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公開番号2024165179
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023081103
出願日2023-05-16
発明の名称メタン発酵装置、及びメタン発酵方法
出願人オリエンタル白石株式会社,国立大学法人 筑波大学
代理人個人,個人
主分類C02F 11/04 20060101AFI20241121BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】発酵装置の小型化、及びバイオガスの有用性向上が図られたメタン発酵装置、及びメタン発酵方法を提供する。
【解決手段】メタン発酵装置1は、発酵原料のうち第1発酵原料を収容する第1収容部と、前記第1収容部よりも上層に設けられ、発酵原料のうち第2発酵原料を収容し、前記第1収容部に収容された前記第1発酵原料が供給されてバイオガスを生成する第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部との間に設けられ、前記第2収容部に供給された前記第1発酵原料のうち、少なくとも一部を前記第1収容部へ落下させることにより前記第2発酵原料と分離する分離機構と、を備え、前記第1収容部は、前記第2収容部において生成された前記バイオガスが供給されることを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
発酵原料のうち第1発酵原料を収容する第1収容部と、
前記第1収容部よりも上層に設けられ、発酵原料のうち第2発酵原料を収容し、前記第1収容部に収容された前記第1発酵原料が供給されてバイオガスを生成する第2収容部と、
前記第1収容部と前記第2収容部との間に設けられ、前記第2収容部に供給された前記第1発酵原料のうち、少なくとも一部を前記第1収容部へ落下させることにより前記第2発酵原料と分離する分離機構と、
を備え、
前記第1収容部は、前記第2収容部において生成された前記バイオガスが供給されること
を特徴とするメタン発酵装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
少なくとも酸素を含む気体を前記第2収容部に供給される前記第1発酵原料に吹き込むことにより、酸素ナノバブル水を生成する気泡発生装置をさらに備え、
前記第2収容部は、前記気泡発生装置により生成された前記酸素ナノバブル水が供給されること
を特徴とする請求項1に記載のメタン発酵装置。
【請求項3】
前記第1収容部又は前記第2収容部にアルカリ廃水を供給するアルカリ廃水供給装置をさらに備えること
を特徴とする請求項1又は2に記載のメタン発酵装置。
【請求項4】
少なくとも酸素を含む気体を前記第1収容部又は前記第2収容部に供給される前記アルカリ廃水に吹き込むことにより、酸素ナノバブル水を生成する気泡発生装置をさらに備え、
前記第1収容部又は前記第2収容部は、前記気泡発生装置により生成された前記酸素ナノバブル水が供給されること
を特徴とする請求項3に記載のメタン発酵装置。
【請求項5】
前記第1収容部は、前記第1収容部に収容された前記第1発酵原料から消化液を生成し、
前記第2収容部は、前記第1収容部において生成された前記消化液が供給され、
前記分離機構は、前記第2収容部に供給された前記消化液のうち、少なくとも一部を前記第1収容部へ流下させることにより前記第2発酵原料と分離すること
を特徴とする請求項1又は2に記載のメタン発酵装置。
【請求項6】
少なくとも酸素を含む気体を前記第2収容部に供給される前記消化液に吹き込むことにより、酸素ナノバブル水を生成する気泡発生装置をさらに備え、
前記第2収容部は、前記気泡発生装置により生成された前記酸素ナノバブル水が供給されること
を特徴とする請求項5に記載のメタン発酵装置。
【請求項7】
発酵原料のうち第1発酵原料を収容する第1収容部に収容された前記第1発酵原料を、前記第1収容部よりも上層に設けられ、前記発酵原料のうち第2発酵原料を収容する第2収容部に供給してバイオガスを生成する原料供給工程と、
前記原料供給工程において前記第2収容部に供給された前記第1発酵原料のうち、少なくとも一部を前記第1収容部へ落下させることにより前記第2発酵原料と分離する分離工程と、
前記原料供給工程において生成されたバイオガスを前記第1収容部に供給するバイオガス供給工程と、
を備えること
