発明の詳細な説明【技術分野】 【0001】 この発明の一態様は、例えば対象となる事物に対するユーザ個人の感じ方を表す主観データに関するモデルを生成するモデル生成装置、方法およびプログラムに関する。 続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】 【0002】 マーケティングにおいて、ある個人ユーザがどのようなアイテムを好むか、あるアイテムを好む集団がどのくらい存在するかを把握することは重要である。個人ユーザの嗜好や同じ嗜好を好む集団を把握できると、どのような製品に需要があるか、どのような人たちにどのような広告を提示することが効果的であるかを把握できるからである。 【0003】 個人ユーザの嗜好を把握するには、事物に対する個人ユーザの感じ方を表す主観データを収集する必要があるが、分野によっては主観データを収集する仕組みを作りにくい分野がある。例えば、顔の表情や仕草、声から個人ユーザの感情や好感度を推定したり、飲食物から香りや味、美味しさ等の感じ方を推定する場合のように、五感の評価に代表される、何らかの事物に対して個人ユーザがどう感じるかを推定する場合がそれに相当する。 【0004】 このような個人ユーザの感じ方を表す主観データを収集することができれば、例えば人の感情認識特性に応じてアバタなどの顔の表情を変換することで、人の感情を正しく伝えられるようになったり、人に対し当人が最も美味しく感じられる料理のレシピを提供するといった活用が実現できる。 【0005】 主観データを収集して個人ユーザのモデルを生成する手法として、ベイズ最適化を採用した手法が知られている。例えば、非特許文献1には、あるパラメータに対する評点を入力として、探索すべきパラメータの提示を繰り返し学習する仕組みが記載されている。この仕組みでは、例えばあるレシピの料理に対して個人ユーザが評価すると、次に評価すべきレシピが提示されてそれを個人ユーザが評価するという処理が繰り返され、最終的に個人ユーザの評価が最大化されたレシピが出力される。 【0006】 しかし、非特許文献1に記載された手法は評価の回数が多くなるという課題がある。そこで、評価回数を減らすために、個人ユーザの評価だけでなく他の複数のユーザの評価も併用することで、個人ユーザの主観モデルを構築する手法が提案されている。例えば、非特許文献2には、評価者である個人ユーザの嗜好分布の推定と同時に評価者のクラスタの嗜好分布を推定し、各個人ユーザがどのクラスタに所属するかという情報を考慮してアイテムを提示する仕組みが記載されている。 【0007】 この仕組みでは、例えばあるレシピの料理に対して個人ユーザが評価すると、他のユーザたちの評価値と合わせてクラスタリングが行われる。そして、個人ユーザのモデルと当該個人ユーザが所属するクラスタのモデルの両方が考慮されて次に評価すべきレシピが出力され、このレシピを個人ユーザが評価するという処理が繰り返され、最終的に個人ユーザの評価が最大化されたレシピが出力される。 【先行技術文献】 【非特許文献】 【0008】 Bobak Shahriari, Kevin Swersky, Ziyu Wang, Ryan P. Adams, and Nando de Freitas, “Taking the Human Out of the Loop: A Review of Bayesian Optimization” Proceedings of the IEEE Vol. 104, No. 1, January 2016 開發功太郎、松原正樹、伊藤寛祥および森嶋厚行、「ガウス過程回帰に基づく個人的・集団的嗜好分布の効率的な推定」、第15回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM Forum) 2022 C33-3 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 ところが、非特許文献2に記載された手法では、評価回数が少ない段階で、個人ユーザは探索を行うために低評価なアイテムを評価することになる。このため、評価対象が例えば香りや味、美味しさの場合には、個人ユーザにとって不快なデータを評価しなければならないという課題があった。 【0010】 この発明は上記事情に着目してなされたもので、低評価なアイテムの評価を減らすと共に最適解が得られるまでの評価回数を低減することでモデルの生成効率の向上を図り、かつより精度の高い最適解が得られるようにする技術を提供しようとするものである。 【課題を解決するための手段】 (【0011】以降は省略されています) この特許をJ-PlatPatで参照する