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公開番号2024109518
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-14
出願番号2023216658
出願日2023-12-22
発明の名称焼結鉱の製造方法
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C22B 1/20 20060101AFI20240806BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】再点火法において、焼結速度向上およびそれを介した生産率向上を可能とする。
【解決手段】最初の点火を行う点火炉1と、該点火炉の下流側に所定の間隔を空けて配置されて再点火を行う再点火炉2とを備え、下方吸引により焼結層4の焼結を進行させるDL式焼結機10を用いて焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、焼結層の表層側から下方吸引される吸引ガスの酸素富化開始は、再点火終了後とし、酸素富化開始から酸素富化終了までの酸素富化時間は30秒以上であり、酸素富化時間において下方吸引される吸引ガスの酸素濃度が30体積%以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
最初の点火を行う点火炉と、該点火炉の下流側に所定の間隔を空けて配置されて再点火を行う再点火炉とを備え、下方吸引により焼結層の焼結を進行させるDL式焼結機を用いて焼結鉱を製造する焼結鉱の製造方法において、
前記焼結層の表層側から下方吸引される吸引ガスの酸素富化開始は、再点火終了後とし、
前記酸素富化開始から酸素富化終了までの酸素富化時間は30秒以上であり、
前記酸素富化時間において下方吸引される前記吸引ガスの酸素濃度が30体積%以上であることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
続きを表示(約 290 文字)【請求項2】
前記酸素富化時間が2分以下であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項3】
前記吸引ガスの酸素濃度が40体積%以下であることを特徴とする請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項4】
前記酸素富化開始は、再点火終了時刻から0秒越え30秒以内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の焼結鉱の製造方法。
【請求項5】
前記酸素富化開始は、再点火終了時刻から0秒超え10秒以内であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の焼結鉱の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼結鉱の製造方法、特に二段階で点火を行う再点火法を用いた焼結鉱の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
現在、高炉製銑法の主原料は、焼結鉱である。焼結鉱は、通常、次のように製造される。まず、原料となる鉄鉱石(粉)、製鋼ダスト等の含鉄雑原料、橄欖岩等のMgO含有副原料、石灰石等のCaO含有副原料、返鉱、燃焼熱によって焼結鉱を焼結(凝結)させる燃料となる炭材(凝結材とも言う)を、所定の割合で混合し、造粒処理する。次に、造粒処理された配合原料(以下、造粒処理後の配合原料を原料造粒物ともいう)を、ホッパより、下方吸引式のドワイトロイド(DL)式焼結機のパレット上に搭載して、焼結層を形成する。形成した焼結層の上部(表面層)から、点火炉(点火器)により焼結層中の炭材に点火する。そして、連続的に移動するパレットの下方から空気を吸引する。吸引により酸素を供給し、焼結層中の炭材の燃焼を上部から下部に向けて進行させて、炭材の燃焼熱により焼結層を順次焼結させる。焼結により得られた焼結部(焼結ケーキ)は、所定の粒度に粉砕、篩分け等により整粒され、高炉の原料である焼結鉱となる。
【0003】
DL式焼結機では、上述のように上層から下層に向けて下方吸引により順次焼結させるため、一般的に、焼結過程において、焼結層の下層部では熱量が十分であっても、上層部では熱量不足となる。下層部では、上層部の焼成の進行により予熱された後に炭材が燃焼し、さらに燃焼終了後も上層部の残熱により徐々に冷却されるのに対し、上層部では、原料中のコークスの燃焼終了後に上層より吸引される低温の空気により急冷されるためである。そのため、熱量不足となる上層部では焼結が十分に進行せず、焼結鉱の強度不足を引き起こし、全体の歩留も悪くなる。
【0004】
特許文献1には、このような上層部の焼結不良の改善を目的として、焼結層を二度点火する技術(再点火法)が開示されている。再点火法を実施する焼結機は、機長方向に所定距離(以下、離間距離という)を離して直列に配置された2基の点火炉(上流側の点火炉と下流側の再点火炉)を備える。
【0005】
上流側の点火炉(点火器)による点火(以下、初点火ともいう)終了後に、上面からの加熱(点火)を行わない区間(以下、大気吸引領域ともいう)を設け、その後、下流側の再点火炉(フレーム加熱装置)による点火(フレーム加熱、以下、再点火ともいう)を行うことにより、焼結層の表層に未着火で残留するコークスの量を減らすとともに、焼結層の高温ゾーン(高温帯)を拡大(焼結層の高温保持時間を延長)することで、歩留を改善する効果を有する。大気吸引領域をパレットが移動するのに要する時間、すなわち、最初の点火(初点火)終了後再点火が実施されるまでの時間を離間時間と定義すると、適正な離間時間は、0.5分~3分であると開示されている。
【0006】
ここで、非特許文献1および非特許文献2には、従来の焼結法(一段装入一段点火法)において下方吸引される大気(吸引ガス)に酸素を富化する方法(酸素富化技術)が検討されており、酸素富化により粉コークスの燃焼速度が速くなり、生産率が向上することが記載されている。具体的には、非特許文献1には、吸引ガス量一定の条件下において下方吸引される大気に酸素を富化させると、焼結排ガス中のCO

濃度およびCO濃度が上昇する結果が開示されている。即ち、吸引ガス量を増加させなくても、酸素富化により単位時間あたりの粉コークス燃焼量が上昇、すなわち、粉コークスの燃焼速度が向上する。
【0007】
非特許文献2には、供給酸素量が一定であれば点火直後に集中して酸素富化することが焼結時間の短縮に有効であり、適正酸素濃度は約28~30vol%、添加時間は約2~3分と推定されることが開示されている。また、吸引する大気中酸素濃度が21%以上であれば、成品歩留がほぼ維持されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2020-2457号公報
【非特許文献】
【0009】
鉄と鋼 Vol.92(2006),p.417-426
鉄と鋼 Vol.87(2001),p.305-312
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
再点火法においては、最初の点火で形成された焼結層の高温帯の上部が再点火により再び加熱され、初点火では未燃で残存したコークスが燃焼する。1)再点火による残存コークス燃焼と、2)初点火で形成された燃焼帯(以下、初点火燃焼帯ともいう)におけるコークス燃焼とにより、層高方向での2箇所において燃焼反応が生じる。焼結機では、燃焼に必要な酸素を含む大気は下方吸引されて、焼結層の層高方向上部から下部へ垂直に流通する。上記2箇所の燃焼反応を促進させるためには、多くの酸素が必要となる。
(【0011】以降は省略されています)

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