TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2024129563
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038860
出願日2023-03-13
発明の名称有価金属含有廃棄物中の有価金属の回収方法
出願人太平洋セメント株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C22B 7/00 20060101AFI20240919BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】有価金属含有廃棄物から有価金属を効率よく回収する方法を提供すること。
【解決手段】工程A及び工程Bを含む第1の粉砕工程と、工程Bで所定時間後に排出されたミル排石を磁力選別して磁着物と非磁着物とに分離する磁力選別工程と、非磁着物を篩選別して篩上と篩下とに分離する篩選別工程と、篩下をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する第2の粉砕工程と、ミル排石を回収する回収工程を備える、有価金属含有廃棄物からの有価金属の回収方法とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
下記の工程A及び工程Bを含む第1の粉砕工程と、
(工程A)有価金属含有廃棄物と、石灰石、珪石、粘土類及び鉱さいから選択される1以上のセメント原料とを含む混合物をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する工程
(工程B)前記ミル排石と前記混合物とを前記ローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離し、該非金属と前記混合物とを前記ローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離した後、該非金属と前記混合物とを前記ローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離する処理を所定時間繰り返し行う工程であって、前記ミル排石の使用量が前記混合物100質量部に対して10~100質量部である工程
工程Bで所定時間後に排出されたミル排石を磁力選別して磁着物と非磁着物とに分離する磁力選別工程と、
非磁着物を篩選別して篩上と篩下とに分離する篩選別工程と、
篩下をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する第2の粉砕工程と、
ミル排石を回収する回収工程
を備える、有価金属含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
第2の粉砕工程において、ローラーミルのミル回転数及びローラーミルに導入する風量を制御する、請求項1記載の有価金属の回収方法。
【請求項3】
ローラーミルのミル回転数が150rpm以上であり、ローラーミルに導入する風量が50m
3
/h以上である、請求項2記載の有価金属の回収方法。
【請求項4】
第1の粉砕工程前に、粗粉砕工程、粒度調整工程、磁力選別工程、渦電流選別工程及び水洗工程から選択される1以上の予備処理工程を含む、請求項1記載の有価金属の回収方法。
【請求項5】
第1の粉砕工程前に、有価金属含有廃棄物及びセメント原料の水分含有量を低下させる水分調整工程を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の有価金属の回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有価金属含有廃棄物中の有価金属の回収方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
焼却灰、廃プラスチック、シュレッダーダスト等の廃棄物の有効利用が検討されている。例えば、都市ゴミ焼却灰を含む廃棄物を竪型ローラーミルで粉砕し、セメント原料を含む第1粉砕物と、第1粉砕物よりも大きいサイズを有する第2粉砕物とに分離し、第2粉砕物から渦電流選別によって第2粉砕物よりも金属含有量が低い選別原料を得、当該選別原料を前記原料の一部として竪型ローラーミルで粉砕することで、竪型ローラーミル及びその下流側の製造設備の負荷を十分に低減しつつ、金属含有量が少ないセメント原料を回収できることが報告されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-80509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した廃棄物には、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、亜鉛、鉄、アルミニウム、クロム等の有価金属が含まれているため、資源の有効活用の観点から、これら有価金属を再利用することが望ましい。上記した従来技術によれば、渦電流選別で比較的大きい金属を回収することができるが、竪型ローラーミルは通常処理量が多く、発生する排石量も多いことから、渦電流選別では細粒の金属を回収することは難しい。また、ミル排石の循環を繰り返し行った場合、金属が過度に粉砕されてミル精粉側に移行するため、金属の回収が困難になる。
本発明の課題は、有価金属含有廃棄物から有価金属を効率よく回収する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、金属の回収を目的に検討した結果、次の方法により上記した課題を解決できることを見出した。即ち、(1)有価金属含有廃棄物と特定のセメント原料を含む混合物をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、(2)ミル排石を原料の一部として前記混合物とともにローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離し、(3)非金属を原料の一部として前記混合物とともにローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離し、(4)上記(3)の処理を所定時間繰り返し行う。そして、(5)ローラーミルへの前記混合物の供給を停止し、排出されたミル排石を磁力選別して非磁着物を回収し、非磁着物を篩選別して篩上と篩下とに分離し、篩下をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離することで、ミル排石に有価金属を濃縮できるため、有価金属含有廃棄物から有価金属を効率よく回収できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔5〕を提供するものである。
