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公開番号2024110354
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-15
出願番号2023014906
出願日2023-02-02
発明の名称接合体及びSiC基質部材
出願人日本特殊陶業株式会社
代理人個人,個人
主分類C04B 37/00 20060101AFI20240807BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】互いにCTEの異なる2種類の異なるセラミックス部材であるAlNセラミックス部材とSiCセラミックス部材を接合するための技術を提供する。
【解決手段】
接合体100において、AlNセラミックス部材110と緩衝部材131、132とSiCセラミックス部材120とがこの順に積層され接合されている。また、これらの部材の20℃から接合状態に対応した温度の平均線膨張係数は、この順に小さくなっている。また、AlNセラミックス部材110、緩衝部材131、132、SiCセラミックス部材120のうち、隣接する二部材の平均線膨張係数差が0.8ppm以下である。
【選択図】 図2
特許請求の範囲【請求項1】
AlNを主成分とする板状のAlNセラミックス部材と、
SiCを主成分とする板状のSiCセラミックス部材と、
前記AlNセラミックス部材と、前記SiCセラミックス部材との間に配置されるとともに、SiCを主成分とし、周期律表第4族、第5族、及び第6族の金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の特定金属の炭化物、窒化物、ホウ化物、またはケイ化物を含むn層(n≧2)の緩衝部材と、を備え、
前記n層の緩衝部材の各層は、互いに異なる比率で前記特定金属の炭化物、窒化物、ホウ化物、またはケイ化物を含み、
前記AlNセラミックス部材と、前記n層の緩衝部材における第(m-1)層目の緩衝部材(2≦m≦n)と、前記第(m-1)層目の緩衝部材よりも前記SiCセラミックス部材側に配置される第m層目の緩衝部材と、前記SiCセラミックス部材との、20℃から接合状態に対応した温度の平均線膨張係数を、それぞれ、α

、α
m―1
、α

、α

としたとき、
α

>α
m―1
>α

>α

であり、且つ、
前記AlNセラミックス部材、前記第(m-1)層目の緩衝部材、前記第m層目の緩衝部材、前記SiCセラミックス部材の順に積層されて接合されており、
前記AlNセラミックス部材の前記平均線膨張係数α

と、前記n層の緩衝部材における第1層目の緩衝部材の、20℃から前記接合状態に対応した温度の平均線膨張係数α

との差(α

-α

)が0.8ppm以下であり、
前記第(m-1)層目の緩衝部材の前記平均線膨張係数α
m-1
と、前記第m層目の緩衝部材の前記平均線膨張係数α

との差(α
m-1
-α

)が0.8ppm以下であり、
前記n層の緩衝部材における第n層目の緩衝部材の、20℃から前記接合状態に対応した温度の平均線膨張係数α

と、前記SiCセラミックス部材の前記平均線膨張係数α

との差(α

-α

)が0.8ppm以下であることを特徴とする接合体。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記AlNセラミックス部材の主面、及び/又は前記SiCセラミックス部材の主面の最大長さは20cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の接合体。
【請求項3】
前記SiCセラミックス部材の内部には、溝又は中空の流路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の接合体。
【請求項4】
さらに、前記AlNセラミックス部材と前記n層の緩衝部材における第1層目の緩衝部材との間と、前記n層の緩衝部材における第n層目の緩衝部材と前記SiCセラミックス部材との間の、少なくとも一方に接合層が配置されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項5】
前記接合層は、450℃以下の融点の軟ロウ材であることを特徴とする請求項4に記載の接合体。
【請求項6】
前記接合層は、450℃を超える融点の硬ロウ材であることを特徴とする請求項4に記載の接合体。
【請求項7】
前記接合層は、Al層であることを特徴とする請求項4に記載の接合体。
【請求項8】
前記AlNセラミックス部材と前記n層の緩衝部材における第1層目の緩衝部材との間と、前記n層の緩衝部材における第n層目の緩衝部材と前記SiCセラミックス部材との間が、直接接触した状態で接合されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の接合体。
【請求項9】
SiCを主成分とする板状のSiCセラミックス部材と、
SiCを主成分とし、周期律表第4族、第5族、及び第6族の金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の特定金属の炭化物、窒化物、ホウ化物、またはケイ化物であるn層(n≧2)の緩衝部材と、を備え、
前記SiCセラミックス部材の主面の最大長さは20cm以上であり、
前記SiCセラミックス部材の内部には、溝又は中空の流路が形成されており、
前記n層の緩衝部材における第(m-1)層目の緩衝部材(2≦m≦n)と、前記第(m-1)層目の緩衝部材よりも前記SiCセラミックス部材側に配置される第m層目の緩衝部材と、前記SiCセラミックス部材との、20℃から接合状態に対応した温度の平均線膨張係数を、それぞれ、α
m―1
、α

