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公開番号2024083702
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-06-24
出願番号2022197655
出願日2022-12-12
発明の名称水晶発振器
出願人日本電波工業株式会社
代理人
主分類H03B 5/32 20060101AFI20240617BHJP(基本電子回路)
要約【課題】電圧可変型の容量素子を用いた恒温槽付き水晶発振器であって、右肩下がりの周波数温度特性を簡易な手段によってフラットに補正できる水晶発振器とその製造方法を提供する。
【解決手段】定電圧回路と、定電圧回路に接続されたオーブン回路及び電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、オーブン回路及び発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器において、オーブン回路及び発振回路のグランドライン側の端子である二次側の端子とグランドラインとの間に補正抵抗を備え、補正抵抗は、オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の二次側の端子の電位が変動することによって、電圧可変型の容量素子の二次側の端子の電位を、電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗であることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器において、
前記オーブン回路及び前記発振回路の前記グランドライン側の端子である二次側の端子と、前記グランドラインとの間に補正抵抗を備え、
前記補正抵抗は、
前記オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動することによって、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位を、前記電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗であること
を特徴とする水晶発振器。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記補正抵抗は、可変抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の水晶発振器。
【請求項3】
定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器を製造するに当たり、
当該水晶発振器の周波数温度特性を測定する工程と、
前記測定において周波数温度特性が、温度上昇に対し右肩下がりになる水晶発振器を選択する工程と、
前記選択した水晶発振器の前記オーブン回路、前記電圧可変型の容量素子及び前記発振回路の前記グランドライン側の端子である二次側の端子と前記グランドラインとの間に、補正抵抗であって、前記オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動することによって、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位を、前記電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗を挿入する工程と、
を含むことを特徴とする水晶発振器の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、周波数温度特性の補正が可能な恒温槽付き水晶発振器に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
近年、5Gの普及が進んでいる。その中で、5Gの弱点である電波の到達距離が短いことをカバーする点で、小型基地局が注目されている。小型基地局には、内部温度の上昇や厳しい環境変化にも耐え得るよう、恒温槽付き水晶発振器(以下、OCXO;Oven Controlled Crystal Oscillatorと言う。)が使用されている。
特許文献1には、周波数を調整するためにバリキャップダイオードを使用したOCXOが記載されている(特許文献1の段落0011)。図8は、このOCXOの構成を簡単に示したブロック図である。このOCXO20は、定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える。このOCXOでは、制御電圧により、バリキャップダイオード14aの容量値を変化、即ち水晶振動子の負荷容量を可変させることにより、発振周波数を調整している(特許文献1の段落0023)。
また、水晶振動子を含む発振回路、恒温槽内の水晶振動子を一定温度に保つためのオーブン回路及びバリキャップダイオード各々のグランドラインを共通にすることで、熱結合を密にし、周波数温度特性を向上させている(特許文献1の段落0021)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6208472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
