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公開番号2024104277
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-02
出願番号2023186376
出願日2023-10-31
発明の名称アウターロータ型モータ
出願人シナノケンシ株式会社
代理人弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
主分類H02K 5/167 20060101AFI20240726BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】焼結含油軸受と共に補油部材を用いても、軸受の機械的強度を失うことなく、しかも小型で油膜切れが生じないアウターロータ型モータを提供する。
【解決手段】焼結含油軸受8に挿入された回転子軸3cを中心に回転子3が回転可能に支持されるアウターロータ型モータMであって、固定子ハウジング6の外周に組み付けられた固定子コア7と径方向に重ならない範囲で焼結含油軸受8の軸方向一端側外周に、当該焼結含油軸受8に潤滑油を補給する多孔質金属製の焼結フェルト9が同心状に嵌め込まれて固定子ハウジング6内に収容されている。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
筒状の固定子ハウジングの外周に固定子コアが組み付けられ当該固定子ハウジングの内周に多孔質焼結金属製の焼結含油軸受が同心状に組み付けられた固定子と、前記焼結含油軸受に挿入された回転子軸を中心に回転子が回転可能に支持されたアウターロータ型モータであって、
前記固定子ハウジングの外周に組み付けられた固定子コアと径方向に重ならない範囲で前記焼結含油軸受の軸方向一端側外周に、当該焼結含油軸受に潤滑油を補給する多孔質焼結金属製の環状の補油部材が同心状に嵌め込まれて前記固定子ハウジング内に収容されていることを特徴とするアウターロータ型モータ。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記固定子ハウジングの前記補油部材が設けられていない軸方向他端側は前記固定子コアが組み付けられた前記固定子ハウジングの外径よりさらに小径に成形されており、前記焼結含油軸受の外周と前記固定子ハウジングの内周との間に空間部が設けられており、前記空間部は軸方向の長さが1.5mm以上であれば径方向に0.05mm以上0.3mm以下の幅が設けられ、軸方向の長さが1.0mm以上であれば径方向に0.05mm以上0.2mm以下の幅が設けられている請求項1記載のアウターロータ型モータ。
【請求項3】
前記補油部材の外周面と前記固定子ハウジングの内周面との隙間の大きさは、径方向に0.05mm以上0.5mm以下であって、軸方向に5.0mm以上である請求項1記載のアウターロータ型モータ。
【請求項4】
前記固定子ハウジングの前記補油部材が設けられていない軸方向他端側は前記固定子コアが組み付けられた前記固定子ハウジングの外径よりさらに小径に成形されており、前記焼結含油軸受の外周と前記固定子ハウジングの内周との間に空間部が設けられており、前記空間部は軸方向の長さが1.5mm以上であれば径方向に0.05mm以上0.3mm以下の幅が設けられ、軸方向の長さが1.0mm以上であれば径方向に0.05mm以上0.2mm以下の幅が設けられており、前記補油部材の外周面と前記固定子ハウジングの内周面との隙間の大きさは、径方向に0.05mm以上0.5mm以下であって、軸方向に5.0mm以上である請求項1記載のアウターロータ型モータ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、例えばシート空調用或いはHVAC(暖房、換気及び空調:Heating, Ventilation, and Air Conditioning)機器などの駆動源に用いられるアウターロータ型モータに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
回転子軸の回転を支持する軸受として転がり軸受より製造コストを抑えられる焼結含油軸受が用いられる。焼結含油軸受は、多孔質焼結金属材(例えば鉄材と銅材を焼き固めたもの)が用いられ、内部に潤滑油を含浸させたものが用いられる。
【0003】
焼結含油軸受を用いる場合、内部に含浸させた潤滑油が不足すると、回転子軸と軸受との摺動部分に存在した油膜がなくなり焼きついたり、振動やノイズが発生したりするおそれがある。また潤滑油の量を増やすとすれば、焼結含油軸受が大型化し、潤滑油の漏れを発生するおそれがある。
【0004】