を特徴とするメタン発酵方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、農産残さや畜産糞尿等のバイオマス資源を発酵させるために用いるメタン発酵装置、及びメタン発酵方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、バイオマス資源をエネルギー資源として有効活用するための方法として、メタン発酵技術が研究されている。日本は、家畜用飼料として年4,000万トンの穀物を諸外国から輸入しており、日本国土に約0.8億トン/年(農水省、2016年)の畜産系廃棄物が残留物として生じている。これら有機系廃棄物が有効に再資源化されないまま焼却や埋立てなどによって処理されることで、窒素循環の破綻の一因となり、河川や湖沼、海洋等の環境汚染を引き起こすおそれがある。そのため、バイオマス資源の有効活用は、環境保全の面において極めて重要である。
【0003】
バイオマス資源をメタン発酵させることで、燃料として活用可能なバイオガスと、営農に活用可能な堆肥及び液肥とを回収することができる。私たちの生活に欠かせないエネルギーである化石燃料、及び農作物の生育に必須な栄養素であるリン資源は、いずれも枯渇性資源である。国際情勢によってはこれらの価格が高騰し、営農コストの大幅増など、国民生活や経済産業活動全般へ悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、廃棄物からエネルギー資源を回収し、有効活用することは、社会経済安定化の面においても重要である。
【0004】
従来のメタン発酵技術によれば、バイオガスは、主成分としてメタンが約60%、二酸化炭素が40%、その他微量成分として硫化水素やアンモニア等の有害ガスが含まれる。そのため、有毒ガスを除去する装置が必要とされるため、メタン発酵装置が大型化する傾向にあり、メタン発酵装置を設置する立地面積の確保の困難さ等によって、畜産廃棄物のバイオマスエネルギープラントの普及が制限されてきた。そのため、メタン発酵技術の普及に向けては、メタン発酵装置を構成する各種装置の小型化が求められる。
【0005】
また、メタン発酵には、発酵後の消化液について放流基準を満たすように処理する施設が必要とされる。その処理施設の設備投資及びランニングコストは、メタン発酵装置の設備投資及びランニングコストと比較して2~3倍ほど高く、コスト全体の約50%~70%を占めるため、畜産廃棄物のバイオマスエネルギープラントの普及に向けてはコストの改善も課題となる。コスト改善の一手段として、発酵原料である有機系廃棄物からより多くのエネルギー資源を回収し、生成するバイオガスを高純度化する等有用性を高めることで、発酵残さの処理量を低減する方法が挙げられる。
【0006】
特許文献1には、密閉されたメタン発酵槽と、メタン発酵槽から生じるバイオガス及び発酵液(消化液)を貯留する発酵液貯留槽と、貯留槽から発酵槽へ発酵液を循環させるポンプ1台と、を備える発酵装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2006-167608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された発酵装置によれば、少ない動力でメタン発酵槽内に大きな攪拌効果が得られ、メタン発酵が効果的に促進される旨が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された発酵装置によれば、湿式メタン発酵を採用しているため、基質の流動性を確保するためにメタン発酵の必要量に対して余分な水分を収容できる発酵槽が必要となり、発酵装置の小型化を図ることができない問題がある。また、生成するバイオガスの有用性向上については開示されていない。
【0009】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、発酵装置の小型化、及びバイオガスの有用性向上が図られたメタン発酵装置、及びメタン発酵方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明におけるメタン発酵装置は、発酵原料のうち第1発酵原料を収容する第1収容部と、前記第1収容部よりも上層に設けられ、発酵原料のうち第2発酵原料を収容し、前記第1収容部に収容された前記第1発酵原料が供給されてバイオガスを生成する第2収容部と、前記第1収容部と前記第2収容部との間に設けられ、前記第2収容部に供給された前記第1発酵原料のうち、少なくとも一部を前記第1収容部へ落下させることにより前記第2発酵原料と分離する分離機構と、を備え、前記第1収容部は、前記第2収容部において生成された前記バイオガスが供給されることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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