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公開番号2024126089
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034245
出願日2023-03-07
発明の名称高Mアルカリ度且つ高アニオン量汚泥の脱水方法
出願人ハイモ株式会社
代理人
主分類C02F 11/147 20190101AFI20240912BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】
汚泥脱水処理として使用される汚泥脱水剤に関するものであり、高Mアルカリ度且つ高アニオン量の汚泥に対してより性能の高い汚泥脱水剤を適用する汚泥脱水方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
Mアルカリ度3000~15000mg/L、アニオン量10.0~25.0meq/Lである汚泥に、特定の組成、物性を有する水溶性高分子を含有する汚泥脱水剤を使用することで汚泥脱水性能の向上を達成することができる。汚泥の粗繊維分の量が、懸濁物質に対して15.0質量%以上であることが好ましい。又、水溶性高分子は実質的に架橋性単量体を含まないことが好ましい。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
Mアルカリ度3000~15000mg/L、アニオン量10.0~25.0meq/Lである汚泥に、下記一般式(1)で表されるカチオン性単量体5~30モル%及び非イオン性単量体70~95モル%を構成単位とする直鎖型水溶性高分子であり、該直鎖型水溶性高分子の濃度0.5質量%における、4質量%食塩水溶液の粘度(25℃)が50~120mPa・sである直鎖型水溶性高分子を含有する汚泥脱水剤を添加することを特徴とする汚泥の脱水方法。
JPEG
2024126089000007.jpg
27
71
一般式(1)


は水素又はメチル基、R

、R

は炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、R

は炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、7~20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2~4のアルキレン基を表わす、X


は陰イオンをそれぞれ表わす。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
前記汚泥中の粗繊維分が、懸濁物質(SS)に対して15.0質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の汚泥の脱水方法。
【請求項3】
前記直鎖型水溶性高分子が架橋性単量体を実質的に含まないことを特徴とする請求項1に記載の汚泥の脱水方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、汚泥脱水剤として使用されている水溶性高分子に関するものであり、詳しくは、特定の汚泥に対して汚泥脱水性能が向上する水溶性高分子を含有する汚泥脱水剤を用いた汚泥脱水方法に関するものである。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
下水処理において活性汚泥槽からの流出水から沈降させた余剰汚泥や混合生汚泥、これら汚泥を嫌気消化処理した消化汚泥、あるいは畜産生汚泥といった有機性の汚泥の脱水処理に汚泥脱水剤として水溶性高分子が使用されている。一般的に水溶性高分子としてポリアクリルアミド系(PAM系)水溶性高分子が汎用されている。例えば、特許文献1では、有機性汚泥に、特定の物性を有するカチオン性PAM系水溶性高分子を添加する汚泥の脱水方法が開示されている。
特許文献2では、嫌気性消化汚泥に対して2官能性単量体を含有する単量体を連鎖移動剤の共存下に逆相乳化重合を行って得られた架橋型重合体の適用が開示されている。
しかし、有機性汚泥の中でも特に腐敗物質を多く含むものや腐敗が進行したものでは、汚泥中のMアルカリ度やアニオン量が高くなっておりそれら汚泥に有効な汚泥脱水剤が必要となる。Mアルカリ度、アニオン量が高いことは腐敗物質や発酵物質が多く、更には汚泥粒子の持つマイナス電荷が多くなり中和に要する水溶性高分子のカチオン度が高くなることを意味する。そのため、カチオン性単量体の含有量が比較的高いPAM系水溶性高分子やアミジン構造単位を有する高分子(アミジン系高分子)の適用、あるいは当汚泥に有効な脱水方法が提案されている。
例えば、特許文献3では、特にMアルカリ度500~6000mg/L、カチオン要求量0.05~0.7meq/g-TSである下水消化汚泥に、カチオン当量値が4.0meq/g以上でかつ0.5%塩粘度が40mPa・s未満の重合体を含むカチオン性高分子凝集剤を添加する汚泥の脱水方法について開示されている。
特許文献4では、嫌気性消化汚泥に曝気を行った後余剰汚泥を混合し、好ましくはMアルカリ度を3500mg/L以下にして得られた混合汚泥に金属塩を添加し、次いで両性有機高分子凝集剤を添加する汚泥の脱水方法が開示されている。
しかし、Mアルカリ度且つアニオン量の両方が高い汚泥についてはこれら何れの水溶性高分子についても必ずしも満足な効果が得られていない。そのため、Mアルカリ度且つアニオン量が高い汚泥に対して有効な脱水処方が要望されている。
【0003】
特開2000-126800号公報
特開平10-137797号公報
国際公開2008/050702号公報
特開平8-206699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、汚泥脱水処理として使用される汚泥脱水剤に関するものであり、高Mアルカリ度且つ高アニオン量の汚泥に対してより性能の高い汚泥脱水方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため鋭意検討を行なった結果、対象汚泥に特定の組成と物性を有する水溶性高分子を含有する汚泥脱水剤を使用することで汚泥脱水性能の向上を達成することができることを見出し、本発明に至った。
【発明の効果】
【0006】
本発明における汚泥脱水剤を使用することで、高Mアルカリ度且つ高アニオン量の汚泥や種々の有機性汚泥に脱水汚泥に対して汚泥脱水性能の向上を達成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明における水溶性高分子としては、下記一般式(1)で表されるカチオン性単量体5~30モル%及び非イオン性単量体70~95モル%を構成単位とする。
JPEG
2024126089000001.jpg
27
71
一般式(1)


は水素又はメチル基、R

、R

は炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、R

は炭素数1~3のアルキルあるいはアルコキシ基、7~20のアルキル基あるいはアリール基、Aは酸素またはNH、Bは炭素数2~4のアルキレン基を表わす、X


は陰イオンをそれぞれ表わす。
【0008】
一般式(1)で表されるカチオン性単量体として、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートあるいはジメチルアミノプロピルアクリルアミドの塩化メチルや塩化エチルなど低級アルキル基のハロゲン化物による四級化物が挙げられる。例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物等である。これらの中でも(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物が好ましい。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。一般式(1)で表されるカチオン性単量体の構成単位は10~25モル%が好ましい。これはこの範囲の方が対象とする汚泥への効果がより発揮されやすい傾向にあるためである。
【0009】
本発明で使用する非イオン性単量体としては、(メタ)アクリルアミド、N,N’-ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ジアセトンアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。これらの中で(メタ)アクリルアミドが好ましい。これらを二種以上、組み合わせても差し支えない。
【0010】
本発明における水溶性高分子の構成単位として効果を阻害しない範囲でアニオン性単量体を含有しても良い。アニオン性単量体としては、(メタ)アクリル酸あるいはそのナトリウム塩等のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、マレイン酸あるいはそのアルカリ金属塩、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸等のアクリルアミドアルカンスルホン酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。アニオン性単量体は、5モル%以下が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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