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公開番号2024119749
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2024012369
出願日2024-01-31
発明の名称ペロブスカイト太陽電池およびその製造方法
出願人国立研究開発法人物質・材料研究機構
代理人
主分類H10K 39/10 20230101AFI20240827BHJP()
要約【課題】 低コストで光電変換効率および出力が高くかつコンパクトなタンデム構造型のペロブスカイト太陽電池を提供すること。
【解決手段】 太陽光を透過する1枚の透明基板を有し、透明基板の第1主表面側に第1と第2の端子電極を有する第1のペロブスカイト太陽電池セルが形成されており、透明基板の第2主表面側に第3と第4の端子電極を有する第2のペロブスカイト太陽電池セルが形成されており、第1および第3の端子電極は透明基板に接しているペロブスカイト太陽電池とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
太陽光を透過する1枚の透明基板を有し、
前記透明基板の第1主表面側に第1と第2の端子電極を有する第1のペロブスカイト太陽電池セルが形成されており、
前記透明基板の第2主表面側に第3と第4の端子電極を有する第2のペロブスカイト太陽電池セルが形成されており、
前記第1および第3の端子電極は前記透明基板に接している、ペロブスカイト太陽電池。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記透明基板は、第1の主表面上に第1の透明電極層、および第2の主表面上に第2の透明電極層が形成されており、
前記第1の透明電極層は前記第1の端子電極と電気的に接触しており、
前記第2の透明電極層は前記第3の端子電極と電気的に接触しており、
前記第1および第2のペロブスカイト太陽電池セルは共に、電子輸送層、ペロブスカイト層およびホール輸送層を有し、
前記ペロブスカイト層は前記電子輸送層および前記ホール輸送層に接している、請求項1記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項3】
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルは、前記第1の端子電極に電気的に接続する第1の透明電極層、第1のホール輸送層、第1のペロブスカイト層、第1の電子輸送層、第1のホールブロッキング層および前記第2の端子電極に電気的に接続する第1の電極層を有し、
前記第2のペロブスカイト太陽電池セルは、前記第3の端子電極に電気的に接続する第2の透明電極層、第2のホール輸送層、第2のペロブスカイト層、第2の電子輸送層、第2のホールブロッキング層および前記第4の端子電極に電気的に接続する第2の電極層を有する、請求項1または2に記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項4】
前記第1のホール輸送層と前記第1のペロブスカイト層の間に表面補償帯が形成されている、請求項3記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項5】
前記表面補償帯は、[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール-9-イル)エチル]ホスホン酸からなる、請求項4記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項6】
前記第1の電子輸送層側の前記第1のペロブスカイト層の表面、および前記第2の電子輸送層側の前記第2のペロブスカイト層の表面は、共にピペラジン二ヨウ化水素酸塩で修飾されている、請求項3から5の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項7】
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップは、前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップと異なる、請求項1から6の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項8】
前記第1のペロブスカイト太陽電池セル側が太陽光入射側であり、
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップは、前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップより広い、請求項1から7の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項9】
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップは、1.5eV以上3.0eV以下である、請求項8記載のペロブスカイト太陽電池。
【請求項10】
前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップは、1.2eV以上3.0eV以下である、請求項8または9に記載のペロブスカイト太陽電池。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ペロブスカイト太陽電池およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化などの地球環境問題の観点から化石燃料に代わるクリーンなエネルギー源として、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換できる太陽電池が注目されている。特に、持続可能な低炭素社会実現には太陽電池の大量導入が不可欠と考えられている。
【0003】
現在実用化されているシリコン太陽電池の効率が理論限界に近づく中、より高い効率を目指してタンデム太陽電池が注目されている。特に、低温・塗布プロセスで成膜可能なペロブスカイト材料を用いたオールペロブスカイトのタンデム型太陽電池が実現すれば、究極の軽量・低コスト・高効率太陽電池の実現が期待できる。
【0004】
タンデム型太陽電池は、例えば、非特許文献1、2にその開示があるが、大別すると、(a)1枚の透明基板の上に2つのペロブスカイト太陽電池をITOなどによるバリア層を介して積層させた2端子型オールペロブスカイトのタンデム型太陽電池、(b)2端子型のペロブスカイト太陽電池を機械的に2個直列に配置した端子数が計4個あるメカニカルスタックペロブスカイト太陽電池、および(c)分光板を介して太陽光を2方向に分光し、その分光先の各々に計2個の2端子型のペロブスカイト太陽電池を配置したオプティカルスタックペロブスカイト太陽電池(特許文献1参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
再公表特許 WO2016/009956
【非特許文献】
【0006】
Nature Photonics,2021,411-425
Advanced Science,2019,6,1801704
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記2端子型オールペロブスカイトのタンデム型太陽電池は、タンデム配置されたペロブスカイト太陽電池の各サブセル(広バンドギャップのサブセルと狭バンドギャップのサブセル)間の電流マッチングを必要とすることから、設計自由度が低く、高い光電変換効率や高い出力を得にくいという問題が知られている。
メカニカルスタックペロブスカイト太陽電池は、上部配置と下部配置のセル間の設計制約事項が少なく、高い光電変換効率や高い出力を得やすいという特徴があるが、デバイスコストの半分近くを占める透明基板を2枚必要とし、コストが高いという問題がある。
オプティカルスタックペロブスカイト太陽電池は、透明基板2枚に加え分光板も必要とすることからコストが高く、加えて分光板が透明基板に対して斜めに配置されることから嵩(デバイスの体積)が大きくなるという問題がある。さらに、太陽光に対して常に適切な角度で向き合う必要があるため、2軸追尾システム等が必要という問題がある。
