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公開番号2024118719
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-02
出願番号2023025155
出願日2023-02-21
発明の名称D級増幅回路
出願人日清紡マイクロデバイス株式会社
代理人SSIP弁理士法人
主分類H03F 3/217 20060101AFI20240826BHJP(基本電子回路)
要約【課題】デッドタイム期間中に出力端子に生じる急激な電圧変化を抑制し誤作動を防止する。
【解決手段】D級増幅回路1Aにおいて、ディレイ時間生成回路X103H、X103Lは、パルス変調された入力信号に応じて、インダクタンス成分を含む負荷回路2に接続された出力端子の電位がハイレベル電位及びローレベル電位に交互にスイッチング動作するように、ハイサイドパワートランジスタM101H及びローサイドパワートランジスタM101Lのゲートを夫々駆動し、入力信号がハイレベルからローレベルに遷移した場合、ハイサイドパワートランジスタのゲートは、第1期間、ハイサイド駆動電源に対応するハイレベル電位及びローレベル電位の中間電位に調整され、入力信号がローレベルからハイレベルに遷移した場合、ローサイドパワートランジスタのゲートは、第2期間、ローサイド駆動電源に対応するハイレベル電位及びローレベル電位の中間電位に調整される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
パルス変調された入力信号が入力される入力端子と、
インダクタンス成分を含む負荷回路に接続された出力端子と、
出力電源に接続されたドレイン、及び、前記出力端子に接続されたソースを有するハイサイドパワートランジスタと、
グラウンド端子に接続されたソース、及び、前記出力端子に接続されたドレインを有するローサイドパワートランジスタと、
前記入力信号に応じて、前記出力端子の電位が前記出力電源に対応するハイレベル電位、及び、前記グラウンド端子に対応するローレベル電位に交互にスイッチング動作するように、前記ハイサイドパワートランジスタ及び前記ローサイドパワートランジスタのゲートをそれぞれ駆動するためのハイサイドゲート駆動回路及びローサイドゲート駆動回路と、
前記入力信号がハイレベルからローレベルに遷移した場合に、前記ハイサイドパワートランジスタのゲートを、第1期間、ハイサイド駆動電源に対応するハイレベル電位及びローレベル電位の中間電位にするためのハイサイドゲート調整回路と、
前記入力信号がローレベルからハイレベルに遷移した場合に、前記ローサイドパワートランジスタのゲートを、第2期間、ローサイド駆動電源に対応するハイレベル電位及びローレベル電位の中間電位にするためのローサイドゲート調整回路と、
を備える、D級増幅回路。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
前記ハイサイドパワートランジスタはNチャネルパワートランジスタであり、
前記ローサイドパワートランジスタはNチャネルパワートランジスタであり、
前記ハイサイドゲート調整回路は、
前記出力端子に接続されたソース、並びに、互いに接続されたゲート及びドレインを有する第1Nチャネルトランジスタと、
前記第1Nチャネルトランジスタのドレインと前記ハイサイド駆動電源との間に接続された第1抵抗器と、
前記入力信号がハイレベルになった場合にハイレベルを出力し、前記入力信号がローレベルになった場合に、前記第1期間、ハイインピーダンスを出力した後に、ローレベルを出力するように構成され、出力端子が前記ハイサイドパワートランジスタのゲートに接続された第1トライステートバッファと、
を含み、
前記ローサイドゲート調整回路は、
前記グラウンド端子に接続されたソース、並びに、互いに接続されたゲート及びドレインを有する第2Nチャネルトランジスタと、
前記第2Nチャネルトランジスタのドレインと前記ローサイド駆動電源との間に接続された第2抵抗器と、
前記入力信号がローレベルになった場合にハイレベルを出力し、前記入力信号がハイレベルになった場合に、前記第2期間、ハイインピーダンスを出力した後に、ローレベルを出力するように構成され、出力端子が前記ローサイドパワートランジスタのゲートに接続された第2トライステートバッファと、
を含む、請求項1に記載のD級増幅回路。
【請求項3】
前記ハイサイドパワートランジスタはPチャネルパワートランジスタであり、
