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公開番号2024149668
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2024128722,2023109865
出願日2024-08-05,2012-03-29
発明の名称発光装置
出願人株式会社半導体エネルギー研究所
代理人
主分類H10K 50/155 20230101AFI20241010BHJP()
要約【課題】外部量子効率が高い発光素子を提供する。
【解決手段】ゲスト、N型ホスト及びP型ホストを含む発光層102を一対の電極間に有
し、発光層102と負極の間に第1の層(N型ホストの層103)、発光層102と正極
の間に第2の層(P型ホストの層104)を形成する。電子や正孔が発光層102に注入
されるに際しては、エネルギー障壁がない。一方、電子が正極へ、あるいは正孔が負極へ
向うに際しては、途中にエネルギー障壁が存在し、電子や正孔は発光層に閉じ込められる
。このため、エネルギーの利用効率が高まる。N型ホストの層103と発光層102の間
あるいは、P型ホストの層104と発光層102の間には、N型ホスト及びP型ホストの
濃度が連続的に変化する領域が設けられてもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
第1の電極と第2の電極との間に、発光層と、第1の層と、第2の層と、を有し、
前記第1の層は、前記第1の電極と前記発光層との間に設けられ、
前記第2の層は、前記第2の電極と前記発光層との間に設けられ、
前記発光層は、燐光性化合物と、第1の有機化合物と、第2の有機化合物と、を有し、
前記第1の有機化合物は、ヘテロ原子を環の構成元素として含有する6員環の芳香環を有する化合物であり、
前記第2の有機化合物は、カルバゾール誘導体であり、
前記第1の層は、前記第1の有機化合物を有し、
前記第2の層は、前記第2の有機化合物を有し、
前記第1の層は、前記第2の有機化合物を有さず、
前記第2の層は、前記第1の有機化合物を有さず、
前記第1の有機化合物と前記第2の有機化合物とは、励起状態においてエキシプレックスを形成する組み合わせであり、
前記エキシプレックスの発光スペクトルと、前記燐光性化合物の最も長波長側に位置する吸収帯とが重なりを有する、発光装置。
続きを表示(約 690 文字)【請求項2】
請求項1において、
前記第1の層と前記発光層との間あるいは前記第2の層と前記発光層との間には、前記第1の有機化合物と前記第2の有機化合物の比率が連続的に変化する領域が設けられている発光装置。
【請求項3】
第1の電極と第2の電極との間に、第1の層と、第2の層と、を有し、
前記第1の層は、第1の有機化合物を有し、
前記第2の層は、第2の有機化合物を有し、
前記第1の層は、前記第2の有機化合物を有さず、
前記第2の層は、前記第1の有機化合物を有さず、
前記第1の層と前記第2の層との間に、前記第1の有機化合物と前記第2の有機化合物と燐光性化合物とを有する領域を有し、
前記第1の有機化合物は、ヘテロ原子を環の構成元素として含有する6員環の芳香環を有する化合物であり、
前記第2の有機化合物は、カルバゾール誘導体であり、
前記第1の有機化合物と前記第2の有機化合物とは、励起状態においてエキシプレックスを形成する組み合わせであり、
前記エキシプレックスの発光スペクトルと、前記燐光性化合物の最も長波長側に位置する吸収帯とが重なりを有する、発光装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、
前記第1の有機化合物及び前記第2の有機化合物の少なくとも一方が、蛍光性化合物である発光装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、
前記燐光性化合物が、有機金属錯体である発光装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)現象
を利用した発光素子(以下、有機EL素子とも記す)に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
有機EL素子の研究開発が盛んにおこなわれている。有機EL素子の基本的な構成は、一
対の電極間に発光性の有機化合物を含む層(以下、発光層とも記す)を挟んだものであり
、薄型軽量化できる、入力信号に高速に応答できる、直流低電圧駆動が可能である、など
の特性から、次世代のフラットパネルディスプレイ素子として注目されている。また、こ
のような発光素子を用いたディスプレイは、コントラストや画質に優れ、視野角が広いと
いう特徴も有している。さらに、有機EL素子は面光源であるため、液晶ディスプレイの
バックライトや照明等の光源としての応用も考えられている。
【0003】
有機EL素子の発光機構は、キャリア注入型である。すなわち、電極間に発光層を挟んで
電圧を印加することにより、電極から注入された電子および正孔が再結合して発光物質が
励起状態となり、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。そして、励起状態の種類
としては、一重項励起状態と三重項励起状態が可能である。また、発光素子におけるその
統計的な生成比率は、前者は後者の3分の1であると考えられている。
【0004】
発光性の有機化合物では通常、基底状態が一重項状態である。したがって、一重項励起状
態からの発光は、同じスピン多重度間の電子遷移であるため蛍光と呼ばれる。一方、三重
項励起状態からの発光は、異なるスピン多重度間の電子遷移であるため燐光と呼ばれる。
ここで、蛍光を発する化合物(以下、蛍光性化合物と記す)は室温において、通常、燐光
は観測されず蛍光のみが観測される。したがって、蛍光性化合物を用いた発光素子におけ
る内部量子効率(注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、
上記の一重項励起状態と三重項励起状態の比率を根拠に25%とされている。
【0005】
一方、燐光を発する化合物(以下、燐光性化合物と記す)を用いれば、理論上、内部量子
効率は100%にまで高めることが可能となる。つまり、蛍光性化合物に比べて高い発光
効率を得ることが可能になる。このような理由から、高効率な発光素子を実現するために
、燐光性化合物を用いた発光素子の開発が近年盛んにおこなわれている。
【0006】
特に、燐光性化合物としては、その燐光量子効率の高さゆえに、イリジウム等を中心金属
とする有機金属錯体が注目されており、例えば、特許文献1には、イリジウムを中心金属
とする有機金属錯体が燐光材料として開示されている。
【0007】
上述した燐光性化合物を用いて発光素子の発光層を形成する場合、燐光性化合物の濃度消
光や三重項-三重項消滅による消光を抑制するために、他の化合物からなるマトリクス中
に該燐光性化合物が分散するように形成することが多い。この時、マトリクスとなる化合
物はホスト、燐光性化合物のようにマトリクス中に分散される化合物はゲストと呼ばれる

【0008】
このような、燐光性化合物をゲストとして用いる発光素子における発光の一般的な素過程
はいくつかあるが、それらについて以下に説明する。
【0009】
(1)電子及び正孔がゲスト分子において再結合し、ゲスト分子が励起状態となる場合(
直接再結合過程)。
(1-1)ゲスト分子の励起状態が三重項励起状態のとき
ゲスト分子は燐光を発する。
(1-2)ゲスト分子の励起状態が一重項励起状態のとき
一重項励起状態のゲスト分子は三重項励起状態に項間交差し、燐光を発する。
【0010】
つまり、上記(1)の直接再結合過程においては、ゲスト分子の項間交差効率、及び燐光
量子効率さえ高ければ、高い発光効率が得られることになる。
(【0011】以降は省略されています)

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