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公開番号
2024097104
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-18
出願番号
2021084422
出願日
2021-05-19
発明の名称
ポリ(エチレングリコール)-b-ポリ(4-ナイロン)及びそのナノ粒子
出願人
国立大学法人 筑波大学
代理人
弁理士法人小田島特許事務所
主分類
C08G
69/40 20060101AFI20240710BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】γ-アミノ酪酸(GABA)の新規薬物デリバリー系を提供する。
【解決手段】
ポリ(エチレングリコール)(又はPEG)セグメントとポリ(GABA)(又はNylon 4)セグメントを含むブロックコポリマー、並びに当該ブロックコポリマーのナノ粒子が提供される。当該ナノ粒子は、抑うつの予防又は治療に有用である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
式I:
-(CH
2
CH
2
-O)
m
- (I)
式中、mは2~500の整数である、
で表される反復単位のセグメントと、
式II:
-(NHCH
2
CH
2
CH
2
C(=O))
n
- (II)
式中、nは、5~1000の整数である、
で表される反復単位のセグメントを、含むブロックコポリマー。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
次式IIIa又は式IIIbで表される請求項1のブロックコポリマー。
式IIIa:
A
1
-(CH
2
CH
2
-O)
m1
-L
1
-(NHCH
2
CH
2
CH
2
C(=O))
n1
-W
1
(IIIa)
又は式IIIb:
A
2
-(CH
2
CH
2
-O)
m2
-L
2
-(C(=O)CH
2
CH
2
CH
2
NH)
n2
-W
2
(IIIb)
で表され、各式中、
A
1
及びA
2
は独立して、非置換又は置換C
1
-C
12
アルキルオキシを表し、置換されている場合の置換基は、ホルミル基又は式R
'
R
"
CH-基を表し、ここで、R
'
及びR
"
は独立してC
1
-C
4
アルコキシ又はR
'
とR
"
は一緒になって-OCH
2
CH
2
O-、-O(CH
2
)
3
O-若しくは-O(CH
2
)
4
O-を表し、
L
1
及びL
【請求項3】
請求項1又は2のブロックコポリマーであって、水性媒体中でポリマーのナノ粒子を形成する、前記ブロックコポリマー。
【請求項4】
請求項2のブロックコポリマーであって、
L
1
は、(CH
2
)
p
C(=O)、C(=O)(CH
2
)
q
又はC(=O)(CH
2
)
r
C(=O)を表し、
L
2
は、直接結合、(CH
2
)
s
O又は(CH
2
)
t
NHを表し、
p、q、r、s、及びtは、それぞれ独立して、1~6の整数である、ブロックコポリマー。
【請求項5】
請求項2のブロックコポリマーをギ酸(HCOOH)含有水溶液に溶解するステップと、
前記ポリマーの溶解した溶液を透析膜を介して水に対して透析するステップと、
得られたポリマー懸濁液を超音波ホモジナイザー中で処理して懸濁液中の粒子を分割するステップと、
粒子を分割した分散液を細孔を備えた膜でろ過するステップを含む、ポリマーのナノ粒子の作製方法。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一つに記載のブロックコポリマーを有効成分として含む、抑うつの予防又は治療用組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、γ-アミノ酪酸(GABA)の新規薬物デリバリー系に関し、より具体的には、ポリ(エチレングリコール)(PEG)-b-ポリ(4-ナイロン)のコポリマー並びにその経口又は非経口投与に適するGABA含有ポリマーのナノ粒子に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
薬理学の観点に立つと、γ-アミノ酪酸(GABA)はヒトの幾つかの疾患において主としてシグナル伝達経路及び病理学に関与する脳内の重要な神経伝達物質である。そのため、GABAのデリバリー能を増大することはGABA関連疾患を処置する上で有益であることを意味する(非特許文献1、非特許文献2)。例えば、抑うつ病では、GABAは腸管神経系を介して気分や感情に影響を及ぼし得るとの証拠が増加しつつある。ところで、GABAは低分子量の親水性化合物であることから、経口摂取された後、迅速に全身の循環系に入り、次いで、体内から排泄されるので腸管神経系を標的とすることに限界がある。したがって、胃腸管で持続可能にGABAを放出する新規薬物デリバリー系の開発は、神経疾患(又は障害)の処置にとって旧来のGABAに比べてより有益であろう。
【0003】
本発明者等は、低分子量の作用物質をポリマー化し、さらに当該ポリマーを、所謂、ペグ化してコポリマーとし、さらにポリマーの性質をもつナノ粒子とすることにより、血液循環系をはじめとする、生体内での前記作用物質の滞留性を改善できることを見出し、公表した(例えば、特許文献1、特許文献2、参照。)。特許文献1では、PEG-b-ポリ(アルギニン)とポリアニオン性ポリマーとの組合せ物が水性媒体中でポリマーのナノ粒子を形成でき、特許文献2では、ポリ(L-DOPA)のL-DOPA中の3,4-ヒドロキシル基を低分子アルキルエステル化することで、親水-疎水性ブロックコポリマーとすることによりポリマーのナノ粒子を形成することでき、こうして形成されたナノ粒子は、それぞれ、生体内滞留性を改善するとともに、生体内でアルギニン及びL-DOPAを放出でき、これらの低分子化合物それら自体が有する機能に基づく所期の効果を奏する旨報告されている。