含油軸受の潤滑油保持量を増加させ、かつ、含油軸受からの潤滑剤の漏れ、及び蒸発を防止するため以下の含油軸受機構が提案されている。略中空円筒形状の潤滑油を含む多孔質材料製の内側軸受と外側軸受を同心状に備え、内側軸受の外周面と外側軸受の内周面との間には、外部と連通し、内側軸受の外周面の一部と外側軸受の内周面の一部とによって形成される複数の連通溝が形成され、 該連通溝は、内側軸受の軸方向一端側の空間と軸方向他端側の空間とを連通するようになっている(特開2009-85355号公報;特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2009-85355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の含油軸受は、中空円筒形状の潤滑油を含む多孔質金属材料製の内側軸受と外側軸受を同心状に備えているため、含油率を増やそうとすると径方向の寸法が大きくなる。また、外側軸受の内周面に軸方向に沿って複数箇所で凹部を形成するため、加工費用が嵩む。
【0007】
これに対して、潤滑剤を含む焼結含油軸受(多孔質金属材:含油率15~30vol%)を内側軸受として用い、補油機構付焼結含油軸受(焼結フェルト:含油率30vol%以上)を外側軸受として同心状に配置したフェルトメタルが使用されている。
焼結含油軸受と焼結フェルトとは組成的には互いに類似している(鉄材と銅材を主とする混合材)が、空間密度は焼結フェルトのほうが焼結含油軸受より疎となるように互いに異なっている。よって、潤滑油を蓄える能力(単位体積当たりの潤滑油含有量)は焼結含油軸受より焼結フェルトのほうが多い。
しかしながら、焼結フェルトは、焼結含油軸受と同様の多孔質焼結金属製ではあるが、機械的な特性としては塑性変形する固いスポンジ状の部材であり、一般の金属材のように応力をかけることができない。
即ち、焼結含油軸受の外周に焼結フェルトを圧入(参考圧入力:20N~50N)し、焼結フェルトを介して焼結含油軸受を固定子ハウジングに圧入(参考圧入力:200N~300N)してモータベース側に固定されるため、例えば焼結フェルトを軸受外径側に圧入してその焼結フェルト外径を固定子ハウジング内径に圧入する構造とすると焼結含油軸受の固定子ハウジングに対する固定力が弱くなるおそれがある。
【0008】
また、回転子軸と軸受の微小な隙間に作用する毛細管現象と回転子軸の回転により発生するポンプ効果によって焼結含油軸受内部の潤滑油は回転子軸と軸受の摺動部分近傍に油膜を形成する。更に焼結含油軸受より潤滑油の方が膨張係数は大きい。そのため、例えば-30℃のような低温となると、軸受より潤滑油の方が収縮するので上記の摺動部分に存在していた潤滑油が不足して回転子軸と焼結含油軸受との間に形成される油膜が油膜切れを生じ、異音(ノイズ)が発生するおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、焼結含油軸受と共に補油部材を用いても、軸受の機械的強度を失うことなく、しかも小型で油膜切れが生じないアウターロータ型モータを提供することにある。
【0010】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
筒状の固定子ハウジングの外周に固定子コアが組み付けられ当該固定子ハウジングの内周に多孔質焼結金属製の焼結含油軸受が同心状に組み付けられた固定子と、前記焼結含油軸受に挿入された回転子軸を中心に回転子が回転可能に支持されたアウターロータ型モータであって、前記固定子ハウジングの外周に組み付けられた固定子コアと径方向に重ならない範囲で前記焼結含油軸受の軸方向一端側外周に、当該焼結含油軸受に潤滑油を補給する多孔質焼結金属製の環状の補油部材が同心状に嵌め込まれて前記固定子ハウジング内に収容されていることを特徴とする。
これにより、回転子軸が焼結含油軸受と摺動しながら回転すると、多孔質焼結金属製の焼結含油軸受内の潤滑油が回転子軸との摺動部分に移動し多孔質焼結金属製の補油部材から潤滑油が焼結含油軸受内に移動することで、回転子軸の焼結含油軸受との摺動部分の油膜切れを防ぐことができる。回転子軸の回転が停止すると、摺動部分の潤滑油が焼結含油軸受内にもどり、焼結含油軸受内の潤滑油が補油部材へ戻る。このように補油部材が焼結含油軸受の潤滑油のバッファとして機能する。
また、補油部材は、焼結含油軸受の軸方向一端側外周に固定子ハウジングの外周に組み付けられた固定子コアと径方向に重ならない範囲で同心状に嵌め込まれているため、焼結含油軸受の外径は必要以上に大きくならず、焼結含油軸受の軸方向一端側に部分的重ね合わせて嵌め込まれているので、焼結含油軸受が軸方向に大型化することもなく、しかも固定子コアの内周側には固定子ハウジングと焼結含油軸受のみが存在するので、固定子コアの中心孔を小径としてモータの小型化を図ること図ることができる。また、固定子コアの固定子ハウジングへの組み付けに際して補油部材が変形したりすることがないので、機械的強度が損なわれることもない。
(【0011】以降は省略されています)

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