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公開番号2024124165
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023032149
出願日2023-03-02
発明の名称不焼成塩基性れんがの製造方法
出願人黒崎播磨株式会社
代理人弁理士法人英和特許事務所
主分類C04B 35/047 20060101AFI20240905BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】混練後の経時変化が小さく、使用中の低融物や6価クロムの生成を抑制することができる不焼成塩基性れんがの製造方法を提供する。
【解決手段】粒径1mm未満のマグクロ及び粒径1mm未満のマグネシアのうち少なくとも一種を合計で10質量%以上60質量%以下、硫酸マグネシウム類及び塩化マグネシウム類のうち少なくとも一種を合計で0.5質量%以上10質量%以下含有する耐火原料配合物に、有機溶媒を添加して混練し、混練物を加圧成形する工程を含む、不焼成塩基性れんがの製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
粒径1mm未満のマグクロ及び粒径1mm未満のマグネシアのうち少なくとも一種を合計で10質量%以上60質量%以下、硫酸マグネシウム類及び塩化マグネシウム類のうち少なくとも一種を合計で0.5質量%以上10質量%以下含有する耐火原料配合物に、有機溶媒を添加して混練し、混練物を加圧成形する工程を含む、不焼成塩基性れんがの製造方法。
続きを表示(約 250 文字)【請求項2】
耐火原料配合物の残部に、粒径1mm以上のマグクロ及び粒径1mm以上のマグネシアのうち少なくとも一種を含む、請求項1に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【請求項3】
耐火原料配合物の残部に、クロム鉱及び酸化クロムのうち少なくとも一種を更に含む、請求項2に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【請求項4】
有機溶媒として、フェノール樹脂が溶解した有機溶媒を使用する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼分野において溶融金属容器や二次精錬炉に使用される、不焼成マグクロれんがや不焼成マグネシアれんがなどの不焼成塩基性れんがに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
例えばRH、DH、CASなど円筒状の精錬容器を溶鋼中に浸漬し、溶鋼の脱ガス、脱炭、脱硫などを行う、いわゆる二次精錬処理において、これらの精錬容器は高温下で容器内を環流する溶鋼により侵食されるため、内張り耐火物の損傷が大きくなる。そのため、高温での耐摩耗性に優れたマグクロれんがが内張り耐火物として広く使用されている。また、これらの容器のパーマれんがとしてはマグネシアれんがが一般的に使用されている。しかし、マグクロれんがやマグネシアれんがは製造時に高温での焼成が必要で多量の燃料を必要とするなど環境負荷が大きいため、地球環境保護の観点からこれらのれんがの不焼成化が求められている。
【0003】
従来、不焼成マグクロれんがとして、塩化マグネシウムあるいは硫酸マグネシウムを主成分とする水溶液を結合剤としたマグネシアセメント結合れんがが知られている。しかし、マグネシアセメントを構成するマグネシウムオキシクロライド結合あるいはマグネシウムオキシサルフェート結合は、れんがの坏土の混練中から生成し始めるため、坏土の可塑性を付与する自由水が減少してゆき、数時間後には成形が不能となる。また、成形が可能であったとしても坏土の可塑性が低下するため、混練直後に得た成形体と混練数時間後に得た成形体とでは密度に大きなばらつきが生じ、製品の品質、実機での使用成績とも安定したものが得られないという問題があった。
【0004】
一方、特許文献1には、不焼成マグネシア-カーボン質耐火物において、苦汁あるいは硫酸マグネシウム水溶液の少なくともいずれかを、水溶性フェノール樹脂と併用した耐火物が開示されている。しかし、特許文献1の製造方法においても、溶媒に水を使用するため上述のマグネシアセメントの例と同様に、坏土の経時変化が問題となり製品の品質、実機での使用成績とも安定したものが得られないという問題があった。
【0005】
また、特許文献2には、マグネシア質原料とクロミア質原料を含む耐火組成物100重量部にアルミン酸ソーダを0.5~3.5重量部配合し、混練後、加圧成形し、100~500℃で乾燥する不焼成マグクロれんがの製造法が開示されている。しかし、アルミン酸ソーダ中のNaは使用中に他の成分と反応して低融物を生成するため耐食性低下の原因になる問題、及びマグクロれんがにおいてはれんが中のクロム成分と反応して6価クロムを生成する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平5-163059号公報
特開平11-157917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、混練後の経時変化が小さく、使用中の低融物や6価クロムの生成を抑制することができる、不焼成塩基性れんがの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一観点によれば、次の不焼成塩基性れんがの製造方法が提供される。
粒径1mm未満のマグクロ及び粒径1mm未満のマグネシアのうち少なくとも一種を合計で10質量%以上60質量%以下、硫酸マグネシウム類及び塩化マグネシウム類のうち少なくとも一種を合計で0.5質量%以上10質量%以下含有する耐火原料配合物に、有機溶媒を添加して混練し、混練物を加圧成形する工程を含む、不焼成塩基性れんがの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法によれば、混練後の経時変化が小さくなるため坏土を数日間保管することができ、その結果、製造能率が向上する、また、安定した密度の成形体が得られるため製品の品質のバラツキが小さくなる。更に、本発明の製造方法で得られた不焼成塩基性れんが中には、Na等の低融物の生成の原因となる成分が含まれていないため耐食性の低下がなく、しかも使用中に6価クロムを生成する可能性も小さくなる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
従来、マグネシアセメント結合れんがは、水を加えることで坏土の可塑性を得ていたが、上述の通り坏土の経時変化が大きいという問題があった。そこで本発明者らは、有機溶媒を用いることで、マグネシアセメント結合の生成に伴う坏土の経時変化を抑制することができることを知見した。
すなわち、本発明において硫酸マグネシウム類及び塩化マグネシウム類は、自身が含有する水分あるいは有機溶媒やフェノール樹脂が熱分解する際に生成する水分と、耐火原料配合物中のマグクロ粒子やマグネシア粒子の表面から溶出するマグネシウムイオンとによって生成する水酸化マグネシウムからマグネシアセメントが形成され、常温から中間温度域における結合組織が得られる。また、硫酸マグネシウム類及び塩化マグネシウム類は、シリカ(SiO

)や酸化ホウ素(B



)などの成分を含まないために低融物を生成せず耐食性に優れ、しかも強酸と弱塩基の塩でありCaOやアルカリなどの強塩基を含まないため6価クロムの生成が抑制される。
(【0011】以降は省略されています)

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