【0008】
本発明の課題は、上記従来のタンデム型ペロブスカイト太陽電池の問題を解決し、低コストで光電変換効率および出力が高くかつコンパクトなタンデム構造型のペロブスカイト太陽電池、およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するための本発明の構成を下記に示す。
【0010】
(構成1)
太陽光を透過する1枚の透明基板を有し、
前記透明基板の第1主表面側に第1と第2の端子電極を有する第1のペロブスカイト太陽電池セルが形成されており、
前記透明基板の第2主表面側に第3と第4の端子電極を有する第2のペロブスカイト太陽電池セルが形成されており、
前記第1および第3の端子電極は前記透明基板に接している、ペロブスカイト太陽電池。
(構成2)
前記透明基板は、第1の主表面上に第1の透明電極層、および第2の主表面上に第2の透明電極層が形成されており、
前記第1の透明電極層は前記第1の端子電極と電気的に接触しており、
前記第2の透明電極層は前記第3の端子電極と電気的に接触しており、
前記第1および第2のペロブスカイト太陽電池セルは共に、電子輸送層、ペロブスカイト層およびホール輸送層を有し、
前記ペロブスカイト層は前記電子輸送層および前記ホール輸送層に接している、構成1記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成3)
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルは、前記第1の端子電極に電気的に接続する第1の透明電極層、第1のホール輸送層、第1のペロブスカイト層、第1の電子輸送層、第1のホールブロッキング層および前記第2の端子電極に電気的に接続する第1の電極層を有し、
前記第2のペロブスカイト太陽電池セルは、前記第3の端子電極に電気的に接続する第2の透明電極層、第2のホール輸送層、第2のペロブスカイト層、第2の電子輸送層、第2のホールブロッキング層および前記第4の端子電極に電気的に接続する第2の電極層を有する、構成1または2に記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成4)
前記第1のホール輸送層と前記第1のペロブスカイト層の間に表面補償帯が形成されている、構成3記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成5)
前記表面補償帯は、[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール-9-イル)エチル]ホスホン酸からなる、構成4記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成6)
前記第1の電子輸送層側の前記第1のペロブスカイト層の表面、および前記第2の電子輸送層側の前記第2のペロブスカイト層の表面は、共にピペラジン二ヨウ化水素酸塩で修飾されている、構成3から5の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成7)
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップは、前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップと異なる、構成1から6の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成8)
前記第1のペロブスカイト太陽電池セル側が太陽光入射側であり、
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップは、前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップより広い、構成1から7の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成9)
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップは、1.5eV以上3.0eV以下である、構成8記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成10)
前記第2のペロブスカイト太陽電池セルのペロブスカイトのバンドギャップは、1.2eV以上3.0eV以下である、構成8または9に記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成11)
前記第1および第2の端子電極に電気的に接続する第1のDC-DCコンバータ回路と、
前記第3および第4の端子電極に電気的に接続する第2のDC-DCコンバータ回路を有する、構成1から10の何れか1項記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成12)
前記第1および第2のDC-DCコンバータ回路は、前記第1のDC-DCコンバータ回路の出力電流が前記第2のDC-DCコンバータ回路の出力電流と等しくなるように出力調整がなされた回路であり、
前記第1のDC-DCコンバータ回路の出力端子は前記第2のDC-DCコンバータ回路の出力端子と電気的に直列に接合された、構成11記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成13)
前記第1および第2のDC-DCコンバータ回路は、前記第1のDC-DCコンバータ回路の出力電圧が前記第2のDC-DCコンバータ回路の出力電圧と等しくなるように出力調整がなされた回路であり、
前記第1のDC-DCコンバータ回路の出力端子は前記第2のDC-DCコンバータ回路の出力端子と電気的に並列に接合された、構成11記載のペロブスカイト太陽電池。
(構成14)
第1主表面および第2主表面に透明電極が形成された1枚の太陽光を透過する透明基板を準備することと、
第2の透明電極である前記第2主表面上に形成されている前記透明電極を機械的接触および汚染から保護することと、
第1の透明電極である前記第1主表面上に形成されている前記透明電極の上に第1のペロブスカイト太陽電池セルを形成することと、
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルを形成後に、前記第2の透明電極の上に第2のペロブスカイト太陽電池セルを形成することからなり、
前記第1のペロブスカイト太陽電池セルの形成は、第1のホール輸送層、表面補償帯層および第1のペロブスカイト層を順次形成することと、前記第1のペロブスカイト層の表面をピペラジン二ヨウ化水素酸塩で第1の表面処理することと、前記第1の表面処理後、第1の電子輸送層、第1のホールブロッキング層、第1の透明電極層およびグリッド電極を順次形成することからなり、
前記第2のペロブスカイト太陽電池セルの形成は、第2のホール輸送層および第2のペロブスカイト層を順次形成することと、前記第2のペロブスカイト層の表面をエチレンジアミンで第2の表面処理することと、前記第2の表面処理後、第2の電子輸送層、第2のホールブロッキング層および電極を順次形成することからなり、
前記第1のペロブスカイト層は、前記第2のペロブスカイト層の材料よりバンドギャップの広い材料である、ペロブスカイト太陽電池の製造方法。
(構成15)
前記第2の透明電極を機械的接触および汚染から保護する方法は、前記第2の透明電極を保護膜で覆う方法であり、前記保護膜は前記第2のホール輸送層形成前に除去する、構成14記載のペロブスカイト太陽電池の製造方法。
(構成16)
前記表面補償帯層は、[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール-9-イル)エチル]ホスホン酸からなる、構成14または15に記載のペロブスカイト太陽電池の製造方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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