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公開番号2024117854
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-30
出願番号2023023898
出願日2023-02-20
発明の名称通信システム、受信機、等化信号処理回路、等化信号処理方法、及びプログラム
出願人日本電気株式会社
代理人個人
主分類H04B 10/2507 20130101AFI20240823BHJP(電気通信技術)
要約【課題】出力信号へのブロックの両端からの回り込みによる歪みの影響を抑えつつ、適応周波数領域フィルタの係数更新に必要な計算量を緩和することを可能にする。
【解決手段】周波数領域フィルタ23には、オーバーラッセーブ法によってブロック化された、周波数領域の入力信号が入力される。周波数領域フィルタ23は、周波数領域の入力信号に対し、周波数ごとに係数を乗算する。係数更新部24は、周波数領域フィルタ23のフィルタ係数を適応的に更新する。制約操作部25は、周波数領域フィルタ23のフィルタ係数に対し、出力信号へのブロックの両端からの回り込みによる歪みの影響がないための制約の操作を実施する。制約操作部25が制約の操作を実施する頻度は、係数更新部24が周波数領域フィルタ23のフィルタ係数を適応的に更新する頻度よりも低い。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
オーバーラップセーブ法によってブロック化された、周波数領域の入力信号に対し、周波数ごとに係数を乗算する周波数領域フィルタと、
前記周波数領域フィルタへの入力信号及び等化信号処理回路の出力信号と、前記等化信号処理回路の出力信号の所定の状態とに基づいて、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数を適応的に更新する係数更新部と、
前記周波数領域フィルタのフィルタ係数に対し、前記出力信号へのブロックの両端からの回り込みによる歪みの影響がないための制約の操作を実施する制約操作部とを備え、
前記制約操作部が前記制約の操作を実施する頻度が、前記係数更新部が前記フィルタ係数を適応的に更新する頻度よりも低い、等化信号処理回路。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記制約操作部は、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数を時間領域のフィルタ係数に変換し、該時間領域に変換されたフィルタ係数に対し、オーバーラップセーブ法によって除去されない入力信号のブロック両端における回り込みをもたらす領域を0へと置換し、0への置換が実施された時間領域のフィルタ係数を周波数領域のフィルタ係数に変換し、該変換された周波数領域のフィルタ係数を周波数領域フィルタに設定する、請求項1に記載の等化信号処理回路。
【請求項3】
前記係数更新部は、前記周波数領域フィルタへの入力信号及び前記等化信号処理回路の出力信号と、前記等化信号処理回路の出力信号の所定の状態とに基づいて、前記周波数領域フィルタの係数更新量を算出する係数更新量算出部を含む、請求項1又は2に記載の等化信号処理回路。
【請求項4】
ブロック間に一定のオーバーラップを設けつつ、前記入力信号をブロック化するブロック変換部と、
前記ブロック化された入力信号を周波数領域の信号に変換し、前記周波数領域フィルタに出力する周波数領域変換部と、
前記周波数領域フィルタが出力するブロック化された周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する時間領域変換部と、
前記時間領域変換部で時間領域の信号のうち、前記入力信号のブロック両端における回り込みをもたらさない領域を残し、前記入力信号のブロック両端における回り込みをもたらす領域を除きつつ、前記時間領域変換部で時間領域の信号に変換された信号をシリアル信号に変換するシリアル変換部とを備える、請求項1又は2に記載の等化信号処理回路。
【請求項5】
前記係数更新部は、前記入力信号の第1の所定数のブロックごとに、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数を更新し、
前記制約操作部は、前記入力信号の第2の所定数のブロックごとに、前記制約の操作を実施し、
前記第2の所定数は、前記第1の所定数よりも大きい、請求項1又は2に記載の等化信号処理回路。
【請求項6】
前記入力信号は、伝送路を介して伝送された信号を受信機がコヒーレント受信した信号である、請求項1又は2に記載の等化信号処理回路。
【請求項7】
伝送路を介して送信機から送信された信号をコヒーレント受信する検波器と、
前記コヒーレント受信された入力信号に対して等化信号処理を実施する等化信号処理回路とを備え、
前記等化信号処理回路は、
オーバーラップセーブ法によってブロック化された、周波数領域の前記入力信号に対し、周波数ごとに係数を乗算する周波数領域フィルタと、
前記周波数領域フィルタへの入力信号及び前記等化信号処理回路の出力信号と、前記等化信号処理回路の出力信号の所定の状態とに基づいて、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数を適応的に更新する係数更新部と、