前記ローサイドパワートランジスタはNチャネルパワートランジスタであり、
前記ハイサイドゲート調整回路は、
前記ハイサイド駆動電源に接続されたソース、並びに、互いに接続されたゲート及びドレインを有する第1Pチャネルトランジスタと、
前記第1Pチャネルトランジスタのドレインと前記出力端子との間に接続された第3抵抗器と、
前記入力信号がハイレベルになった場合にローレベルを出力し、前記入力信号がローレベルになった場合に、前記第1期間、ハイインピーダンスを出力した後に、ハイレベルを出力するように構成され、出力端子が前記ハイサイドパワートランジスタのゲートに接続された第3トライステートバッファと、
を含み、
前記ローサイドゲート調整回路は、
前記グラウンド端子に接続されたソース、並びに、互いに接続されたゲート及びドレインを有する第2Nチャネルトランジスタと、
前記第2Nチャネルトランジスタのドレインと前記ローサイド駆動電源との間に接続された第4抵抗器と、
前記入力信号がローレベルになった場合にハイレベルを出力し、前記入力信号がハイレベルになった場合に、前記第2期間、ハイインピーダンスを出力した後に、ローレベルを出力するように構成され、出力端子が前記ローサイドパワートランジスタのゲートに接続された第4トライステートバッファと、
を含む、請求項1に記載のD級増幅回路。
【請求項4】
前記ハイサイドゲート調整回路は、前記入力信号がローレベルになった時刻から前記出力端子が前記出力電源に対応するローレベル電位に遷移した時刻までが前記第1期間となるように構成された第1論理回路を含み、
前記ローサイドゲート調整回路は、前記入力信号がハイレベルになった時刻から前記出力端子が前記出力電源に対応するハイレベル電位に遷移した時刻までが前記第2期間となるように構成された第2論理回路を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のD級増幅回路。
【請求項5】
前記ハイサイドゲート調整回路は、前記入力信号がハイレベルのとき前記出力端子の電圧が前記出力電源の電圧よりも大きくなったことを検出したとき、前記第1期間が無くなるように構成された第3論理回路を含み、
前記ローサイドゲート調整回路は、前記入力信号がローレベルのとき前記出力端子の電圧が前記グラウンド端子の電圧よりも小さくなったことを検出したとき、前記第2期間が無くなるように構成された第4の論理回路を含む、請求項4に記載のD級増幅回路。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、D級増幅回路に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
例えばオーディオシステム等に用いられる増幅回路の一つとして、電力効率に優れたD級増幅回路が知られている。D級増幅回路では、一般的に、パルス幅変調(PWM)出力波形からオーディオ信号を抽出するためにローパスフィルタ(LCフィルタ)を含む負荷回路が外付けされる。近年のD級増幅回路では、発振周波数を大きくすることで、ローパスフィルタを含む負荷回路を小型化し、ローコストを実現することがトレンドになってきている。
【0003】
D級増幅回路では、一対のパワートランジスタ(ハイサイドパワートランジスタ及びローサイドパワートランジスタ)が交互にオン/オフのスイッチング動作を繰り返すが、双方のパワートランジスタが同時にオン状態になることで過大な貫通電流が生じて素子が破損することを防止するために、デッドタイムが設けられる。このデッドタイムは、D級増幅回路の増幅特性を低下させる要因になることが知られており、D級増幅回路における発振周波数の高周波化に伴い、デッドタイムを小さくすることが求められている。
【0004】
デッドタイムを小さくするときに課題となるのは、D級増幅回路の出力端子における急激な電圧変化に起因してオフ状態にあるパワートランジスタがオン動作してしまう、いわゆるセルフターンオンによる貫通電流の発生である。このようなセルフターンオンへの対策を含むD級増幅回路が、例えば特許文献1に開示されている。
【0005】
ここで図8及び図9を参照して、この種のD級増幅回路について簡潔に説明する。図8は参考技術に係るD級増幅回路1´を示す回路構成図であり、図9は図8の各部における電位の時間的変化を示すタイムチャートである。
【0006】