、α

としたとき、
α
m―1
>α

>α

であり、且つ、
前記第(m-1)層目の緩衝部材、前記第m層目の緩衝部材、前記SiCセラミックス部材の順に積層されて接合されており、
前記第(m-1)層目の緩衝部材の前記平均線膨張係数α
m-1
と、前記第m層目の緩衝部材の前記平均線膨張係数α

との差(α
m-1
-α

)が0.8ppm以下であり、
前記n層の緩衝部材における第n層目の緩衝部材の、20℃から前記接合状態に対応した温度の平均線膨張係数α

と、前記SiCセラミックス部材の前記平均線膨張係数α

との差(α

-α

)が0.8ppm以下であることを特徴とする半導体製造部材用のSiC基質部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、SiCセラミックス部材とAlNセラミックス部材との接合体、及びSiC基質部材に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1にはAl冷却板とAlNセラミックス基板との接合体が開示されている。AlNセラミックス基板とAl冷却板との間の大きな線膨張係数差によって生じる応力を緩和するため、これらの間にSiC複合材料基板が配置されている。SiC複合材料基板は、SiC粉末に、TiCとTiSi

又はTiCとSiの粉末を混合した混合粉末を成形後ホットプレス焼成することにより作製される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-208567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術は、大きな線膨張係数差を有する2種類のセラミックス部材である、AlNセラミックス部材とSiCセラミックス部材とを接合する場合に直接適用することはできない。また、発明者らの知見によれば、AlNセラミックス部材とSiCセラミックス部材とを、硬ろう接合や軟ろう接合等の従来の接合方法で接合した場合には、接合後の接合体にクラックが発生したり、接合面の剥離が生じたりする。
【0005】
本発明は、かかる事情を鑑みてなされたものであり、AlNセラミックス部材とSiCセラミックス部材とを接合した接合体において、クラックが発生したり、接合面の剥離が生じたりすることを抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に従えば、AlNを主成分とする板状のAlNセラミックス部材と、
SiCを主成分とする板状のSiCセラミックス部材と、
前記AlNセラミックス部材と、前記SiCセラミックス部材との間に配置されるとともに、SiCを主成分とし、周期律表第4族、第5族、及び第6族の金属からなる群から選ばれる少なくとも一種の特定金属の炭化物、窒化物、ホウ化物、またはケイ化物を含むn層(n≧2)の緩衝部材と、を備え、
前記n層の緩衝部材の各層は、互いに異なる比率で前記特定金属の炭化物、窒化物、ホウ化物、またはケイ化物を含み、
前記AlNセラミックス部材と、前記n層の緩衝部材における第(m-1)層目の緩衝部材(2≦m≦n)と、前記第(m-1)層目の緩衝部材よりも前記SiCセラミックス部材側に配置される第m層目の緩衝部材と、前記SiCセラミックス部材との、20℃から接合状態に対応した温度の平均線膨張係数を、それぞれ、α