前記周波数領域フィルタのフィルタ係数に対し、前記出力信号へのブロックの両端からの回り込みによる歪みの影響がないための制約の操作を実施する制約操作部とを有し、
前記制約操作部が前記制約の操作を実施する頻度が、前記係数更新部が前記フィルタ係数を適応的に更新する頻度よりも低い、受信機。
【請求項8】
伝送路を介して信号を送信する送信機と、
前記送信された信号を受信する受信機とを備え、
前記受信機は、
前記送信機から送信された信号をコヒーレント受信する検波器と、
前記コヒーレント受信された入力信号に対して等化信号処理を実施する等化信号処理回路とを有し、
前記等化信号処理回路は、
オーバーラップセーブ法によってブロック化された、周波数領域の前記入力信号に対し、周波数ごとに係数を乗算する周波数領域フィルタと、
前記周波数領域フィルタへの入力信号及び前記等化信号処理回路の出力信号と、前記等化信号処理回路の出力信号の所定の状態とに基づいて、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数を適応的に更新する係数更新部と、
前記周波数領域フィルタのフィルタ係数に対し、前記出力信号へのブロックの両端からの回り込みによる歪みの影響がないための制約の操作を実施する制約操作部とを有し、
前記制約操作部が前記制約の操作を実施する頻度が、前記係数更新部が前記フィルタ係数を適応的に更新する頻度よりも低い、通信システム。
【請求項9】
等化信号処理を実施する等化信号処理方法であって、
前記等化信号処理は、
オーバーラップセーブ法によってブロック化された、周波数領域の入力信号に対し、周波数領域フィルタにおいて周波数ごとに係数を乗算し、
前記周波数領域フィルタへの入力信号及び前記等化信号処理の出力信号と、前記等化信号処理の出力信号の所定の状態とに基づいて、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数を適応的に更新し、
前記フィルタ係数が適応的に更新される頻度よりも低い頻度で、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数に対し、前記出力信号へのブロックの両端からの回り込みによる歪みの影響がないための制約の操作を実施することを有する、等化信号処理方法。
【請求項10】
等化信号処理をプロセッサに実行させるためのプログラムであって、
前記等化信号処理は、
オーバーラップセーブ法によってブロック化された、周波数領域の入力信号に対し、周波数領域フィルタにおいて周波数ごとに係数を乗算し、
前記周波数領域フィルタへの入力信号及び前記等化信号処理の出力信号と、前記等化信号処理の出力信号の所定の状態とに基づいて、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数を適応的に更新し、
前記フィルタ係数が適応的に更新される頻度よりも低い頻度で、前記周波数領域フィルタのフィルタ係数に対し、前記出力信号へのブロックの両端からの回り込みによる歪みの影響がないための制約の操作を実施することを含む、プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、通信システム、受信機、等化信号処理回路、等化信号処理方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
光ファイバ通信において、コヒーレント受信とデジタル信号処理とを組み合わせた、いわゆるデジタルコヒーレント技術が導入されて以来、デジタル信号処理による柔軟な受信側等化信号処理が可能となった。受信側等化信号処理では、例えば、光ファイバ伝送路で蓄積される波長分散が、受信側の装置において一括して補償される。
【0003】
光ファイバ通信では、一般的に高速かつ大容量の信号が扱われる。このため、光ファイバ通信を扱うデジタル信号処理にも、高いスループットが求められる。したがって、デジタル信号処理が必要とする計算量の大きさが、しばしば問題となる。適応等化フィルタは、伝送路の状態に応じて、その応答が適応的に制御される。適応等化フィルタは、光ファイバ通信における受信側等化信号処理の重要な要素の1つであり、この適応等化フィルタについても、計算量の効率化が求められている。
【0004】
適応等化フィルタが、時間広がりが大きい効果を補償する場合、時間広がりが大きい応答を表現可能な大きなフィルタが適応等化フィルタに使用され、適応等化フィルタにおいて、補償に必要な計算量は増大する。時間広がりが大きい効果の補償を効率的に行うための方法の1つとして、周波数領域フィルタの採用が考えられている。周波数領域では、時間領域での入力信号へのフィルタ応答の畳み込み演算を、単なる乗算として扱うことができる。また、時間領域信号の周波数領域への変換は、fast Fourier transform(FFT)によって効率的に行うことができる。このため、応答の時間広がりが大きい場合、周波数領域フィルタは、時間領域フィルタに比べて、必要な計算量が低減される。
【0005】
周波数領域フィルタでは、複数のサンプルからなるブロック単位で信号が処理される。ここでは、周波数領域信号の入力信号のブロックは下記式1で表され、出力信号のブロックは下記式2で表される場合を考える。
TIFF
2024117854000002.tif
9
131
TIFF
2024117854000003.tif
9
131
上記式1及び式2において、M

