労特性および高温疲労特性(以下、これらをまとめて、耐熱性ともいう)が要求される。
【0003】
ここで、熱疲労とは、部材に発生する熱ひずみに起因した低サイクル疲労現象のことをいう。例えば、自動車の排気系部材は、エンジンの始動および停止に伴って加熱および冷却を繰り返し受ける。この際、当該部材は、通常、周辺の部品によって拘束された状態にあるので、当該部材の熱膨張および収縮が制限される。その結果、当該部材に熱ひずみが発生する。また、高温疲労とは、部材が加熱された状態で振動を受け続けることでき裂が生じる高サイクル疲労現象である。すなわち、熱疲労と高温疲労とは、全く異なる現象である。
【0004】
このような自動車の排気系部材の素材として、例えば、NbとSiとを複合添加したType429(14mass%Cr-0.9mass%Si-0.4mass%Nb系)のようなフェライト系ステンレス鋼が多く使用されている。
【0005】
また、特許文献1~6には、Alを含有させることによって耐熱性を高めたフェライト系ステンレス鋼が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第4386144号
特許第4702493号
特許第5900715号
国際公開第2014/147655号
国際公開第2015/118855号
国際公開第2015/174079号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、自動車のエンジン性能の向上に伴い、自動車の排ガス温度が高温化してきている。また、自動車の排気系部材の使用環境も、従来とは異なるものとなる場合がある。
【0008】
ここで、上述したType429では、排ガス温度が高温化、特に800℃を超えると、十分な熱疲労特性が得られないという問題がある。
【0009】
また、特許文献1~6に開示されるフェライト系ステンレス鋼についても、使用環境、例えば、高温の水蒸気を含む雰囲気(以下、水蒸気雰囲気ともいう)では、必ずしも耐酸化性が十分とはいえず、この点の改善が求められているのが現状である。
【0010】
すなわち、自動車のガソリンエンジンから排出されるガス、いわゆる排ガスは、CO

、COおよびH

Oを主要成分とし、O

は微量の未燃焼分を含むのみである。ステンレス鋼では、鋼中のCrおよびAlが雰囲気中のO

と優先的に結びついて、保護性の高いCr



皮膜やAl



皮膜が形成される。これにより、耐酸化性が高まる。しかし、雰囲気中のO

が少ないと、保護性の高いCr



皮膜やAl



皮膜が十分に形成されない。その結果、CO

やCO、H

O、特にH

OのO成分と鋼中のFeが結びつき、保護性の低いFe系酸化物が生成する。このFe系酸化物は、時間の経過とともに成長し、素材の減肉が著しく進行する異常酸化を生じさせる。
(【0011】以降は省略されています)

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