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公開番号2024162854
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023078790
出願日2023-05-11
発明の名称電気化学活性構造体、電気化学エネルギー変換方法、及び電気化学活性を有する膜小胞の製造方法
出願人国立大学法人 筑波大学
代理人デロイトトーマツ弁理士法人
主分類C12N 1/20 20060101AFI20241114BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】電気化学的なエネルギー変換を担う新たな素材を提供する。
【解決方法】生物由来細胞を基原とする膜小胞であって、前記膜小胞の基原となった生物由来細胞で産生された酵素を包含してなる該膜小胞と、電子を授受するための電極とを含み、前記酵素により基質物質が物質的に変換されるに応じて前記膜小胞から前記電極に電子が放出されるか、又は、前記電極からの電子が前記膜小胞に受領されるに応じて前記酵素により基質物質が物質的に変換されるようにした、電気化学活性構造体である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
生物由来細胞を基原とする膜小胞であって、前記膜小胞の基原となった生物由来細胞で産生された酵素を包含してなる該膜小胞と、電子を授受するための電極とを含み、前記酵素により基質物質が物質的に変換されるに応じて前記膜小胞から前記電極に電子が放出されるか、又は、前記電極からの電子が前記膜小胞に受領されるに応じて前記酵素により基質物質が物質的に変換されるようにした、電気化学活性構造体。
続きを表示(約 830 文字)【請求項2】
前記膜小胞は微生物を基原とするものである、請求項1記載の電気化学活性構造体。
【請求項3】
前記膜小胞はグラム陰性菌を基原とするものであり、前記酵素は前記グラム陰性菌の内膜への局在性を有するものである、請求項1記載の電気化学活性構造体。
【請求項4】
生物由来細胞を基原とする膜小胞であって、前記膜小胞の基原となった生物由来細胞で産生された酵素を包含してなる該膜小胞と、電子を授受するための電極とを準備し、前記酵素により基質物質が物質的に変換されるに応じて前記膜小胞から前記電極に電子が放出されるか、又は、前記電極からの電子が前記膜小胞に受領されるに応じて前記酵素により基質物質が物質的に変換されるようにする、電気化学エネルギー変換方法。
【請求項5】
前記膜小胞は微生物を基原とするものである、請求項4記載の電気化学エネルギー変換方法。
【請求項6】
前記膜小胞はグラム陰性菌を基原とするものであり、前記酵素は前記グラム陰性菌の内膜への局在性を有するものである、請求項4記載の電気化学エネルギー変換方法。
【請求項7】
所定の原料物質から電気エネルギーを生じさせるために用いる、請求項4記載の電気化学エネルギー変換方法。
【請求項8】
電気エネルギーを利用して所定の物質を生産するために用いる、請求項4記載の電気化学エネルギー変換方法。
【請求項9】
所定の物質を検出するために用いる、請求項4記載の電気化学エネルギー変換方法。
【請求項10】
電気化学活性のための酵素を産生する微生物を培養し、前記培養を経て得られた培養調製物から前記微生物の細胞膜を含む膜小胞を調製して、前記膜小胞に前記酵素が包含されてなる該膜小胞を得る、電気化学活性を有する膜小胞の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、生物由来の膜小胞を利用した電気化学活性素材に関する。
続きを表示(約 1,200 文字)【背景技術】
【0002】
環境に優しい持続可能なエネルギー源が求められている現代では、化学エネルギーから電気エネルギーへの変換を担う触媒として生物由来の物質の利用が試みられている。そして、例えば、燃料電池、電気化学センサー、電気合成反応などへの応用が期待されている。
【0003】
これに関連した技術の開発も盛んであり、例えば、特許文献1には、酵素を触媒として酸化還元反応が進行することにより起電する燃料電池が開示されており、その燃料電池においては、固定化膜を介して電極基材に酵素を固定し、その固定化膜の厚みより高い凸部を有する集電体を備えることにより、電極からの集電性を向上させ、ひいては燃料電池の高出力化を実現することができるものとされている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、酵素を利用した燃料電池が開示されており、その燃料電池においては、人工脂質膜で構成されたリポソームに酵素を封入することで、使用中の環境変化などによる酵素の溶出や性質変化のおそれがないものとされている。また、燃料電池の電極に固定化する場合にも、より簡単に固定化できるものとされている。
【0005】
また、例えば、特許文献3には、電気発生性の微生物をアノード表面領域に配置してなる燃料電池が開示されており、この微生物燃料電池によれば、電気発生性の微生物が互いに間隔を開けた複数のコロニーの形態で配置され、所定の高さを有する柱構造を形成しているので、物質移動が向上されて、結果として微生物燃料電池の出力密度が向上するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2010-92667号公報
特開2009-158458号公報
特開2008-288198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、酵素そのものを利用する場合、酵素の単離精製に手間や費用がかかることや、使用中の環境変化に対する耐性に乏しいことなどが課題であった。
【0008】
また、酵素をリポソームに封入して利用する場合、酵素産生細胞の培養、酵素の単離精製、脂質膜の形成、脂質膜への酵素の封入というように、複数の作業が必要であり、調製の煩雑さの側面がなお課題であった。
【0009】
一方、微生物そのものを利用した電池や電気化学センサーも既存技術として存在しているが、生きた微生物を利用するため出力が不安定であり、また、ウエラブルセンサーなどでは生きた微生物を装着するという心理的な抵抗も否めないという側面があった。
【0010】
上記背景に鑑み、本発明の目的は、電気化学的なエネルギー変換を担う新たな素材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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