,M

は、それぞれ入力ブロックのサイズ、及び出力ブロックのサイズである。
【0006】
時間領域でのフィルタの有限インパルス応答を
TIFF
2024117854000004.tif
10
134
とする。上記式3において、Mは、フィルタの有限インパルス応答の長さである。有限インパルス応答の畳み込みの関係から、入力信号のブロックと出力信号のブロックとの間には、下記式4の関係が成り立つ。
TIFF
2024117854000005.tif
27
162
畳み込みの関係から、M

=M

-M+1となる。上記式4を、
TIFF
2024117854000006.tif
9
111
と書く。
【0007】
上記式5において、H

は、非正方行列であるが、H

を巡回行列になるように拡張して正方化すると、下記式6の関係が得られる。
TIFF
2024117854000007.tif
44
166
上記式6を、
TIFF
2024117854000008.tif
12
108
と書く。上記式7において、H

は巡回行列であるから、H

は、Discrete Fourier Transform(DFT)行列Dを用いて、下記式8のように対角化できる。
TIFF
2024117854000009.tif
8
115
ここで、
TIFF
2024117854000010.tif
8
127
であり、
TIFF
2024117854000011.tif
38
150
である。したがって、
TIFF
2024117854000012.tif
8
111
であり、式11において左からDを掛けると、
TIFF
2024117854000013.tif
8
121
となる。ここで、D
-1
=D

=D

を用いた。
【0008】
ある信号ブロック、すなわちベクトルにDを掛けることは、周波数領域への変換を意味する。x及びy

の周波数領域表現を、それぞれX及びY

とすると、
TIFF
2024117854000014.tif
9
127
となる。これが有限インパルス応答hの周波数領域での演算であり、Hは、先述の通りhに適切な0を挿入したものの周波数領域表現である。このように、周波数領域では、有限インパルス応答hの畳み込みは、その周波数領域表現の周波数ごとの単なる乗算となる。信号の周波数領域への変換はFFTによって効率的に実現できるため、計算量が緩和される。
【0009】
周波数領域フィルタの出力Y

を時間領域に変換することで、y

が得られる。前述の式7において、y

は、H

を巡回行列になるように拡張した際に付加された部分であり、入力信号ブロックの両端からの回り込みを含む。そこで、一般的なオーバーラップセーブ法による周波数領域フィルタでは、Y

を時間領域の信号に変換したy

から、yのみを残し、y

が取り除かれる。出力信号ブロックは、y

の分だけ入力信号ブロックよりも短くなるため、入力信号は、前後のブロックに、これに対応したオーバーラップ領域を設けてブロック化される。
【0010】
関連技術として、非特許文献1は、周波数領域フィルタの応答が適応的に制御される適応周波数領域フィルタを開示する。図8は、非特許文献1に記載される適応周波数領域フィルタの例を示す。図8に示される適応周波数領域フィルタ600において、ブロック変換部601は、時間領域入力信号を、周波数領域への変換のため、ある一定の長さのブロックの信号に変換する。すなわち、ブロック変換部601は、時間領域入力信号に対して、シリアル/ブロック変換を実施する。ブロック変換に際して、前後のブロックには、前述のオーバーラップが行われる。
(【0011】以降は省略されています)

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