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公開番号2024121818
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-06
出願番号2024026497
出願日2024-02-26
発明の名称顔料分散液の製造方法
出願人キヤノン株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 17/00 20060101AFI20240830BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】ソルトミリング法において、顔料分散液の顔料の粒度分布がシャープな状態を維持することが可能な顔料分散液の製造方法を提供する。
【解決手段】インクジェット用の水性インクに用いられる顔料分散液を製造する方法である。この顔料分散液の製造方法は、少なくとも顔料、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を混練して、微細化された顔料を含有する顔料混練物を得る混練工程を含む。また、前記顔料混練物に水を加えて混合し、前記顔料混練物から、前記水に溶解させた前記水溶性無機塩及び前記水溶性有機溶剤を除去し、前記微細化された顔料及び前記水を含有する懸濁液を得る精製工程を含む。さらに、前記懸濁液を熱源に接触させることで水分量を調整した顔料懸濁液を得る水分調整工程と、前記顔料懸濁液に分散剤を添加して、前記微細化された顔料を分散させて顔料分散液を得る分散工程と、を含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
インクジェット用の水性インクに用いられる顔料分散液を製造する方法であって、
少なくとも顔料、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を混練して、微細化された顔料を含有する顔料混練物を得る混練工程と、
前記顔料混練物に水を加えて混合し、前記顔料混練物から、前記水に溶解させた前記水溶性無機塩及び前記水溶性有機溶剤を除去し、前記微細化された顔料及び前記水を含有する懸濁液を得る精製工程と、
前記懸濁液を熱源に接触させることで水分量を調整した顔料懸濁液を得る水分調整工程と、
前記顔料懸濁液に分散剤を添加して、前記微細化された顔料を分散させて顔料分散液を得る分散工程と、
を含むことを特徴とする顔料分散液の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記水溶性無機塩として、体積基準の粒度分布におけるメディアン粒子径(μm)が異なる少なくとも2種類の水溶性無機塩を用いる請求項1に記載の顔料分散液の製造方法。
【請求項3】
前記少なくとも2種類の水溶性無機塩が、前記メディアン粒子径(μm)が90μm以上140μm以下の第1の水溶性無機塩と、前記メディアン粒子径(μm)が30μm以上90μm未満の第2の水溶性無機塩を含む請求項2に記載の顔料分散液の製造方法。
【請求項4】
前記少なくとも2種類の水溶性無機塩のうち、前記メディアン粒子径(μm)が相対的に大きい水溶性無機塩の使用量が、前記メディアン粒子径(μm)が相対的に小さい水溶性無機塩の使用量に対する質量比率で、10.0倍以上100.0倍以下である請求項2に記載の顔料分散液の製造方法。
【請求項5】
前記混練工程は、少なくとも前記顔料、前記水溶性無機塩、及び前記水溶性有機溶剤を混練装置で混練して、予備混練物を得る第1の混練工程と、
前記予備混練物に、前記顔料及び前記水溶性無機塩からなる群より選択される少なくとも1つの材料と、前記水溶性有機溶剤とを添加し、前記混練装置で追加混練して前記顔料混練物を得る第2の混練工程と、
を有する請求項1に記載の顔料分散液の製造方法。
【請求項6】
前記第2の混練工程は、前記予備混練物に、前記顔料及び前記水溶性無機塩からなる群より選択される少なくとも1つの材料と、前記水溶性有機溶剤とを、複数回に分けて添加し、前記混練装置で追加混練することを含む請求項5に記載の顔料分散液の製造方法。
【請求項7】
前記第1の混練工程は、少なくとも前記顔料、前記水溶性無機塩、及び前記水溶性有機溶剤を、前記混練装置を用いて、前記顔料の単位質量(kg)当たり0.10kWh/kg以上の混練エネルギーで混練することを含む請求項5に記載の顔料分散液の製造方法。
【請求項8】
前記第1の混練工程は、前記顔料、前記水溶性無機塩、及び前記水溶性有機溶剤からなる群より選択される少なくとも2つの材料を複数回に分けて前記混練装置に加えて混練することを含む請求項5に記載の顔料分散液の製造方法。
【請求項9】
前記精製工程は、前記顔料混練物に、水及び酸を加えることで、無機金属が除去された懸濁液を得ることを含む請求項1に記載の顔料分散液の製造方法。
【請求項10】
前記精製工程は、前記顔料混練物及び前記懸濁液の少なくとも一方に、アルカリを加えた後、80℃以上で加熱することで、殺菌された懸濁液を得ることを含む請求項1に記載の顔料分散液の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料分散液の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方法で用いられる、色材として顔料を含有するインク(以下、「顔料インク」と記載することがある。)は、一般に、分散媒体に顔料を分散させた顔料分散液を用いて調製されている。顔料インクには、汎用レベルに顔料化された顔料を、ボールミルやニーダーなどの摩砕機で粉砕する微細化処理などを施すことにより、所望の粒子径になるように加工された顔料が用いられている。その後、微細化された顔料、分散剤となるポリマー水溶液、及び分散媒体を混合し、ビーズミルやホモジナイザーなどの分散機を用いて分散することで、顔料分散液を調製することが一般的に行われている。