、α
m―1
、α

、α

としたとき、
α

>α
m―1
>α

>α

であり、且つ、
前記AlNセラミックス部材、前記第(m-1)層目の緩衝部材、前記第m層目の緩衝部材、前記SiCセラミックス部材の順に積層されて接合されており、
前記AlNセラミックス部材の前記平均線膨張係数α

と、前記n層の緩衝部材における第1層目の緩衝部材の、20℃から前記接合状態に対応した温度の平均線膨張係数α

との差(α

-α

)が0.8ppm以下であり、
前記第(m-1)層目の緩衝部材の前記平均線膨張係数α
m-1
と、前記第m層目の緩衝部材の前記平均線膨張係数α

との差(α
m-1
-α

)が0.8ppm以下であり、
前記n層の緩衝部材における第n層目の緩衝部材の、20℃から前記接合状態に対応した温度の平均線膨張係数α

と、前記SiCセラミックス部材の前記平均線膨張係数α

との差(α

-α

)が0.8ppm以下であることを特徴とする接合体が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構成によれば、n層の緩衝部材は少なくとも2層の緩衝部材を備えており、緩衝部材の各層が、AlNセラミックス部材に近い側からSiCセラミックス部材に近い側に向かって、20℃から前記接合状態に対応した温度の平均線膨張係数の値が徐々に小さくなるように積層され、接合されている。また、AlNセラミックス部材、n層の緩衝部材、SiCセラミックス部材のうち、隣接する二部材の平均線膨張係数差が0.8ppm以下である。このようなn層の緩衝部材がSiCセラミックス部材とAlNセラミックス部材との間に介在しているので、SiCセラミックス部材とAlNセラミックス部材との間の、平均線膨張係数の差に起因する応力の影響を低減させることができ、接合体に生じるクラックや接合面の剥離を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、接合体100の斜視図である。
図2は、接合体100の概略説明図である。
(a)~(d)は、AlNセラミックス部材110の製造方法の流れを示す図である。
図4は、SiCセラミックス部材120の製造方法の流れを示すフローチャートである。
図5は、実施例1~4の結果をまとめた表である。
図6は、実施例5~8の結果をまとめた表である。
図7は、実施例9~12の結果をまとめた表である。
図8は、比較例1、2の結果をまとめた表である。
(a)溝225が形成された仮焼体221を説明するための概略説明図であり、(b)は流路250が形成されたSiCセラミックス部材220とAlNセラミックス部材110と、緩衝部材130との接合体100を説明するための概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<接合体100>
本発明の実施形態に係る接合体100について、図1、2を参照しつつ説明する。本実施形態に係る接合体100は、例えば、半導体製造装置の内部でシリコンウェハなどの半導体ウェハ(以下、単にウェハ10という)を保持する台、又は、サセプタを保持する台として用いられる。また、後述のように接合体100にヒータ電極140が埋設されている場合には、ウェハ10を加熱するためのヒータとしても用いることができる。なお、以下の説明においては、接合体100が使用可能に設置された状態(図1の状態)を基準として上下方向5が定義される。図1に示されるように、本実施形態に係る接合体100は、AlNセラミックス部材110と、SiCセラミックス部材120と、緩衝部材130と、ヒータ電極140(図2参照)とを備える。
【0010】
<AlNセラミックス部材110>
AlNセラミックス部材110は、直径200mm以上、厚さ(上下方向5の長さ)2mm~50mmの円形の板状の形状を有する部材である。なお、AlNセラミックス部材110の上面及び下面を総称して、主面111と呼ぶ。AlNセラミックス部材110の主面(上面)111にはウェハ10が載置される。なお、図1では図面を見やすくするためにウェハ10とAlNセラミックス部材110とを離して図示している。AlNセラミックス部材110は、AlNセラミックスにより形成されている。ここで、AlNセラミックスは、AlNを80wt%以上含むセラミックス焼結体ことをいう。
(【0011】以降は省略されています)

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