〔1〕下記の工程A及び工程Bを含む第1の粉砕工程と、
(工程A)有価金属含有廃棄物と、石灰石、珪石、粘土類及び鉱さいから選択される1以上のセメント原料とを含む混合物をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する工程
(工程B)前記ミル排石と前記混合物とを前記ローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離し、該非金属と前記混合物とを前記ローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離した後、該非金属と前記混合物とを前記ローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離し、該ミル排石を磁力選別及び/又は渦電流選別して金属と非金属とに分離する処理を所定時間繰り返し行う工程であって、前記ミル排石の使用量が前記混合物100質量部に対して10~100質量部である工程
工程Bで所定時間後に排出されたミル排石を磁力選別して磁着物と非磁着物とに分離する磁力選別工程と、
非磁着物を篩選別して篩上と篩下とに分離する篩選別工程と、
篩下をローラーミルで粉砕してミル精粉とミル排石とに分離する第2の粉砕工程と、
ミル排石を回収する回収工程
を備える、有価金属含有廃棄物からの有価金属の回収方法。
〔2〕第2の粉砕工程において、ローラーミルのミル回転数及びローラーミルに導入する風量を制御する、前記〔1〕記載の有価金属の回収方法。
〔3〕ローラーミルのミル回転数が150rpm以上であり、ローラーミルに導入する風量が50m
3
/h以上である、前記〔2〕記載の有価金属の回収方法。
〔4〕第1の粉砕工程前に、粗粉砕工程、粒度調整工程、磁力選別工程、渦電流選別工程及び水洗工程から選択される1以上の予備処理工程を含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一に記載の有価金属の回収方法。
〔5〕第1の粉砕工程前に、有価金属含有廃棄物及びセメント原料の水分含有量を低下させる水分調整工程を含む、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一に記載の有価金属の回収方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、有価金属含有廃棄物から有価金属を効率よく回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の有価金属含有廃棄物中の有価金属の回収方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の有価金属含有廃棄物からの有価金属の回収方法(以下、単に「回収方法」とも称する)について詳細に説明する。図1に、本発明に係る回収方法の好適な一実施形態のフローチャートを示す。
【0010】
従来、有価金属含有廃棄物等を原料とし、それをローラーミルで粉砕してミル排石を回収し、そのミル排石をローラーミルで繰り返し粉砕(循環粉砕)する技術は知られていたが、原料の構成成分によって粉砕特性が大きく異なるため、ミル排石に有価金属を濃縮させることが困難であった。しかるところ、本発明は、この循環粉砕に磁力選別及び/又は渦電流選別を組合わせて所定時間繰り返し行った後、所定時間後に排出されたミル排石を磁力選別及び篩選別に供して所定の選別物を回収したうえで、その選別物をローラーミルで2次粉砕すること特徴とするものである。即ち、本発明に係る回収方法は、第1の粉砕工程、磁力選別工程、篩選別工程及び第2の粉砕工程を含む工程に供するものである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

大同特殊鋼株式会社
金属粉末
2か月前
株式会社神戸製鋼所
鋼線
26日前
ハイモ株式会社
水中の金属の回収方法
5か月前
株式会社神戸製鋼所
鋼板
3か月前
JFEスチール株式会社
1か月前
株式会社神戸製鋼所
銅合金板
27日前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
12日前
日本特殊陶業株式会社
複合材
1か月前
有限会社 ナプラ
電解めっき用電極
21日前
古河機械金属株式会社
高クロム鋳鉄
22日前
株式会社神戸製鋼所
銅合金板
2か月前
石福金属興業株式会社
耐熱性Ir合金
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
19日前
日本製鉄株式会社
鋼材
19日前
日本製鉄株式会社
鋼材
19日前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
5か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
5か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼部品
2か月前
日本製鉄株式会社
鋼部品
2か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
19日前
三洋化成工業株式会社
重金属回収用イオン液体
6日前
日本製鉄株式会社
鋼矢板
2か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
6日前
大同特殊鋼株式会社
抵抗体及びその製造方法
13日前
日本製鉄株式会社
チタン材
1か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
3か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
3か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
3か月前
住友金属鉱山株式会社
スラグ移送設備
2か月前
住友金属鉱山株式会社
集塵装置
3か月前
続きを見る