OCXOは周波数安定度が高く、ppb(1×10-9)オーダーの周波数温度特性を有している。OCXOにおいて、周波数温度特性は0ppbに近いものほど、すなわち温度によって変化しないフラットなものほど、良いとされている。OCXOの周波数温度特性は、水晶振動子の周波数温度特性と、発振回路の周波数温度特性と、その他、経年劣化や再現性等の各因子が複雑に影響し合うことで生じる。そのため、製造後のOCXOは、図9(A)~(C)に示す、温度に対しほぼフラットな温度特性を示すもの、発生率は少ないが温度上昇に対しやや右肩下がりの温度特性を示すもの、やや右肩上りの温度特性を示すものが生じる。温度に対し右肩上がりや右肩下がりの温度特性を示すOCXOのいずれか一方の温度特性を、何らかの手段によってフラットなものに補正することができれば、好ましい。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、従ってこの出願の目的は、電圧可変型の容量素子を用いた恒温槽付き水晶発振器であって、右肩下がりの周波数温度特性を簡易な手段によってフラットに補正できる水晶発振器とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的の達成を図るため、この出願に係る発明者は鋭意検討を進めた結果、電圧可変型の容量素子を有した恒温槽付きの水晶発振器において、電圧可変型の容量素子を積極的に利用することによって、上記目的を達成できるのではないかと考えた。
従って、この発明の水晶発振器によれば、定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器において、
前記オーブン回路及び前記発振回路の前記グランドライン側の端子である二次側の端子と、前記グランドラインとの間に補正抵抗を備え、
前記補正抵抗は、前記オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動することによって、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位を、前記電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗であることを特徴とする。
この発明を実施するに当たり、前記補正抵抗は、固定抵抗又は可変抵抗いずれでも良い。ただし、前記補正抵抗を可変抵抗とする方が、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側端子の電位を、水晶発振器毎に調製できるので、好ましい。
【0007】
また、この出願の水晶発振器の製造方法の発明によれば、定電圧回路と、前記定電圧回路に接続されたオーブン回路と、前記定電圧回路に接続され電圧可変型の容量素子を有する発振回路と、少なくとも前記オーブン回路及び発振回路を内包している槽と、前記オーブン回路及び前記発振回路に接続されたグランドラインと、を備える水晶発振器を製造するに当たり、
当該水晶発振器の周波数温度特性を測定する工程と、
前記測定において周波数温度特性が、温度上昇に対し右肩下がりになる水晶発振器を選択する工程と
前記選択した水晶発振器の前記オーブン回路、前記電圧可変型の容量素子及び前記発振回路の前記グランドライン側の端子である二次側の端子と前記グランドラインとの間に、補正抵抗であって、前記オーブン回路に流れる電流値に応じて当該補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動することによって、前記電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位を、前記電圧可変型の容量素子の端子間電圧を所定電圧に補正できる電位に補正する抵抗を挿入する工程と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の水晶発振器によれば、オーブン回路に流れる電流に応じて、補正抵抗の前記二次側の端子の電位が変動する。ここで、オーブン回路の電流は、その目的上、水晶発振器がおかれる環境が低温ほど大きくなり、高温に向かうに従い小さくなる。従って、補正抵抗に流れる電流も、水晶発振器がおかれる環境が低温ほど大きく、高温に向かうに従い小さくなるので、補正抵抗の前記二次側の端子の電位、すなわち電圧可変型の容量素子の前記二次側の端子の電位は、水晶発振器がおかれる環境が低温ほど高く、高温に向かうに従い低くなる。そのため、電圧可変型の容量素子の容量が変化するので、水晶発振器の発振周波数は、上記の右肩下がりの温度特性を補正する方向に変化する。よって、右肩下がりの周波数温度特性を示していた水晶発振器を、補正抵抗を設けるという簡易な手段によって、温度に対しフラットな周波数温度特性を示す水晶発振器を実現できる。
また、この出願の水晶発振器の製造方法によれば所定の工程を実施し、かつ、その中で適正な補正抵抗を追加するので、右肩下がりの周波数温度特性を示していた水晶発振器を、温度に対しフラットな周波数温度特性を示す水晶発振器に修正できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態のOCXO10のブロック図。
バリキャップダイオードの容量値のグラフ。
本発明のOCXOの温度におけるオーブン回路電流のグラフ。
本発明のOCXOの二次側の端子の電位変化のグラフ。
本発明のOCXOのバリキャップダイオードの端子間電圧のグラフ。
本発明のOCXOのバリキャップダイオードの端子間容量のグラフ。
補正抵抗を設ける前後のOCXOの周波数温度特性のグラフ。
従来技術のOCXO20のブロック図。
OCXOの周波数温度特性例。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明の水晶発振器及びその製造方法の実施形態についてそれぞれ説明する。
なお、説明に用いる各図はこれらの発明を理解できる程度に概略的に示してあるにすぎない。また、説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。また、以下の説明で述べる形状、材質等はこの発明の範囲内の好適例に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)

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