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公開番号2024129606
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-27
出願番号2023038927
出願日2023-03-13
発明の名称不焼成塩基性れんがの製造方法
出願人黒崎播磨株式会社
代理人弁理士法人英和特許事務所
主分類C04B 35/66 20060101AFI20240919BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】耐食性に優れた不焼成塩基性れんが及びその製造方法を提供する。
【解決手段】粒径75μm未満のマグネシア及び粒径75μm未満のマグクロのうち少なくとも一種を合計で0.2質量%以上30質量%以下、並びに粒径75μm未満のシリカを0.3質量%以上2.5質量%以下含有する耐火原料配合物に、水を添加して混練し、プレス成形後、60℃以上1000℃以下の温度で熱処理を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
粒径75μm未満のマグネシア及び粒径75μm未満のマグクロのうち少なくとも一種を合計で0.2質量%以上30質量%以下、並びに粒径75μm未満のシリカを0.3質量%以上2.5質量%以下含有する耐火原料配合物に、水を添加して混練し、プレス成形後、60℃以上1000℃以下の温度で熱処理を行う、不焼成塩基性れんがの製造方法。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
粒径75μm未満のマグネシアとして軽焼マグネシア、粒径75μm未満のシリカとしてシリカフラワーを使用する、請求項1に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【請求項3】
前記熱処理が加温養生を含む、請求項1又は請求項2に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
【請求項4】
マグクロ及びマグネシアのうち少なくとも一種を合計で56質量%以上99.7質量%以下含有し、マトリクス部にマグネシアとシリカとの化合物を含有する、不焼成塩基性れんが。
【請求項5】
前記化合物が非晶質である、請求項4に記載の不焼成塩基性れんが。
【請求項6】
前記化合物がフォルステライトである、請求項4に記載の不焼成塩基性れんが。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼分野等において溶融金属容器の内張材等として使用される不焼成塩基性れんが及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
鉄鋼分野等で使用される溶融金属容器には、内張材として、マグクロれんが、マグネシアれんが、マグネシアカーボンれんが等の塩基性れんが汎用されている。これらのうちマグネシアカーボンれんがは、黒鉛等の炭素質原料を含有しフェノール樹脂等の有機バインダーを結合剤とした不焼成れんがが一般的であるが、酸化や還元による損耗が大きな用途ではマグクロれんがやマグネシアれんが等の焼成塩基性れんがが多用されている。なかでも、焼成マグクロれんがは1700℃以上で焼成することによってクロムを含むスピネルが発達し、強いボンドを形成することで高い耐食性を有する。一方で焼成マグクロれんがの製造には1700℃以上の超高温焼成が必要であり、CO

排出やコスト増などのデメリットもある。そこで、これまでも高温での焼成を必要としない不焼成塩基性れんがの製造方法が検討されてきた。
【0003】
例えば特許文献1には、MgO成分が50質量%を超える範囲に調整された骨材100重量部に対して、結合剤としてLi

O/P



の重量比が2.5/7.5~1.5/8.5の範囲にある縮合りん酸リチウムを0.5~5重量部使用することを特徴とする耐火物の製造方法が開示されている。しかし、特許文献1の製造方法で得られたれんがは、縮合りん酸リチウム中のLiが使用中にSiO

やAl



成分と反応して液相生成温度を低下させ、耐食性低下の原因になる懸念とリチウム成分がマグクロれんが中のクロム成分と反応し6価クロムを含有する二クロム酸リチウムを生成する懸念がある。また、縮合りん酸リチウムは値段が高く、製造コストに見合った耐用性が得られないといった問題もある。
【0004】
また特許文献2には、マグネシア質原料とクロミア質原料を含む耐火組成物100重量部にアルミン酸ソーダを0.5~3.5重量部配合し、混練後、加圧成形し、100~500℃で乾燥する不焼成マグクロれんがの製造方法が開示されている。そして、特許文献2には「アルミン酸ソーダは、比較的低温から結合部に配合されたマグネシア、クロム鉱、酸化クロム等と反応焼結し、複合スピネルを生成し強度を発生させる作用がある。このため使用中の温度域においても稼動面から背面まで大きな強度変化がなく、耐熱スポールによる亀裂や剥離も発生せず、さらにより多くの耐食性の高い複合スピネルが生成されるため耐食性は高い。」との記載がある(段落0018)。しかし、アルミン酸ソーダ中のNaは使用中にSiO

やAl



成分と反応して液相生成温度を低下させ、珪酸ソーダ(2Na

O・SiO

,Na

O・SiO

,Na

O・2SiO

)や曹長石(NaAlSi



)を始めとした低融物も生成するため耐食性低下の原因になる問題と、マグクロれんが中のクロム成分と反応して6価クロムを生成する問題がある。
【0005】
更に特許文献3には、マグネシアとヒュームドシリカを含有する耐火物骨材に水を加えて混合物とし、物品を形成後、養生、乾燥する耐火物品の製造方法が開示されている。しかし、この特許文献3の製造方法で製造された塩基性れんがは耐食性が不十分な問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特公昭63-24944号公報
特開平11-157917号公報
特開2015-44734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、耐食性に優れた不焼成塩基性れんが及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の要旨は次の通りである。
1.
粒径75μm未満のマグネシア及び粒径75μm未満のマグクロのうち少なくとも一種を合計で0.2質量%以上30質量%以下、並びに粒径75μm未満のシリカを0.3質量%以上2.5質量%以下含有する耐火原料配合物に、水を添加して混練し、プレス成形後、60℃以上1000℃以下の温度で熱処理を行う、不焼成塩基性れんがの製造方法。
2.
粒径75μm未満のマグネシアとして軽焼マグネシア、粒径75μm未満のシリカとしてシリカフラワーを使用する、1に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
3.
前記熱処理が加温養生を含む、1又は2に記載の不焼成塩基性れんがの製造方法。
4.
マグクロ及びマグネシアのうち少なくとも一種を合計で56質量%以上99.7質量%以下含有し、マトリクス部にマグネシアとシリカとの化合物を含有する、不焼成塩基性れんが。
5.
前記化合物が非晶質である、4に記載の不焼成塩基性れんが。
6.
前記化合物がフォルステライトである、4に記載の不焼成塩基性れんが。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法によって得られた不焼成塩基性れんがは、Li、K、Naなどのアルカリ成分を含まないため、耐食性に優れの溶融金属容器の寿命を長くすることができる。また、使用時の受熱による6価クロムの生成を抑制することができる。また、600~1000℃の熱間強度が高く、溶融金属容器の内張材として使用した場合には、れんが組織の脆弱化に起因する稼働面の剥離を抑制する効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の不焼成塩基性れんがの組織の一例を示すSEM写真。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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