【0004】
仮に、γ-アミノ酪酸(GABA)もアルギニン等と同様にポリマー化、ペグ化、かつ、ペグ化コポリマーをポリマーのナノ粒子とすることができ、さらに、当該ナノ粒子が生体内で遊離のGABAを持続可能に放出できるものであれば、当該技術分野で有益な新規なGABAデリバリー系を提供できるかも知れない。
【0005】
ポリ(γ-アミノ酪酸(GABA))について物質の観点に立つと、ポリGABA(又はナイロン4)は反復単位中に4個の炭素原子を有するポリアミドの一つである。現在のところ、ナイロン4は市場から入手できず、その用途も他のポリアミドファミリー群に比べ限定されている。ナイロンはバイオマスから、又は開環重合により合成できる。 Kamal他は、低分子量開始剤を用いて2-ピロリドンとε-カプロラクタムのバルク開環重合によるナイロン4とナイロン6のコポリマーの合成について報告している(非特許文献3)。しかし、ナイロン4をベースとするブロックコポリマーは今までのところ報告されていない。別の観点に立てば、ナイロン4はポリアミドの同族体であるが、γ-アミノ酪酸(GABA)のポリマーであると考えることができる。したがって、ナイロン4は、加水分解されるとGABAを放出するので、GABAの供給源として有力な候補材料であり得る。
【0006】
しかし、ポリアミドの一般的な性質として、ナイロン4は、ポリマー分子間及びポリマー分子内で強い水素結合性を有し、生物学的環境に適用するためのナノ粒子を調製することが困難である。今までのところ、本発明者が知る限りでは、界面活性剤や安定化剤を用いることなく、ナイロン4をベースとするナノ粒子の作製に成功したことを報告する刊行物の存在を知らない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
WO 2016/167333パンフレット
WO 2020/166473パンフレット
【非特許文献】
【0008】
岡田・他,Nippon Shokuhin Kagaku Kaishi Vol. No. 8, 596-603 (2000)
Ngo, et. al., Molecules 24.15 (2019): 2678
Kamal, et al,Fibers and Polymers 15.5 (2014):899-907
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、γ-アミノ酪酸(GABA)の新規薬物デリバリー系を提供することを目的とし、具体的には、経口又は非経口投与に適するGABA含有ポリマーのナノ粒子を提供することを目的として鋭意研究を重ねた。本発明者は、所謂、トップ-ダウン法(top-down method:超音波、マイクロフルイダイザーの使用)により得ることができた、ポリマー形状のGABA(ナイロン4)と親水性ポリマーであるポリ(エチレングリコール)(以下、また、PEGと略記する場合もある)の間を、アミド結合を介して連結した新規ブロックコポリマーである、ポリ(エチレングリコール)-b-ナイロン4(以下、PEG-b-Nylon4ともいう。)は、意外なことに、ポリマーのナノ粒子(Nano
BABA
と略記する場合もある)を効率よく形成できることを見出した。理論により、本発明の解釈に影響を受けるものでないが、PEG-b-Nylon 4は、特許文献2に開示されるブロックコポリマーのように、親水-疎水性ブロックコポリマーの範疇に入らないものの、GABAそれ自体に何らの修飾を行わなくとも、PEGセグメントの存在が、ナイロン4における水素結合を介する相互作用を抑制し、水性環境下で大きな粒子の形成及び凝集を防ぐことができ、こうして、経口又非経口経路による投与に適する安定なナノ粒子を形成することができた、ものと理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明は、主たる態様として次のものを挙げることができる
〔態様1〕式I:
-(CH
2
CH
2
-O)
m
- (I)
式中、mは2~500、好ましくは5~300,より好ましくは10~200の整数である、
で表される反復単位のセグメントと、
式II:
-(NHCH
2
CH
2
CH
2
C(=O))
n
- (II)
式中、nは、5~1000,好ましくは10~600,より好ましくは15~400の整数である、
で表される反復単位のセグメントを、含むブロックコポリマー。
〔態様2〕次式IIIa又は式IIIbで表される態様1のブロックコポリマー。
式IIIa:
A
1
-(CH
2
CH
2
-O)
m1
-L
1
-(NHCH
2
CH
2
CH
2
C(=O))
n1
-W
1
(IIIa)
又は式IIIb:
A
2
-(CH
2
CH
2
-O)
m2
-L
2
-(C(=O)CH
2
CH
2
CH
2
NH)
n2
-W
2
(IIIb)
で表され、各式中、
A
1
及びA
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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