D級増幅回路1´の入力端子INには、パルス変調された入力信号が入力される。入力信号は、例えば三角波(のこぎり波)オシレータを用いてパルス幅変調(PWM)された信号であり、D級増幅回路1´が有する2つの出力MOSFETであるハイサイドパワートランジスタM101H及びローサイドパワートランジスタM101Lによって増幅される。ハイサイドパワートランジスタM101H及びローサイドパワートランジスタM101Lは、NチャネルのMOSFETで構成され、出力端子OUTを、出力電源V101、又は、グラウンド端子GNDに交互に接続する電流ステアリングスイッチとして動作する。ハイサイドパワートランジスタM101Hは、出力電源V101に接続されたドレイン、及び、出力端子OUTに接続されたソースを有する。ローサイドパワートランジスタM101Lは、グラウンド端子GNDに接続されたソース、及び、出力端子OUTに接続されたドレインを有する。このようなD級増幅回路1´は、出力端子OUTに接続された負荷回路2に対して、高周波の方形波である信号を出力する。
【0007】
負荷回路2は、インダクタンス成分であるインダクタL101及びコンデンサC101からなるローパスフィルタと、抵抗成分及びインダクタ成分を含む負荷LOADとを備える(より具体的には、入力信号がオーディオ信号である場合には、負荷回路2は、オーディオ信号を復元するための外付けのローパスフィルタ回路を含む)。
【0008】
図9に示すように、D級増幅回路1´において、IN端子に入力される入力信号が時刻t1でハイレベルからローレベルに遷移した場合、ハイサイドパワートランジスタM101Hのゲート-ソース間電圧Vgs-Hは、プリドライバX102Hによって0Vへの遷移を開始する。ここでプリドライバX102Hの駆動能力は、トランジスタM103Hに比べて小さく設定されることにより、ハイサイドパワートランジスタM101Hのゲート-ソース間電圧Vgs-Hは比較的緩やかに遷移する。これにより、ハイサイドパワートランジスタM101Hは比較的緩やかにオフすることができるため輻射ノイズが低減される。そしてトランジスタM102H及び抵抗R101Hによって、ハイサイドパワートランジスタM101Hのゲート-ソース間電圧Vgs-Hが時刻t2において所定の閾値電圧Vref1付近に達したことを検出すると、トランジスタM103Hがオンとなり、ゲート-ソース間電圧Vgs-Hを急峻に0Vに遷移させる。このようにハイサイドパワートランジスタM101Hがオフすると、所定のデッドタイムTdが経過した後、時刻t3においてローサイドパワートランジスタM101Lがオンすることにより、スイッチング動作が完了する。
【0009】
続いてIN端子に入力される入力信号が時刻t4でローレベルからハイレベルに遷移した場合、ローサイドパワートランジスタM101Lのゲート-ソース間電圧Vgs-Lは、プリドライバX102Lによって0Vへの遷移を開始する。ここでプリドライバX102Lの駆動能力は、トランジスタM103Lに比べ小さく設定されることにより、ローサイドパワートランジスタM101Lのゲート-ソース間電圧Vgs-Lは比較的緩やかに遷移する。これにより、ローサイドパワートランジスタM101Lは比較的緩やかにオフすることができるため輻射ノイズが低減される。そしてトランジスタM102L及び抵抗R101Lによって、ローサイドパワートランジスタM101Lのゲート-ソース間電圧Vgs-Lが時刻t5において所定の閾値電圧Vref2付近に達したことを検出すると、トランジスタM103Lがオンとなり、ゲート-ソース間電圧Vgs-Lを急峻に0Vに遷移させる。このようにローサイドパワートランジスタM101Lがオフすると、所定のデッドタイムTdが経過した後、時刻t6においてハイサイドパワートランジスタM101Hがオンすることにより、スイッチング動作が完了する。
【0010】
このようにD級増幅回路1´が有する一対のパワートランジスタ(ハイサイドパワートランジスタM101H及びローサイドパワートランジスタM101L)は駆動能力が大きいトランジスタM103H、M103Lでオフさせるため、出力端子OUTの急激な遷移に起因するセルフターンオンを防止できる。そのため参考技術に係るD級増幅回路1´では、セルフターンオンによる貫通電流を防止しながらも、スイッチング動作を急峻にすることでデッドタイムを小さくことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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