【0003】
上述のように、顔料を所望の粒子径になるように加工する方法としては、ソルトミリング法が現在、幅広く使用されている。ソルトミリング法は、粗大な顔料粒子を、水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤の存在下で、ニーダーなどにより機械的に摩砕して微粒子化する方法である(例えば、特許文献1及び2参照)。上記の方法では、原料顔料、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を適切な割合でニーダーなどの混練機に仕込み、温度をコントロールしながら一定時間、内容物に荷重をかけて混練し、混練物を得る。その後、濾過及び水洗して、上記混練物から水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を除去する。次いで、フィルタープレスや加圧濾過装置、さらには熱風乾燥機や加熱乾燥機などの乾燥機で水分を除去する工程を行うことが一般的である(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2014/185471号
特開2016-194650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような方法で作製された顔料は、粒度分布が広くなってしまう場合がある。その要因としては、顔料を微細化する混練工程の条件ばかりでなく、精製工程、水分調整工程の条件などが考えられる。水分を除去する工程においては、熱風乾燥機や加熱乾燥機を使用した場合は、乾燥に伴う顔料の2次凝集により、顔料粒子径のバラツキが大きくなり、結果的に顔料の平均粒子径が大きくなる場合や、粗粒数が増加してしまう場合がある。結果、ソルトミリング法により微細化させた顔料を含有する水性インクを用いて記録された画像は、粒度分布が狭い顔料を含有する水性インクを用いて記録された画像と比べて、光沢性が低下してしまう傾向にある。ソルトミリングで微細化させた顔料の製造工程において、遠心分離や濾過などの追加工程を行うことで、顔料の粒子径を整えることは可能であるが、生産効率が低下してしまう。よって、ソルトミリング法を用いて顔料を微細化させた際でも、顔料の粒子径を可能な限り揃えるように整えることが求められる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、ソルトミリング法において、顔料分散液の顔料の粒度分布がシャープな状態を維持することが可能な顔料分散液の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、インクジェット用の水性インクに用いられる顔料分散液を製造する方法であって、少なくとも顔料、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を混練して、微細化された顔料を含有する顔料混練物を得る混練工程と、前記顔料混練物に水を加えて混合し、前記顔料混練物から、前記水に溶解させた前記水溶性無機塩及び前記水溶性有機溶剤を除去し、前記微細化された顔料及び前記水を含有する懸濁液を得る精製工程と、前記懸濁液を熱源に接触させることで水分量を調整した顔料懸濁液を得る水分調整工程と、前記顔料懸濁液に分散剤を添加して、前記微細化された顔料を分散させて顔料分散液を得る分散工程と、を含むことを特徴とする顔料分散液の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ソルトミリング法において、顔料分散液の顔料の粒度分布がシャープな状態を維持することが可能な顔料分散液の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、さらに本発明を詳細に説明する。本発明においては、化合物が塩である場合は、インク中では塩はイオンに解離して存在しているが、便宜上、「塩を含有する」と表現する。また、インクジェット用の水性インクのことを、単に「インク」と記載することがある。物性値は、特に断りのない限り、常温(25℃)における値である。
【0010】
<顔料分散液の製造方法>
本発明の一実施形態の顔料分散液の製造方法は、インクジェット用の水性インクに用いられる顔料分散液を製造する方法である。この顔料分散液の製造方法は、少なくとも顔料、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を混練して、微細化された顔料を含有する顔料混練物を得る混練工程を含む。また、この顔料分散液の製造方法は、混練工程で得られた顔料混練物に水を加えて混合し、顔料混練物から、水に溶解させた水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を除去し、微細化された顔料及び水を含有する懸濁液を得る精製工程を含む。さらに、この顔料分散液の製造方法は、精製工程により得られた懸濁液を熱源に接触させることで水分量を調整した顔料懸濁液を得る水分調整工程と、顔料懸濁液に分散剤を添加して、微細化された顔料を分散させて顔料分散液を得る分散工程とを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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